厚生労働省:業界団体向けにノロウイルス対応マニュアル

ノロウイルスの大流行を受けて、厚生労働省は、年末年始に大勢の人が集まるホテルや旅館、飲食店などで感染が拡大するのを防ぐ「対応マニュアル」をつくり、都道府県や業界団体に通知した。
「感染している客の宿泊を断れるのか」などの問い合わせが保健所に殺到し、対応に苦慮していたのを受けてのもの。飲食店や宿泊業者から寄せられた相談例を分析し、対応策をまとめた。

人の出入りが多い宿泊施設や飲食店などで、ウイルスが大量に含まれる患者の排泄(はいせつ)物や嘔吐(おうと)物が適切に処理されないと、感染が広がりかねない。下痢や腹痛などを訴えて感染が疑われる客がいる場合、どう対応するべきか悩む業者も少なくないという。

厚労省が情報収集したところ、長野県では飲食店から「感染した従業員を休ませたが、いつから復帰させていいのか」との問い合わせが相次いでいた。大阪府では、高齢者や障害者の福祉施設から「共同浴場に感染者と健康な人を一緒に入れても大丈夫か」という相談が多く寄せられていた。

全国的には、旅館やホテルなどから「客が吐いたものや便から感染が広がっても、営業停止の対象になるのか」「感染が疑われる客の宿泊を断れるのか」などの問い合わせが多かったという。

こうした問い合わせを参考に、マニュアルは、消毒や感染予防、宿泊関係、就業関係など8項目についてQ&A形式で対応を紹介。感染が強く疑われる宿泊者には「施設の利用を控え、医療機関を受診するよう勧めることが望ましい」と指導。患者の汚物などに触れる場合は、ガウンやゴム製の手袋、マスクなどを着用し、衣類につけないことが重要としている。

また、ノロウイルスは、発症後も1週間から1カ月程度、ウイルスの排泄が続くため、従業員が感染した場合は、症状がなくなってもしばらくは食品の取り扱いを控えるか、使い捨て手袋などを使用するよう、求めている。

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肥満は健康だけでなく、消化管内の細菌構成も乱す

肥満は健康を害するだけでなく、消化管内の健康的な細菌構成も乱すことが新しい研究により示唆された。この知見の意義については明確ではないが、新しい肥満治療の可能性につながるものであり、肥満に関する未踏の研究分野を切り開くものだと専門家は述べている。研究は、英科学誌「Nature」12月21日号に掲載された。

一般に細菌は悪いものと考えられているが、実際には体内の一部の細菌は善玉であり、消化系では食物の分解をはじめ、いくつかの役割を担っている。米ワシントン大学医学部の研究グループは、腸内細菌の構成が痩せた人と肥満の人とでは異なるのかどうかに着目し、肥満者12人の糞(ふん)便中の細菌を1年にわたり研究。この間、被験者は徹底したダイエットを実施した。

その結果、肥満者は痩せた人に比べ、バクテロイデテス(Bacteroidetes)類の細菌が少なく、ファーミキューテス(Firmicutes)類が多いことがわかった。また、同じグループによる関連研究では、これと同じような細菌構成をもつマウスは、食物からカロリーを効率よく取り出すことができ、これが体重増加を招くことも明らかにされた。しかし、肥満者がダイエットを続けることによって、細菌構成は痩せている人に近いものになっていったという。

研究を率いた同大学ゲノム科学センターJeffrey Gordon博士は、この2研究によりいくつもの疑問が提起されると述べている。一部の成人が肥満になりやすいのは、もともと腸内のバクテロイデテス類細菌が少なくファーミキューテス類が多いためのか。
また、バクテロイデテス類が少なくファーミキューテス類が多いという特徴が、肥満状態の定義づけあるいは肥満のリスク増大の指標となるのか。腸内細菌を安全かつ有益な方法で意図的に操作して、エネルギーバランスを制御することは可能なのかといった疑問が挙がっている。

腸内細菌が肥満体質の原因となるのか、腸内細菌の変化が実際に体重に影響を及ぼすのかを判断するには、さらに研究を重ねる必要があると専門家は指摘している。
現在のデータでは、腸内細菌と体重との関連は示されているものの、腸内細菌が体重の調節に寄与しているかどうかは明らかにされていないという。

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心筋細胞再生:人への応用目指し、豚で移植実験

自治医科大東京女子医大の研究チームが来年1月、ブタの心筋細胞から作ったチューブを別のブタに移植し拍動させる実験に乗り出す。
ラットを使った同様の実験は既に成功しており、研究チームの小林英司・自治医大教授(移植免疫)は「将来はヒトの細胞から心不全治療に使える『拍動動脈』を作りたい」と話す。

現在、心臓移植を受けられない重症の心不全の患者は、補助人工心臓を埋め込む治療を受ける。長く使用できるタイプもあるが、機械を体内に入れることによる感染症や機械の故障などトラブルも多い。

研究チームは昨年春、生まれたばかりのラットの心筋細胞を培養し、別のラットから取り出した動脈に巻きつけて直径1.3ミリのチューブを作った。それを大人のラットの大動脈に移植したところ、4週間後にチューブが独自の拍動をし、血圧が上がっていることを確認した。

ブタの実験では、ブタの胎児から心筋細胞を採取して同様のチューブを作り、別の大人のブタの大動脈に移植する。移植するチューブが1本の場合と3本の場合を比べ、血圧上昇への関与を調べる。実験が成功すればヒトへの応用も視野に入ってくるという。

ただ、大人のヒトの心筋細胞を増殖させることは難しいため、実現には受精卵から作る胚(はい)性幹細胞(ES細胞)などから心筋細胞を成長させる技術の確立が必要だ。

小林教授は「国内では脳死臓器提供者が非常に少なく、移植までの待機期間が非常に長い。チューブは生体と同じ組織。補助人工心臓と違って動力の外部エネルギーも不要なため、成功すれば患者側のメリットは大きい」と話している。

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厚労省:75歳以上の外来診療「定額制」導入へ

厚生労働省は28日、75歳以上のお年寄りの外来診療について、医師の治療を1カ月に何回受けても医療機関に支払われる診療報酬を一定にする「定額制」を導入する方針を固めた。寝たきりの在宅患者への往診など、高齢者向け医療の一部ではすでに定額制が導入されている。厚労省はこれを外来医療へと拡大して医療費の抑制を図る考えだ。
高齢者に対して、必要度の高くない医療が過剰に行われているとされる現状を改善する狙いだが、患者の受診機会の制限につながる可能性や、医療機関がコストを下げようと必要な医療まで行わなくなる危険もあり、今後、適用する疾病の範囲や条件を慎重に検討する。

06年の医療改革で、75歳以上を対象にした新しい保険制度を08年に創設することが決まっている。厚労省は来年3月までに、ここに盛り込む独自の診療報酬体系の基本方針を出す予定で、外来診療の定額制導入は、その柱となる。

社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会で1月から本格的に検討を始める。患者は、高血圧や心臓病、関節障害など、特定の慢性疾患の医療機関をあらかじめ選ぶ。
そこで一定回数以上受診すると、それ以上は何回受診して投薬や検査を受けても医療機関が健保組合から受け取る報酬は定額とする方法などが検討される見込みだ。

現在の診療報酬は、個別の診察や検査、投薬について細かく料金が設定され、それを積み上げて治療費が決まる「出来高払い」が基本。患者に多くの治療を行うほど医療機関の収入が上がる仕組みで、高齢者の外来医療では「過剰な診療で、医療費の増加や病院・診療所のサロン化を招いている」との指摘もある。

75歳以上の医療費(04年度)は9兆214億円で、医療費全体の28%を占める。患部を温める簡単な治療を受けるため患者が1カ月に20回以上診療所に通うなどのケースもある。

厚労省は、医療の質を保ちつつ定額制を導入することは可能とみるが、患者は選んだ医療機関に一定期間は通い続けることが求められ、いつでもどの医療機関でも受診できる自由が一部制限される。受けられる治療の回数が減ったりすることも考えられ、反発が予想される。

また、同じ病気について患者が同時期に複数の医療機関を受診すれば、逆に医療費がふくらむ恐れもあり、重複受診を防ぐ仕組みも必要となりそうだ。

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ネットで介護サービス(有料老人ホーム、ホームヘルパー)を検索

有料老人ホームや訪問介護などの事業所の詳細情報が順次、ホームページ上で公表されている。

介護保険法改正で始まった新たな情報公開制度で、主な介護サービスについて今年から来年にかけて公開される。事業所を選ぶうえで重要な情報が多数盛り込まれており、ポイントを押さえて活用したい。

介護サービスの情報は、社団法人「シルバーサービス振興会」の介護サービス情報公表支援センターのホームページから都道府県ごとに進み、個別の事業所の情報を見ることができる。

「自分でインターネットを利用できない場合は家族、市町村の高齢者介護担当課、ケアマネジャーなどに相談してご覧になってください。書かれていることがわからなければ、事業所に説明を求めてください」とシルバーサービス振興会ではアドバイスする。

介護サービスの中でも、消費者が選択に迷うのは有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)。「公開情報を上手に読みこなしましょう」と国民生活センター調査室長の木間(このま)昭子さんは言う。

基本情報は大きく5項目に分かれる。「4・介護サービスの内容に関する事項」では「前年度に退去した者の人数」「入居者の入居期間」が公開されているので要チェック。
「居室が個室か」「要介護になった時に部屋は移るのか」などの情報も重要だ。一般居室は個室でも介護居室は相部屋というホームもある。

「5・介護サービスを利用するに当たっての利用料等に関する事項」では、入居時に払う一時金の償却についての情報が公開されている。償却とは、一時金のうち退去しても返済されない金額。「初期償却率20%、5年で90%償却」とあれば、一定期間後に退去しても一時金の2割は戻ってこないし、5年を過ぎれば9割は戻ってこないことを示す。償却率が高いと、ホームを出ると損失を被るのでトラブルがあっても我慢ということになりかねない。

「3か所ぐらいの候補を探したら、このポイントを念頭に比較、検討しましょう。疑問を持ったら事業所に聞き、何度か体験入居をして確認してください」と木間さんは話す。

訪問介護(ホームヘルパー)などの在宅介護サービスでは、どこに気を付ければいいだろうか。

「3・事業所等において介護サービスに従事する従業員に関する事項」で、従業員のの人数や資格などがわかる。経験年数や、前年度の退職者数まで公開されている。

「常勤が多いかどうか、社会福祉士、介護福祉士、訪問介護員1級などの有資格者が多いかどうかなども見ましょう。規模の割に退職者が多い場合は、理由を聞いたほうがいい」と、この公開制度づくりにかかわった介護サービス会社、クロス・ロード(東京)社長の馬袋(ばたい)秀男さんは話す。

「4・介護サービスの内容に関する事項」では、利用者の人数の増減もわかる。「著しく減っている場合は理由を尋ねたほうがいいでしょう」と馬袋さんはアドバイスする。

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アフリカ原産植物に「抗HIV活性」を確認:服部俊夫 東北大教授

世界中でエイズの新薬研究が進む中、東北大大学院医学系研究科の服部俊夫教授(感染症・呼吸器病態学)らの研究グループは、アフリカ原産の植物のエキスにエイズウイルス(HIV)の感染を抑制する「抗HIV活性」があることを確認した。南アフリカでは民間療法としてエイズ治療に用いられており、有効成分を特定して新薬開発の可能性を探る。

東北大が2006年度に着手した「アジア・アフリカプログラム」の一環。服部教授らは薬学研究科、南ア・ベンダ大学の研究者と共同で、エイズや結核など感染症の研究を進めている。

抗HIV活性を確認した植物は、「コンブレタム・モーレ」と「ペルトフォルム・アフリカナム」。コンブレタムは熱帯を中心に草原や湿原で自生し、ペルトフォルムは美しい花を付け、アフリカ各地で生育している。
南アフリカでは以前から、民間療法士らが根から抽出したエキスをエイズ治療薬として処方、現地では効果があるとされていた。

研究グループは、ベンダ大が国内で採取したサンプルを使い、抗HIV活性の有無を調べた。ヒトの細胞株にHIVの入った養液をかけると、通常24時間以内に感染するが、植物エキスを加えた場合はいずれも感染しなかったという。

今後は、エキス中の有効成分の特定と解析、化学構造の解明に力を入れ、抗ウイルス剤の開発を進める。植物の特徴や分布状況、民間療法での使用実態などを詳細に把握するため、3月に現地調査する予定。

南アはエイズの流行が深刻化している国の一つだが、高額な治療薬を利用できる患者は少ないとされる。服部教授は「安価な新薬開発を目指しつつ、現地の民間療法も生かして、エイズの感染拡大を防ぐ方策を共同研究の中で考えたい」と話している。

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骨髄移植推進財団が「骨髄提供者に10万円」計画に抗議へ

骨髄移植推進財団(東京)は28日、京都市の任意団体が骨髄移植のドナーを募り、実際に骨髄を提供した場合に10万円を支払う活動を計画しているとして、財団の骨髄バンク事業とは一切関係ないとする声明を発表した。来年1月にも厚生労働省と協議し、団体に事業内容の説明を求めたうえで、抗議なども検討するという。

この団体は、京都市の自営業者や会社員ら約10人でつくる「デラピ」。現在、NPO法人の認可を京都府に申請中だ。

団体は、骨髄移植推進財団が運営する骨髄バンクに登録するか、登録を予定する人を年会費5000円でインターネットなどで募集。実際にバンクに骨髄を提供した場合は、ドナーを経済的に支援するため、団体が10万円の一時金を支払う、としている。

財団は「公平性、公共性、広域性をうたう骨髄バンク事業の基本理念に抵触する恐れがある」として、この団体と協力関係を結ぶことはないとしている。財団は「こうした活動は、結果として臓器売買を助長する可能性もある」と話している。

プロトンポンプ阻害剤(PPI)で大腿骨頸部骨折のリスク増

胃かいようなどの治療で胃酸の分泌を強力に抑制する「プロトンポンプ阻害剤」(PPI)を1年服用すると、足の付け根で骨折して歩けなくなる「大腿(だいたい)骨頸(けい)部骨折」の危険が22%も増加することが、英国の50歳以上を対象にした調査で分かった。

米ペンシルベニア大の研究者らが26日、米医学会誌に発表した。

同骨折を起こした患者1万3556人を含む約15万人を胃酸抑制剤の服用歴に着目して分析した。

骨折の発症率はPPIの服用が長くなるに連れて増加。発症率は2年で41%、4年では59%も服用しない人より高かった。

研究者らは「PPIによってカルシウムの吸収が妨げられるため」と推定。医師が投与量を必要最小限に抑えるよう求めている。PPIは日本でも処方薬として使われている。

航空各社、ノロウイルス対策で機内に除菌剤配備へ

ノロウイルスによるとみられる感染性胃腸炎が猛威をふるっていることから、国土交通省は殺菌に有効な塩素系漂白・除菌剤の航空機への持ち込みを認める通知を航空業界団体に出した。
これを受けて全日空は27日、日本航空も26日から機内に塩素系漂白剤を積み込み、飛行中に乗客が嘔吐(おうと)した場合の処理に使い始めた。

国交省によると、塩素系漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させるため、乗客の機内への持ち込みは禁止されている。航空会社が機内に装備することの禁止規定はないが、機体への影響を考慮して従来は装備していなかった。

航空各社はこれまで、運航中の機内で乗客が嘔吐した場合、客室乗務員がアルコールで消毒。乾燥によるウイルスの飛散を防ぐためにおしぼりなどで覆い、到着後に塩素系漂白剤で消毒し、整備士が機体を腐食させないか確認していた。

国交省が25日付で、持ち込みを認める通知を出したことから、今後は、ノロウイルスの感染のおそれがある際は、客室乗務員が運航中に処理する時点で薄めた塩素系漂白剤を使う。

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厚生労働省:がん拠点病院に全国の118病院を指定

地域のがん治療の中心となる「がん診療連携拠点病院」について、厚生労働省の検討会は27日、これまで拠点病院が一つもない「空白県」だった秋田、兵庫の2県を含む36道府県計118病院の指定を承認した。来年1月にも厚労相が正式に指定する。拠点病院は全国で計286カ所となる。

検討会は、36道府県から申請があった130病院について審議した。承認された118病院から更新分などを除くと、新たに107のがん拠点病院が増えることになる。

がん拠点病院は、全国どこでも質の高いがん治療を受けられることを目標に、厚労省が01年度から整備している。緩和ケアや院内がん登録など一定要件を満たしていることが条件。
厚労省は、全国約370の「2次医療圏」に最低1カ所ずつ拠点病院を設置するよう都道府県に求めている。

中皮腫治療薬「ペメトレキセド(製品名アリムタ)」が承認へ

米系日本イーライリリー(神戸市)の悪性胸膜中皮腫の治療薬が2007年1月にも承認される見込みとなった。同中皮腫はアスベスト(石綿)が原因で発症する。
同社は国内初となる治療薬の販売承認を申請していたが、26日に厚生労働省の薬事分科会を通過した。正式承認後、1―2カ月で薬価が保険収載され次第、発売する。

分科会を通過した治療薬は「ペメトレキセド」(製品名アリムタ)。06年6月にイーライリリーが承認を申請していた。ほかに治療薬がないため優先審査の対象となり、通常2年程度かかる承認が約半年に短縮される見込みとなった。
日本化薬などが販売中のペメトレキセド併用の抗がん剤「シスプラチン」(一般名)も悪性中皮腫の効能追加が同日の分科会で報告され、認められた。

悪性胸膜中皮腫とはどんな病気か
胸膜の中皮細胞由来の腫瘍で、悪性度が高く、石綿(アスベスト)曝露(ばくろ)との関連が深いのが特徴です。

原因は何か
職業的な石綿吸入が発症要因として知られており、石綿鉱山の従業員や、造船業、建設業に従事する人々に発症しやすい腫瘍です。
石綿に被曝してから悪性胸膜中皮腫が発症するまでの期間は、20〜50年とされています。

症状の現れ方
通常、片側の肺を侵すことが多く、胸水がたまってくると、胸痛、咳(せき)、呼吸困難が現れます。発熱を来すことはまれです。
胸部X線検査や胸部CT検査で、胸水がたまっている様子や不整な胸膜肥厚像を認めます。
胸水は血性を示すことが多く、ヒアルロン酸も高値を示します。胸水細胞診のみでは診断率が低く、胸腔鏡検査で胸膜変化部を生検して確定診断される場合も少なくありません。

治療の方法
発症初期での胸膜・肺全摘出術による治療以外に根治的なものはありません。手術不能例では、アドリアマイシンを中心とした抗がん化学療法が行われますが、予後は極めて不良です。

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ファイザーがスニチニブ(腎細胞癌、GIST治療薬)の承認申請へ

ファイザーは、腎細胞癌と消化管間質腫瘍(GIST)の治療薬としてスニチニブ(海外名:スーテント)を国内で承認申請した。
スニチニブは、血管新生に関与するVEGF(血管内皮細胞増殖因子)受容体と、腫瘍増殖に関与するPDGF(血小板由来増殖因子)受容体など複数の受容体を標的にする分子標的治療薬。治験では腎細胞癌、GISTともに無増悪期間を大幅に延ばした。

腎細胞癌、GISTとも難治性の癌として知られ、治療薬も限られており、その中で同剤は国際学会でも期待される薬剤の一つ。
米国では2006年1月に承認され、現在、欧州を含む世界40カ国以上で承認を取得、販売され、日本では厚生労働省の未承認使用問題検討会議で早期承認が必要だとされていた。申請は25日に行われた。

腎細胞癌に対する有効性や安全性は、既に500症例以上での臨床試験で検証されている。未治療の腎細胞癌患者を対象にしたインターフェロンαを対照薬としたPIIIでは、スニチニブ投与群の無増悪生存期間は47.3カ月と、対照群の約2倍となった。

GISTでは、メシル酸イマチニブ(グリベック)が無効だったGISTに対し、スニチニブ群の無増悪生存期間は27.3カ月と、プラセボ群に比べ約4倍となった。

これらデータも申請資料の一部として提出された。主な副作用では、疲労、下痢、皮膚変色、味覚異常、口内炎、消化不良、嘔吐、食欲不振などが挙げている。

京都大学医学部附属病院:がんセンター設置構想

京都大学医学部附属病院は26日、がんセンター設置構想を発表した。
設置されるがんセンターでは、臓器別診療科が個別に癌患者を診療する従来の体制を改め、内科や外科、放射線科など複数の専門医が、横断的・集学的に癌診療を行うことにしている。こうした診療体制は日本ではほとんどなく、大学病院では初めて。
組織全体は2010年1月頃をメドに発足するが、既に一部の機能は稼働しており、10年までに段階的に機能を拡充させていく計画だ。

センターは、[1]外来がん診療部、[2]入院がん診療部、[3]がん診療支援部の3部門で構成される。

外来部門では、内科、外科、放射線、緩和ケアの各専門医が診療科の枠を越え、同一の外来で横断的に診療を行う体制を構築する。診断医や看護師、薬剤師らも加わり集学的な診療を実施する。基本的に全ての初診がん患者を、この外来で受け入れる。

各科が個別に診療を行う従来の体制では、診療科によって異なる治療方針が提示され、患者が混乱したり、世界の標準的な癌治療法との乖離が生じたり、治療方針が固まるまでに時間を要したりするなど、問題があった。

複数の医師や各スタッフが同一の外来で癌患者を診療することによって、▽公平で客観的な情報を提供できるため患者の安心感が高まる、▽医師がお互いの知識を共有でき治療の質が高まり、治療方針も迅速に決定される、などの効果が期待できるという。

前立腺癌については既に外来でこうした体制が組まれている。毎週水曜日、泌尿器科医と放射線治療科医が合同で診察するユニットが03年10月から活動を開始し、成果を上げている。
肺癌、乳癌、食道癌、膵臓癌など他の癌種についても、同様の体制を07年から段階的に拡充させる予定だ。

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細菌性髄膜炎の予防:アクトヒブが承認見通し

厚生労働省は、重症率が高い乳幼児の病気、細菌性髄膜炎の主原因であるインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン(商品名アクトヒブ)を承認する方針を固めた。26日の専門家による会議をへて、1月下旬にも承認される見通し。Hibワクチンは世界100カ国以上で承認されており、先進国で未承認なのは日本だけだった。

厚労省などによると、細菌性髄膜炎の約6割はHibが原因。国内では年間、5歳未満の乳幼児1万人に1人程度がHibによる細菌性髄膜炎にかかると推定される。このうち5%が亡くなり、25%に聴覚障害、てんかんなどの後遺症が残るという。

初期診断や治療が難しいため、予防効果が高いワクチンが80年代後半から欧米を中心に承認され始めた。98年には世界保健機関(WHO)が乳児への定期接種を推奨する声明を出し、現在は、90カ国以上で公費負担などによる定期予防接種が実施されている。
米国では予防接種の導入後、罹患(りかん)率が100分の1にまで減ったという報告もある。重い副作用は実質的にない。

日本では罹患率が欧米の数分の一とされ、ワクチンの必要性がなかなか広まらなかった。03年3月にようやく、サノフィパスツール第一ワクチン(東京都)が新薬の承認を申請したが審査が進まず、05年6月には、日本小児科学会が厚労省に早期承認を要望していた。

承認に時間がかかった理由について、専門家は「審査体制の人員不足に加え、製造過程で牛由来成分が使われることに極めて慎重だったのでは」とみる。

承認後は当面、任意による接種となる。計4回の接種が必要で、3万円程度かかるとされる

病気腎移植について関係5学会が統一見解発表へ

宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる病気腎移植の医学的妥当性を検証している日本移植学会日本泌尿器科学会は、新たに日本腎臓学会など三つの学会に呼びかけ、がんの腎臓を使うなどした「万波移植」について統一見解をまとめることを決めた。
一部の例外的なケースを除き、基本的には容認できないとの内容になる見通しで、早ければ来年1月にも公表する方針だ。

田中紘一・日本移植学会理事長の呼びかけで先週末、大阪市内で関係学会の理事と厚生労働省の担当者がこれまでの調査結果を踏まえて今後の方針を協議。個々の症例に即した具体的な調査が進む年明け以降、まとまって見解を示すことが必要との認識で一致した。

この会議に出席した日本移植学会の幹部の一人は「現時点でも医学的常識から逸脱している例がいくつか見つかっている」と指摘する。がんで腎臓の摘出が必要な場合は通常、転移を防ぐために腎臓につながっている血管を縛り血流を止めてから摘出するが、万波医師らはそうした方法は取らず、移植を前提とした術式で摘出していたという。
この幹部は「腎がんの治療目的での摘出ではないことは明らかで、標準的な治療とはかけ離れていると言わざるをえない」と話す。

病気腎移植に関してはこれまで、外科医らでつくる日本移植学会と日本泌尿器科学会が対応してきたが、万波医師らが、薬物療法など内科的治療が一般的なネフローゼ症候群などの病気の腎臓を摘出して移植に使っていたことも明らかになっている。
このため、両学会は内科医も加入している日本腎臓学会のほか、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会にも参加を呼びかけることにした。

新しい骨髄採取法「灌流法」の臨床試験に成功

関西医科大のグループが、「灌流(かんりゅう)法」と呼ばれる新しい骨髄採取法の国内初の臨床試験に成功した。採取される人の負担が軽く、痛みも軽減される。
骨髄採取時の負担の重さは骨髄移植普及を阻む壁の一つになっており、画期的な方法として注目される。関連病院などで臨床試験を重ね、国内外に普及を進めるという。

従来の骨髄採取は、直径約1.5ミリの針を患者の腰骨の約100カ所に刺し、計0.5〜1リットルの骨髄液を吸い出す。健康な骨髄提供者(ドナー)でも、痛み止めの投与を受けながら3、4日の入院が必要だった。

灌流法は、同大学の池原進教授(病理学)らが開発した。2本の針を同時に刺し、片方から生理食塩水を注入、他方からあふれ出る骨髄液を採取する。効率よく採取でき、吸引しないのが特長。免疫機能を担う末しょう血内のリンパ球の混入が少なく、他人に移植して白血球の型が合わなくても、リンパ球が患者の体を攻撃しない利点もある。

今回は安全性確認のための試験で、リンパ腫の男性患者(58)が採取を受けた。自分の骨髄液を採取し抗がん剤投与後、体内に戻す治療の一環で20日午前、第一内科(福原資郎教授)が実施。
腰骨に開けた穴は8カ所、骨髄液採取量も約0.4リットルで済み、時間も従来の半分以下の1時間弱だった。男性は21日朝には自分で歩き、22日に一時帰宅した。主治医の森眞一郎講師は「従来の症例と比べ、痛みの訴えは格段に少なかった」と話す。

灌流法を使った手術は04年12月、依頼を受けて池原教授らが中国の病院で初めて実施。成功している。

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特発性肺線維症治療薬S-7701(ピルフェニドン)年内に承認申請

塩野義製薬は特発性肺線維症治療薬「S-7701(一般名=ピルフェニドン)」の第三相臨床試験(治験)の結果を解析し、有効性を示すデータが得られたと発表した。2006年度中に厚生労働省に承認申請する。

特発性肺線維症は肺胞壁の線維化が進み、肺活量が減少する原因不明の疾患。症状が進行すると肺での酸素と二酸化炭素の交換が困難になり、酸素吸入療法が必要な場合もある。重症だと難病指定。
米マルナック社が発見し、日本での開発・販売権を塩野義が購入していた。希少疾病用医薬品(オーファン・ドラッグ)指定で、厚生省の審査順番などが優遇される。

薬が効かない超多剤耐性結核(XDR-TB)

従来の薬が効かず、世界保健機関(WHO)が警告を発している治療不可能な新型の結核菌が最近、日本国内の患者から検出された。日本では国民病とまでいわれた結核は、戦後の医療技術の進歩でもはや「過去の病気」と思われがちだが、実は日本は今なお結核の「中蔓延国」だ。

「日本でも薬の効かない手ごわい結核が各地で出ていることは知られていた。今回の調査でその存在が初めて統計的に明確になった。非常に重大な事態だ」
前結核研究所長の森亨・国立感染症研究所ハンセン病研究センター長はこう話した。

薬が効かない結核は超多剤耐性結核(XDR−TB)と呼ばれる。結核に効き目が強い第一選択薬のうち、イソニアジドとリファンピシンに耐性をもつものは、多剤耐性結核(MDR−TB)と名付けられているが、XDR結核はこの二種類に加えて、補助的な第二選択薬(六種類)のうち、三種類以上に対して耐性があるものを指す。

国内のXDR結核の存在は結核研究所の調査で明らかになった。九十九カ所の結核治療施設の入院患者三千百二十二人の結核菌を調べたところ、MDR結核が五十五人(1・8%)から見つかり、うち十七人(0・5%)は第二選択薬も効かないXDR結核だった。

XDR結核はどのようなメカニズムで出現したのか。「自然に発生したものではなく、人為的にできた疾病」と森氏は解説する。
結核の治療期間は最短で六カ月間を要する。しかし「薬を服用し始めて二週間ほどで症状が消え、仕事ができるほどになるため、途中で薬をやめてしまう患者が続出する。結核菌が耐性をもつようになるのは、治療の中断が主な原因になっている」。

とすると患者の側に問題があるように思えるが、「症状が出なくなれば、薬をやめたいと思うのは人間の普通の反応。服用の中断は患者だけの責任ではなく、飽きさせないよう患者に服薬教育をしていない医療機関の責任でもある」と指摘する。

森氏の推定では、MDR結核患者のうち七割は治癒可能だという。残りの三割が手の施しようのないXDR結核で、日本全体で五百人くらいいるとみられる。

XDR結核に対する抗結核薬はまだ開発されておらず、今のところ「化学療法を導入する前の自然治癒に頼る以外にない」。つまりサナトリウムの中で滋養分のあるものを食べ、日光浴をして、時間をかけて養生するという、文豪トーマス・マンの小説『魔の山』に出てくる情景描写と本質的に変わらない。「運がよければ自然治癒で治るが、そうでなければ平均五年で全員死亡する」という。

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ノロウイルス原因の食中毒患者数が昨年の5倍

ノロウイルスの大流行を受けて厚生労働省が行った緊急調査で、ノロウイルスが原因の食中毒として保健所で確定したのが11月以降213件で、患者は9650人に上ることが22日わかった。

発生件数は昨年同期(54件)の4倍、患者数は昨年同期(1737人)の5倍以上になっている。

国立感染症研究所が全国約3000の小児科病院から毎週報告を受けている定点調査では12月4〜10日の1週間、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の平均患者数は1病院当たり22・2人に上り、3週連続で過去最多を更新した。研究所は「流行のピークにさしかかっている」とする。

厚労省によると、今年1月からの食中毒の累計患者数は未集計だが、記録の残る1998年以降で最悪だった2004年の1万2537人をすでに超えたとみられる。
同省は「過去最悪は間違いないが、なぜ急増したのかは不明」という。食中毒以外にも、人から人への感染などのルートがあり、感染者はさらに多い。

発生原因をみると、飲食店などの料理や仕出し弁当などによるものが多く、調理に当たった人が感染していて食材にウイルスが付着したり、調理器具の衛生管理に問題があったりしたケースが目立つ。
食材自体にウイルスが潜んでいることは少なく、カキについてはこれまでのところ原因食材と特定された事例はない。

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脳卒中治療で「tPA」使用病院の情報提供要望

脳卒中治療の向上を目指し情報公開の在り方などを話し合おうと、日本脳卒中協会は医師や患者らによる「脳卒中戦略会議2006」を設置、大阪市内で22日初会合を開き、来年4月に始まる医療機関についての情報提供制度で、脳梗塞の新治療薬「tPA」を使っているかどうかを盛り込むよう国に要望することを決めた。

tPAは昨年10月に承認され、血管で詰まった血栓を溶かす作用があるが、投与後に脳出血を起こす恐れもあり、発症3時間以内の使用など厳しい基準がある。

会合には、日本脳卒中の外科学会や日本看護協会、リハビリ従事者や患者の団体などから約15人が出席。都道府県が診療科目、専門医の数など医療機関の情報を公表する同制度で「医師や救急救命士、市民は、どこの病院がtPAを使うのか知る必要がある」との意見で一致した。

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