ジェネリック医薬品 新薬組が続々参入

特許切れの有効成分を使って価格を安く抑えた後発医薬品(ジェネリック医薬品)の市場に、参入が相次いでいる。
政府が医療費抑制のため利用促進を強く打ち出し、規制緩和に敏感な外資の動きが活発化。国内の新薬メーカーの一部も将来性を見込んで手を打ち始めた。競争激化が業界再編の新たな導火線となる可能性もある。

「日本でも後発品は確実に伸びる。市場規模が大きく潜在力は高い」。新薬の世界大手ノバルティス(スイス)傘下で後発品世界第2位のサンド(ドイツ)は、日本市場への期待をこう語る。

後発品業界では数少ないバイオ医薬品開発も進める同社は、高い技術力と資金力をテコに規模を拡大。買収した独企業の日本法人を社名変更する形で今年1月に日本に進出した。

後発品世界1位のテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(イスラエル)や、インド系メーカーも07〜08年度に日本市場への製品投入を計画する。ことインドは後発品生産量が多く、輸出に力を入れる。

着々と準備を進める外資を横目に、国内勢では本格参入に向けて足場を固める中堅新薬メーカーが目立つ。国内の新薬業界は、薬の公定価格「薬価」の引き下げと外資の攻勢に挟み撃ちされ、経営環境が厳しいからだ。

日本ケミファは、インドの後発品最大手と共同開発した後発品を昨年発売し「予想を上回る売れ行き」と話す。キョーリングループは昨年、後発品の東洋ファルマー(金沢市)を子会社化し、「ハイリスク・ハイリターンの新薬事業を後発品で補い、経営安定を図る」という。田辺製薬も5月に参入を表明した。

国内の医療用医薬品のうち、後発品が占める割合(医薬工業協議会調べ、数量ベース)は04年度で16.8%。50%前後の欧米に比べ、まだまだ低い。しかし今年4月から、処方箋(せん)に「後発医薬品への変更可」を選ぶ欄が設けられ、医師がチェック・署名すれば薬剤師は後発品の調剤が可能になった。この規制緩和で後発品を選ぶ患者も増えている。

だが、後発品の薬価は新薬の約2〜7割で利幅は小さいうえ、有効成分が同じなので価格競争も激しい。医療機関には新薬と同様に詳しい情報提供などを求められ、営業費用が節約できるわけでもないため、楽に稼げる商品ではない。

薬代の大半を保険で賄う今の医療制度では、患者が一回に支払う薬代で新薬の場合と後発薬の場合との差は、数十〜数百円程度がほとんどとみられる。患者にとってのメリットが大きいのは、服用期間の長い慢性疾患などの薬に限られそうだ。

国内の後発品大手の沢井製薬は「新規参入で市場は活性化するが、競争も激化するだろう」とみる。後発品子会社を持つ新薬大手、エーザイの内藤晴夫社長も「後発品の売り上げは順調だが、収益面では苦戦している」と話す。

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