ほぼ無菌の南極でレジオネラ菌の繁殖を確認

無菌状態に近い雪や氷を解かした水を使っている南極の浴槽にも、重い肺炎を引き起こすレジオネラ菌が繁殖していることが、日本の南極観測隊医療班の調査でわかった。酷寒の地での繁殖事例が確認されたことで、菌のしぶとさが浮かび上がった形だ。

レジオネラ菌は循環式浴槽など水が停滞する場所で増えやすく、抵抗力が弱い高齢者や乳幼児が感染すると、重い肺炎を発症して死亡する場合もある。
水が貴重な南極では、浴槽はお湯をろ過して使う循環式を利用しており、衛生状態確認のため、医療班が1998〜2003年に昭和基地とドームふじ基地の浴槽の水やフィルターなどを日本に持ち帰って調べた。

その結果、両基地の浴槽水とフィルターからともにレジオネラ菌の遺伝子が検出され、南極で菌が増殖していたことが確認された。特に、昭和基地から約1000キロ内陸に入ったドームふじ基地周囲は夏でも氷点下20度までしか気温が上がらず屋外でこの菌が生息している可能性はまずないことから、医療班では、隊員の靴や衣服などに付着して持ち込まれた菌が、浴槽までたどり着いて繁殖した可能性が高いと見ている。

調査にあたった下枝宣史医師は「極限環境であっても人が生活している限り、レジオネラ菌を排除するのは難しいことがわかった」と話している。



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