東海大の研究チームは、椎間板の再生を目指す腰痛の新治療法の臨床試験研究を今春から開始すると発表した。手術で取り出した椎間板の細胞を、骨髄中の幹細胞を使い体外で活性化させてから患者に戻す方法で、世界初の試みという。

研究チームは東海大医学部倫理委員会の承認を得たうえ、厚生労働省からの了承も受けている。
臨床試験では、椎間板の患部を切除する従来の手術で摘出した椎間板から、髄核の細胞を分離。同時に骨盤から骨髄液も採取し、幹細胞を分離して、髄核細胞と一緒に培養する。
活性化した髄核細胞を、摘出手術から1週間後、ある程度変形が進んだ椎間板内に移植する。対象患者は腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎椎間板症に苦しむ10人で、実施後3年間経過観察するという。(毎日新聞)
腰椎分離症
腰椎は、丸い椎体と背中側に突き出た椎弓でできていて、上下のつながりは前方の椎間板で、後方は一対の骨の関節突起で動くようになっています。この関節突起の間に疲労骨折が生じたものを腰椎分離症といいます。
骨の成長が著しい小児期に、激しいスポーツをして腰に過度の負荷をかけることが原因と考えられています。症状としては、慢性的に腰のこわばり感があり、下肢の痛みやしびれが起こることもあります。
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