マウスをはじめ小型実験動物の体内を外側から詳細に観察できるコンピューター断層撮影装置(CT)を、放射線医学総合研究所などの研究グループが開発した。
がんなどの新薬開発や放射線治療の研究は、小さな命の犠牲の上に成り立っているが、この装置を使えばその多くを解剖せずに生きたまま継続観察することが可能で、実験の効率化にもつながるという。
体長が数〜十数センチ程度のマウスやラットの場合、早期がんの病巣の直径は1ミリ以下と微小で、従来のCTでは把握がそもそも困難だった。このため、抗がん剤の効果を調べる際などには、がんを発症させたマウスを用意したうえで病理解剖を続け、薬の効き具合を追跡していくという手法が一般的だ。
同研究所の宮原信幸主任研究員らのグループが計測機器メーカー「リガク」(本社・東京)などと共同で開発した装置は、照射するエックス線強度をこれまで以上に微調整することが可能で、投与する造影剤を工夫することで、軟らかい内臓組織や、直径0・2ミリの細い血管など細かい組織まで鮮明に撮影することが出来る。
これまで行った撮影では、解剖でも見逃す恐れがある直径0・9ミリ程度の初期の肺がんや肝臓がんと、がんを取り巻く血管などとの違いを判別できたという。
研究グループは、解剖数をこれまでの10分の1程度に抑えられるとしている。





