主に中高年を対象に、病気やけがで入院した時にかかる費用を保障する医療保険「シニア保険」の商品性が多彩になってきた。
退職を目前に控えた団塊世代を中心に、これまで加入していた生命保険の保障内容の見直しを急いでいることなどが背景にあり、保険各社とも工夫を凝らしている。
シニア保険は、病気やけがで入院したり、手術にかかる費用を保障し、入院1日当たり5000円前後の保険金が支払われるものが一般的だ。加入条件を緩和して入りやすくしたり、保障内容が充実するほど、保険料は割高になる。
アフラックの「エヴァー」は、保障内容を入院・手術の保障など基礎的な項目に絞り込むことで、保険料を抑えた。幅広い年代が加入できるが、特に50〜60代に人気がある。
アメリカンホーム保険会社の「ザ・大人の医療保険」は55歳から80歳まで加入できる。他人の物を壊したり、けがをさせた時の損害賠償金を補償するのが特徴だ。
5年ごとに契約を更新する仕組みで、契約期間中に入院保険金の支払いがなかった時は、お祝い金が支給される。
過去に病気を患っても加入でき、同じ病気で入院しても保険金が支払われる医療保険もある。
アリコジャパンが7月10日に発売した「医療保険・引受基準緩和型」は、保険料がやや割高だが、糖尿病や慢性腎炎、狭心症にかかったことがあっても、一定の条件に該当しない限り、加入できる。
第一生命の「主役宣言」は70歳までの男性が加入できる。障害が残るような病気をした時などに収入の減少をカバーする年金を受け取ることができる特約「インカムサポート」があるのがポイントだ。
入院などで保険料の支払いが難しくなった場合、払い込みが免除される特約もある。女性向けの「私の華道」もある。
シニア保険が注目を集めている背景には、保険加入者のライフステージの変化がある。若いころには、本人が死亡した時に遺族が保険金を受け取れるよう死亡保障を主体とした生命保険に入るケースが多い。
だが、中高年になって子供が成人すると、遺族の生活よりも、本人が病気などで入院や手術が必要になった時に備える人が増える傾向にあるからだ。
加入する際には、1回の入院で保険金が支払われる日数など保障内容をよく確認する必要がありそうだ。
シニア保険とは?
年齢を重ねると健康面に障害が出てくるため、新規加入が難しくなる50歳代以上の人を主に対象とした医療保険。
加入時の健康状態に関する質問(告知)なしで加入できたり、加入条件を緩和して健康に多少不安がある人でも入れるものもある。
人口の高齢化が進む一方で、加入者の増加は鈍化しつつあるが、競争の激化で保障内容はより多彩になっている。

