ノロウイルスの大流行を受けて、厚生労働省は、年末年始に大勢の人が集まるホテルや旅館、飲食店などで感染が拡大するのを防ぐ「対応マニュアル」をつくり、都道府県や業界団体に通知した。
「感染している客の宿泊を断れるのか」などの問い合わせが保健所に殺到し、対応に苦慮していたのを受けてのもの。飲食店や宿泊業者から寄せられた相談例を分析し、対応策をまとめた。
人の出入りが多い宿泊施設や飲食店などで、ウイルスが大量に含まれる患者の排泄(はいせつ)物や嘔吐(おうと)物が適切に処理されないと、感染が広がりかねない。下痢や腹痛などを訴えて感染が疑われる客がいる場合、どう対応するべきか悩む業者も少なくないという。
厚労省が情報収集したところ、長野県では飲食店から「感染した従業員を休ませたが、いつから復帰させていいのか」との問い合わせが相次いでいた。大阪府では、高齢者や障害者の福祉施設から「共同浴場に感染者と健康な人を一緒に入れても大丈夫か」という相談が多く寄せられていた。
全国的には、旅館やホテルなどから「客が吐いたものや便から感染が広がっても、営業停止の対象になるのか」「感染が疑われる客の宿泊を断れるのか」などの問い合わせが多かったという。
こうした問い合わせを参考に、マニュアルは、消毒や感染予防、宿泊関係、就業関係など8項目についてQ&A形式で対応を紹介。感染が強く疑われる宿泊者には「施設の利用を控え、医療機関を受診するよう勧めることが望ましい」と指導。患者の汚物などに触れる場合は、ガウンやゴム製の手袋、マスクなどを着用し、衣類につけないことが重要としている。
また、ノロウイルスは、発症後も1週間から1カ月程度、ウイルスの排泄が続くため、従業員が感染した場合は、症状がなくなってもしばらくは食品の取り扱いを控えるか、使い捨て手袋などを使用するよう、求めている。


