アルツハイマー病に関与するたんぱく質の一つが、老化に伴う記憶障害の原因になっていることを、理化学研究所の高島明彦アルツハイマー病研究チームリーダーらがマウスを使った実験で確認し、15日付の学会誌に発表した。
このたんぱく質が脳内に蓄積すると、アルツハイマー病の原因になる神経細胞の変質(神経原繊維変化)をもたらすが、早期に発見できれば、発症予防が期待できるという。
人間の脳は老化に伴い、記憶の形成にかかわる嗅内野という部位に「過剰リン酸化タウたんぱく質」が蓄積し、神経原繊維変化が発生。その後「ベータアミロイド(Aβ)」と呼ばれる別のたんぱく質により脳の広い部位に神経原繊維変化が拡大、アルツハイマー病に至る。
研究チームは、ヒトのタウたんぱく質を作るマウス(タウマウス)を遺伝子操作でつくった。学習、記憶行動と神経細胞の活動を調べたところ、若いタウマウスでは通常のマウスとの違いはなかったが、老齢では嗅内野の神経原繊維変化が起きていなくても、記憶能力が極端に低下していた。
老齢タウマウスの嗅内野を詳しく調べると、神経細胞同士のつながり(シナプス)の減少が判明。タウたんぱく質が神経原繊維変化とは別に、シナプスを減少させて記憶障害を起こしていることが分かった。
神経原繊維変化は元に戻せないが、タウたんぱく質は薬剤で害を与えない状態に変化させることができるため、早期の発見により、記憶障害の改善やアルツハイマー病への進行を防げる可能性があるという。(jiji.com)
アルツハイマー病について
脳の神経細胞が急激に破壊される認知症です。ついさっきのことを忘れるなどの記憶障害から始まり、症状は緩やかに進行します。初期には運動麻痺などの神経症状を伴わないのが特徴ですが、妄想などの症状は、比較的早く現れます。運動機能が保たれている分、徘徊などの行動が問題となります。
脳の神経細胞の病的な破壊が進み、神経が萎縮していくことが原因です。
アルツハイマー病になると、アミロイドベータという異常たんぱく質がたまることが突き止められてから、これを標的とする治療法の開発が進んでいます。
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