がん診療拠点 110病院が新たに候補

がん医療の地域格差解消のため、厚生労働省が機能強化を目指している「がん診療連携拠点病院」について、全国で110余りの病院が新たな候補になっていることがわかった。
同省では、28日に開かれる検討会に、指定の是非をはかる。これまで、拠点病院は135病院にとどまっており、数の面では充実することになりそうだ。

拠点病院は、胃がんや肺がんなど患者数の多いがんについて、全国どこでも生活圏内で質の高い医療を受けられるようにするため、2001年に始まった制度。全国を約370の地域に分け、それぞれ一つずつ拠点病院を指定する目標だったが、指定は135病院だけで、京都、秋田など7府県では空白となっていた。

これを充実させるため、同省では今年2月に新しい整備指針を通知。〈1〉地域の拠点病院に、研修や診療支援を行う都道府県単位の拠点病院の新設〈2〉すべての拠点病院への、相談支援センターの設置――などを盛り込み、専門医の配置基準も明確にした。

新指針下で初めての指定に向け、都道府県が推薦した病院は、大学病院や自治体病院など百十数病院。空白の7府県からも推薦があった。このうち、検討会が認めた病院が来月にも正式に拠点病院に指定される。

急増の背景には、今年度から補助金が大幅に増額されるなど、病院側にとっても、有利な制度になったことがあるとみられる。

日本がん患者団体協議会の山崎文昭理事長は「患者にとって便利になるのは喜ばしい。ただ、数を増やすだけでなく、それぞれ得意分野をもった拠点病院同士が連携して、全体的に治療成績を上げていくことが必要だ」としている。

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薬学部、来年度は71校に 新たに4大学が設置申請

来年度の薬系大学・学部開設に向けて、既に設置を申請している兵庫医療大学のほか、[1]岩手医科大学[2]いわき明星大学[3]姫路獨協大学[4]安田女子大学――の4校が、19日付で薬学部の認可申請をした。
特に問題がなければ、11月には大学設置・学校法人審議会による答申が行われる見込みで、来年度には薬学部が全国で71校となる可能性が高い。

今回の申請が認められれば、岩手県では初めての薬学部が設置され、福島県では2校目が開設されることになる。兵庫県は一挙に2校増えて5校となり、薬系大学の多い都道府県として東京(9校)、千葉(7校)、大阪(5校)に続く。また広島県は4校となり、愛知県に肩を並べる。

今回、薬学部設置を申請した4大学と、大学を新設する兵庫医療大学は、いずれも6年一貫。各大学の設置者、所在地、学科名・入学定員は次の通り。

  • 岩手医科大学:岩手医科大学、岩手県紫波郡矢巾町、薬学科160人
  • いわき明星大学:明星学苑、福島県いわき市、薬学科150人
  • 姫路獨協大学:獨協学園、兵庫県姫路市、医療薬学科120人
  • 安田女子大学:安田学園、広島県広島市、薬学科130人
  • 兵庫医療大学:兵庫医科大学、兵庫県神戸市、医療薬学科150人

脳梗塞悪化させる物質確認 新治療薬開発に期待

血管が詰まって脳内の血流が低下する脳梗塞が起きると、周辺の細胞からプロスタグランジンE2(PGE2)という物質が大量に放出され、脳障害を悪化させることを、北里大の佐々木泰治教授(薬理学)と大阪大の研究チームがマウスを使った実験で突き止め、27日発表した。

この物質が作られるのを抑える薬ができれば、脳梗塞に伴う体のまひや認知障害といった後遺症を減らすことも可能になり、佐々木教授は「年間50万人前後が起こしているとみられる脳梗塞の治療に大いに役立つ」と話している。

PGE2は血流を増加させるなど薬に似た働きも持つ。脳梗塞が起きた場所で多く放出されることは知られていたが、脳障害との関連は不明だった。

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大日本住友と米ブリストル、がん治療薬など総合供与

大日本住友製薬と米系のブリストル・マイヤーズ(東京・新宿、ラッセル・J・ブルーム社長)は24日、それぞれが持つ肝細胞がん治療薬と血圧降下剤の販売権などを相互供与すると発表した。

ブリストルは血圧降下剤「イルベサルタン(一般名)」の国内での開発・製造・販売権を大日本住友に供与する。同剤は仏サノフィ・アベンティスが発見した薬剤で、ブリストルと塩野義製薬が国内の開発・製造・販売権を取得していた。大日本住友は今後、塩野義と共同開発して発売を目指す。

大日本住友は開発中の肝細胞がん治療薬「SM―11355」の共同販売権をブリストルに付与する。発売後、両社で販売する。

鹿島アントラーズ、介護予防事業に参入

サッカーJリーグ1部の鹿島アントラーズ・エフ・シー(茨城県鹿嶋市)は、来年4月から介護予防事業に参入する。地域の高齢者が介護を必要とせずに暮らせるように、選手やコーチがストレッチなどの運動や健康法を低価格で指導する。
厚生労働省によるとサッカーチームの介護関連事業への参入は初めて。

市町村が実施する介護予防の地域支援事業の一環として、鹿嶋市がアントラーズに業務を委託。ホームグラウンドであるカシマサッカースタジアムや自治体の公民館などで、ストレッチやウオーキング、体操を主とした「運動プログラム」と、健康法やダイエット、食事指導などの「教養プログラム」を提供する。近く発表する。

医療費、32兆4000億円 3年連続で最高更新

厚生労働省は26日、2005年度の概算医療費が04年度の31兆4000億円から3・1%増加し、過去最高の32兆4000億円に上ったと発表した。診療報酬の大幅引き下げで医療費が減少した02年度から増加に転じた03年度以降、3年連続で最高額を更新した。

医療費は高齢化の進展や医療技術の高度化によって、毎年3−4%程度の自然増が見込まれており、診療報酬改定や大きな医療制度改正がなかった05年度はこれに見合う伸び率となった。

05年度の70歳以上の高齢者医療費は5・7%増の13兆5000億円で、全体の41・6%を占めた。1人当たりの医療費でも高齢者は1万6000円増の75万5000円に上っており、全体平均の25万4000円と比べ3倍になっている。

ドミノ肝移植患者、6年半で難病発症

玉突き式に移植を行う生体ドミノ肝移植を1999年に受けた患者が、移植した肝臓に原因のある神経障害の難病を6年半後に発症していたことがわかった。

熊本大の医療チームが国内で初めて確認した。これまで実施されたドミノ肝移植ではすべて、同じ難病の患者の肝臓が利用されてきたが、20年程度とみられていた予想よりかなり早い発症だった。
移植後の生存率を高めるため、過去の患者の追跡調査を徹底し、どのような患者を対象にすべきか、指針の策定が求められそうだ。

熊本大大学院の安東由喜雄教授によると、患者は50代の女性。肝硬変のため1999年7月、国内で初めて、ドミノ肝移植を京都大病院で受けた。肝臓は「家族性アミロイド・ポリニューロパチー」(FAP)という神経障害の病気を持つ人が提供した。
今年2月、この女性の足先の温度感覚がなくなり、熊本大は、FAPの初期症状と診断した。移植による発症は、英国で昨年報告された移植後8年目での例など世界でも過去数例しかなかった。

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乳がんを矢印表示:コンピューター診断手助け 超音波画像分析

岐阜大学大学院医学系研究科の藤田広志教授(知能イメージ情報学)らの研究グループは、超音波で撮影した女性の乳房の画像をコンピューターで分析し、乳がんの恐れのある部位を矢印で示して医師を補助する「コンピューター支援診断システム」を開発した。
乳がん検診は現在、主にマンモグラフィー(エックス線画像検査)と医師による視触診で行われているが、コンピューターによる超音波画像診断を加えることで、乳がんを見落とす確率が大幅に減ると期待されている。研究成果は、10月7日に東京で開かれる医用画像情報学会で発表される。

マンモグラフィーだと、がんも乳腺組織も白く写ることから、乳腺密度が高い女性は、がんが見えにくい。
日本の女性が乳がんを患うピークは40歳代だが、一般的に40歳代は乳腺密度が高く、小さながんを完全に見つけることは、ベテラン医師でも難しいとされる。

藤田教授らは、超音波で乳房を撮影すると、がんの部位に卵形の黒い影が写ることに着目。事前に、乳がん患者や乳房にしこりがあるなど乳がんの恐れがある人計109人のデータをコンピューターに登録・学習させ、正常部位とがん細胞に侵された部位を、自動的に区別できるようにした。

そのうえで、超音波で乳房を撮影し、3次元の立体画像をコンピューターで解析。がんの疑いがある部位を見つけると、コンピューターの画面上に、矢印などで医師に提示できるようにした。
研究グループでは、がんの疑いのある16人を対象に、コンピューターによる超音波画像診断を実施した結果、14人のがんの部位を的確に特定し、9割近い確率で正確な診断結果を得ることができた。

乳がんや乳腺の超音波診断に詳しい栃木県保健衛生事業団の森久保寛・医療部長は、「超音波画像を使ったコンピューター支援診断は、乳がん検出の確率がマンモグラフィーや視触診に比べ格段に高く、先駆的な取り組みだ。精度を高め、現場で活用できるようにしてほしい」と話している。

関連記事:更年期障害ホルモン療法(HRT)で乳がんリスク6割減

日赤、10月から献血手帳を磁気カードに

日本赤十字社は10月から献血手帳を磁気カードに順次切り替えることを決めた。輸血用血液の安全性向上のため、献血者の身元確認をしやすくし、各種ウイルスの感染検査目的の偽名献血に一定の歯止めをかけるのが狙い。

日赤によると、輸血によるウイルス感染などが疑われる場合、献血者の追跡調査ができるよう2004年10月から初回の献血時に運転免許証や保険証などの身分証の提示を求めている。
しかし、献血者の中には身分証を携帯していなかったり、ウイルスの感染検査目的で偽名を使ったりするケースも後を絶たず、日赤は今年4月から3回連続で身元確認ができない場合は献血を断る制度を導入していた。

塩野義製薬、抗肥満薬の第二相後半を開始・抗生物質なども計画

塩野義製薬は今年度中をメドに抗肥満薬の臨床試験(治験)の第二相後半を米国で始める。秋に米食品医薬品局(FDA)と協議した後、治験準備に入る。日本で治験中の抗生物質なども年度中に第二相前半が終了し、同後半に進める見込み。
第二相治験中の品目の開発後期への移行を急ぎ、中長期の収益拡大にメドを付ける。

一般に第二相では前半の小規模治験で有効性を確認、後半で症例数や期間を拡大する。後半から本格的な治験になる。

杜仲葉に内臓脂肪の減少効果・小林製薬が確認

小林製薬は健康茶の素材でもある杜仲(とちゅう)の葉にヒトの内臓脂肪を減らす効果があることを確認した。10人の被験者が1日当たり杜仲葉エキス1500ミリグラムと粉末600ミリグラム、桑の葉エキス224ミリグラムを2カ月間摂取。内臓脂肪面積は7人で減少。平均でも摂取前より7%減り、35%減の人もいたという。

岡山大学大学院の川崎博己教授との共同研究でも、杜仲葉にラットの血管が硬くなるのを防ぐ「血管若返り」効果があることを確認。いずれも8月に開催される日本杜仲研究会で発表する。

造血幹細胞:休止は冬眠中の細胞と類似

活動していないときの「造血幹細胞」の表面の構造は、冬眠中の哺乳類の脳などの表面に似た状態になっていることを、東京大医科学研究所などの研究チームがマウスを使った実験で突き止めた。
ヒトのがん細胞を生み出すがん幹細胞などの増殖の仕組みにも共通している可能性が高いという。

研究チームは、マウスの骨髄から血液をつくる元になる造血幹細胞を取り出し、細胞増殖の仕組みを調べた。血液細胞の増殖を休止しているときは、細胞表面にいかだのような形の脂質が分散して存在し、増殖活動中は集まっていることが分かった。
研究チームは、「脂質が集まることによって、外部から細胞への刺激が伝わりやすくなり、幹細胞が目覚めるのでは」と推測する。

また、脂質が分散しているときには、冬眠中のリスの脳などの細胞で確認されている「FOXO」というたんぱく質の遺伝子が活性化していた。

研究チームの中内啓光・同研究所教授は「抗がん剤治療が効きにくいのは、がん幹細胞の一部が冬眠状態になっているため、と考えられている。この冬眠状態を自由に制御できれば、抗がん剤を投与したときに、がん幹細胞を冬眠から覚めさせ、薬が効く状態にできるかもしれない」と話している。欧州分子生物学機構雑誌に発表した。

心筋梗塞:新たな発症遺伝子、理研など発見 危険率1.5倍に

心筋梗塞(こうそく)の発症にかかわる新たな遺伝子を理化学研究所などの研究チームが突き止めた。この遺伝子の塩基配列のうち1カ所が違うだけで、心筋梗塞になる危険率が通常に比べ1・5倍近く高くなった。

研究チームは、大阪大の協力で、国内の心筋梗塞の患者450人と、健康な450人の遺伝子を比較。「PSMA6」と呼ばれ、炎症を抑える分子を分解するたんぱく質の一部を合成する遺伝子の塩基配列が、1カ所異なる人が、患者で多かった。

研究チームは既に心筋梗塞にかかわる別の2遺伝子を発見しており、今回の遺伝子を含む3遺伝子すべての塩基配列が通常と違う危険なタイプだった場合、心筋梗塞になる危険率が約3・5倍で、このタイプの日本人は2%程度という。心筋梗塞には、生活習慣だけではなく、遺伝的な要因も関与していると考えられている。

研究チームの理化学研究所遺伝子多型研究センターの田中敏博・チームリーダーは「今後、心筋梗塞になりやすい人を事前に把握する指標に使えるようになるかもしれない」と話している。
16日の米科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」電子版に発表した。

シニア保険、中高年が加入しやすく

主に中高年を対象に、病気やけがで入院した時にかかる費用を保障する医療保険「シニア保険」の商品性が多彩になってきた。
退職を目前に控えた団塊世代を中心に、これまで加入していた生命保険の保障内容の見直しを急いでいることなどが背景にあり、保険各社とも工夫を凝らしている。

シニア保険は、病気やけがで入院したり、手術にかかる費用を保障し、入院1日当たり5000円前後の保険金が支払われるものが一般的だ。加入条件を緩和して入りやすくしたり、保障内容が充実するほど、保険料は割高になる。

アフラックの「エヴァー」は、保障内容を入院・手術の保障など基礎的な項目に絞り込むことで、保険料を抑えた。幅広い年代が加入できるが、特に50〜60代に人気がある。

アメリカンホーム保険会社の「ザ・大人の医療保険」は55歳から80歳まで加入できる。他人の物を壊したり、けがをさせた時の損害賠償金を補償するのが特徴だ。
5年ごとに契約を更新する仕組みで、契約期間中に入院保険金の支払いがなかった時は、お祝い金が支給される。

過去に病気を患っても加入でき、同じ病気で入院しても保険金が支払われる医療保険もある。
アリコジャパンが7月10日に発売した「医療保険・引受基準緩和型」は、保険料がやや割高だが、糖尿病や慢性腎炎、狭心症にかかったことがあっても、一定の条件に該当しない限り、加入できる。 続きを読む

中医協 医師の技量で診療報酬に差 次期改定へ提案目指す

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は今月末から、医師の技能に応じて診療報酬にランクをつける検討を始める。手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙い。次期診療報酬改定(08年度)への提案を目指すが、医師側には能力評価への拒否反応が強く、どのように、どこまで差をつけられるかなどが課題になる。

医療技術を診療報酬で評価するため、従来は手術件数の多い医療機関に報酬を上乗せしていたが、「手術件数と治療成績の因果関係が不明」として、06年度の改定でいったん廃止された。このため、中医協は31日「手術に係る施設基準等調査分科会」を設置し、医療機関の手術数と成績に関するデータをそろえて検証をスタートさせる。

これを機に、「技術をもつ医師は個人としても評価されるべきだ」という考えの厚労省は、医療機関の手術数だけでなく、医師個人の手術数と治療成績の関係も分科会で調べることにした。

現行の診療報酬は、医師の技量にかかわらず一律で、これが能力向上を妨げているほか、腕のいい医師に謝礼を払う慣行がなくならず、医療費の不透明さを招いている、との指摘がある。

同省は、初・再診料や手術料に医師の技術次第で差をつけ、最高と最低の医師では、手術料の差が2倍程度となるよう設定したい考えだ。

しかし、評価を受ける医師側には反対論が根強くある。日本医師会は学問的な観点からの評価は容認しているが、腕によって報酬に差をつけることについては「数を稼ぐ目的での手術の乱発もおこりうる。医師に点数までつけるのはどうか」と慎重な姿勢を崩していない。

コショウを使って誤嚥予防:東北大チームが研究

高齢者に毎食前、コショウのにおいをかいでもらうだけで、誤って食べ物を気管や肺に吸い込む「誤嚥(ごえん)」の予防が期待できるかも知れない。東北大大学院老年病態学チームが、嚥下(えんげ=飲み込み)反射が改善される効果を確かめた。
肺炎の原因になる誤嚥は、高齢者には命にかかわる問題だ。手軽な予防法につながる成果として、近く米老年医学会誌に発表する。

のどの奥、食道と気管が分かれる部分の働きが衰えた高齢者では、食べ物やつばの誤嚥が増える。健康ならせき込んで排出できるが、そのまま吸い込み肺炎を起こす高齢者も多く、死亡の大きな原因となっている。

東北大の海老原孝枝医師、荒井啓行教授らは、宮城県内の老人保健施設で70〜98歳(平均約85歳)の男女入所者105人を3グループに分け、それぞれ1カ月間、毎食事前に黒コショウのにおいのする精油、ラベンダー精油、水のにおいをかいでもらった。

食べ物を口に入れてから、嚥下反射が起きるまでの時間を調べたところ、実験前は平均15〜17秒だったのが、黒コショウ精油のグループだけが大幅に改善され平均約4秒になった。嚥下運動の回数も増えた。他の2グループでは、大きな変化はなかった。

チームはこれまで、神経で「サブスタンスP」と呼ばれる物質が少なくなると嚥下反射が低下すること、神経にあるカプサイシン(唐辛子の辛み成分)の受容体を刺激すると嚥下が改善することを確かめており、においの強い黒コショウによる改善効果を調べた。海老原さんは「コショウのにおいが脳に作用し、サブスタンスPが増えたのではないか」とみている。

鳥羽研二・杏林大教授(高齢医学)は「実用性のあるアイデアだ。肺炎予防効果が実証されれば、医療・福祉に対して非常に大きな貢献になる」と言う。

ステムセルサイエンス、ヒト幹細胞の販売権取得

再生医療ベンチャーのステムセルサイエンス(神戸市、中島憲三社長)は仏ニース大学などから、脂肪細胞や骨芽細胞などに分化するヒトの幹細胞を研究用途向けに独占販売する権利を取得した。
糖尿病や骨粗しょう症などの医薬品開発に使う細胞として、製薬会社や大学などに年末から供給を開始する。

販売するのは「ヒト脂肪細胞由来多能性幹細胞(hMADS細胞)」とその分化細胞。同細胞は脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、血管内皮細胞、筋芽細胞などに分化し、各細胞が関係する病気の治療薬の効果確認などに使用できる。

生体肝ドナーが下半身不随に・群馬大、医療ミス認める

群馬大病院で昨年11月に行われた生体肝移植手術で、夫に肝臓を提供した50代女性が手術後、血液凝固阻止剤「ヘパリン」の過剰投与が原因で脊髄を損傷し下半身不随になっていたことが24日、分かった。

同病院は医療ミスを認め、女性や家族に謝罪。夫は手術後の今年3月に感染症のため死亡した。

日本肝移植研究会によると、生体肝移植は国内で4000例弱実施。京都大病院で提供者(ドナー)となった40代女性が多臓器不全で死亡した例はあるが、ドナーが医療ミスで重い後遺症になったのは初めて。また、移植を受けた患者の生存率も1年後は約82%、3年後は約78%と高い。

ヘパリンとは?

エコノミークラス症候群、カボスに予防効果!?

飛行機の乗客らに発症するエコノミークラス症候群などの血栓症の予防に、カボスが大きな効果を発揮する可能性が高いことが、大分大教育福祉科学部の望月聡教授(食物栄養学)らの研究でわかった。

今後、地元の製薬会社などと予防飲料の開発に取り組み、2年以内の商品化を目指す。

教授は、大分県の特産品カボスを健康食品として活用するため、2004年度から県などと果実の効能などを調べてきた。その結果、動脈硬化に有効とされるポリフェノールと似た強い抗酸化作用があることを確認。
試験管内で、カボスの搾り汁と生体の血液を混ぜると、血小板が凝集する凝固作用を抑える効果があることがわかった。

凝固作用を抑制する成分はまだ特定していないが、今後、マウスを使って生体内での抑制効果を検証するなどして、予防飲料の開発を試みる。商品化にめどがつけば、「特定保健用食品(トクホ)」の指定も目指し、将来的にはコンビニエンスストアなどで販売したい考えだ。

特定保健用食品(トクホ)とは?

高額医療・介助の合算制度に大きな不備

同じ世帯で医療と介護保険の両方を利用した際の自己負担額が重くなり過ぎないよう、合計額に上限を設ける「高額医療・高額介護合算制度」が平成20年度からスタートするが、75歳以上の「後期高齢者医療制度」と国民健康保険(国保)とに分かれて加入する高齢者夫婦世帯の場合に適用対象外となるなど、制度上の大きな不備があることが22日、分かった。
異なる健康保険の合算を認めていないためだ。後期高齢者医療制度への加入を義務付けておきながら、それが原因で世帯の合算ができないチグハグぶりに反発も出そうだ。

合算の対象にならないのは「夫75歳、妻70歳」といった高齢者夫婦や扶養家族が75歳以上になるといった家族が異なる健康保険に加入している世帯。
合算制度の対象は、健康保険組合や政府管掌健康保険(政管健保)、国保など各健康保険の加入者本人と扶養家族の医療と介護サービスの総額の合計額で計算される。
しかし、一つの世帯を形成していても異なる健康保険に加入している家族は、事務処理が複雑になるなどの理由から合算が認められない。

高齢者の場合、厚生労働省は20年度から後期高齢者医療制度を新設して75歳以上は自動的に加入させる。高齢者夫婦のみの世帯では、ともに74歳以下の時は世帯合算の対象になっていたのが、どちらかが75歳に達した時点で加入する健康保険が異なると世帯合算できなくなる。
子供の扶養家族になっているような場合も75歳になると自動的に合算対象から外れる。これらの世帯では負担額が急増する可能性もある。

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