抗精神病薬「エビリファイ」の12mg錠が発売:大塚製薬

大塚製薬は、統合失調症などを対象とした抗精神病薬「エビリファイ」(一般名アリピプラゾール)の12mg錠を27日に発売すると発表した。
エビリファイは、既に発売されている3?錠、6?錠、散在1%のラインナップと合わせて4種類となり、今回の12mg錠の発売により、これまでよりも少ない錠剤数での服薬量調整が可能となった。7月からは1回14日分を超える長期処方が可能になる。

エビリファイ(ABILIFY)

統合失調症は、脳内の神経伝達物質の一つドーパミンの異常によって起こると考えられている。
エビリファイは、脳内でドーパミンが大量に放出されている時は抑制的に働き、少量しか放出されていない時には刺激する方向で作用する。眠気や体重増加がきたしにくいとされており、長期の継続服用が可能としている。

エビリファイは、大塚製薬が開発し世界で初めて米国で販売承認を取得、現在では国内を含め45カ国・地域で販売されている。2006年の全世界での売上高は2200億円超で同社の全売上高の約40%を占める主力製品となっている。

統合失調症について
統合失調症は、精神疾患の中でも最も慢性・消耗性の疾患で、世界人口の約1%が罹患していると言われています。統合失調症では、明晰な思考、感情のコントロール、決断、他者との繋がり、といった患者の社会的能力が阻害されます。

成人期初期に発病(発現)することが多く、幻覚や妄想といった陽性症状と社会的引きこもりや感情鈍磨といった陰性症状が特徴的です。 アメリカでは、200万人以上の人が統合失調症を罹っていますが、服用している薬剤を頻繁に変更する患者が少なくありません。
薬剤を変更する主な理由として、治療の効果が不十分なことや、体重増加や錐体外路系症状などの抗精神病薬による副作用が現れることが挙げられます。