痛風リスク26倍の遺伝子を発見:防衛医科大ら

激しい関節痛を伴う生活習慣病、痛風の主要な原因となる遺伝子の変異を、防衛医科大東京薬科大など11機関のチームが突きとめた。患者の8割がこの変異を持ち、ない人に比べて26倍痛風になりやすい変異もあった。個人差に応じた予防や治療法の開発につながるという。4日付の米科学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン電子版に掲載される。

チームが見つけたのは、腎臓や腸管から尿酸を体外へ排出する働きをもつと考えられる「ABCG2」という遺伝子。この遺伝子の配列のうち、尿酸が排出されにくくなる変異を5カ所突きとめた。

痛風患者を含む尿酸値の高い人と正常値の人計1千人以上の男性を対象に、変異の様子を調査。五つの変異のうち重要な変異は2カ所で、患者の8割がどちらかの変異を持っていた。変異の組み合わせによって、尿酸の排出機能が4分の1以下に減る患者が1割おり、全く変異を持たない人よりも26倍痛風になりやすいことも分かった。(asahi.com)

痛風
血液中に尿酸が増す病気で、激しい関節痛が特徴です。患部は赤く腫れ、圧痛もあります。治療せずにそのまま放置していると、心臓や血管障害を引き起こしたり、尿路結石になったりする頻度が非常に高くなります。

治療の目的は疼痛対策ではなく、続発しやすい心臓障害、脳障害、腎臓障害の予防です。痛みが起こるような痛風は、これらの障害のリスクがあるということです。

ロタウイルス感染の予防ワクチン「ロタリックス」を承認申請へ

グラクソスミスクラインは幼児の胃腸炎を引き起こすロタウイルスの感染を予防するワクチンを年内にも日本で承認申請する。実用化すれば同ウイルス向けでは日本初のワクチンとなる。日本では感染症の対策に治療薬の普及が先行しているが、新型インフルエンザの流行でワクチンの重要性が見直されている。

年内にも承認申請を目指すのは「ロタリックス」。幼児が感染すると激しい下痢や脱水症状を起こすロタウイルスへの感染を予防する。世界100カ国以上で承認を受けている。日本では年内に投入する子宮頸(けい)がん向けとともに同社の主力ワクチン。(NIKKEI.net)

ロタウイルスと感染性胃腸炎
10歳以下の小児に多く見られる感染性胃腸炎は、病原性大腸菌やサルモネラなどの細菌、それにロタウイルスやノロウイルスなどのウイルスによって引き起こされます。症状は原因菌・ウイルスによって多少の違いはあるものの、発熱、下痢(水様便、血便など)、腹痛、悪心、嘔吐などがその代表です。

近年は冬になると、ロタウイルスによる乳幼児冬季白色下痢症が多く発生するようになっています。これらの病原体のほとんどが、食べ物や飲み水などを介した経口感染で体内に侵入しますので、母親から離乳食のスプーンや、口移しで食べ物を与える場合には注意が必要です。

初の国産インフル治療薬「ペラミビル」が誕生へ

塩野義製薬は4日、開発中のインフルエンザ治療薬「ペラミビル」について厚生労働省に成人向け製造販売の承認申請を行ったと発表した。ペラミビルは季節性インフルエンザと同様、新型インフルエンザに対してもタミフルとほぼ同等の効果が見込める。国の審査を経て、来年にも初の国産インフルエンザ治療薬が誕生する見通しだ。

ペラミビルは点滴薬で、米バイオクリスト・ファーマシューティカルズ社から導入、塩野義製薬が国内での独占的開発・販売権を取得している。タミフル(経口薬)やリレンザ(吸入薬)の処方が困難な重症入院患者らに向いており、治療の選択肢を広げることが可能になる。静脈注射で投与するため胃腸への影響が少なく、回数も1度で済むのが特長。(jiji.com)

新薬開発の成功確立は2万分の1
新薬を開発するには、基礎研究(2〜3年)の段階でまず化合物を組み合わせて薬の「タネ」を探します。そして治験の前段階である非臨床試験(3〜5年)において、動物による試験で安全性を確かめます。

動物での安全が確認されれば、いよいよ人間による臨床試験(3〜7年)が行われます。臨床試験は3段階に分かれており、まず健康な人に渉猟を投与し、安全性を確認します(第1相)。次に少数の患者に投与して、適切な投与量や投与期間を検討します(第2相)。最後に大規模な症例を集めて、プラセボ(偽薬)との優位差を確認します(第3相)。

この段階を経て、はじめて厚生労働省に薬として販売してよいかどうかの審査を行なうことができます。承認審査には1〜2年かかりますが、欧米と比較すると平均2.5年の承認遅れ(ドラッグラグ)があるため、その縮小が課題となっています。

関連リンク
インフルエンザ情報サービス:予防法・治療法を解説(中外製薬)
インフルエンザは何日で家族間で感染するのか

開業医と勤務医の所得格差を縮小へ:診療報酬改定

長妻昭厚生労働相は3日のテレビ朝日番組で、2010年度の診療報酬改定に関し「どの医者も大変だが、勤務医にさらに着目した対策が必要だ」と指摘し、勤務医への配分を手厚くすることで、開業医と勤務医の所得格差を解消すべきだとの考えを強調した。

08年度の医師の年収は、開業医である一般診療所の院長は平均2522万円で、病院勤務医の同1450万円の約1.7倍。導入を予定している「年金通帳」については、通帳に印字可能な現金自動預払機(ATM)の設置が必要だとした上で、「全国の社会保険事務所だけでは足りない。既にATMがある郵便局のネットワークと連動させたい」と述べた。(河北新報)

診療報酬改定
08年度診療報酬の改定率は、医師らの技術料にあたる本体部分が8年ぶりにプラスに転じ、0.38%の引き上げとなりました。広範にわたる改定項目の中で特徴的なことは、まず疲労する勤務医の負担減策を講じたこと、それを踏まえつつ病院は入院、診療所は外来という機能分化を一層進める点数設定になったことです。

勤務医対策では、医師の事務作業を補助する職員「医療クラーク」に対する加算、診療所での夜間・早朝などの診療を評価した加算を新設しました。また、社会問題となっている医師不足は、診療所でなく病院で顕著なことから、診療所向けの財源のシフトも行われました。

関連リンク
開業医の年収、勤務医の1.7倍 厚労省、中医協で報告
医師増員に反対するドクターたちの言い分とは?

がん検診、重要性を認識しつつも低い受診率:内閣府調査

内閣府が発表した「がん対策に関する世論調査」によると、ほぼ100%に人ががん検診の重要性を認識しているものの、未受診率は依然として高い傾向にあり、認識との間に大きな差があることが明らかになった。厚生労働省は「がん検診の有効性をもっとアピールする必要がある」としている。

調査は8月27日から9月6日まで、全国の成人男女3000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は64.5%だった。胃がん肺がん大腸がんの検診を「受けたことはない」と答えた人は、それぞれ44.0%、46.5%、51.1%で、前回調査より2〜5ポイント改善した。女性特有のがんである子宮がんと乳がんの未受診率は35.6%、47.7%で、前回比ではそれぞれ約2ポイントの低下にとどまった。

受診率低迷の原因の一つには、08年4月に特定健診の実施が自治体に義務付けられ、受診率が低いと財政負担が加算されるペナルティーがある。一方、がん検診は「努力義務」にとどまっていることから、限られた予算ではPR活動が特定健診に傾きがちなのではとしている。

重大な医療事故をすべて公表は約2割:大学病院調査

全国医学部長病院長会議「大学病院の医療事故対策に関する委員会」(委員長・嘉山孝正山形大医学部長)は、全国80の大学病院のうち、重大な医療事故をすべて公表しているのは約2割の17校にとどまるとのアンケート調査の結果を明らかにした。同会議の指針は、記者会見やHPで公表するとしているが、残る63校は事例ごとに判断していた。

大学病院の医療事故調査体制に関する初の調査で、4〜5月に実施。指針は、過失の有無や障害の程度で公表のレベルを3段階に分け、患者に障害が残るような事故が起きた場合は速やかに公表するとしている。だが、調査に「必ず公表」としたのは国立大10病院、公立大2病院、私立大5病院にとどまった。(毎日新聞)

医療事故の開示について
少し古いデータですが、平成14年に朝日新聞が行った「医療機関の事故発生の報告に対する意識調査」では、「十分公開している」「ある程度公開している」「あまり公開していない」「全く公開していない」の順に、3%、21%、59%、12%となっており、国民は事故の報告の開示を不十分と感じていることが分かります。特に20歳代後半から40歳代の約80%は、情報公開が不十分だと感じているとの結果が出ています。

関連リンク
(財)日本医療機能評価機構 (医療事故・ヒヤリハットの報告・PDFファイルで閲覧可能)
診療科目別で見る医療過誤訴訟の件数 (内科・外科・整形・形成外科がトップ3)