iPS細胞による再生医療の実用化研究:国が全面的に支援へ

文部科学省は、京都大の山中伸弥教授のグループが、あらゆる臓器・組織の細胞に変化する能力を持つ「ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)」の作製に世界で初めて成功したのを受け、iPS細胞利用を中心に据えた再生医療の実用化研究に本格的に乗り出すことを決めた。

再生医療の実用化へ競争激化

内閣府も早期の臨床応用のための枠組みを早急に策定し、国内での研究を加速する「オールジャパン」体制を構築する方針だ。米国でもブッシュ大統領が、同様にiPS細胞を作製した米大学の研究を支援する意向で、再生医療の実用化を巡って、国際競争が激化するのは必至だ。

文科省の計画は、今後5年間に70億円を投入し、〈1〉ヒトiPS細胞などの万能細胞の大量培養法の開発〈2〉サルなどの動物を使った再生医療研究〈3〉研究用ヒトiPS細胞バンクの整備――などを重点的に進める。

ヒトiPS細胞は、受精卵を壊して作る胚性幹細胞(ES細胞)と違い、倫理的批判は少ないが、作製の過程で、がん遺伝子を組み込むなど安全性に課題を残すため、こうした課題を克服する。iPS細胞を使った再生医療の実用化を担う研究機関を年度内に公募、有識者による評価委員会を新設して絞り込む。(YOMIURI ONLINE)

メモ
海外取材陣(米紙TIME)に今回の実験について訊かれた山中伸弥教授の回答をまとめてみました。

  1. 従来の方法では、一つの幹細胞に関する実験のたびに500ページもの書類×3を提出しなければならずやってられない。
  2. 書類作成に1ヶ月、政府の審査にさらに1ヶ月かかる。ライバルがその間10回以上実験できてしまうのでやっぱりやってられない。
  3. 1,2を回避するには人工的に幹細胞を作り出さないといけなかった。
  4. 厚生労働省の事務方トップが3年ごとに交代するので、予算の確保が難しく、長期的なプログラムは無理。とにかく3年以内に結果を出すのが大切。

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