血液がんの未婚女性、卵子を冷凍保存

白血病など血液のがんの治療で不妊になる恐れのある未婚女性の卵子を、将来の体外受精のために凍結保存する臨床研究を、国内約130の不妊治療施設でつくる団体が日本産科婦人科学会に申請していたことが、明らかになった。

同学会の会告(指針)では、夫婦には、妻が妊娠・出産できる年齢までを期限として卵子の凍結保存を認めているが、未婚女性については明確な規定がなかった。同学会では来月の倫理委員会で実施を認めるかどうか検討する。
申請したのは「A―PART日本支部」(支部長・宇津宮隆史セント・ルカ産婦人科院長)。北海道や東京都、大阪府、宮城、愛知県などの9施設が臨床研究に参加する。

計画では、治療で放射線を受ける可能性がある血液のがんと診断された、15歳以上の未婚女性患者が対象。放射線の影響で不妊になる前に卵子を採取して凍結保存し、将来結婚して出産を望んだときに解凍して、体外受精を行う。9施設は同一手順で臨床研究を実施。患者も同支部事務局に登録して、妊娠率や出産率などを調べる。

凍結保存された精子や受精卵を使った不妊治療は、すでに一般的になっている。一方、未受精の卵子は、内部の水分が凍ると膨張して破裂するなど刺激に非常に弱く、凍結するのが難しかったが、技術改良の結果、国内でも凍結卵子を使った妊娠や出産例が報告されるようになってきた。

研究に参加する神谷レディースクリニック(札幌市)の神谷博文院長は、「放射線治療で将来の出産をあきらめざるを得ないと思っていた、血液がんの未婚女性も、積極的な姿勢でがん治療に臨めるようになると思う」と話す。

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