厚生労働省は08年度から、新薬や医療機器の開発を促すため、東京や大阪などに六つある国立高度専門医療センターに、官民が協力して研究する施設を順次整備する方針を固めた。
治療中の患者がいる施設に医師と企業の共同研究の場を設けることで、難病治療の新薬開発や、海外の先端医療機器の日本人向けの改良などにつなげる狙いだ。
08年度予算概算要求の重点要望として、施設整備費15億円を盛り込む。
国立高度専門医療センターは、循環器病、がん、成育医療、国際医療、精神・神経、長寿医療の6施設。各施設の専門分野ごとに、製薬会社や医療機器メーカー、大学医学部などが連携して新薬や医療機器の開発を促進する構想だ。08年度から3年程度かけ、複数のセンター内に臨床研究施設を建てる。
施設には臨床研究の専用病床、ベンチャー企業などへの貸与スペース、病院と企業が共同利用できる検査・分析機器などの部屋をつくる。専用病床がある施設を官民で活用することで、医師や患者の提案をヒントにした医療機器の開発も促す。
厚労省は新設する施設で、人の細胞から臓器などをつくる再生医療技術の開発や、大手製薬会社が手がけない難病の薬の開発、画像診断のソフト開発などの研究を期待している。製薬会社が承認前の新薬の効果を調べる治験にも活用する。
国内の新薬・医療機器開発をめぐっては「治験や審査に時間がかかり、海外で承認済みの薬が日本で使えない(ドラッグラグ)」「動物実験中心の基礎研究が臨床に生かされていない」などの指摘が出ていた。このため、政府は4月、新薬開発期間の短縮や医療関連産業の技術レベルの底上げを目指し、5カ年戦略を策定している。(asahi.com)
ドラッグラグとは?
海外で標準的に使用されている医薬品が国内では使用できない(未承認の)状態をいいます。
海外先行で治験が行われ日本での新薬発売が海外よりも遅れる、日本の新薬承認の審査に時間がかかることなどが要因とされています。
がんや関節リウマチなどの難治性の疾病患者(または家族など)が、国内未承認の最新の治療薬の使用を望み、高額な薬剤費を支払って個人輸入するケースも少なくありません。
その改善策のひとつとして、厚生労働省は、2005年に「未承認薬使用問題検討会議」を設置しました。
その目的を、1)欧米諸国での承認状況及び学会、患者要望を定期的に把握し、臨床上の必要性と使用の妥当性を科学的に検証し、2)当該未承認薬を確実な治験実施につなげて、その使用機会の提供と安全確保を図ること、としています。
また、2006年には、「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」が設置されるなど、国としての対策が模索されているところです。





