中越沖地震:ストレスによる「たこつぼ心筋症」に要注意

新潟県中越沖地震の被災地で、精神的ストレスで発症しやすい心臓病「たこつぼ心筋症」の患者が3人発生したことが25日、相沢義房・新潟大医学部教授(循環器内科)の調べでわかった。

たこつぼ型心筋症

2004年の中越地震直後にも多数の患者が発生しており、相沢教授は「息苦しさや鈍痛など胸に異常を感じたら、すぐ循環器専門医の診断を受けてほしい」と注意を呼びかけている。

たこつぼ心筋症は、心臓から血液を送り出す際、左心室の下部がふくらんだまま収縮しない病気で、左心室がたこつぼのような形にみえる。血流不足で胸の痛みや圧迫感が続く。
約1か月ほど入院して安静にしていれば治るのが普通だが、原因がわからない突然死の中に、たこつぼ心筋症が含まれる可能性も指摘されている。

心筋梗塞と違って血管に異常はなく、発症原因は不明だが、様々な精神的ストレスで発症しやすく、患者は高齢女性に多い。1990年に日本で最初に報告された。中越地震発生後3週間で、被災地で25人(うち女性24人)の患者が発生したことが相沢教授らの調査でわかり、広く注目されるようになった。

相沢教授によると、今回の地震では、発生から1週間以内に柏崎市内の病院で3人の患者が確認された。全員が高齢女性で、入院して安静状態にある。
今のところ、中越地震後ほど患者は多くないものの、相沢教授は「避難した住民同士で口論などして、ストレスをためないでほしい」と話している。(YOMIURI ONLINE)

たこつぼ心筋症について
たこつぼ心筋症は、胸痛や心不全などの急性心筋梗塞症様の臨床所見が見られますが、心臓カテーテル検査では冠動脈に狭窄や閉塞などの異常所見がありません。
左室造影で心尖部に一過性の高度な収縮不全を認める症例があり、その収縮異常の形態的特徴から「たこつぼ型心筋症」と呼ばれています。1990年に佐藤光氏らが世界で初めて報告しました。
最近では、新潟大医学部の調査により、2004年の新潟県中越地震の直後、被災地の女性に、たこつぼ心筋症が多発していたことが明らかになっています。

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