がん治療薬「CBP501」で共同事業:武田薬品、キャンバス

武田薬品工業は、キャンバス(静岡県沼津市)と、キャンバスが創製、開発中のがん治療薬CBP501に関する共同事業化契約を締結したと発表した。
CBP501はがん細胞死を促進する作用をもっており、キャンバスは米国で第1相臨床試験を実施している。
今回の契約により、武田は全世界を対象とする独占的な開発・製造・販売権を取得する。ただ、米国では両社が共同で開発する。

また、武田は米3Mから、子宮頚がんの発症リスクに関連が高いとされている子宮頚異形成を伴うヒトパピローマウィルス(HPV)感染症の治療薬であるR-851に関するすべての権利を譲り受けると発表した。

プレスリリース
CBP501は、癌細胞において細胞分裂の過程でDNAの損傷をチェック、修復を行うG2期チェックポイントを阻害することにより、癌細胞死を促進する作用を持っています。
同チェックポイントを選択的に阻害する本剤は正常細胞に与える影響の少ない抗癌剤として、化学療法剤との併用により、癌細胞のDNA障害を促進させる効果が期待されています。現在、キャンバス社は、米国で本剤の第1相臨床試験を実施しています。

G2期チェックポイント阻害剤について
細胞周期とは、1つの細胞が2つに分裂する過程をいい、その1周期はG1期→S期(複製期)→G2期→M期(分裂期)で構成されています。G1期とG2期の終わりには、それぞれ「チェックポイント」が存在し、DNAに入った損傷を修復し、修復できない損傷がある場合には細胞を自死させています。

正常細胞では、DNAの正確な複製によって細胞の分裂が正常に行なわれるように、複製をおこなうS期の前に位置するG1期のチェックポイントが主力として活用されており、G2期チェックポイントは、正常細胞ではあまり使用されていません。

続きを読む

低用量経口避妊薬・ピルの使用率=1.8%:副作用を心配

低用量経口避妊薬・ピルの服用者が女性のわずか1・8%にとどまることが厚生労働省研究班(主任研究者・武谷雄二東大教授)が実施した調査でわかった。 低用量ピルは、二つの女性ホルモンを合わせた錠剤だ。連続して服用すれば、排卵を抑制できる。飲み忘れがない場合の失敗率は0・3%で、コンドーム(2%)に比べ効果が高い。

調査は性についての意識や行動を知るため、昨年11月に無作為抽出した男女3000人(16〜49歳)を対象に実施、1409人から回答を得た。

低用量ピルの使用についての質問では、「すでに使っている」が1・8%で、その6割は、月経痛や子宮内膜症の症状改善、にきび治療、貧血予防など避妊以外の効果が目的だった。

2005年の国連データでは、全世界で避妊を目的に低用量ピルを使う女性は7・5%。先進国では15・9%にのぼり、国内の利用状況との差がくっきり現れた。

「使いたくない」と回答した女性の半数が理由を、「(吐き気や頭痛など)副作用が心配」としていた。

調査をまとめた日本家族計画協会クリニック所長の北村邦夫さんは、「低用量ピルは避妊以外にも効果がある有用な薬。薬を正しく理解すれば、恩恵を受ける女性はもっといるはず」と話している。

関連記事:経口避妊薬ピルで生理痛、にきび、貧血も改善

医師の処分履歴、免許の有無をネットで検索:新システム導入へ

厚生労働省は4月1日から、医師と歯科医師の免許の有無や行政処分などについて、インターネット上で検索できるシステムを導入する。患者自らが医師の情報を手軽に調べることができるため、無資格診療の防止など医療安全の向上に役立つと期待されている。

医師は、厚労省が管理する「医籍」に名前や登録番号、処分歴などが登録されているが、免許の有無については、これまで医師の名前と生年月日、登録番号を厚労省に提示して照会しないと確認できなかった。

医師等資格確認検索

4月1日正午から開設される新システムは、厚生労働省のホームページから「医師等資格確認検索」にアクセスする。医師の名前と性別、一般医師か、歯科医師かを入力して検索すると、医籍の登録年や、医業停止中かなど行政処分に関する情報が表示される。

メモ
医者、歯科医になった友人や新聞ダイジェストの医療欄から実際に処分を受けた医師の名前をピックアップして利用してみましたが、なかなか使えそうなシステムです。
気をつける点は苗字と名前の間に"スペース"を入れるのを忘れないこと。スペース入れないと"条件に該当する医師等は存在しません"と出るので、ご自分の名前を検索した時に心臓止まりますよ。

ブドウ糖「2NBDG」:生きた細胞を可視化、がん治療へ期待

生きた細胞を可視化できることで、がん治療への活用などが期待され、研究が進むブドウ糖「2NBDG」について、その標準的な製造と使用法について弘前大学医学部生理学第一講座の山田勝也助教授(51)らがまとめた論文が、世界的な学術雑誌ネイチャーの一つネイチャープロトコル誌に掲載された。世界的に関連研究が進む中、今後の研究発展の一助になるものと期待されている。論文は、インターネット上で29日から公開されている。

論文名は「生きた単一細胞へのブドウ糖取り込みの可視化の方法」。2NBDGは1996年、東京農工大学の松岡英明教授が人工的にブドウ糖に蛍光物質を結合させて開発した。
それまでは、細胞がブドウ糖を取り込む性質を踏まえ、がん細胞の状態などを調べるに際しては放射性標識ブドウ糖が主流として使われてきた。定量が数値化でき信頼性も高かったが、単一細胞までは見分けられないなどの弱点もあり研究がなされていた。

松岡教授の2NBDG開発により、単一細胞が見分けられるようになったが、2NBDGが細胞に取り込まれたかなどが実証されていなかったため普及に至らずにいた。これを受け、当時秋田大学にいた山田助教授らが98年から2000年まで共同研究を行い、その効用を実証。その結果、世界中の研究者が同様の開発に取り組むなどして研究が盛んになった。

この結果、ネイチャープロトコル誌から標準的な使用方法を示す目的で執筆依頼がなされた。約5カ月かけて完成させた論文について、同助教授は「同誌は教科書的な役割を持っており、日の浅い学者でも取り組めるように合成法をオープンにし、標準的な使い方を明らかにした」と話す。

2NBDGは、がん細胞や心筋細胞、血管、脳細胞の検査など医療分野のほか、生きた細胞を検出できるため水質検査や食品検査などへの応用も期待できる。

経口鉄キレート剤「エックスジェード」を承認申請へ:ノバルティス

ノバルティスファーマは、経口鉄キレート剤「エックスジェード」(一般名:デフェラシロクス)を、輸血による慢性鉄過剰症の治療薬として申請した。承認されれば、日本で初めてかつ唯一の経口鉄キレート剤となる。

輸血は、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、βサラセミア及び鎌状赤血球貧血などの難治性貧血の患者にとって、QOL及び予後の改善に必要不可欠な支持療法となっている。
通常、人の体内では食物から摂取した鉄と代謝される鉄がほぼ同量で、体内の鉄量は一定に維持されている。
しかし、輸血などにより多量に鉄を摂取した場合などに対し、積極的に鉄を排泄する機能が備わっていないため、輸血が繰り返し行われると過剰に鉄が蓄積され、鉄過剰状態となる。
輸血回数が増加すると、肝の線維化、心筋線維の変性、心肥大など時として生命を脅かす危険性が増大し、心不全など患者の予後を左右する場合もある。

現在、慢性鉄過剰症の治療法は、「デスフェラール」(一般名:メシル酸デフェロキサミン)による除鉄治療のみで、頻回の輸血により体内に取り込んだ鉄を適切に除去するためには、連日の注射が必要となっている。

「エックスジェード」については、国内外で実施された試験結果から、βサラセミアや鎌状赤血球貧血、骨髄異形成症候群やその他の稀な貧血の治療として輸血を受けている患者の鉄量を、維持もしくは減少させたことが明らかとなり、概ね良好な忍容性も示されたことにより、このたびの申請にいたった。

エックスジェード
慢性鉄過剰症治療薬では世界初の経口タイプで、経口鉄キレート剤と呼ばれる。1日1回の投与で効果が望め、患者の「生活の質(QOL)」が大幅に改善するとみられる。

鉄過剰症は、遺伝に起因するとされる慢性不良性貧血や鎌状赤血球症、サラセミア、骨髄異形成症候群といった疾患を治療する際、大量の輸血をすることで発症。放置すると、体内に過剰な鉄が蓄積され、肝臓や心臓、内分泌せんを損傷する。

現在の標準的な治療は、患者が輸血中または体内に過剰な鉄分が蓄積中にデスフェラール(一般名デフェロキサミン)を1日1回8時間―12時間点滴で投与。これを1週間のうち5日―6日繰り返すという。1日2回に分けて筋肉注射で投与する場合もある。

関連記事:納入済みの輸血用血液に不良の疑い:白血球除去処理に不備

がん治療:「キラーT細胞」を支援する「ヘルパーT細胞」に着目

東証マザーズ上場で細胞医療支援事業のメディネット(横浜市、木村佳司社長)は二十八日、免疫療法の研究開発を手掛けるバイオイミュランス(札幌、富樫裕二社長)と業務提携し、がん治療に有効な免疫細胞加工技術の共同開発に着手すると発表した。体内の免疫システムをつかさどる「ヘルパーT細胞」を増やし免疫力を高める国内初の研究という。

メディネットは医療機関向けに一九九九年から、がんの免疫細胞療法に必要な機能を持つ体内細胞の培養や加工など働きを活性化させる技術支援業務を手掛けている。
バイオイミュランスは二○○三年、北大発ベンチャーとして設立。北大遺伝子病制御研究所の西村孝司教授を中心に、北大、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)の技術移転を受け、がんなどへの免疫療法確立を目指している。

がんの免疫細胞療法はがん細胞を直接破壊する「キラーT細胞」の機能を高めることを中心に行われてきた。今回の共同開発では、キラーT細胞の働きを支援する機能を持つヘルパーT細胞に着目。
特にがん治療に有効とされる「Th1細胞」に関するバイオ社の独自技術と、メディネットの細胞加工技術を組み合わせ、免疫細胞療法の新たな方向性を示す技術開発を目指す。

メディネットは「医薬品を使わず患者の細胞を増殖させる細胞療法は副作用が極めて少なく、共同研究の成果を臨床試験で確認したい」と話している。

関連記事:抗がん剤「ソブリドチン」のライセンスをヤクルトが取得

持田製薬が肺高血圧症治療薬「リモジュリン」の販売権を取得

持田製薬は28日、肺の高血圧を治療する薬「リモジュリン」の国内での販売権を米ユナイテッド・セラピューティクス社から取得したと発表した。
この薬は世界30カ国以上で販売・承認されており、国内では持田製薬が開発を進めて販売承認を申請する。

取得したのは「プロスタグランジンI2製剤」と呼ぶ降圧薬の販売権。血管の内側で血管を広げる作用がある物質を補充し、肺動脈の血圧を下げる。
静脈注射と皮下注射ができ、携帯用の小型ポンプで持続的に薬を投与できるため、在宅や長期の治療が必要な患者の負担を減らせるという。

プレスリリース
持田製薬株式会社は、このたびユナイテッド・セラピューティクス社と、肺動脈性肺高血圧症治療薬「Remodulin(R)」(リモジュリン)の独占的販売契約を締結いたしました。本契約に基づき、持田製薬は日本での販売承認取得に必要な開発を行うこととなります。

「リモジュリン」は、肺動脈性肺高血圧症治療薬として2002年に米国で上市されて以来、30カ国以上で販売または承認されているプロスタグランジンI2製剤です。
携帯用小型ポンプを用いた持続投与型の注射剤で、静脈内注射だけでなく皮下注射も可能であり、短時間で薬剤調整ができるなど、在宅を含め長期に薬物治療が必要となる患者さんの負担を軽減できる新しい薬剤です。

肺動脈性肺高血圧症は、なんらかの原因によって肺動脈圧が高くなる疾患です。労作時の呼吸困難、易疲労感、動悸、めまいなどの症状を伴い、進行すると心不全を引き起こす難治性疾患で、国内の患者数は数千人と推定されています。

関連記事:肺動脈性肺高血圧症の治療薬「リモジュリン」:国内で治験へ

性ホルモンの働き、ダイオキシンが阻害:東大研究所が仕組み解明

ダイオキシンが性ホルモンの働きを阻害する仕組みを、東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授らが突き止めた。ダイオキシンが体内に入ると、女性ホルモンや男性ホルモンの受け皿(受容体)の分解を招くらしい。
ダイオキシンの影響を新たな角度から説明するもので、今後の研究に弾みがつきそうだ。29日発行の英科学誌ネイチャーに発表する。

ダイオキシンは、生殖器の発達異常を招くなどの内分泌攪乱作用があると報告されているが、仕組みはよく分かっていなかった。

加藤さんや科学技術振興機構の大竹史明グループリーダーらは、ダイオキシンなどが体内で結合するAh受容体に注目した。Ah受容体にダイオキシンなどが結合すると、同受容体が活性化して、さらに別のたんぱく質と「複合体」をつくった。マウスでこの複合体を詳しく調べると、性ホルモンの受容体の分解を促していることが分かった。性ホルモン受容体が分解されてしまうと、性ホルモンが正常に働けなくなる。

田中啓二・東京都臨床医学総合研究所所長代行は「内分泌攪乱作用の仕組みについて、新たな概念ができた。新たな薬の開発などにつながる可能性もある」という。

関連記事:母乳のダイオキシン濃度半減…90年代調査に比べ

アルツハイマー病のワクチン開発に成功:原因物質アミロイド除去

アルツハイマー病の原因物質アミロイドを脳から取り除くワクチンの開発を進めていた国立長寿医療センター研究所(田平武(たびら・たけし)所長、愛知県大府市)と名古屋大などのチームが、マウスを使った実験で発症後に飲むと認知能力が戻ることを確かめた。脳炎や出血などの危険な副作用もなかった。4月6日から大阪市で始まる日本医学会総会で発表する。
完成すれば、欧米で開発中のワクチンの難点である安全性やコストの問題を解決した新ワクチンになる。研究チームは次の段階として、少人数の患者を対象にした臨床試験の準備を進めている。

このワクチンは、病原性がないウイルスの殻にアミロイドというたんぱく質を作る遺伝子を入れてある。口から飲むと、腸の細胞がこの「偽ウイルス」に反応してリンパ球がアミロイドを攻撃する抗体を作る。この抗体が脳にたまったアミロイドにくっつき、ばらばらにして取り除く。

研究チームは、月齢を重ねると必ずアルツハイマー病を発症するよう遺伝子を変化させたマウス28匹を使って、効果を試した。アルツハイマー病を発症した生後10カ月の時点で、半数の14匹にはワクチンを飲ませ、残りには飲ませなかった。

その結果、ワクチンを飲んだマウスはほぼすべて、3カ月後、記憶力や学習能力など認知力を試す4種類のテストすべてで成績が発症前のレベルまで戻った。一方、ワクチンを飲まなかったマウスは全テストで成績が落ち、認知力の大半を失っていた。

03年にワクチンを飲んだマウスの脳内のアミロイドが消えることを明らかにしていたが、今回初めて、実験で症状が改善することまで確認した。

アイルランドの製薬会社「エラン・ファーマシューティカル」が開発した世界初のアルツハイマー病ワクチンは、臨床試験中の02年に患者の6%が重い脳炎を起こしたため、開発中止になった。今回名古屋大などが開発したワクチンは直接たんぱく質などを注射する方法ではないため安全性が高く、大量生産が可能なうえ、薬液を飲むだけで簡単という利点がある。(asahi.comを一部加筆)

アルツハイマー病とは?
認知症の一種で、次第に物忘れが激しくなり、時間や場所が分からなくなったり、食事や排泄などの障害に進行していく。脳内で異常にできたアミロイドβ タンパクが互いに長くつながり、糸状に伸びることで神経毒性が発生、脳細胞が死んで認知症を引き起こすという「アミロイド仮説」が有力視されている。

関連記事:「ホモシステイン酸」がアルツハイマー発症メカニズムに関与

高血圧治療のACE阻害薬に肺がん縮小効果:マウス実験で確認

高血圧の治療に広く使用されているアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬に、肺がんを縮小させる効果のあることが、マウス実験の結果から示された。ヒトでの研究も近く予定されている。有害性の少ない治療効果が得られることになれば、生存率の低い肺癌治療に新しい希望がもたらされることになる。

ウェイクフォレスト大学医学部のパトリシア・ギャラガー氏らが、医学誌「Cancer Research」3月15日号に行った報告。ACE阻害薬は、昇圧の原因ともなるアンジオテンシン2の生成を阻害することで降圧効果を発揮する薬剤だが、同時に血管拡張作用を有するアンジオテンシン(1−7)と呼ばれる内因性ペプチド(ホルモン)を増加させる働きも持つ。

ギャラガー氏ら研究班は、ACE阻害薬を使用する高血圧患者では肺癌の発症率が低いことに着目。分析を行ったところ、アンジオテンシン(1−7)に細胞の成長を促す酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX−2)を減少させる作用があることが確認された。

そこで、58歳の肺癌患者から採取した癌細胞を2〜4週齢のマウスに移植。32日間腫瘍を成長させたのち、マウスの半数にアンジオテンシン(1−7)を28日間、ACE阻害薬治療を受けるヒトと同程度の血中濃度になるように注射し、残りのマウスには生理食塩水を投与した。

投与期間終了後に解剖した結果、アンジオテンシン(1−7)投与群ではCOX−2濃度が有意に減少し、腫瘍が30%縮小していることが明らかになった。これに対し、生理食塩水投与群の腫瘍は処置前の2.5倍に成長していた。アンジオテンシン(1−7)を投与したマウスに毒性の副作用はみられず、体重、心拍数、血圧にも変化はみられなかった。

ACE阻害薬の用量や治療期間については、さらに研究を重ねる必要がある。だが、「近く開始されるヒトでの研究で良好な結果が得られれば、このような薬剤が肺癌治療に重要な役割を果たすようになるだろう」とギャラガー氏。ACE阻害薬と、外科手術や放射線療法などと併用することによって、副作用のある抗癌剤治療(化学療法)を減らすことも期待できる。

関連記事
肺がんのCT(コンピューター断層撮影法)検査は不必要で有害?
喫煙者の5割、肺がんの可能性を自覚も禁煙までは至らず

塩野義製薬、がん疼痛克服推進部を新設:がん対策基本法に対応

塩野義製薬は4月1日付で、がん疼痛克服推進部を新設する。4月から施行される「がん対策基本法」をにらんで、医師などに対して、痛みを取り除く緩和ケアの啓発計画などをつくるマーケティング機能を持つ組織を立ち上げる。

同社はオキシコンチンなどの抗疼痛剤を販売しているほか、制吐剤など、がん関連製品の研究にも力を入れており、疼痛分野をコアとする。同推進部は経営戦略統括責任者が管轄するが、配属者数は明らかにしていない。

WHOは、がん性の痛みに対して、積極的にモルヒネなどを投与するよう指針を出しているものの、日本の医療現場では同剤に対するアレルギーもあって、思うように進んでいないのが実情。

がん対策基本法
年間30万人以上ががんで死亡する中、患者がどこに住んでいても、本人の意向を尊重して適切ながん医療が受けられるよう体制を整備することなどが基本理念となっている。

同法は、国に対し、具体的な目標や達成時期を定めた「がん対策推進基本計画」の策定を義務づけているが、計画の策定にあたり、がん患者や家族、学識経験者で構成する「がん対策推進協議会」(厚生労働省内に設置)の意見を聞くよう明記したのが特徴。計画の内容や達成状況は、インターネットなどで速やかに公表することも求めている。

がん医療に関する情報収集や、患者・家族への相談支援体制の整備についても明記。患者の治療経過などのデータを一元的に記録・管理する「がん登録」については、法律には記されなかったが、付帯決議に推進の必要性が盛り込まれた。

関連記事:日本緩和医療薬学会が結成:緩和ケアに専門薬剤師育成へ

臍帯血から高確率で幹細胞を採取成功:東大医科学研究所

赤ちゃんのへその緒や胎盤にある臍帯血(さいたいけつ)から、様々な細胞に育つ可能性がある幹細胞を高い確率で取り出し、軟骨や骨を作ることに、東大医科学研究所細胞プロセッシング研究部門(高橋恒夫客員教授)が成功した。

5月に米ロサンゼルスで開かれる国際臍帯血移植シンポジウムで発表する。

高齢化とともに、寝たきりの原因になる骨折や、ひざが痛む変形性ひざ関節症などの患者が増えており、骨や関節を再生する治療につながると期待される。

同研究部門の張暁紅助手らは、出産から5時間以内に採取した臍帯血から、25例中20例の高率で幹細胞を取り出すことに成功。薬剤とともに3週間培養したところ、コラーゲンなどを含む直径約3ミリの軟骨ができた。

臍帯血から幹細胞を取り出したとの報告はこれまでにもあるが、実際に採取するのは極めて困難だった。軟骨細胞は骨髄や脂肪組織の幹細胞からも作れるが、臍帯血の幹細胞は、直径で骨髄の2倍近く、脂肪細胞の10倍以上大きく成長した。張助手らは「臍帯血の幹細胞は、軟骨や骨の細胞になりやすいことを確認した」としている。

幹細胞などから、失われた組織や臓器を作る再生医療の研究が進んでいる。幹細胞を骨髄から採取するのは、体に大きな負担がかかるのに対し、臍帯血は、これまで廃棄してきたものを活用する利点がある。また、受精卵から作られる万能細胞のES細胞と異なり、倫理的な問題も生じない。

関連記事:臍帯血で輸血用赤血球量産:理研グループが新手法

日本緩和医療薬学会が結成:緩和ケアに専門薬剤師育成へ

欧米に比べて遅れているとされる痛みの緩和ケアに薬剤師も積極的にかかわろうと、「日本緩和医療薬学会」が結成されることになった。モルヒネなど医療用麻薬の効果的な使い方の普及に、「薬の専門家」として一役買いたい考えだ。将来的には専門薬剤師の認定制度をつくることも検討している。

緩和ケアは、患者の生活の質(QOL)を高める手段として積極的に導入する医療機関が増えており、02年度の診療報酬改定では、専門の医師や看護師らによる「緩和ケアチーム」に報酬が加算された。このチームに薬剤師を加える医療機関も増えてきている。

さらに厚生労働省は今後、在宅医療を広げていく方針で、自宅で療養するがん患者らの間でも緩和ケアのニーズは高まると予想される。このため保険薬局の薬剤師も、緩和ケアについて理解を深め、往診する医師や看護師らと連携する必要性が高まっている。

がんを専門とする薬剤師としては、日本病院薬剤師会が今年度から認定試験を始めた「がん専門薬剤師」制度がある。しかし、抗がん剤を専門とする薬剤師の育成が大きな目的のため、新たに発足する緩和医療薬学会は、モルヒネなどによる緩和ケアに特化した専門薬剤師の育成を目指す。

世話人代表を務める鈴木勉・星薬科大学教授(薬品毒性学)は「病院と保険薬局の薬剤師、薬学研究者の連携強化を図り、緩和医療における薬物療法の推進と充実を図りたい」と話している。

関連記事
厚労省、痛み軽視見直し…「初期がん」から緩和ケア
がんの痛み抑える薬の基礎知識:医師の半数が不足

メルクとシェリング・プラウが高脂血症治療薬を共同開発へ

米製薬大手メルクシェリング・プラウは26日、コレステロールが原因の高脂血症の治療薬を開発すると発表した。新薬の開発は巨額投資になっており、得意な技術や資金を出し合うことで製品化を速めるとともに、開発のリスクを分担する狙いがある。

2005年の売上高で世界7位のメルクと16位のシェリングが共同開発を計画しているのは、コレステロール吸収阻害剤「ゼチア」にファイザーの高コレステロール血症治療剤「リピトール」を組み合わせることで血中コレステロールの濃度を下げる新薬。資金調達や開発に伴うリスクを分担し、有望市場での占有率を高める。

コレステロールを減らして心臓病などを予防・治療する薬は成長が見込める製品の一つで、米調査会社IMSによると06年は世界で320億ドル規模とみられる。
両社は2000年に提携し、共同出資会社を設立。呼吸器分野の新薬開発などで協力してきた。今回の案件をテコに連携を一段と深める。

ゼチア
コレステロールの腸管吸収を阻害する初めての高コレステロール血症治療薬です。ゼチアとスタチンの併用投与は、肝臓でのコレステロール合成と腸管でのコレステロール吸収の両方を阻害するため、相互補完的LDLコレステロール低下作用を有意に示すことが臨床研究によって実証されています。
高コレステロール血症患者において食事・運動療法への反応が不十分であった場合、LDL(悪玉)コレステロールや総コレステロールを低減させるために、食事療法に追加して単独投与やスタチンとの併用投与によりゼチアを使用します。

リピトール
今日最も広く用いられているスタチン系の薬剤の一つです。肝臓におけるコレステロールの合成に関与する酵素の作用を阻害することによって、コレステロールの産生を抑制する薬です。
スタチン系薬剤は、肝臓内のコレステロール量を減らし、血中のLDLというコレステロールが主成分のリポタンパクを肝臓内へ取り込み、その代謝を促進するので,血中のLDL,すなわちコレステロールの量を減らし、高コレステロール血症の治療に用いられます。
この薬には血中のトリグリセライド(中性脂肪)を低下させる作用も認められています。

関連記事
糖尿病を合併した高脂血症患者:より厳格な血圧管理が肝要
リピトール:心疾患患者を対象に新たに5つの適応症をFDAが承認

キンモクセイの花に食欲抑制効果:カネボウ化粧品

キンモクセイの花の香りをかぐと食欲が抑えられ、ダイエットにつながるという研究結果を大阪大人間科学研究科の山本隆教授カネボウ化粧品がまとめた。

山本教授らは、キンモクセイの香りを充満させた箱と、香りのない箱にラットを30分間入れ、食欲を促進する脳内物質「オレキシン」を作る遺伝子の活性を比べた。香りをかいだラットは活性が25%低下した。薬品で嗅覚(きゅうかく)をまひさせたラットでは、香りをかがせても活性の変化がなかった。

さらに体重60グラムのラットの子を8匹ずつ、キンモクセイの香りをしみこませた粉末飼料と、通常の粉末飼料に分けて飼育。香りのあるグループは食べる量が2割少なく、25日後の平均体重は225グラムと、通常より25グラム少なかった。

一方、カネボウ化粧品は平均体重53キロの20〜40歳代の女性10人で実験。うち5人は香りをしみこませたガーゼを胸ポケットに終日入れ、他の5人と同じメニューの食事をとった。12日後、香りをかいだ5人は体重が平均で1・4キロ減っており、かがない5人は0・2キロ減だったという。

関連記事:小林製薬の肥満改善薬「ナイトシール85」売れ行き好調

新型インフルエンザの対策ガイドライン:厚生労働省

厚生労働省の専門家会議は26日、人から人へ感染する新型インフルエンザが発生した際に被害を最小限に食い止めるための対策ガイドラインをまとめた。服用後の異常行動が問題になっているインフルエンザ治療薬「タミフル」については、「現段階で方針に変更はない」とし、治療の第一選択薬とする位置づけを維持した。

また、今年1月に示したガイドライン原案では、人の移動制限などにより初期段階でウイルスを発生地域内に抑える「封じ込め」策を早期対応戦略の柱としていたが、同省の専門家会議の委員らから「現実的でない」などの意見が相次ぎ、患者の家庭や学校、職場など施設内の予防投薬が柱に据えられた。

ガイドラインは、世界保健機関(WHO)による6つの警報段階のうち、人から人への感染が確認された4段階以降の対応策を定めたもので、早期対応戦略、医療体制、事業者・職場、一般家庭・市町村の対策など13のテーマに分かれる。

最初の患者が見つかったら入院隔離し、家族や接触した人に抗ウイルス薬を集中投与。患者と接触した人の行動も制限したうえで、発症から72時間以内に自治体が国と協議し、交通封鎖や学校の臨時休校を伴う地域封鎖に踏み切るかどうか判断する。

発生初期に住民から発熱に関する電話相談を受ける「発熱相談センター」を保健所などに設置。自治体は、医療現場で患者と非感染者の接触を避けるため、医療機関や公民館に発熱の疑いのある人を診察する発熱外来を設ける。

国が準備しているワクチンは1000万人分しかないため、医療従事者や消防士、警察官など治安維持関係者、電気、水道などライフライン関係者、議員、国家公務員など危機管理に携わる者、報道機関など情報提供に携わる者に投与を限定する。

発生後に製造するワクチンも当初は不足する可能性が高いため、(1)医学的ハイリスク者(2)小児(3)成人(4)高齢者−のうち優先投与の順位を検討する。この際は、ウイルスの性質や、「死亡を抑えること」か「国の将来を守ること」のいずれに重点を置くかなどが判断材料となる。

関連記事:タミフル問題でリレンザ(ザナミビル水和物)が品薄状態

抗がん剤「ソブリドチン」のライセンスをヤクルトが取得

ヤクルト本社は、あすか製薬から抗がん剤ソブリドチン(一般名)の全世界ライセンスを取得したと発表した。ソブリドチンはあすか製薬創製のペプチド性化合物で、胃、結腸、肺、乳がんなどに効果を期待できる。同社は05年の第一製薬とのライセンス契約の解消以降、導出先を探していた。

ヤクルトはがん領域を重点分野に据え、抗がん剤「カンプト注」「エルプラット」を展開。新規抗がん剤の導入で同領域における品揃えの強化を目指す。

プレスリリース
株式会社ヤクルト本社とあすか製薬株式会社は、あすか製薬株式会社が抗がん剤として開発中のソブリドチン(あすか製薬コード名:TZT-1017)のライセンスに関する基本合意書を締結しました。これにより、株式会社ヤクルト本社は日本を含む全世界において、ソブリドチン(ヤクルト本社コード名:YHI-501)を独占的に開発、販売する権利を得ました。

ソブリドチンは、あすか製薬株式会社により発見された強い抗腫瘍作用を示すペプチド性化合物で、海洋生物のタツナミガイから得られたドラスタチンを起源とする合成誘導体です。本剤は、チュブリンに結合し、微小管蛋白質の重合を阻害することで殺細胞作用を発現します。
また、非臨床試験において選択的な腫瘍血流遮断作用を示し、がん組織への栄養供給を断つ作用を併せもつことにより広範囲の腫瘍壊死を誘導できる抗がん剤であることが明らかになっています。
既に国内においては、第I相試験が、海外においては、前期第II相試験が実施されており、本剤の有効性を示唆する成績が得られております。

あすか製薬株式会社は、がん領域を得意分野とする株式会社ヤクルト本社の臨床開発経験に期待し、本剤の日本を含む全世界における独占的実施権を株式会社ヤクルト本社に供与することといたしました。

株式会社ヤクルト本社は、塩酸イリノテカン(商品名:カンプト注)やオキサリプラチン(商品名:エルプラット)を始めとするこれまでの抗がん剤開発経験を最大限に活かし、本剤の開発を進め、重点事業領域のひとつであるがん領域パイプラインの拡充を図ります。

関連記事:抗がん剤「ネクサバール」:肝細胞がんへの適応拡大を申請へ

抜け毛に関与するたんぱく質「NT-4」:ライオン生物科学研究所

男性の「抜け毛」を加速させるたんぱく質を、ライオン生物科学研究所のチームが見つけ、26日発表した。男性ホルモンの作用でこのたんぱく質が過剰に働き、毛根にある毛母細胞を不必要に自己攻撃させるとみられる。28日から富山市で開かれる日本薬学会で紹介される。

同研究所の栗田啓・副主任研究員らは、毛髪が適当な時期に抜けるようコントロールしているとみられるたんぱく質「NT-4」に着目。人の毛母細胞にNT-4を加えると、「アポトーシス」と呼ばれる細胞死が、加えない場合の8倍に上った。

さらに、毛母細胞を作る「毛乳頭」では、男性ホルモンがNT-4遺伝子を作動させ、NT-4が過剰に生産されていることが確かめられた。
これらの結果から、NT-4は男性ホルモンによって働き、毛母細胞を不必要に細胞死させることで脱毛を加速している、と結論付けた。

研究チームは、NT-4の働きを抑える物質を、生薬や植物、海藻など約300種類の候補から探し出し、オキナワモズクの抽出成分が有効であることも見つけた。マウス実験で、この成分を体に塗ることで有効性が確認されたという。ライオンは「人での効果を試し、育毛剤として商品化したい」と話している。

メモ
昨今の健康食品ブームの中で注目を集めている「フコイダン(がん細胞を壊死させる効果があるとされている)」を多く含有しているのが、このモズクです。
今回の記事はモト冬樹系ですが、こちらのページ(タカラバイオ)の最下段にあるように、大手バイオ系会社による発毛研究は進んでいるようです。

延命中止ガイドラインは医療従事者で:全日本病院協会が見解

全日本病院協会(佐々英達会長)は24日、人工呼吸器取り外しなど終末期にある患者の延命中止について「統一した見解がない現状は好ましくない。指針作りを病院団体や学会などの医療従事者が推進するべきだ」とする見解を盛り込んだ報告書をまとめた。

指針の法制化については「医師が医療現場で判断すべき問題で、法律による拘束はなじまない」などと反対する姿勢を示した。

終末期医療をめぐっては、厚生労働省が指針作りを進めている。医療機関が延命中止などを決定する際の手続きが中心で、会見した飯田修平・同協会常任理事は「(個々の患者の病状に応じてどうすべきかなど)具体的な中身に踏み込んでいない」と批判した。

同協会は民間病院を中心に、全国の病院の約4分の1にあたる約2200病院が加入している。

関連記事:終末期医療:患者本人より、家族の意思を尊重

糖尿病を合併した高脂血症患者:より厳格な 血圧管理が肝要

日本人を対象に高脂血症治療薬を使った大規模な疫学研究「J-LIT」のサブ解析で、糖尿病を合併した高脂血症患者は血圧管理をより厳格にすべきだという論文が、日本高血圧学会の学会誌『ハイパーテンション・リサーチ』に掲載された。

J-LITは、日本人の高脂血症患者約5万人に高脂血症治療薬「リボバス」(一般名シンバスタチン)を6年間、1日5r〜10r投与し、血清の脂質値と虚血性心疾患の発生率との関係を探った。この中には糖尿病患者6、000人以上が含まれていた。今回のサブ解析は糖尿病合併の高脂血症患者の血圧管理の大切さを重ねて明らかにした。

解析結果によると、脳・心血管系疾患の発症率は糖尿病合併の高脂血症患者群で26.8/千人・6年、非糖尿病合併例の高脂血症患者群で15.4/千人・6年と、糖尿病合併の高脂血症患者群が有意に高率だった。

また収縮期血圧が130oHg以上の糖尿病合併群と非合併群は、どちらの群も130oHg未満の非合併群よりも脳・心血管系疾患の発症リスクが有意に高かった。

拡張期血圧が80oHg以上の合併群と非合併群も、80oHg未満の非合併群より発症リスクが有意に高かった。
どちらの血圧群でも脳・心血管系疾患の発症リスクは糖尿病合併群が非合併群を上回った。

サブ解析の結論は、糖尿病を合併した高血圧患者の降圧目標は130/80oHg未満という現行の治療ガイドラインを支持する結果になった。

高脂血症とは?
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。