タミフルの生体内の動きを追跡:20分後に投与量の0.15%が脳へ

放射線医学総合研究所(千葉市)は、インフルエンザ治療薬「タミフル」が体内に吸収された後、脳などにどのように移動するかを連続的に観察できる方法を開発したと発表した。

タミフル

タミフルの生体内の動きを追跡できたのは世界で初めて。実験にはラットを使った。タミフルを服用した若者や幼児の異常行動が報告されている。人間に応用できれば、因果関係の有無を解明する有力な手段になると期待される。

放医研は、タミフルの分子に放射性物質を付けた薬剤を開発。この薬剤をラット5匹に与え、陽電子放射断層撮影(PET)装置で観察したところ、体内のタミフルの動きをとらえることができた。脳には、20分後に投与量の0・15%が入りこむこともわかった。従来は、大量のタミフルを与えたラットを解剖して調べていた。PETは感度が高く、通常の服用量で生きたまま調べられるため、正確な分析ができるという。(YOMIURI ONLINE)

陽電子放射断層撮影(PET)装置について
RI(ラジオアイソトープ=放射性同位元素)を体内に投与し、RIが体外に発する放射線を検出器で測定し、コンピュータ処理して断層画像を得られるようにした検査です。
さまざまなRIを用いて、糖代謝、タンパク代謝、酸素消費量などを調べることができます。

人体組織内の糖代謝を調べる「FDG-PET」が最もよく行なわれています。多くの腫瘍で糖の代謝が亢進することを利用した検査で、非常に小さい段階での腫瘍発見に有用な場合があります。
しかし、RIが高価で半減期が短いため一部の医療機関でしか受けることができないのが難点となっています。

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