東京都は、ぜんそくの主な原因物質を排出するとされるディーゼル車のメーカー各社とともに、都内のぜんそく患者を対象に、医療費の一部を助成する独自策を新設する方針を固めた。
都などによると、自動車メーカー各社は都が救済策をつくれば財源の一部を負担する考えを示しており、都は近くメーカー各社と協議に入る。
川崎市はぜんそく患者の医療費助成制度を始めているが、メーカー各社が財源を負担する制度ができれば全国で初めて。被害者救済の新たな枠組みを創出することになる。
都内の患者らが国と都、自動車メーカーなどを相手取った「東京大気汚染公害訴訟」の1次訴訟の一審判決は、国や都に対し、幹線道路近くに住む原告についてのみ賠償を命じたが、メーカーに責任はないとした。
同訴訟の控訴審は28日に結審するが、都は「このまま裁判が続いても抜本的な解決にはつながらない」と判断。原告に限らず、年齢制限なども設けず助成の対象にする。
今年度中に助成の条件を決め、早ければ来年度にも実施したい考えだ。
同訴訟の原告は「メーカーが加わるのは原告が求めていた救済策そのもので、画期的内容だ」と評価している。
都などによると、助成にあたっては症状を過去にさかのぼって調べる。さらに、居住地や勤務先が幹線道路にどれだけ近いかなどを考慮し、排ガスの有害物質との因果関係があると認められたぜんそく患者には、今後必要な通院費など治療費の一部を助成する方針。助成の割合などは今後検討する。助成は新制度成立後の治療費が対象で、死亡者は対象外になる。
都内には少なくとも約16万人のぜんそく患者がいるとされ、都の試算では、助成費は年間数十億円にのぼるという。
1次訴訟の一審判決後、国と原告は控訴したが、都は「排ガス規制の強化と被害者救済が行政の必要な使命」として控訴しなかった。ただ、控訴審の被告として残っている。
東京都の石原慎太郎知事は初当選した99年から「ディーゼル車NO作戦」を掲げ、大気汚染対策に取り組んできた。知事の呼びかけで03年秋から、首都圏の1都3県でディーゼル車規制が始まり、排ガス対策をしていないディーゼル車の走行が禁止された。
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