B型肝炎ウイルスの肝がん発症システムを究明:韓国生命研

B型肝炎ウイルスが肝がんを発病させるシステムを究明したと、韓国の研究グループが明らかにした。韓国生命工学研究院(院長 イ·サンギ)分子癌研究センターのイ·ヨンイク博士研究チームはB型肝炎ウイルス内に含まれる「X蛋白質」が肝がんを促進するという事実を初めて究明したと5月2日に発表した。

B型肝炎ウイルスのX蛋白質は肝臓内部で非正常的なメチル(methyl)化現象を誘導し、癌を抑制する遺伝子を不活性化させることが確認された。これにともない遺伝子が不安定になり癌を誘発する頻度が高まるというもの。

研究チームではネズミの腫瘍モデルの実験を通じてこれを確認し、つづいて実際の肝癌患者においてこうした事実を立証することに成功した。
今回の研究結果は4月30日に、がん研究分野の世界的学術誌である『Gastroenterology』誌に掲載された。

研究チームでは今後、新たな分析システムを開発してメチル化酵素の制御による新たな肝がん治療剤を開発する計画。
研究チームの関係者は「今回の研究成果はB型肝炎ウイルス性肝癌の発生機序を究明したもの。B型肝炎ウイルス性の肝がんの早期診断および治療剤の開発に活用され得るものと期待される」と述べた。(Daedeok Valley)

肝がんについて
肝臓にできるがんには、肝臓を構成する細胞からできる原発性肝がんと、肝臓以外の臓器にできたがんが転移してできる転移性肝がんがある。原発性肝がんはがん細胞が由来する細胞から、肝細胞がん、肝内胆管がん、その他のがんに大別される。
その頻度は、肝細胞がんが95%を占め最も多い。したがって一般的に肝がんという場合肝細胞がんのことを意味する。

肝細胞がんの原因として、わが国で重要なのはC型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスである。肝がんはこれらのウイルスが持続感染することによりできる慢性肝炎や肝硬変を母地として発生する。
特にC型肝炎から肝がんができる場合、ほとんどが肝硬変が基礎にある。しかし残念ながら何故これらのウイルスが“がん”を起こすかは詳細には分かっていない。