C型肝炎ウイルスの増殖システムを解明:京都大学ウイルス研究所

肝臓がんの大きな原因になっているC型肝炎ウイルスが、肝臓の細胞中にたまった油滴(脂肪滴)の表面で増殖していることを、京都大ウイルス研究所の研究グループが解明した。C型肝炎ウイルスが肝細胞に感染すると脂肪肝になりやすく、増えた油滴表面でウイルスが増殖する悪循環が起こるとみている。
英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」の26日付電子版に発表した。

C型肝炎ウイルス

研究は、今春まで京都大ウイルス研に在籍していた国立遺伝学研究所の宮成悠介・博士研究員と、下遠野邦忠・慶応大教授(京大名誉教授)らが中心となった。

研究グループは、肝がん由来の培養細胞にウイルスを感染させ、ウイルスが細胞のどこで増殖するのかを調べた。その結果、油滴の表面には、ウイルスの核をつくり、発がんに関係するとみられるコアたんぱく質や、ウイルスの遺伝子であるリボ核酸(RNA)、その他の関連たんぱく質があることがわかった。

藤田保健衛生大の臼田信光教授と協力して電子顕微鏡で観察したところ、油滴の表面で感染力のあるウイルスがどんどんつくられていることが確認できた。
コアたんぱく質には、ウイルスをつくるだけでなく、細胞内の脂肪を増やす働きがあることもわかった。

下遠野教授は「油滴の表面にコアたんぱく質がくっつかないようにしたり、細胞内に脂肪が蓄積するのを阻害したりする新しい薬の開発につながる可能性がある」と話している。(asahi.com)

肝臓がんについて
肝臓にできるがんの9割を占めているのが、肝細胞に発生する肝細胞がんです。一般に肝臓がんといえば肝細胞がんのことをいいます。
発症初期は、全身倦怠感、腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振などがみられます。
進行すると、腹水や黄疸、体重減少をきたします。さらに、肝臓がんが破裂したり消化管出血が起こると、突然の腹痛と貧血状態におちいります。

肝臓がんの診断に際しては、GOT、GPT、腫瘍マーカーなど各種の血液検査のほか腹部超音波やCT、腹腔鏡、MRIなどさまざまな検査が行われます。また、確定診断のためには肝生検が必要となります。

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