サノフィ・アベンティスは、国内で承認申請中の抗悪性腫瘍剤
「タキソテール(一般名:ドセタキセル 水和物)」が厚生労働省より優先審査品目に指定されたと発表した。
同社は今年2月にホルモン不応性転移性前立腺がんの効能又は効果(適応症)を追加するため、医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行っていた。
タキソテールは、2004年に欧米で承認されて以来、プレドニゾンとの併用療法としてホルモン不応性転移性前立腺がん治療の標準療法となっている。
海外での大規模臨床試験では、タキソテールを含んだレジメンは他のレジメンと比較して、生存期間の延長および生活の質(QOL)の向上に貢献していることを示していた。
しかし、日本国内においては、保険適用のある有効な薬剤の選択肢は決して多くなく、日本癌治療学会、日本泌尿器科学会及び日本臨床腫瘍学会から速やかな審査・承認の要望書が厚生労働省に提出されていた。
タキソテールは、1996年、日本で初めてタキソイド系抗悪性腫瘍剤として、乳がんと非小細胞肺がんに対する治療薬として承認を取得。2000年には胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、2004年には食道がん、2005年には子宮体がんの追加適応を取得し、現在7がん腫で使用されてい る。
前立腺がんについて
前立腺がんは、欧米ではとても頻度の高いがんです。日本でも増加傾向にあり、今後、食生活の欧米化や人口の高齢化を考えると、さらに増えていくと思われます。
50歳以降から加齢とともに増加する、男性の高齢者のがんといえます。
前立腺がんは、初期では無症状のことも少なくありません。進行すると、尿路通過障害として排尿困難や頻尿、残尿管などが現れます。
膀胱や尿道まで浸潤すると、排尿痛や血尿が出ることがあります。
前立腺がんの診断には触診(直腸内指診)が重要で、肛門から指を挿入して病変の有無を確認することができます。腫瘍マーカーは前立腺特異抗原であるPSAやPAPが使用されていて、診断や治療効果の判定に重視されています。
これらの初期診断でがんが疑われたら、前立腺超音波や膀胱尿道造影を行ないます。
似たような症状を示す前立腺肥大症や前立腺炎との鑑別が大切で、診断が難しい場合には、超音波で病変を確認しながら細胞を採取して、病理検査を行ない診断を確定させます。