京都大学医学部附属病院:がんセンター設置構想

京都大学医学部附属病院は26日、がんセンター設置構想を発表した。
設置されるがんセンターでは、臓器別診療科が個別に癌患者を診療する従来の体制を改め、内科や外科、放射線科など複数の専門医が、横断的・集学的に癌診療を行うことにしている。こうした診療体制は日本ではほとんどなく、大学病院では初めて。
組織全体は2010年1月頃をメドに発足するが、既に一部の機能は稼働しており、10年までに段階的に機能を拡充させていく計画だ。

センターは、[1]外来がん診療部、[2]入院がん診療部、[3]がん診療支援部の3部門で構成される。

外来部門では、内科、外科、放射線、緩和ケアの各専門医が診療科の枠を越え、同一の外来で横断的に診療を行う体制を構築する。診断医や看護師、薬剤師らも加わり集学的な診療を実施する。基本的に全ての初診がん患者を、この外来で受け入れる。

各科が個別に診療を行う従来の体制では、診療科によって異なる治療方針が提示され、患者が混乱したり、世界の標準的な癌治療法との乖離が生じたり、治療方針が固まるまでに時間を要したりするなど、問題があった。

複数の医師や各スタッフが同一の外来で癌患者を診療することによって、▽公平で客観的な情報を提供できるため患者の安心感が高まる、▽医師がお互いの知識を共有でき治療の質が高まり、治療方針も迅速に決定される、などの効果が期待できるという。

前立腺癌については既に外来でこうした体制が組まれている。毎週水曜日、泌尿器科医と放射線治療科医が合同で診察するユニットが03年10月から活動を開始し、成果を上げている。
肺癌、乳癌、食道癌、膵臓癌など他の癌種についても、同様の体制を07年から段階的に拡充させる予定だ。

関連記事:「精神腫瘍学(サイコオンコロジー)」講座が誕生:埼玉医科大