エーザイは、不整脈治療剤「タンボコール」が発作性心房細動・粗動の適応追加の承認を受けたと発表した。発作性心房細動とは、頻脈性不整脈のうち心房内に多数の不規則な興奮が発作的に発生した状態のことをいう。
一方、心房内に規則的な興奮が発作的に発生した状態を発作性心房粗動といい、ともに激しい動悸を引き起こすだけでなく、心原性脳塞栓症を引き起こすリスクを有している。
心房に問題がある不整脈の国内患者数は100万人以上とされており、高齢化に伴って今後も増えるとみられている。
タンボコールは、心筋のナトリウムチャネル遮断作用により、発作性心房細動・粗動を抑制あるいは予防し、1日2回の服用で安定した効果を得られるという特長を有している。
タンボコールの副作用
心臓の刺激伝達系に直接作用し、その作用が強い薬なので、とくに注意が必要です。
服用のしかたを間違えると、かえって心臓の機能を悪化させることさえあります。
吐き気、腹部不快感、頭痛、ふらつき、ときに重篤な不整脈、Brugada症候群といわれる特有の心電図変化、肝障害などが起こることがあります。
不整脈とは?
正常な脈拍数を毎分50〜100として、これを逸脱するものを広く不整脈と呼んでいます。
治療の必要がないものもありますが、重い心臓病の兆候や突然死に繋がるものもあるので、きちんと検査を受けることが大切です。特に最近では、絶対不整脈を呈する心房細動が多く、心臓でできた血栓が脳梗塞の原因となるので注意が必要です。
不整脈の症状としては、動悸や胸部の不快感、息切れ、めまい、倦怠感などがみられます。ただし、症状があらわれない場合も少なくありません。
脈拍をみれば不整脈の存在がわかりますが、正確な診断のために心電図を調べます。
また、不整脈は常に現れるわけではないので、通常の心電図でわからないこともあります。その場合は、ホルター心電図が有効です。
なお、原因となる疾患の有無を探るためには、胸部X線単純撮影や心臓超音波などを行ないます。