卵子提供受けた高齢出産 大量出血など事例続出

海外で他人から提供された卵子と夫の精子を使った体外受精によって妊娠した40〜50代の女性で、帰国後の出産時に大量出血や子宮摘出など重大なトラブルが起きていることが分かった。学会や専門誌で報告された。
卵子提供は卵子が若く妊娠しやすいとされるが、高齢の母体で子宮などが対応できていないことも考えられ、医師らは注意を呼びかけている。

日本産科婦人科学会は卵子提供を認めていない。海外で受ける人が増えていると見られるが、実態は分かっていない。

慶応大の久慈直昭講師(産婦人科)らは、米国での卵子提供で双子を妊娠した41歳の女性で、帝王切開後の異常出血が止まらず、7リットルを超える大量輸血が必要になったと報告した。

慶応大病院では過去4人の妊婦から米国で卵子提供を受けたと申告があった。3人が出産に至ったが、やはり双子を妊娠した50歳の女性も帝王切開手術の後で子宮からの出血が止まらず、子宮を摘出せざるを得なくなった。出血が著しかった2人に妊娠高血圧症などの合併症はなく、普通の妊娠・出産では考えられない出血だったという。

一方、日赤医療センター(東京都渋谷区)は、閉経後に米国で卵子提供を受けた57歳の帝王切開で8リットルを超える出血を経験。女性は集中治療室で1週間の治療を受けたのち退院したと報告した。

米生殖医学会は指針で卵子提供者は21〜34歳が望ましいとしており、日本のあっせん業者もインターネットなどで「提供者は20代」と紹介する例が多い。
久慈さんは「子宮と卵子の年齢差が予想外の合併症を起こしているのかも知れない。他人の卵子と精子による受精卵への免疫反応が原因との説もある。卵子提供は、医師に隠さず伝えてほしい」と言う。

また日赤医療センターの杉本充弘・産科部長は「一般的な出産の出血は0.5リットル。中小規模の病院では8リットルを超す輸血は間に合わない。50代以降の妊娠は技術的には可能でも、生命にかかわる事態となり得ることをよく考えるべきだ」と言っている。



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