飲酒運転者の半数はアルコール依存症の疑い

飲酒運転の違反歴がある男性ドライバーのうち、ほぼ2人に1人はアルコール依存症の疑いがあることが、国立病院機構久里浜アルコール症センターの樋口進医師が神奈川県内で実施した調査でわかった。

アルコール依存症

一般男性の場合、依存症が疑われる人は20人に1人と推計されており、自分の行動を抑制できなくなるアルコール依存症と飲酒運転との相関関係が初めてデータで裏付けられた。
調査を受け、政府は依存症のドライバーに対する治療の方策などについて本格的な検討に入る。

今回の調査は、樋口医師が神奈川県警と共同で実施した。今年1〜6月の間に免許取り消し処分者講習を受けた人のうち、飲酒運転の違反歴がある約200人を対象に、医療機関で採用されている複数の検査方法で依存症の疑いがあるかどうかを探った。
検査は、主に飲酒習慣や自己抑制力の低下具合を調べるもので、国際的に信用性が高い検査方法の場合、男性で「疑いあり」の該当者は48・7%だった。この検査方法によるサンプル調査(約1200人)から、一般男性の中で依存症が疑われる人の割合は約5%と推計されている。

飲酒運転を巡っては、改正道路交通法で罰則が引き上げられるなど厳罰化が進んだ。
一方、アルコール依存症は、酒を飲まないと震えが止まらないなど自己抑制力が低下する病気のため、「厳罰化だけで飲酒運転は減らせない」として、民間団体や専門家からは、常習者に対する治療などの対策を求める声が出ていた。だが、依存症との因果関係を示すデータはこれまで警察庁にもなかった。

米国では多くの州が、すべての違反者に依存症検査を義務付けている。裁判所が専門的な治療プログラムの履修や、アルコールを検知するとエンジンがかからなくなる装置の搭載などを命じる州もある。(YOMIURI ONLINE)

アルコール依存症とは?
飲酒をコントロールできなくなり、飲酒が他の何よりも価値あるものになり、アルコールに対して身体的、心理的に依存しきっている状態です。仕事の能率は大幅に低下し、意欲は衰え、職務怠慢になりますが、本人はアルコールのせいだとは認めません。
中毒が進むにつれ、精神機能全般が衰え、理解力、判断力が低下して、日常の生活にも支障をきたすようになります。

身体的には、肝機能障害が生じ、アルコール性肝炎から肝硬変に進行することがあります。
また、脳萎縮が生じ、アルコール性の認知症に移行する場合もあります。

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