緑内障の進行をアルツハイマー病治療薬で抑制:東京医科歯科大

日本人の緑内障の7割を占める「正常眼圧緑内障」の進行を、アルツハイマー病の治療薬で抑えることに、東京医科歯科大の研究グループが、動物実験で成功した。
緑内障による失明の予防などにつながる研究成果で、米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」電子版に掲載された。

緑内障は、視神経が損傷し、視野が次第に狭くなる病気。日本人の失明の原因のトップで、国内の患者数は約400万人。眼球の圧力(眼圧)が高くなると発症するタイプと、正常眼圧で起こるタイプがある。

同大の田中光一教授(分子神経科学)らは、マウスの網膜に、視神経に光の情報を伝えるアミノ酸の一種、グルタミン酸が異常に蓄積すると、視神経が損傷することに着目。余分なグルタミン酸を排除する機能をなくすと、マウスは、人間と同じ正常眼圧の緑内障を起こすことがわかった。

このモデルマウスに、欧米で認可されているアルツハイマー病治療薬(メマンチン)を1日1回、1週間注射すると、何もしないマウスは網膜の視神経の細胞が20%失われたのに対し、注射したマウスは3%の損傷に抑えられた。(YOMIURI ONLINE)

緑内障とは?
眼球内を循環する房水の流れが悪くなり、眼圧が高まって視神経が障害される病気です。
緑内障は急性緑内障と慢性緑内障に分けられます。急性の場合は、眼圧が急に高くなって、視力が衰え、眼の痛みや頭痛、吐き気、嘔吐などの症状があらわれます。
慢性の場合は、自覚症状が少なく、慢性に経過しますが、放置すると徐々に視力が低下し、視野が狭くなり、失明することもあります。

眼圧検査で眼圧が高いこと、眼底検査で網膜の視神経乳頭という箇所に陥凹があること、視野検査で異常があることの3点が確認されれば、緑内障と診断されます。
ただし、眼圧が基準内(21mmHg未満)の正常眼圧緑内障のほうが日本人には多いので、検査が大切です。

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