偏頭痛治療薬の自己注射が保険適用へ:自宅で痛みを緩和

群発頭痛片頭痛の治療薬トリプタン製剤で、即効性のある自己注射の保険適用が認められた。激しい頭痛で注射の治療を受けるには、これまでは医療機関を受診しなければならなかった。自己注射によって、患者が在宅で速やかに痛みを緩和できるようになる。

保険適用になったのは、1回分の薬剤(一般名・スマトリプタンコハク酸塩)が入ったペン型注射器で、グラクソ・スミスクラインが発売した。太ももの外側などに押し当てて注射する。すでに世界30カ国以上で販売されている。(毎日.jp)

偏頭痛について
こめかみから目のあたりにかけて、脈打つような痛みが始まり、次第に日常生活が妨げられるほどの痛みに達します。嘔吐をともなうこともあり、頭痛は数時間におよびます。頭の片側だけでなく、両側に怒るケースも珍しくありません。

こうした頭痛発作がつき1〜2回から週1回程度の割合で、繰り返し起こります。頭痛発作が起こる前に、視界に閃光が現れたり、手足がしびれるなどの前兆症状がみられることもあります。

痛みは、頭の血管を取り巻いている神経が感知するものです。この血管が何らかの影響で緊張して一度収縮した後、緊張が緩んで血管が拡張し、血流が増えたときに痛みが生じます。
こうした血管の動きは、疲労やストレスなどによって誘発されます。

抗がん物質を作る植物の耐性を解明:副作用の軽減に応用も

大腸がんや肺がんなどに使われる抗がん剤イリノテカンの原料になる猛毒カンプトテシンをもつ植物が、自らは中毒を起こさない仕組みを千葉大学の斉藤和季教授らが突き止めた。
この仕組みを応用すれば、薬を大量生産したり、副作用を抑えたりする方法が開発できる可能性がある。研究成果は米科学アカデミー紀要(該当記事へ直リンク)に発表された。

イリノテカンは、中国原産の落葉樹である喜樹や南西諸島のクサミズキの葉からカンプトテシンを抽出、精製して製造している。薬の大量生産には酵母や大腸菌の遺伝子に原料の遺伝子を組み込んでつくらせる方法がある。しかし、カンプトテシンができるとその毒で、酵母や大腸菌が死んでしまう。

斉藤教授らは、カンプトテシンをつくるチャボイナモリという植物では、酵素の遺伝子に、特殊な変異があることを見つけた。喜樹の酵素にも同じ変異があった。同じ変異を酵母の酵素に人為的に起こすと、カンプトテシンがあっても酵母は増え続けた。そこで、この方法を応用すれば、イリノテカンを短期間に大量生産できる可能性があるという。(asahi.com)

大腸がん
その形態によって腺がんと表在性のがんに分けられます。大腸がんの90〜95%を占めるのは、粘膜層の腸腺に発生する腺がんです。これは、大腸の内側にできるポリープ(良性腫瘍)の一部ががん化し、腸壁の内部まで浸潤していくものです。

このタイプの大腸がんは比較的発見が容易です。またポリープががんに変化するまでには何年もかかるため、ポリープのうちに切除すれば、がんを予防することができます。

これに対し、もう一方の表在性のがんは、初めから粘膜表面にそってがん病巣が広がります。そして、腸壁の内部に広がったり腸の外側へ飛び出したりしないため、通常の造影剤を用いたエックス線撮影などでは発見しにくく、進展するまで気づかないこともあります。しかし近年、大腸がんの検査技術は急速に進歩しており、初期がんでも発見率が上昇しています。

中皮腫を発症前に早期診断:順天堂大チーム

アスベスト(石綿)による中皮腫を発症前に診断する可能性を探るため、順天堂大チームが独自の検査法により実施している大規模検診で、発症が濃厚に疑われる人が見つかった。
確定診断する症例が増えれば、これまで難しいとされてきた早期診断の手法として定着すると期待される。

研究チームの樋野興夫教授(病理学)らは、中皮腫の患者の血液中で濃度が高まる特殊なたんぱく質を発見し、発症前の診断に利用する検査法を開発した。
有効性を確かめるため昨年2月から、アスベストに関連する建設関係の仕事に携わった経験がある約3万人を対象に、研究型検診を5年計画で始めた。

これまでの検診で、たんぱく質の量が多かった80人には、同大学の専門外来での受診を呼びかけ、たんぱく質の変動を追跡調査している。その結果、一部の患者で、検出量が半年で4倍に急増していることが判明。発症が濃厚とみられる。(YOMIURI ONLINE)

中皮腫について
アスベスト(石綿)を扱う仕事に長年従事した人に発病しやすいといわれていましたが、石綿関連工場の周辺に住んでいた人にも発症したことがわかり、社会問題になっています。

中皮腫の症状には、息切れや胸痛、疲労感などがみられますが、診断をつけるのは難しく、胸部エックス線検査で胸水と胸膜肥厚がある場合にこの病気を疑います。

正確に診断がつけば、手術で腫瘍と周辺組織を切除します。併せて抗がん剤や放射線療法を行うことがあります。ただ、高齢になってから発症するケースがほとんどで、また、発見されたときはかなり進行していることが多いため、手術が困難なうえ、抗がん剤や放射線治療も、効果はあまり期待できません。

メタボ該当者と予備軍は計1940万人:国民健康・栄養調査

2006年国民健康・栄養調査によると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の「該当者」と予備軍は計約1940万人(推計)だった。40―74歳では男性のほぼ2人に1人、女性の5人に1人がメタボ該当者か予備軍だった。04年は約1960万人、05年は約1900万人。

国民健康・栄養調査のメタボ判定は4月から始まった特定健康診査と異なり、空腹時の血糖値を測定できないため、簡便なもの。腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、血中脂質、血圧、血糖のうち、2つが異常値なら「該当者」、1つなら「予備軍」とした。(NIKKEI NET)

メタボリックシンドローム
内臓脂肪が過剰にたまってお腹周りが大きくなり、この内臓脂肪から分泌される様々な生活活性物質(アディポサイトカイン)に以上が生じることや、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用が上手くいかなくなることによって、高血圧、脂質代謝異常、高血糖などが発生する病気です。さらに高尿酸血症、脂肪肝などの発病にも関係します。

メタボリックシンドロームを放置すると、これらが動脈硬化を進行させ、脳血管障害や心筋梗塞などを発病させます。脳血管障害、心筋梗塞では、場合によっては発病後数時間あるいは数日のうちに亡くなるということも少なくなく、日本人の死因の第2位、3位を占めるほどになっています。

糖尿病の疑いがある人は1870万人:国民健康・栄養調査

全国で糖尿病の疑いがある人は推計1870万人に上り、4年前の前回調査を250万人も上回ったことが、厚生労働省が30日公表した「国民健康・栄養調査」でわかった。

全体の6割近くが運動をしていないことや、午後9時以降に夕食を取っている人が男性で2割近くに上ることも判明。糖尿病をはじめとする生活習慣病が増加している背景に、運動不足や食生活の乱れがあることを浮き彫りにした。

調査は2006年11月、1歳以上の1万8000人を対象に実施し、糖尿病については20歳以上の男女4296人の血液検査データをもとに推計した。
それによると、糖尿病が強く疑われる人が820万人で、可能性が否定できない1050万人を合わせると1870万人に上った。前回02年は1620万人、前々回1997年は1370万人で、毎回250万人のハイペースで増えていることがわかった。

夕食の開始時間が午後9時を過ぎる人は男性19%、女性7%で20〜40代男性では30%を超えた。厚労省は「運動量が少ないわりにカロリー摂取が多く、不規則な食生活が糖尿病増加に影響しているのでは」と分析している。(YOMIURI ONLINE)

糖尿病について
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

4月のトピックスのまとめ

新型インフルエンザに鼻から予防ワクチン
実用化できれば注射器が不要になるうえ、様々な系統のウイルスに対しても効果が期待できる。マウスを使った実験で、2系統の鳥インフルエンザウイルスへの感染予防効果を確認した。

後期高齢者医療制度で人間ドックが自己負担に
新制度を運営する各都道府県の広域連合では、人間ドックや脳ドックに対する費用補助を実施しているところはないという。

乳製品を多く食べる男性は前立腺がんの発症率が1.6倍に?
乳製品は骨粗しょう症や高血圧、大腸がんの予防に有効だとする報告も多く、研究班は「乳製品の摂取を控えた方がいいかどうかは総合的な判断が必要。

前立腺がんのPSA検診を推奨:泌尿器科学会
50歳以上の男性にはPSA検診の利益と不利益の情報を提供した上で実施を推奨する指針を日本泌尿器科学会が発表した。

がんワクチンの臨床試験を拡大へ:東京大医科学研究所病院
がんワクチンは、がん細胞特有の目印物質(抗原)を複数注射し、がん細胞を攻撃する免疫力を増強する治療法で、副作用が少ないのが特徴。

緑内障の重症患者の6割が自動車を運転
公共交通機関が不便な地域では、物損事故を繰り返してもやむなく運転するケースもあるという。全国的にみても自家用車に頼る地域では同様の傾向があるとみられる。

中皮腫で死亡した患者の15%は誤診の可能性
中皮腫は診断が難しい病気とされるが、ほとんどは医師の知識不足が原因。誤診の場合、本来は必要のない劇薬治療や投薬代で患者に大きな負担を強いた可能性がある。

アスベスト(石綿)による労災認定が2年連続増加
集計によると、疾病別の内訳は肺がん100人、中皮腫40人、石綿肺26人など。このほか労災を申請中の人は88人、準備中の人は93人で、認定者数の増加が今後も続くとみられる。

iPS細胞を使いパーキンソン病の症状を改善:ラット実験で成功
米マサチューセッツ工科大のルドルフ・ヤニッシュ教授らのグループが、マウスの皮膚からiPS細胞を作り、神経伝達物質のドーパミンを分泌する細胞に分化させた。

ニガウリ(ゴーヤ)から糖尿病治療に有効な活性化合成分
ヒト細胞やマウスで実験した結果、ニガウリから抽出した数種類の化合物に、インスリンのように血糖値を下げる働きがあった。

レタスからアレルギー反応抑制成分:胃潰瘍治療や老化防止も
この成分は「チオレドキシン」というタンパク質。炎症反応を抑えてぜんそくやアトピー性皮膚炎の症状を和らげる効果がある。また胃潰瘍治療や老化防止にも効果が期待できるとして、京大が臨床試験を目指している。

筋委縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子を特定
研究チームは、遺伝性患者の中で、神経細胞に「TDP43」と呼ばれるたんぱく質が蓄積するごく少数の患者に着目。このTDP43を作り出す遺伝子がALSの原因であることを突き止めた。

慶応大病院が「予防医療センター」の新設を計画
心臓外科や脳外科のように臓器別に分かれている各診療科から、がんや心臓病、認知症など病気のターゲットごとに必要な人材を集める「診療クラスター」という横断的組織を構築。

多発性硬化症治療薬で症状悪化、副作用:37%が治療中止
この薬の使用後、手足のまひが急激に進行して歩けなくなるなどの患者が7人いた、との報告があったため、厚労省研究班は全国977医療機関に緊急調査を実施した。

飲むワクチンで花粉症患者の症状が改善
花粉症を引き起こすたんぱく質をスギ花粉から取り出し、弱毒化して錠剤として飲む方法で、花粉症患者8割以上の症状が改善した。

強度不足でバルーンカテーテルを自主回収へ:ニプロ
医療機器「バルーンカテーテル」の強度が不十分で、空気が血管内に混入する恐れがあるとして、「サイドキック」「ギムレット」という2製品計5680個を自主回収すると発表。

オーダーメード医療の実現へ向け、日米が共同研究へ
日米でトップの研究機関が、こうした共同研究を行うのは初めて。互いの能力や資源を効率的に利用した方が研究に無駄がなく、治療の標準化も図れると判断した。

ムコ多糖症の治療薬「ナグラザイム」が発売:アンジェスMG
ナグラザイムは、米医薬品メーカー、バイオマリン・ファーマシューティカルが開発したムコ多糖症VI型治療薬。ムコ多糖症VI型患者で欠損している酵素を外部から補うために開発された。

体内吸収型のステントを発売へ:閉塞性動脈硬化症などを対象
狭まった血管に入れて広がりを保持する「ステント」という医療器具を、体内で分解・吸収される製品とすることに、京都のメーカーが成功した。

統合失調症の発症に関与するタンパク質を発見
このタンパク質の働きを抑える物質が見つかれば、統合失調症などの治療薬に使える可能性があるといい、アステラス製薬が研究を進めている。

レタスからアレルギー反応抑制成分:胃潰瘍治療や老化防止も

レタスの葉に含まれる葉緑体に、アレルギー反応を抑える薬剤成分をつくらせることに、京都大奈良先端科学技術大学院大の研究チームが成功した。
植物を工場として利用し、安全で安価に薬品を製造する手法につながる成果。将来は“食べるアレルギー薬”が登場する可能性もありそうだ。

この成分は「チオレドキシン」というタンパク質。炎症反応を抑えてぜんそくやアトピー性皮膚炎の症状を和らげる効果がある。また胃潰瘍治療や老化防止にも効果が期待できるとして、京大が臨床試験を目指している。チームはタンパク質の貯蔵能力が高い葉緑体の遺伝子を組み換え、効率的にタンパク質を合成するよう工夫したという。(shikoku.news)

アトピー性皮膚炎について
花粉やほこり、ダニ、特定の成分などに過敏に反応し、湿疹にも見える皮膚炎が起こる病気です。アトピー体質という特異的な体質の人に起きるもので、遺伝性が強いといわれています。特に成人になってから発症するケースが増加する傾向にあります。

最近の住環境は、ダニが繁殖しやすく、それらがアレルギー症状の原因物質(アレルゲン)となっていると考えられています。

年代によって症状の現れ方は異なりますが、思春期以降は、首のまわりが黒ずみ、皮膚が苔癬化(厚ぼったく、きめが荒い状態)して、強いかゆみを訴えます。

顔面に紅班が生じるケースもあり、角質が剥がれ落ちてしまうこともあります。
季節によって症状の重さは変化します。通常は夏季に軽減し、冬季は乾燥して悪化します。

筋委縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子を特定

運動神経が衰え、全身の筋肉が徐々に麻痺する難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の原因が、細胞の核外にたまるたんぱく質を作り出す遺伝子であることが、新潟大学脳研究所の研究でわかった。ALS患者の大半を占める非遺伝性の患者の治療にもつながることが期待される。26日の米国神経学会誌で公表された。

同研究所の説明では、ALS患者の約1割が遺伝性で、多くは全身の細胞にある遺伝子(SOD1)が変異している。これまでは、これらALS1と呼ばれる患者の研究が中心だったが、約9割を占める非遺伝性の患者は組織が異なるため研究が進まず、その治療方法も課題となっていた。

同大の研究チームは、遺伝性患者の中で、神経細胞に「TDP43」と呼ばれるたんぱく質が蓄積するごく少数の患者に着目。このTDP43を作り出す遺伝子がALSの原因であることを突き止めた。TDP43が蓄積することで神経がなくなる引き金になることもわかった。

非遺伝性の患者の多くはTDP43がかたまって蓄積しているため、こうした患者の治療にも道が開けたといえそうだ。研究を進めた小野寺理准教授は「TDP43がなぜ蓄積して悪さをするのかのメカニズム、たまらないようにするにはどうすればいいかなど、さらに研究を進め、治療に役立てたい」と話している。(YOMIURI ONLINE)

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは?
運動神経細胞の死滅や損傷によって起こる病気(運動ニューロン病)の一つです。主に40〜50歳以降にみられ、手足やのど、舌などの筋肉が次第にやせて、力が出なくなります。

最初は手指が動かしにくく、ひじから先の筋肉がやせてきます。筋肉が衰えると、不規則にピクピク動く症状(筋線維束攣縮)がみられるようになります。のどの筋肉がやせると、話しにくい、飲み込みにくいといった症状が現れます。
症状は進行し、平均2〜3年で呼吸障害に至り、人工呼吸器が必要になります。ただ、感覚や知能は末期まで保たれるのが普通です。

現在、治療法は確立されていません。病気の進行を遅らせるリルゾールの服用で、生存期間を延長させることが可能な場合があります。対症療法としては、痛みには鎮痛薬や適度なリハビリテーションが、不安や不眠には抗うつ薬や睡眠薬が用いられます。