筋委縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子を特定

運動神経が衰え、全身の筋肉が徐々に麻痺する難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の原因が、細胞の核外にたまるたんぱく質を作り出す遺伝子であることが、新潟大学脳研究所の研究でわかった。ALS患者の大半を占める非遺伝性の患者の治療にもつながることが期待される。26日の米国神経学会誌で公表された。

同研究所の説明では、ALS患者の約1割が遺伝性で、多くは全身の細胞にある遺伝子(SOD1)が変異している。これまでは、これらALS1と呼ばれる患者の研究が中心だったが、約9割を占める非遺伝性の患者は組織が異なるため研究が進まず、その治療方法も課題となっていた。

同大の研究チームは、遺伝性患者の中で、神経細胞に「TDP43」と呼ばれるたんぱく質が蓄積するごく少数の患者に着目。このTDP43を作り出す遺伝子がALSの原因であることを突き止めた。TDP43が蓄積することで神経がなくなる引き金になることもわかった。

非遺伝性の患者の多くはTDP43がかたまって蓄積しているため、こうした患者の治療にも道が開けたといえそうだ。研究を進めた小野寺理准教授は「TDP43がなぜ蓄積して悪さをするのかのメカニズム、たまらないようにするにはどうすればいいかなど、さらに研究を進め、治療に役立てたい」と話している。(YOMIURI ONLINE)

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは?
運動神経細胞の死滅や損傷によって起こる病気(運動ニューロン病)の一つです。主に40〜50歳以降にみられ、手足やのど、舌などの筋肉が次第にやせて、力が出なくなります。

最初は手指が動かしにくく、ひじから先の筋肉がやせてきます。筋肉が衰えると、不規則にピクピク動く症状(筋線維束攣縮)がみられるようになります。のどの筋肉がやせると、話しにくい、飲み込みにくいといった症状が現れます。
症状は進行し、平均2〜3年で呼吸障害に至り、人工呼吸器が必要になります。ただ、感覚や知能は末期まで保たれるのが普通です。

現在、治療法は確立されていません。病気の進行を遅らせるリルゾールの服用で、生存期間を延長させることが可能な場合があります。対症療法としては、痛みには鎮痛薬や適度なリハビリテーションが、不安や不眠には抗うつ薬や睡眠薬が用いられます。

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