子宮頸がん予防ワクチン「ガーダシル」、米が認可

米医薬品メルクが開発した世界初の子宮頸(けい)がん予防ワクチン「ガーダシル」が8日、米食品医薬品局(FDA)から製剤承認を受けた。
子宮頸がんは子宮がんの約8割を占め、ガーダシルはその原因となる2種類のヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐ働きがある。専門家は、世界で毎年30万人の死者を出す子宮頸がんを予防する上での大きな前進と評価している。

ガーダシルは9―26歳女性が対象で、1回の服用量の販売価格は120ドルになる。メルクは昨年10月、最終の臨床試験で高い効果を確認し、12月にFDAに承認を申請。重要度が高いとして、審査期間が通常より短い優先審査を求めていた。英グラクソスミスクラインも予防ワクチンを開発中だが、メルクが一歩先行する形になった。

メルクは消炎鎮痛剤「バイオックス」で1万件以上の副作用訴訟を抱え、業績に不透明感が強まっている。業界アナリストは、ガーダシルは売上高が20億ドル級の大型新薬に成長する可能性があり、業績を大きく後押しすると指摘している。

関連記事:出産望む女性の子宮がんに広汎子宮頸部摘出術

高額医療が過去最高、月1000万円以上が05年度115件に

健康保険組合連合会は21日、2005年度の高額医療費の調査結果をまとめた。患者1人あたり月1000万円以上の医療費がかかった事例は前年度より26件多い115件となり、過去最高を更新した。医療技術の進歩で高度な治療法が普及してきたことが背景にあり、健康保険の財政を圧迫する一因になっている。

1000万円以上の115件の内訳をみると、循環器系疾患によるものが58件(前年度33件)と最多。次いで血友病が36件(同19件)を占めた。

高額医療の件数は増加傾向が続いており、500万円以上の医療費も2504件と前年度より42件増えた。2000万円を超す「超高額医療」も過去最高の14件に上った。医療技術の進歩で保険が適用される高度な手術や治療が増え、高額な医療材料を使う例が増えている影響が大きい。
高額の医療費がかかった場合、患者の自己負担には上限がある。69歳以下の一般患者なら原則3割が自己負担だが、医療費が月に1000万円かかった場合は自己負担額は300万円ではなく、約17万円で済み、残りは健康保険が支給する。

老人ホーム入居者への訪問診療認める 中医協

中央社会保険医療協議会は21日、有料老人ホームやケアハウスの入居者への計画的な訪問診療を7月から認めることを決めた。4月の診療報酬改定では末期がんの患者に限定していたが、「医師が来なくなると寝たきりの入居者が入院せざるを得なくなる」などの声を受け、3カ月での見直しとなった。

医療制度改革関連法の成立で38万床ある療養病床の6割を削減することになったため、有料老人ホームなどの「受け皿」を整備する狙いもある。

介護保険の対象になっている有料老人ホームやケアハウスには看護職員が配置されているため、医師による訪問診療料などの算定を認めていなかった。
しかし、実態として訪問診療は地域によっては認められており、同省が末期がん患者に対象を絞ったことで1回の訪問で診る患者が減るため「訪問診療は継続できない」と医師側から通告されるホームもあった。このため医師の訪問診療を売り文句にする有料老人ホームなども見直しを求めていた。

新たに認められるのは、医師が入居者の病状を計画的に管理する訪問診療料と、月2回以上の訪問診療をした場合の「在宅時医学総合管理料」。

また、医療機関と有料老人ホームで経営者や役員が同じといった施設の場合、過度の診療を防ぐために訪問診療を認めていなかった。だが、療養病床から転換した有料老人ホームなどについては、同じ経営主体でも算定を認めることにした。

関連記事:HPで介護サービス(有料老人ホーム、ホームヘルパー)を検索

協和発酵、抗体医薬品の製造設備を新設

協和発酵は21日、抗体医薬品の製造設備を富士工場(静岡県長泉町)に新設すると発表した。来年初めに着工し、2009年1―3月に稼働する。総投資額は30億―40億円を見込む。同社は抗体医薬品の臨床試験(治験)を進めており、生産能力を高めて開発スピードを上げる。

 

安全性や有効性を調べる治験で使う治験薬を製造する。最大5キロリットルの動物細胞を培養できるタンクを設置し、細胞が作りだした抗体を精製する。現在は防府工場(山口県防府市)に最大200リットルのタンクがある。治験の進行に伴い治験薬の使用量も増えるため、新設を決めた。

抗体医薬品はがん細胞など特定のたんぱく質を狙い撃ちする抗体を治療に使う。協和発酵は抗がん剤など2品目の治験を進めている。

明治製菓、血糖値上げない甘味料・通販や病院で7月発売

明治製菓は14日、食べても血糖値に影響しない甘味料を開発したと発表した。7月上旬に通信販売や一部の病院で発売する。糖尿病患者やダイエットに関心が高い一般消費者ら向けに、2007年3月期に5億円、09年3月期に30億円の売り上げ(出荷額ベース)を目指す。

開発したのはフラクトオリゴ糖が含む成分の1つ「GF2」を高純度の結晶として精製した甘味料。砂糖を酵素で反応させてフラクトオリゴ糖に変え、GF2だけを取り出す。
砂糖に似た甘みだが、食べても糖として吸収されず、血糖値に影響しないという。食品メーカーや外食チェーンなどにも順次供給し、海外展開も計画する。

たばこ肺疾患、チェックシートで早期診断

たばこでリスクが高まる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期診断チェックシートを相澤久道・久留米大教授(呼吸器・神経内科)らが作った。31日の世界禁煙デーを前に、注意を呼びかけている。

COPDは肺に炎症が起き、酸素と二酸化炭素を交換する肺胞が壊れたり、気管支が細くなったりする病気。日本人の死因第10位で、世界保健機関(WHO)も2020年には世界の死因第3位になると予測している。

せきやたん、息切れなどが主な症状で、静かに進行し、やがては呼吸不全になる。国内の患者は500万人以上と推定されるが、風邪や年のせいと思って見過ごし、受診した時は重症であるケースも多い。

チェックシートは世界家庭医学会が認定したものを、相澤教授らが訳した。対象は40歳以上の喫煙者(過去喫煙者も含む)。年齢やたばこの本数、体重を身長の2乗で割った肥満度指数(BMI)など8項目38点満点。17点以上だとCOPDの可能性が高い。ぜんそくなど別の病気と区別するための質問もある。

早期発見できれば、運動や食事療法、薬によって進行を抑え、生活の質を改善できる。16点以下でも、気になる人は専門医に相談してほしい」と相澤教授は話している。

関連記事:画像検診で早期肺がん発見 10年生存率が9割

広告が影響?少女の喫煙、世界的に急増 WHO調査

たばこを吸う少女が増え、若年層の男女間の喫煙率の差がなくなりつつある―。31日の世界禁煙デーにあわせ、世界保健機関(WHO)米疾病対策センター(CDC)と協力して実施した世界若者たばこ調査の結果を公表した。たばこ産業が女性市場を開拓しようと、「たばこはおしゃれ」という広告に力を入れていることなどが背景にあると分析している。

両機関は99年から02年にかけて、世界76カ国約120地点で約40万人の13〜15歳の少年少女を調査した。

成人の紙巻きたばこの男女喫煙率はアジア、アフリカ、中東などで男性が女性の7倍から11倍多く、欧米でも男性の喫煙者が女性の2倍近くになる。
しかし、13〜15歳人口でみると、アフリカや東南アジア、中東では喫煙女性1人に対する喫煙男性数は2.2人から4.3人で、成人の男女比の半分ほどだった。北米・中南米、欧州では1.2人と男女差はほとんどない。調査地点の半数で喫煙率の男女差がなかったという。チリやウルグアイ、ブルガリアの調査地点のなかには、女性の喫煙率が男性を上回るところもあった。

米国や北欧の一部で女性喫煙者は減り始める一方、アジアなど途上国の女性がたばこの有望市場になっており、報告書は「たばこメーカーは女性誌の広告やファッションイベントの主催などを通じて女性消費者の獲得に成功している」としている。WHOは若い女性に焦点をあてたたばこ規制政策づくりを急ぐべきだと指摘している。

関連記事:喫煙者、心筋梗塞などの発症リスク3倍に・厚労省研究班

「和食はヘルシー」実証 東北大、ネズミで実験

健康にいいのは洋食より日本食―。半ば常識になっている通説を科学的に立証しようと、東北大の宮澤陽夫(てるお)教授(食品学)らがネズミで実験をした。その結果、日本食を食べたネズミの方が、コレステロールや脂肪を分解する遺伝子が活性化し、健康的であることが確認できた。

実験ではまず、日米の国民栄養調査を基に、最近の両国の代表的な1週間のメニュー各21食分を選んだ。日本食はさしみや雑炊、オムライスなどで、米国食はハンバーガーやフライドチキンなどだ。栄養士に実際に調理してもらった食事を凍結乾燥。粉末にして混ぜた後、それぞれ8匹のネズミに3週間食べさせた。

ネズミの肝臓で計1万種類の遺伝子の働きを比べたところ、日本食のネズミではコレステロールや脂肪を分解する複数の遺伝子が、米国食の1.5倍以上に活性化していた。効率よく分解が進んだと見られる。実験後に肝臓内にたまったコレステロール量は、米国食の方が1割以上多かった。

研究では欧米化がそれほど進んでいなかった60年代の日本食と最近の日本食も比べたが、60年代の食事の方が健康によいようだとの結果も出た。

和食の方が健康にいいらしいことは、多くの疫学研究などが示しているが、具体的理由は必ずしもはっきりしていない。宮澤さんは「日本食有利説を科学的に確かめたかった。我々団塊世代が育った洋食化していない食事の方が、今の日本の食事よりも健康的なことも分かった」と言う。

禁煙薬「チャンティックス」承認、脳内でニコチン中毒"退治"

米医薬品最大手ファイザーは11日、ニコチンが人間の脳内で特定の受容体に直接作用し、喫煙と同様の状態を作ることで、服用者が禁煙できるようにする新薬について、米食品医薬品局(FDA)から承認を受けた。喫煙者が12週間服用した実験では1年後に5人に1人が禁煙に成功したという。

薬品のブランド名は「チャンティックス」で、2010年までに年12億ドルの販売を見込む。服用すると喫煙による満足感も薄れ、ニコチンに依存する悪循環を断ち切る効果もあるという。

禁煙ガム、パッチと異なる服用式の禁煙補助剤では、英大手グラクソスミスクラインが「ザイバン」という薬品を投入している。比較実験の結果によると、ファイザーの新薬はより高い禁煙率を達成したという。

FDAは国民の健康への貢献が大きいと判断し、通常より審査期間が約4カ月短い優先審査を適用した。FDAは「喫煙は断ち切るのが難しい習慣だが、新薬は禁煙を望む数百万人に効果的な治療法になる」とみている。

関連記事:喫煙者の5割、肺がんの可能性を自覚も禁煙までは至らず

マツモトキヨシ、24時間営業へ―改正薬事法成立で規制緩和

改正薬事法が8日、成立した。薬剤師がいなくても風邪薬や鎮痛剤などが販売できる規制緩和が骨子で、ドラッグストア最大手のマツモトキヨシは人件費削減のメリットを生かして24時間営業の導入を始める方針。
一方、「医薬品販売に参入する好機」とコンビニエンスストアなど異業種にも、ひとまず期待感が広がっている。

法改正の恩恵が最も明確なのはマツモトキヨシ。長年の懸案となっていた24時間営業に一気に道筋が開けるからだ。全国にある750店のうち繁華街や住宅地を中心にした約100店を3年かけて24時間営業に切り替える。一般社員より月額10万円以上高い薬剤師を常駐させないので「大幅な人件費削減が見込める」という。

トヨタグループ、後発薬の利用拡大・200種類を原則無条件に

トヨタ自動車グループは後発医薬品の利用を拡大する。4月の診療報酬改定で処方せんの書式が変更になったことを受け、トヨタ記念病院(愛知県豊田市)が電子カルテシステムを一部変更。
あらかじめ決めた200種類の新薬は原則として無条件で患者が後発薬を選べるようにした。患者の負担を軽くするほか、健康保険の財政負担を軽減する狙いだ。

トヨタ記念病院では、後発薬への代替が可能と認めた約200種類の新薬を医師が選ぶと処方せんに「変更可」の表示と医師名を自動的に印字する。特別な事情がない場合医師は押印、患者が希望すれば調剤薬局で後発薬を購入できる。

後発医薬品
製造方法などに関する特許権の期限が切れた先発医薬品について、特許権者でない医薬品製造企業がその特許内容を利用して製造した、同じ主成分を含んだ医薬品を指す。 先発医薬品の特許が切れるとゾロゾロたくさん出てくるのでゾロ等と呼ばれていたが、商品名でなく有効成分名を指す一般名(generic name)で処方されることが多い欧米にならって、近年、「ジェネリック医薬品」と呼ばれるようになった。

関連記事:後発薬の普及、じわりと拡大

大豆イソフラボンの取りすぎに注意

国民生活センターは22日、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や乳がんの予防効果があるとして人気の「大豆イソフラボン」を含むとされる健康食品24商品を調査したところ、14商品で1日の摂取目安量が、食品安全委員会が特定保健用食品を対象に定めた摂取上限量(アグリコン量換算で30ミリグラム)を超えていたと発表した。摂取目安量が上限量の2倍以上のものもあった。

14商品は「イソフラボーン」(サンウエル)、「黒ごまイソフラボン」(ケイセイ)、「豊年大豆イソフラボン30」(J―オイルミルズ)など。同センターが14商品の製造・販売業者にアンケートしたところ、4商品は生産を終了するか販売中止予定、9商品は摂取目安量を上限量以下に変更することなどを検討中で、変更の予定がないのは1商品だけだった。
大豆イソフラボンは摂取しすぎるとホルモンバランスを崩す恐れがあり、食品安全委は、1日の摂取上限量を決めている。

関連記事:大豆イソフラボンに局部性前立腺がんの抑制効果:厚生労働省