非受精卵からES細胞を作成:理研チームがマウスで成功

体外受精で受精せず、ふつうは捨ててしまう卵子(非受精卵)を再利用し、クローン胚性幹細胞(ES細胞)をつくることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームがマウスで成功した。
移植用の臓器などになりうるヒトES細胞をつくるためには女性から卵子の提供を受けなければならないが、入手が難しい。この方法がヒトに応用できれば、再生医療研究のすそ野が広がる。19日付の米科学誌カレント・バイオロジーに発表した。

ES細胞は、人体のさまざまな組織になりうる「万能細胞」。患者本人の体細胞の核を抜き取って、卵子に移植し、クローンES細胞をつくることができれば、移植しても拒絶反応が起きない臓器や組織ができる可能性がある。

理研の若山照彦チームリーダーらは、マウスの卵子で体外受精を試み、受精しなかった432個に、別のマウスの体細胞の核を移植した。特殊な薬剤を使って約1カ月培養したところ、27株のクローンES細胞ができた。
新鮮な卵子を使った場合とほぼ同等の成功率で、できたES細胞の分化能力は同じだった。
このクローン胚をマウスの卵管内に移植したが、クローンマウスまではできなかった。

チームの若山清香研究員は「卵子を捨てるのはもったいないという発想がきっかけ。使えないと思われていた卵子を基礎研究に利用できれば、再生医学応用への可能性が高まる」と話す。

中辻憲夫・京都大教授は「女性からの提供を比較的受けやすく、利用の可能性を示した点で意義がある。ただ、英の研究でヒトでうまくいかなかったという報告もあり、今後の積み重ねが必要になる」と話している。

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