筋委縮性側索硬化症(ALS)の進行抑制をラットで確認

動神経が死んで全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋委縮性側索硬化症(ALS)になったラットの脊髄に、神経細胞を増やす働きがある物質を投与し病気の進行を抑える実験に、青木正志東北大講師(神経内科)らの研究チームが成功した。引き続き効果と安全性が確認されれば、少数の患者を対象にした臨床試験を来春にも始める計画。名古屋市で開催の日本再生医療学会で14日、発表する。

青木講師らは、ALSを発症するよう遺伝子操作したラットの脊髄で、病気の進行に伴って神経のもとになる「前駆細胞」と呼ばれる細胞が増えているのを見つけた。

前駆細胞が神経になるのを助けてやればALSの症状の改善につながる可能性があると考え、ALSラットの脊髄に、神経を含む多様な細胞を増やす働きがある肝細胞増殖因子(HGF)という物質を、約1カ月にわたりチューブで投与した。

発症から死ぬまでの日数は平均28日で、比較のため生理食塩水を投与したラットの同17日に比べ、約1・6倍長かった。脊髄内の神経細胞数も、食塩水ラットの倍以上多く残っていた。

チームは、HGFの働きで、脊髄の細胞死を抑制したり、前駆細胞が神経に成長するのを促進したりした結果ではないかとみている。(Shikoku.news)

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは?
運動神経細胞の死滅や損傷によって起こる病気(運動ニューロン病)の一つです。主に40〜50歳以降にみられ、手足やのど、舌などの筋肉が次第にやせて、力が出なくなります。

最初は手指が動かしにくく、ひじから先の筋肉がやせてきます。筋肉が衰えると、不規則にピクピク動く症状(筋線維束攣縮)がみられるようになります。のどの筋肉がやせると、話しにくい、飲み込みにくいといった症状が現れます。
症状は進行し、平均2〜3年で呼吸障害に至り、人工呼吸器が必要になります。ただ、感覚や知能は末期まで保たれるのが普通です。

現在、治療法は確立されていません。病気の進行を遅らせるリルゾールの服用で、生存期間を延長させることが可能な場合があります。対症療法としては、痛みには鎮痛薬や適度なリハビリテーションが、不安や不眠には抗うつ薬や睡眠薬が用いられます。

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