データ捏造し乳がん治療の論文:自衛隊中央病院の医官

防衛医大は5日、自衛隊中央病院(東京都世田谷区)に勤務する医官の佐藤一彦3等陸佐が、乳がんの放射線治療に関する論文を、データを捏造して米国の専門誌「サージェリー」に投稿し、掲載されていたと発表した。同誌は9月、論文の取り下げをインターネット上で公表した。同大は「処分を含め対応を検討する」としている。

防衛医大によると、佐藤3佐は、同大医学研究科に所属していた05年5月に論文を投稿。その中で、局所浸潤性乳がんの患部へ局所的な放射線照射をした後、最小限の病巣を切除する「乳房温存療法」を施して、12例の手術でいずれもがん細胞が死滅するなどの効果を上げたかのように記載した。

しかし、実際は12例のうち5例は手術自体をしておらず、残る7例は、がん細胞根絶のために一般的に行われる、全乳房への放射線照射を術後に施していながら、その事実を書いていなかった。

この論文は今年5月、佐藤3佐を含む7人の共著として同誌に掲載されたが、共著者とされた男性医師が6月、「論文の内容が事実と異なる」と同誌に告発。7月になって防衛医大にも指摘があったため、同大が調査委員会をつくって事実関係を調べたところ、佐藤3佐が「読者の興味をそそる内容にしたかった。申し訳なかった」と事実を認めたという。

共著者とされた6人のうち、5人は投稿自体を知らされておらず、1人は事前に原稿に目を通していたが、内容の不備に気付かなかったという。

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