NEW:このページのニュースはいささか古く2007年1月現在のものです。
2007年12月には、拡張型心筋症の患者さんに、本人の足の筋肉細胞からつくったシートを心臓に張って心筋の働きを再生させる治療に成功し、退院できる段階にまで臨床研究は進んでいます。詳しくは以下のサイト内リンクを参考にしてみてください。
足の筋肉細胞からシートを作成:拡張型心筋症の患者が回復
重い心臓病の治療で、患者自身の筋肉の細胞から「心筋シート」を作り心臓に張って心筋再生を図るという、世界でも例のない臨床研究を、大阪大や東京女子医大のグループが実施する。
対象には、補助人工心臓を着けて心臓移植を待っている患者6人を予定。重い副作用がなく人工心臓を外せるようになるなど安全性と効果が確認できれば、より多くの患者に広げるという。
大阪大病院未来医療センター長の澤芳樹教授(心臓血管・呼吸器外科学)らが計画。医学部の倫理委員会と、同センターの審査評価委員会の承認をすでに得ている。
対象は、拡張型心筋症の70歳以下の患者。同症は心筋が弱って薄く伸び、心臓内の空間が広がって血液がうまく送り出せなくなる。重症になると心臓移植しか治療法はなく、患者は補助人工心臓を着けながらドナーからの提供を待つ。
具体的には、まず患者の太ももから5〜10グラムの筋肉を摘出。筋芽細胞という、筋肉が損傷を受けた時に分裂、分化して損傷を補う細胞を探し出す。その細胞を特殊な培養液で24時間培養して増やし、直径3〜4センチ、厚さ50マイクロメートルのシートを10枚ほど作る。これを3枚重ねにして、左心室の表面に張る。
イヌなどの動物を使った実験では、心筋が再生され、心臓のポンプ機能が回復することが確認されている。
筋芽細胞を培養し、そのまま心筋内に注入する臨床研究は、欧米ですでに実施され、大阪大も取り組んでいる。一定の効果も報告されているが、欧米では注入した細胞の一部しか機能しないうえ、重い不整脈などの副作用も指摘されている。
澤教授は「シートは、弱った心臓を覆うように張れるので効果も広く期待できる。シートを作る技術も確立している。慎重に研究を進めて結果を分析し、ほかの心臓病にも広げたい」と話す。
関連記事:補助人工心臓「デュラハート」が欧州で販売承認