ピロリ菌の呼吸の仕組みを解明:新薬開発に光

ピロリ菌などの病原菌は、乳酸菌などの有用な菌とは異なる仕組みで呼吸に必要なビタミンを作ることを、富山県立大の大利徹准教授らの研究チームが発見し、19日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。大利准教授らは、病原菌だけを狙って除去することで、有用な菌を殺さずに、副作用の少ない薬につながると期待している。

チームは、いくつかの微生物のゲノム(全遺伝情報)を解析し、病原菌に共通して呼吸に必要なビタミンを作る遺伝子を新たに4つ発見。この共通の遺伝子を分析し、病原菌が呼吸に必要なビタミンを作る過程と、乳酸菌などの有用な菌が呼吸に必要なビタミンを作る過程を比較した結果、同じ原料から全く異なる化学物質を経て、ビタミンが生成されることが分かった。

現在のピロリ菌の除菌薬は、腸内の善玉菌も一緒に殺してしまうため、下痢や腹痛などの副作用があった。しかし、病原菌が呼吸に必要なビタミンを作る遺伝子を標的にする薬を開発すれば、有害な菌だけ呼吸をできなくすることによって殺すことができるという。(shikoku.news)

ピロリ菌について
正式名称をヘリコバクター・ピロリといいます。螺旋状の形をしていて、胃の粘膜に住みついています。胃の中に入ってきた細菌は通常、胃酸によって殺されますが、ピロリ菌は持っている酵素によって、胃の中にある尿素をアンモニアに変え、アルカリ性のアンモニアで胃酸を中和して、胃酸の殺菌作用を逃れているのです。

ピロリ菌は胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因になることがわかっています。ただし、ピロリ菌が陽性でも潰瘍が起こらない人、陰性でも潰瘍を起こす人がいて、ピロリ菌だけが原因とはいえません。他の因子(ストレス、食生活、体質、喫煙など)も関係していると考えられています。

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