不妊治療助成を20万円に倍増 来年度から

厚生労働省は26日、少子化対策の一環として、不妊治療のうち健康保険が使えない体外受精と顕微授精に対する公的助成を拡充することを明らかにした。
1世帯あたりの助成額を現在の年間10万円から20万円に倍増するほか、助成が受けられる所得制限を緩和するもので、平成19年4月からの実施を目指す。厚労省の推計(14年度)では、不妊治療を受けた患者は46万6900人に上っており、出産を望んでいる夫婦への直接的な支援で少子化に歯止めをかけたい考えだ。

不妊治療への公的助成の拡充は、6月に政府がまとめた「新しい少子化対策」に盛り込まれ、厚労省で具体的検討を進めてきた。

公的助成は16年度に始まり、体外受精と顕微授精が対象。こうした方法以外では妊娠が見込めないか、極めて困難と医師に診断された夫婦が治療を受けた場合、現在は通算5年間、年間10万円を上限に、かかった費用の半額を助成している。実施主体は都道府県、政令指定都市、中核市で、負担は国と自治体が折半している。16年度には約1万7600組が助成制度を利用した。

しかし、1回あたりの平均治療費は体外受精が30万円、顕微授精が40万円と高額で、成功までには何度も治療を繰り返すことが少なくない。助成を受けても夫婦の負担は大きく、関係者から「治療を断念せざるを得ないケースもある」との指摘が強かったため、支給額を倍増することにした。

夫婦合算で650万円(所得ベース)となっている所得制限も緩和するが、具体額は今後の予算編成作業の中で調整する。厚労省は拡充案を19年度予算の概算要求に盛り込んでおり、与党内で浮上している助成期間の延長についても引き続き検討していく考えだ。

不妊治療
排卵誘発剤などの薬物療法や、精管、卵管の障害に対する手術などは「一般的な不妊治療」として健康保険の適用対象になるが、器具を使って精子を子宮腔(くう)に注入する人工授精や培養器の中で受精させる体外受精、顕微鏡下で精子を直接卵子に注入する顕微授精は「生殖補助医療」と呼ばれ、全額患者の自己負担となっている。厚労省によると、15年の体外受精の患者は約4万2000組、顕微授精は約2万6000組だった。

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