持田製薬は28日、肺の高血圧を治療する薬「リモジュリン」の国内での販売権を米ユナイテッド・セラピューティクス社から取得したと発表した。
この薬は世界30カ国以上で販売・承認されており、国内では持田製薬が開発を進めて販売承認を申請する。
取得したのは「プロスタグランジンI2製剤」と呼ぶ降圧薬の販売権。血管の内側で血管を広げる作用がある物質を補充し、肺動脈の血圧を下げる。
静脈注射と皮下注射ができ、携帯用の小型ポンプで持続的に薬を投与できるため、在宅や長期の治療が必要な患者の負担を減らせるという。
プレスリリース
持田製薬株式会社は、このたびユナイテッド・セラピューティクス社と、肺動脈性肺高血圧症治療薬「Remodulin(R)」(リモジュリン)の独占的販売契約を締結いたしました。本契約に基づき、持田製薬は日本での販売承認取得に必要な開発を行うこととなります。
「リモジュリン」は、肺動脈性肺高血圧症治療薬として2002年に米国で上市されて以来、30カ国以上で販売または承認されているプロスタグランジンI2製剤です。
携帯用小型ポンプを用いた持続投与型の注射剤で、静脈内注射だけでなく皮下注射も可能であり、短時間で薬剤調整ができるなど、在宅を含め長期に薬物治療が必要となる患者さんの負担を軽減できる新しい薬剤です。
肺動脈性肺高血圧症は、なんらかの原因によって肺動脈圧が高くなる疾患です。労作時の呼吸困難、易疲労感、動悸、めまいなどの症状を伴い、進行すると心不全を引き起こす難治性疾患で、国内の患者数は数千人と推定されています。
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