全国20の不妊治療施設でつくる「日本生殖補助医療標準化機関」(JISART)は4日、会員2施設から申請があった2件の卵子提供体外受精の実施を、3日の総会で承認したと発表した。
提供者は患者の友人と姉妹で、実施されれば日本産科婦人科学会の指針などに反する可能性が大きく、議論を呼びそうだ。
第3者からの卵子提供による体外受精については、厚生労働省の厚生科学審議会生殖補助医療部会が平成15年、姉妹間や友人間での提供は当面認めず、提供者の匿名性を担保することを条件に第3者からの卵子提供を認める報告書をまとめた。しかし、法制化は進んでいない。
また、日産婦の倫理審議会も同年、提供者を匿名の第3者とすべきと答申したが、体外受精を夫婦間に限るとした会告の改定には至っていない。
記者会見したJISARTの高橋克彦理事長(広島HARTクリニック院長)は「厚生審議会の部会は、条件付きで卵子提供体外受精を容認しているが、無償の匿名提供者を探すことが困難な日本の現状では、実施されていない。事前に公表することで、姉妹・友人からの提供の是非を関連機関に検討してもらいたい」と述べた。
JISARTは月内に日産婦と日本学術会議、厚労省に実施の承認を申請し、半年以内に回答がない場合は実施するとしている。高橋理事長によると、卵子の提供を受ける女性はいずれも40歳未満で、卵子提供を受けなければ妊娠できない。昨年5月から今年3月まで9回にわたり倫理委員会を開いて審査し、実施は妥当と判断したという。(Sankei.web)
体外受精とは?
卵巣から取り出した卵子と、精子を体外で受精させる生殖医療の手法。卵管の機能上の問題や精子の運動性の問題がある時などに用いられます。
微細な管で卵子に精子を注入する顕微授精は体外受精の一種です。国内で体外受精によって生まれた子供は10万人を超え、生殖医療の現場では一般的な技術になっています。


