抜け毛に関与するたんぱく質「NT-4」:ライオン生物科学研究所

男性の「抜け毛」を加速させるたんぱく質を、ライオン生物科学研究所のチームが見つけ、26日発表した。男性ホルモンの作用でこのたんぱく質が過剰に働き、毛根にある毛母細胞を不必要に自己攻撃させるとみられる。28日から富山市で開かれる日本薬学会で紹介される。

同研究所の栗田啓・副主任研究員らは、毛髪が適当な時期に抜けるようコントロールしているとみられるたんぱく質「NT-4」に着目。人の毛母細胞にNT-4を加えると、「アポトーシス」と呼ばれる細胞死が、加えない場合の8倍に上った。

さらに、毛母細胞を作る「毛乳頭」では、男性ホルモンがNT-4遺伝子を作動させ、NT-4が過剰に生産されていることが確かめられた。
これらの結果から、NT-4は男性ホルモンによって働き、毛母細胞を不必要に細胞死させることで脱毛を加速している、と結論付けた。

研究チームは、NT-4の働きを抑える物質を、生薬や植物、海藻など約300種類の候補から探し出し、オキナワモズクの抽出成分が有効であることも見つけた。マウス実験で、この成分を体に塗ることで有効性が確認されたという。ライオンは「人での効果を試し、育毛剤として商品化したい」と話している。

メモ
昨今の健康食品ブームの中で注目を集めている「フコイダン(がん細胞を壊死させる効果があるとされている)」を多く含有しているのが、このモズクです。
今回の記事はモト冬樹系ですが、こちらのページ(タカラバイオ)の最下段にあるように、大手バイオ系会社による発毛研究は進んでいるようです。