ピロリ菌の増殖抑制物質を人工合成:理化学研究所

胃潰瘍や胃がんの原因とされる細菌「ヘリコバクター・ピロリ」の増殖を抑制するヒトの体内物質を、理化学研究所の研究チームが人工合成することに成功した。
大量生産が可能となったことで、ピロリ菌を除去する薬剤の開発や、増殖を抑制するメカニズムの解明につながるという。米化学会誌「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー」(電子版)に近く掲載される。

ヘリコバクター・ピロリ

ピロリ菌はヒトの胃の粘膜表面にすみ着くが、粘膜の深部にはいない。深部粘膜から、たんぱく質と結合した形で分泌される糖鎖と呼ばれる化合物に、ピロリ菌の増殖を抑制する作用があるためとされている。

研究チームは、糖鎖の原料となる新たな化合物を独自に開発した。この化合物を使って化学反応を起こしたところ、目的とした糖鎖を効率よく合成することに成功した。(MSN NEWS)

胃潰瘍について
胃の粘膜に起こった欠損が、粘膜下の筋層にまで達する病気です。主に食後にみぞおちのあたりに痛みを覚えますが、食事と関係なく痛んだり、夜間に痛むこともあります。
痛みの症状と併せて、胸焼けやげっぷ、胃もたれ、むかつき、黒色便などがみられることもあります。

胃の中では、食物を消化するために胃酸やペプシンという消化酵素を分泌していますが、酸度の強いこれらの物質は粘膜を傷つけやすいので、同時に粘膜を保護する粘液やプロスタグランジンと呼ばれる物質が分泌されています。

通常は、この両者がバランスよく分泌されるため、胃の粘膜が傷つくことはありませんが、バランスが崩れて粘膜を攻撃する物質が過剰になると、粘膜の障害が進みます。
バランスを崩す原因としては、ストレス、飲酒、香辛料などがあげられます。また、患者の7割以上に今回の記事でとりあげたヘリコバクター・ピロリ菌の感染がみられることから、その関与も指摘されています。

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