閉塞性動脈硬化症の遺伝子治療薬を承認申請:アンジェスMG

大阪大学発ベンチャーの製薬会社、アンジェスMG(大阪府)は18日、遺伝子治療薬の承認を早ければ年内にも厚生労働省に申請することを明らかにした。同社によると、遺伝子治療薬の承認申請は国内で初めてという。

申請する薬は、糖尿病などによる動脈硬化で足の血管が詰まる「閉塞性動脈硬化症」を治療する新薬。遺伝子を含んでおり、筋肉に注射することで、新たに血管をつくる作用がある。
臨床試験では、投薬した患者の約7割で症状が改善、有効性が認められたという。

アンジェスMGは2002年9月、大学発ベンチャーとして初めて東京証券取引所マザーズに上場。この遺伝子治療薬をめぐっては、臨床試験を担当した大阪大教授らが同社の未公開株を取得していたことが分かり、問題となった。(四国新聞)

閉塞性動脈硬化症とは?
閉塞性動脈硬化症は、手足の末梢動脈が詰まる病気のことで、患者数は約50万人とされています。50歳以上の中高年男性に多く、脂肪分の多い食生活の影響などで患者数は年々増加傾向にあります。

症状は足に現れ、血行不良から足が冷たくなったり、歩くと痛む「間欠性跛行(はこう)」という症状が出たりします。血管が詰まって、壊死(えし)し、切断を余儀なくされる患者も2%います。

治療の第一歩は、病気を悪化させる危険を減らすことです。喫煙、糖尿病、高脂血症、高血圧、肥満、運動不足、ストレスなどの改善が重要で、禁煙は絶対とされています。
それでも症状が改善しない場合、運動療法や薬物療法が行われます。運動療法では、自転車こぎなどの運動を1日30分程度、週3回。薬物療法は、血液をサラサラにする抗血小板薬を服用します。

これらの治療で十分な効果が得られない場合、足の付け根の動脈などに細い管(カテーテル)を挿入し、管の先に付けた風船を膨らませたり、金網の筒(ステント)を置いたりして狭くなった血管を広げる「血管内治療」が行なわれます。



週一回投与の骨粗しょう症治療薬を発売:エーザイほか

味の素エーザイ武田薬品工業の3社は、骨粗しょう症治療剤リセドロン酸ナトリウム水和物について、週1回製剤を15日から発売したと発表した。この薬剤は米プロクターアンドギャンブル(P&G)製薬会社が開発したビスフォスフォネート系の骨粗しょう症治療薬。

これまで毎日1回服用しているが、今度の剤型で投与回数が減少し、患者の生活の質の向上につながる。同剤は味の素が製造販売承認を保有。エーザイは同社から製品を受け取り販売。武田は原薬を味の素から手当てし、製剤にしている。

エーザイは「アクトネル」、武田は「ベネット」の商標を使用。用量は17・5ミリグラムで薬価は1錠846円60銭。(化学工業日報)

骨粗しょう症とは?
骨には骨重量の約50%を占めるカルシウムのほか、タンパク質やリンなどが含まれています。
これらの成分は若年期をピークに年齢とともに減少し、骨の中の構造が壊れ、骨は非常にもろい状態となり、折れやすくなります。この状態が骨粗しょう症です。急速な高齢化社会に伴い、国内には1000万人以上の患者がいると推測されています。

骨粗しょう症は自覚症状が少ない病気で、代表的な症状としては骨折とそれにともなう痛みなどが中心となります。骨粗しょう症による骨折のほとんどは脊柱、大腿骨におこります。
重いものを持ったりして普段より少し余計な力が体に加わるだけで、椎骨が変形し、そのために身長が縮まったり、姿勢や歩行に変化が見られるようになります。
また、大腿骨の骨折を起こすと寝こむことが多く、高齢者の寝たきりの原因の一つにもなっています。

診断にあたっては、腰椎、大腿骨、胸椎、上腕骨などのX線検査、手の骨のX線撮影による骨量検査が決め手となります。骨折しそうなほど骨がやせていると、骨粗しょう症と診断されます。
また、副甲状腺ホルモンを検査したり、栄養状態を調べるために、ALP、電解質(Ca、Cl)などの血液性化学検査も行なわれます。

関連記事:骨粗しょう症の発症メカニズムを解明:国立長寿医療センター

子宮頸がんの原因ウイルスをDNAチップで判別:第一化学薬品

第一化学薬品(東京都)と東芝は、子宮頸がんの原因とされるウイルス(ヒトパピローマウイルス=HPV)の有無と種類(ウイルス型)を短時間で判別できる医療用体外遺伝子検査薬「DNAチップ」を開発、先月末に市販化手続きの薬事申請を行ったと発表した。
認可が得られ次第、チップおよび検査装置の製造販売を始める予定で、早ければ2008年度に売り出す。HPVの種類を判別する医療現場向けの量産DNAチップの商品化は、世界でも初めてになる見通しだ。

子宮頸がんは20代後半から40代前後までの患者が多いもっとも一般的な子宮がんで、新規患者数は世界で47万人(WHO推定、00年)。国立がんセンターによると、早期診断による治療が極めて有効で、「0期」と呼ばれる早期発見・治療では再発の心配のない完治が可能という。

今回のDNAチップは、子宮頸がんの90%以上から検出されるHPVのうち、発がんとの関連性の高い13種類の一括判別が約75分(うち検査準備約60分)の短時間でできる。
発がんウイルスの遺伝子を特定することで、効果的なワクチン治療なども行いやすくなるため、子宮頸がん対策に大きく役立つことが期待できそうだ。
また、東芝が開発した独自の電流検出方式によって、光学系の検出機構を必要としないDNA測定を実現。検査装置サイズも50・6×57・3×49センチに小型化した。(Fuji Sankei business i)

子宮頸がんについて
子宮の本体部分にできる子宮体がんに対して、子宮頸がんとは、子宮の入り口のくびれた部分にできるがんのことをいいます。先日亡くなられたZARDのボーカル坂井泉水(さかいいずみ)さんもこの病気と闘っておられました。

子宮頸がんは、検診が普及した影響もあり、集団検診などで早期に発見される率が高まっています。
一般に30歳以上が検診の対象となっていますが、20歳代でも必要性があるといわれています。
最初は、検診でも実施されている子宮頚部細胞診を行ないます。綿棒やブラシを用いて子宮頚部をこすり、細胞を採取して病理検査で調べます。

細胞診でがんが疑われたら、膣鏡診やコルポスコープ診を行なってさらに精密に調べ、異常があればその部分を採取して病気検査をします。
腫瘍マーカーは、SCCなどが使われます。そのほか、必要に応じて超音波やCT、MR検査などを行ないます。

関連記事:子宮頸がん予防ワクチン「ガーダシル」、米が認可

生物毒素をまねた抗がん剤「E7389」:エーザイが承認申請へ

エーザイは海洋生物の毒素の構造をまねた抗がん剤「E7389」(開発番号)の開発を加速する。
一般の抗がん剤より構造が複雑だが、鹿島事業所(茨城県)にこのほど合成ラインを新設、安定生産する体制を整えた。乳がんと前立腺がん、肺がんなどの臨床試験(治験)を国内外で進めており、今年度内には米国で承認申請するなどで製品化を急ぐ。

クロイソカイメンと呼ぶ海洋生物がもつ「ハリコンドリンB」と呼ぶ毒素成分が手本。
同社はこの成分の分子構造の中から細胞分裂を妨げる作用を持つ部分を特定して、E7389と名付けた。

2006年にエーザイが発表した2012年3月期までの中期6カ年計画では、中枢神経とがんの2つの領域に研究開発費の75%を投入し、新薬開発を加速する方針を示した。E7389以外にも5つの抗がん剤の新薬候補化合物を臨床試験中。
なお、国内で胃がんを対象に開発が行われていたE7070は開発が中止され、米国でイリノテカンとの併用で小細胞肺がん、膵がんを対象に可能性を模索しているという。(NIKKEI)

ハリコンドリンB
ハリコンドリンBはクロイソカイメン由来の海洋天然物で、名古屋大学理学部の上村大輔教授によって単離されました。
強力な抗腫瘍活性を示しており、新規抗がん剤としての可能性が期待されています。

関連記事:たんぱく質「サイクロフィリンA」が抗がん剤の耐性発生に関与

体外受精で子宮に戻す受精卵を2個以下へ:日本産科婦人科学会

日本産科婦人科学会(吉村泰典理事長)は16日の理事会で、体外受精で子宮に戻す受精卵の上限を、現在の原則3個からさらに少なくすることを決めた。
母子への危険が大きい多胎妊娠を防ぐのが狙いで、今年12月までに上限数を決め、来春の同学会総会で正式に会告(指針)として公表する。

日産婦によると、現在の会告を定めた1996年当時に比べ、治療技術の向上で、子宮に戻す受精卵を減らしても妊娠率に差が少なくなってきたことが背景にある。
具体的な数は、体外受精を実施している医療機関にアンケート調査などを行い、決める。

すでに不妊治療専門医らでつくる日本生殖医学会が3月に、子宮に戻す受精卵の数を40歳未満は2個以下、35歳未満の初回は1個とする指針を策定しており、それも参考にするという。

一方、日本生殖補助医療標準化機関は、友人や姉妹の卵子を使った体外受精を計画し、国や日産婦などに実施を認めるのか照会している。日産婦の星合昊(ひろし)倫理委員長は「個人的な見解だが(不妊治療のルール作りを検討している)日本学術会議の結論が出る1月まで待ってほしい」と話した。(YOMIURI ONLINE)

多胎妊娠とは?
多胎妊娠とは2人以上の胎児が同時に子宮内に存在する状態をいいます。
双胎妊娠には一卵性双胎と二卵性双胎とがあります。二卵性双胎は2個の受精卵から発生したもので、2個の胎盤があり、二絨毛膜二羊膜となります。
一卵性双胎は1個の受精卵が分裂することにより発生し、分裂の時期により二絨毛膜二羊膜、一絨毛膜二羊膜、一絨毛膜一羊膜のいずれかとなります。

多胎妊娠は、早産、妊娠中毒症、胎児発育や羊水の異常が合併しやすく、このような異常の早期発見、早期治療が非常に重要です。慎重な管理を行えば、このような合併症の発症を抑えることができますが、異常に気づくのが遅いと、赤ちゃんに重大な後遺症を残すことにつながる可能性があります。

関連記事:卵子提供者は友人と姉妹:不妊治療団体が体外受精を承認へ

乳がん患者の7割は自己診断で異常を発見:日本乳癌学会

乳がん患者のうち、乳房のエックス線(マンモグラフィ)などを使った検診でがんが見つかったのは2割に過ぎず、4人に3人は、検診を受けずに自分でしこりなどの異常に初めて気づいて病院を受診したことが、日本乳癌学会の大規模調査でわかった。

自分で発見する場合、早期がんより進行している例が多く、専門家は「早期がんの発見には、マンモグラフィ検診が有効だ。乳がんの死亡率を下げるには、低迷する集団検診の受診率を上げることが不可欠」と指摘している。

同学会は、乳がんの診断や治療を行う全国226か所の医療機関から、2004年度にがん登録した乳がんの新患者約1万4800人(平均年齢57歳)のデータを集計。これは全国の年間新患者数の約4割にあたる。
その結果、患者が乳がんに「自分で気づいた」と答えたのが73・8%に上った。検診で見つかったのは20・4%で、このうち自覚症状が全くなかった人は、14・7%だった。

直径2センチ以下の早期がんで見つかったのは45%に過ぎず、43%は2・1〜5センチに達していた。発見時にリンパ節に転移していた人も、3分の1を占めた。リンパ節に転移しない乳がんの10年後の生存率は約9割と高いが、転移をしていると7割以下に落ちるという。

同学会理事長の園尾博司・川崎医大乳腺甲状腺外科教授は「胸を触る自己診断で見つかる乳がんの大きさは平均約2センチで、自然に気づく場合は3センチ以上が多い。マンモグラフィ検診への理解を広げることが大切だ」と話している。
乳がんの死者数は、年間約9800人。30〜50歳代の女性のがんでは、死因の1位となっているが検診の受診率は1割台に低迷している。(YOMIURI ONLINE)

メモ
タレントの山田邦子さんも医療バラエティ「たけしの本当は怖い家庭の医学」の乳がん特集に出演後に、自己診断を行なって乳がんを発見したそうです。
ちなみに、乳がん患者の1%は男性ですので、以下に掲載してある自己診断法を夫婦そろって実践してみてはいかがでしょうか?

乳がんの自己診断法

  1. 両腕を下げたまま、鏡に乳房を映して、乳房や乳頭の状態をよく観察します。
  2. 両腕を挙げて、乳房を正面、側面、斜めから鏡に映して観察します。
    チェックするポイントは 1)くぼみやひきつれはないか? 2)乳頭がへこんだり、湿疹のようなただれはないか? です。
  3. まず、右の乳房を調べます。仰向けに寝て、右肩の下に薄い枕を敷きます。
    右腕を頭の方に上げ、左手指の腹で乳房の内側を中心に丁寧に触ります。
  4. 次に右腕を自然に下げて、乳房の外側を中心に同じように、左手指の腹で触ります。
    最後に、脇の下に手を入れ、しこりの有無を調べます。左の乳房も3,4と同じように行ないます。
  5. 左右の乳頭を軽くつまみ、血液の混ざった分泌物が出ないかを調べます。

飲むやせ薬「アコンプリア」が非承認の見込み:米食品医薬品局

「飲むやせ薬」と注目され、世界37カ国で販売されている仏製薬大手サノフィ・アベンティスの肥満治療薬「アコンプリア(一般名:リモナバン)」の承認申請を審査している米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、同剤の安全性に関する証拠が不十分だとして、承認に反対することを決議した。
特に不安や鬱を誘発し自殺のリスクを増加する恐れがあるとしている。
通常FDAは、諮問委員会の決議に従う決定をするため、非承認は確実とみられている。アコンプリアは、日本では第3相臨床試験中で新薬申請の予定は立っていない。

アコンプリア(Acomplia)

世界4500人の患者を2年間に渡って調査した臨床試験では、体重、ウエスト径、糖尿病の指標となるグリコヘモグロビン(HbA1c)、中性脂肪を有意に減らしたことが確認され、2006年7月にイギリスで発売し、同年後半からデンマーク、アイルランド、ドイツ、フィンランド、ノルウェーなど欧州を中心に発売されている。

アコンプリアについて
アコンプリアは、2型糖尿病や脂質代謝異常といった肥満に関連した心血管および代謝性疾患のリスク因子を持つ肥満の患者(BMI≧30kg/m2)あるいは過体重の患者(BMI>27kg/m2)の治療において、食事療法や運動療法の補助療法として使用されます。
アコンプリアは、脳に加え、脂肪細胞、肝臓、筋肉などの糖代謝や脂質代謝に重要な末梢器官に存在するCB1受容体を選択的に阻害します。

ウシ軟骨細胞からヒトのひざ軟骨を人工培養:再生医療へ期待

従来は難しかったひざ軟骨の人工培養技術を、東京大学などが開発した。
体内と同じ高圧環境下で培養するもので、国内で3000万人とも言われる変形性ひざ関節症の患者などへの再生医療に道を開くと期待される。米専門誌「ティッシュ・エンジニアリング」に発表された。

東大では軟骨がすり減るため、ひざが痛み、歩行や階段昇降が困難になる変形性ひざ関節症の患者を3000万人と推計している。一部の患者には、ひざから採取した健康な軟骨細胞を培養した後、患部に注入する治療が試みられているが、培養中に病的なたんぱく質を持つ異常細胞ができる問題があった。

東京大学大学院工学系研究科の牛田多加志教授は、関節内で体液の入った袋に包まれた軟骨には、歩行時に約50気圧の圧力がかかることに着目。
プラスチック製の培養袋にウシの軟骨細胞を入れ、体内と同じ水圧をかけて4日間培養したところ、球状の正常軟骨(直径1ミリ)ができた。

ヒトの細胞で球状軟骨を多数作り、体内の軟骨と同じ形の型に詰めて成形すれば、移植可能な人工軟骨が作れるようになるという。

共同研究者の東大病院整形外科・脊椎外科の中村耕三教授は「減量や運動が治療の基本だが、傷んだ軟骨を再生医療で治せるようになれば治療手段が増す」としている。(YOMIURI ONLINE)

変形性関節症とは?
高齢になるとともに、肩の関節や股間接、膝間接などの軟骨がすり減って障害を起こす病気で、骨粗鬆症などの原因となります。
変形性関節症の症状としては、肩痛、上肢の痺れ、脱力感、股関節の痛み、歩行障害が挙げられますが、消炎鎮痛剤で症状が改善します。

軟骨がすり減ったらグルコサミンを補給
人間の骨と骨の接合部分にある軟骨は、体を使うことによって少しずつすり減っていきます。
軟骨がすり減ると、骨と骨とが直接すれ合うことになり、次第に痛みを感じるようになります。
軟骨はグルコサミノグリカンというムコ多糖類でつくられますが、このムコ多糖類を産出するにはグルコサミンによるはたらきが必要です。

サプリメントなどでグルコサミンを補給することにより、軟骨の摩擦が抑えられ、産出も促進されるので、関節の痛みがなくなり体がスムーズに動かせるようになります。
スポーツなどによる体の酷使からくる軟骨摩擦、痛風などにも効果を発揮します。
軟骨に水分を吸引するコンドロイチン硫酸と合わせて摂取するとさらに効果的です。

母親のガムで子供の虫歯菌(ミュータンス菌)が減少

母親が妊娠中からキシリトール入りガムをかむと、子どもへの虫歯菌感染が減少するとの実験結果を岡山大大学院の仲井雪絵助教(小児歯科)が13日までにまとめた。

約50人の女性に妊娠6カ月から出産後9カ月まで1日平均3個のガムをかんでもらった。
すると、口の中で虫歯の原因となるミュータンス菌が、女性自身で減少。1歳半の時点で菌に感染した子どもは、ガムをかまなかった場合の半分になるなどの効果があった。

仲井助教は「子どもが菌に感染するのは、母親が食べ物をかみ与えたり、はしを共有したりするのが原因。歯が生えてくる生後6カ月ごろまでに母親の持つ菌を減らすことが大事だ」と指摘。キシリトール入りガムは比較的簡単に感染を防ぐ方法だとしている。(Shikoku news)

ミュータンス菌について
う触原生菌であるミュータンス菌は、生まれたての赤ちゃんの口腔には存在しません。
乳幼児のう触は、同じスプーンを共有してものを与えたり、噛み与えをする際に、周りの大人からだ液を通じて感染し、そのまま口腔内に繁殖し、発症してしまうケースが多いと考えられています。
子どものう触原生菌を減らすには、まず母親がむし歯を予防し、口腔内のミュータンス菌を減らすことが大切です。

関連記事:赤ちゃんの虫歯予防に「キシリトール」

脳発達のカギはコレステロール:脳疾患の治療薬開発へ期待

脳の神経細胞に含まれるコレステロールが増えると、神経細胞が発達するとのラットの実験結果を、産業技術総合研究所関西センター(大阪府)の小島正己主任研究員らがまとめ、13日発表した。

神経細胞を成長させるタンパク質「BDNF」の働きで、神経細胞のコレステロールが増えることも分かった。小島研究員は「コレステロールとの関係が注目されるアルツハイマー病など、脳疾患の治療薬開発につなげたい」と話している。

小島研究員らは、ラットの脳から神経細胞を取り出し実験。BDNFを加えると、3日後にコレステロールが4割増えた。この神経細胞では、ほかの神経細胞との接合部(シナプス)で神経伝達物質を放出する「シナプス小胞」の数が2・5倍に増え、情報伝達をする物質が増加し、細胞が発達した。(さきがけ on The Web)

コレステロールとは?
コレステロールは脂質の一種であり、体内に100〜150gくらい存在し、細胞膜や生体膜の構成成分として重要な役割を果たしています。食事からのコレステロール量が増えると、体内合成量が減るように上手くバランス調整されています。

コレステロールの働き
コレステロールというと、肥満の原因、生活習慣病の危険などマイナスのイメージが先行しますが、副腎皮質ホルモンや性ホルモン、胆汁酸の原料になりますし、神経伝達をスムーズにする働きもあり、生命を維持する上で必要不可欠の成分なのです。

コレステロールは、肝臓と小腸で生産されます。血液によって必要な箇所に運ばれますが、水に溶けないため、タンパク質とリン脂質に包まれた水に溶けやすいリポタンパク質になって、血管の中を移動します。
このとき、肝臓から各組織に運ぶ役目のリポタンパク質が変化してLDLになり、余ったコレステロールを回収して肝臓に戻すのがHDLです。俗にLDLが悪玉コレステロールHDLが善玉コレステロールと呼ばれるのはこの働きによるものです。

コレステロールの摂り方
コレステロールの宝庫は卵ですが、1日何個もとらないようし、また野菜や果物、海草などをバランスよく食べることが必要です。
コレステロールが不足すると、細胞膜や血管が弱くなり、貧血や脳出血を起こしやすくなります。
また、しびれやめまいなど神経障害や肺結核の原因、免疫力の低下にも繋がります。
特に高齢者は動物性食品や脂肪酸を避ける傾向にあるので注意しましょう。

関連記事:前頭側頭型認知症(FTD)の原因たんぱく質を特定

飲むだけで満腹感:イスラエルのバイオ企業が抗肥満薬を開発中

飲むだけで満腹感を覚えるペプチド(小型タンパク質)を合成し、マウスでダイエット効果を確認したと、イスラエル・ヘブライ大が発表した。特許を同大の関連企業から譲り受けたエルサレムの企業「バイオラインRX」が、人間の抗肥満薬の開発を進めているという。

同大有機化学部の研究チームは、食事中に分泌されるホルモン「aMSH」が、脳神経の受容体タンパク質「MC4R」に結び付くと、満腹感をもたらすことに注目。aMSHと同様の機能があるペプチドを合成し、「BL-3020」と名付けた。

BL-3020をマウスにのませると、腸から血管に取り込まれ、食べた餌の量が減る効果が24時間続いた。12日間連続で飲ませると、のまなかった同じ年齢・体格のマウスに比べ、体重が4割減ったという。(Fuji Sankei businessi)

ペプチドとは?
ペプチドは、アミノ酸同士が数種ずつ結合しあった栄養活性の構造を持つ栄養物質です。
体の生命機能や健康維持、美肌に欠かせない良質のタンパク質、その構成成分である必須アミノ酸のすべてが含まれています。
ペプチドが慢性的に不足すると、代謝不全を引き起こし、イライラ、倦怠感、慢性疲労感、集中力低下などの症状が見られます。

メモ
ダイエット補助食品などで「飲むだけでみるみる痩せる!」なんて広告を出そうものなら薬事法との絡みで指導を受けそうですが、この抗肥満薬が人間で実用化されたら、どんなキャッチコピーを付けても大丈夫な感じがします。

はしか予防:ワクチン接種の徹底とワクチン増産を検討

大学生や高校生を中心としたはしかの流行を受け、厚生労働省は14日、医師ら専門家による検討会を開き、来年以降の予防強化に乗り出す。
今年の反省を踏まえ、はしかの免疫を持つ比率が低い10〜20代のワクチン接種を徹底するほか、ワクチン増産なども検討。先進国で数少ない「はしか輸出国」の汚名返上も目指す。

はしか予防は就学前のワクチン接種が基本。厚労省は昨年4月、予防接種法の施行令を改正し、それまで1歳〜7歳半までの1回接種だったのを「小学校就学前の2回接種」に変えた。
しかし国立感染症研究所の調査では、就学前年の児童で2回目を接種していたのは昨年10月までに29%にとどまっていた。

今回、感染が広がった10〜20代は、副作用が社会問題化して94年に予防接種が義務制から任意制になった世代の先駆けだ。94〜04年の接種率は90〜95%で推移しているが、1回の接種では接種者の約5%が十分な免疫を持てない。厚労省はこの約5%と、5〜10%の未接種者が中心になり、学校などで集団感染したとみている。

このため検討会では、免疫が弱い世代の予防対策として、企業や大学などが入社・入学前に接種の有無の確認を徹底することなどが可能かどうかについても検討する。

また今年は自治体の一斉購入などでワクチンの在庫が全国で一時5万本まで減り、抗体の有無を調べる検査試薬はゼロにもなった。こうした事態を繰り返さないよう増産計画も検討していく。

今回の流行では、はしかを抑え込んだカナダ、米国などへの「輸出」も相次いで発覚。
カナダでは、東京都内の高校生1人が修学旅行中にはしかにかかり、他の生徒約120人もホテルに一時足止めされた。米国では、日本を旅行した20代の男性が帰国後に発症、2次感染の疑いもあるとして立ち回り先が公開された。(asahi.com)

はしか(麻疹)について
はしか(麻疹)は発熱・発疹・咳を主症状とする急性の感染症で、39〜40度の高熱が続く重い病気です。うつる力も強く注意が必要です。ウイルスの潜伏期間は約11日。飛沫感染します。予防接種を受けていない子供がはしかの子供と接触した場合、3〜4日以内にガンマグロブリンの注射をうければ発病を防ぐことができます。

はしか(麻疹)の症状
はじめに熱・咳・鼻水・目やになど通常の風邪と同じ症状が出ます。この時期にははしかと診断する事はできません。4日目位に一度熱が下がりますが、半日から1日後に高熱とともに発疹がでます。はしかはほぼ円形の紅い斑点で5mmくらい。顔からはじまり全身へと広がっていきます。かゆみはありません。約5日くらいで熱もさがり、発疹も消えてきます。

医療機関(病院、診療所、歯科医院)の倒産が急増

医療機関の倒産が急増している。信用調査会社の帝国データバンクのまとめによると、法的整理による倒産件数は今年1〜5月で全国で28件に上り、01年以降で最悪のペース。
06年度の診療報酬引き下げによる収入減が大きな要因で、同社は「小規模の医療機関を中心に年後半はさらに増えそうだ」とみている。

帝国データが全国の医療機関(病院、診療所、歯科医院)による民事再生法や破産手続きの申請など法的整理件数を調べたところ、02〜06年はほぼ横ばいだったが、今年は例年の倍近いペースで増加。01年以降で最も多かった04年(32件)を超える勢いだ。

今年の28件のうち、民事再生法が8件、破産が20件。負債額5億円未満が15件と約半数を占める一方、30億円以上の倒産件数(5件)は過去6年間の合計件数にすでに並んだ。
事業規模の大きい医療機関は民事再生法、診療所や歯科医院など規模の小さいところは破産を選択する傾向が強くなっているという。

主な倒産原因については、診療報酬の減少による「販売不振」が7件、「設備投資の失敗」が8件と多く、「放漫経営」が3件だった。(asahi.com)

診療報酬とは?
治療や調剤など医療行為ごとの公定価格です。質の高い医療を国民誰もが受けられるようにするための仕組みで、診療報酬点数1点は10円。医療保険で受診した際、その対価として公的医療保険から医療機関に支払われます。

ほぼ2年に1度のペースで改定され、全体の改定率は政府が予算編成過程で決定、個別の点数改定は厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)が政府の医療政策に基づいて決めます。
2006年度改定では、医師の技術料などにあたる本体部分1.36%、薬価や医療材料費部分1.8%の計3.16%のマイナスと、過去最大の下げ幅となりmした。
診療報酬の対象から外れた医療行為は「自由診療」扱いとなり、全額患者の自己負担になります。

メモ
昔は放っておいても患者さんがやってきましたが、最近はどの医療機関も生き残りに必死です。
特に、コンビにより数が多い歯科医院では競争が激しいですね。
歯科医院に来る患者さんの4割近くが、その歯科医のホームページを見て、診療方針や伝わってくる医院内の雰囲気に納得してからやってくるそうです。
ホームページを検索する際には、その医院の名前ではなく「患者さんの住んでいる地名+歯医者」で調べますので、ここで検索結果の上位(20位=ヤフーだと2ページ目まで)に掲載されないと、どんなに素晴らしい歯医者さんでも黄信号です。従来の患者さんによる口コミ効果のみに頼ることになりますからね。
逆に「横浜(あるいは銀座)+インプラント」など需要が集中している所で1位取れれば、最高です。ちなみに「横浜 インプラント」の1位はYahooもgoogleも同じ歯科医院でした。

岩盤浴に血液循環、新陳代謝活性効果:宮崎県立看護大学

岩盤浴で体を温めると、血液循環や新陳代謝の促進も―。宮崎県立看護大学の田中美智子准教授(生理学)と長坂猛准教授(環境学)が、ブームとなっている岩盤浴の温熱刺激が体に与える生理学的な影響の研究成果を、このほどまとめた。

岩盤浴とは、低温サウナのような感覚で、約40度に温めた岩盤の上に寝るなどして行う温熱浴。

2人は岩盤浴の温熱刺激が身体に及ぼす影響に着目。宮崎市の岩盤浴場「湯癒亭」の協力を得て昨年6―9月、利用客の女性11人(22―49歳)のデータを集めた。それぞれ15分間の岩盤浴を計3―6回行ってもらい、体重や血圧、乳酸値の変化などを測定した。

その結果、入浴後は体温が最大で約1・5度と急激に上昇。心拍数、PRP(心筋酸素消費量の指標)も増加し、血液循環が向上したことが分かった。
また、運動後に発生する乳酸は減少しており、新陳代謝が活性化されたことも推測された。一方で、体重は若干減少しただけだった。(宮崎日日新聞)

岩盤浴とは
岩盤浴とは、天然の鉱石から放出される遠赤外線・マイナスイオン・ラドンガスによるホルミシス効果により体を芯から温め、大量の汗をかくことで細胞を活性化させて人間が本来持っている自然治癒力を高める健康法です。

約50度位に暖めた天然の鉱石の上にバスタオルなどを敷いて横たわり発汗作用を得られる「お湯を使わない温泉」といわれています。
鉱石による様々な自然のエネルギーによって健康、ダイエット、美容、癒しなどさまざまな効果があるといわれています。

岩盤浴という健康法は、秋田県仙北市にある玉川温泉が発祥とされており、そちらの温泉にある北投石という特別天然記念物の石が温泉の地熱で温められたところの上にゴザなどを敷き着衣のままそこの横たわり汗を流す療法が行われていました。
やがてその効果が広く認められ、今では全国的にも専門サロンも普及し、浴場施設、健康・美容・リラクゼーションセンターなどでも気軽に利用できるものとなってきました。

「血液ドロドロ」商法で医療会社を強制捜査:商法、医師法違反

医師や看護師の資格がないのに採血して「あなたの血はドロドロ。病気になりやすい」と診断し、高額な会員制サービスに加入させたとして、警視庁生活環境課が、東京都千代田区の医療サービス会社を医師法違反容疑で家宅捜索したことが分かった。
同社はグループの不動産会社を使い、採血に応じた高齢者らから中国への投資も募り、数十億円を集めたとみられる。健康と資産運用をセットにした新手の商法の被害拡大を防ぐため、警視庁は強制捜査に踏み切った。

生活習慣病とも関係する血の流れ具合をイメージした「ドロドロ血」問題は健康番組などで注目され、同社もテレビを参考に4年前から採血を始めた。
「ドロドロ血をサラサラにする」と高額器具を売りつける商法に全国の消費者センターには相談が相次いでいるが、強制捜査は異例。

調べでは、同社は「無料で血液検査する」と、都内の富裕層の高齢者を対象に電話で勧誘。
栄養士の資格しかない女性スタッフが指先に針を刺して血を採取したうえで拡大した映像を示し、「血がドロドロ」と入会を勧めたほか、営業社員が「このままではがんになる」と診断を下したケースもあるなど、医師法違反の疑いが持たれている。

同社によると、採血に応じた人に対して鍼灸やマッサージにも勧誘。
入会金100万円のほか、1〜5年のコース別で30万〜150万円の費用が必要で、約1600人が登録した。

さらに、「心身ともに安心できる生活環境につながる」と中国への資産運用も持ち掛け、約1600人のうち約1割の会員から北京や桂林のホテル建設名目で集金。1人につき千数百万〜3000万円超を集めた。

関心の高い「ドロドロ血」と資産運用のセット商法について、警視庁は(1)健康不安を告げる手口に問題(2)1人あたりの出資額が大きい−としており、医師法違反の裏付けと新手の商法の解明を急いでいる。

同社は平成6年設立でグループ約20社での売り上げは約55億円。同社は取材に対し、「医師法違反というなら真摯に受け止めるが、『がんになる』とは言っていない。投資もきちんと説明し、解約にも応じている」としている。(Sankei Web)

血液サラサラとは?
生活習慣病予防のためには血液サラサラがいいといわれています。
血液の固まりにくい状態にしておくことによって、心筋梗塞、脳梗塞、肺塞栓などの、血栓(血のかたまり)によって起こる病気を予防することができるからです。

さまざまな食品について、血液が固まりやすくなるかどうか(血液凝固能)を調べた研究によると、魚の油(EPAやDHAなど)や野菜類、特に玉ねぎやにんにく、長ネギなどのねぎ類には、血液を固まりにくくして、血栓症を予防する効果があることがわかっています。

骨粗しょう症の発症メカニズムを解明:国立長寿医療センター

高齢者に多い骨粗しょう症の発症メカニズムを、国立長寿医療センター(愛知県)の池田恭治・運動器疾患研究部長らのチームが細胞レベルで解明した。
骨粗しょう症の治療薬の開発につながる研究成果として注目を集めそうだ。米科学誌「セル・メタボリズム」(電子版)で報告された。

池田部長と辰巳佐和子研究員らは、骨の中に含まれる「骨細胞」の働きを調べるため、骨細胞だけを死滅させる毒素を、マウスに注射した。
その結果、骨を溶かす「破骨細胞」の働きが強まる一方、骨を作る「骨芽細胞」の働きが弱まり、マウスは約1か月で骨粗しょう症になった。

骨細胞は、骨芽細胞が骨を作った後に変化した細胞で、これまでその機能が不明だった。研究チームは実験結果から、骨の再生にかかわる細胞の働きをコントロールする、大本の「司令塔」であると判断した。(YOMIURI ONLINE)

骨粗しょう症とは?
青少年の場合には、成長とともに骨量も増えていきますが、老化が始まると、逆に骨量は減少していきます。
このような減少は、すべての人におこるのですが、とくに正常の範囲を超えて減少した場合を骨粗しょう症といいます。

骨粗しょう症の初期症状は腰痛です。とくに老齢女性の腰痛の半数以上は、骨粗しょう症が原因といわれています。進行すると、脊椎圧迫骨折や大腿骨骨折を起こしやすくなり、骨折すると歩けなくなります。

関連記事:週一回投与の骨粗しょう症治療薬を発売:エーザイほか

喘息治療配合剤「アドエア」が発売:グラクソ・スミスクライン

グラクソ・スミスクラインは、グループの世界の主力製品である喘息治療配合剤「アドエア100ディスカス」「アドエア250ディスカス」「アドエア500ディスカス」(一般名:サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル ドライパウダーインヘラー)の販売を開始した。

「アドエア」は、気管支拡張作用を持つ長時間作用性吸入β2刺激薬(サルメテロールキシナホ酸塩)と抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬(フルチカゾンプロピオン酸エステル)をひとつの吸入器具におさめた配合剤。
一定量のサルメテロールキシナホ酸塩に対して、3種の異なる用量のフルチカゾンプロピオン酸エステルを含有した製品があり、症状に応じて最適な組み合わせが選択できる。

海外44カ国で約3,500人の喘息患者を対象に実施された大規模臨床試験では、本剤による継続的な治療によって75%の患者が「良好な喘息コントロール」を達成したとしている。

「アドエア」は、海外では1998年に欧州で承認されて以来、「Seretide」や「Advair」の製品名で、喘息およびCOPDの治療薬として既に120カ国以上で使用されている。

アドエアの特徴

  • 気管支喘息の病態である気道の“炎症”と“狭窄”の両方に効果を発揮する。
  • サルメテロールとフルチカゾンプロピオン酸エステルは相互に作用し、相乗作用を示す。
  • 軽症から重症まで多くの患者で1剤による喘息コントロールの達成および維持が期待できる。
  • 投与1日目から優れた呼吸機能改善効果を示します。
  • 操作が簡便な吸入剤であり、100、250、500の3用量があるため、1剤で幅広い患者への治療が期待でる。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?
肺で酸素と二酸化炭素を交換する小さな袋「肺胞」が壊れる肺気腫と、太い気管支に起きる慢性気管支炎の2つを合わせた呼び名です。
どちらも肺に炎症が生じ、慢性的な呼吸困難から、運動など日常生活にも様々な制約を受けます。
患者のほとんどが喫煙者であるため、「たばこ病」とも言われています。

患者数は多く、40歳以上の8・5%にあたる530万人と推定されています。しかし、実際に治療を受けているのは22万人ほどにとどまり、病気が十分に認識されていないのが現状です。

COPDは、1度壊れた肺は元に戻らないため「治療法のない病気」というイメージもありましたが、近年、新たな治療指針がまとまり、呼吸を楽にして快適な生活を送るための手だてが増えてきています。1日1回の吸入で効果が続くタイプの薬が認可され、利便性も高まりました。

Wiiやりすぎで、急性Wii炎にご注意:スペイン医師が警告

任天堂が昨年末に発売したゲーム機「Wii(ウィー)」でテニスのゲームに熱中し、肩を痛めたスペインの医師が、この痛みを「急性Wii炎」と名付け、7日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に注意喚起の投稿をした。
Wiiは、画面を見ながらコントローラーを振り回すなどして、ゴルフやテニスなどを実際に似た形でプレーできるゲーム機。

投稿したスペイン・バルセロナの生物医学情報科学研究会のジュリオ・ボニス医師(29)は「日曜の朝、右肩に激痛が走った。何の運動もした覚えがなかった」と自身の体験を伝えた。心当たりは前日、Wiiを買ってから数時間にわたってテニスゲームをしたこと。
消炎鎮痛剤を1週間服用し、Wiiを一切しないことで完治したという。

「ゴルフなどのゲームもあり、予想しない筋肉を使うこともありうる。医師はWii炎多発に注意すべきだ」とボニス医師は結んだ。

Wiiは3月末までに世界で約584万台が売れている。任天堂広報部は「強く振り回さなくてもプレーできる、と繰り返し説明している。注意しながら楽しんでいただきたい」としている。(YOMIURI ONLINE)

メモ
20年位前の話ですが、高橋名人に憧れて、シュウォッチ(シューティングウォッチ=連射測定機能の付いた携帯型時計)を四六時中やりまくって、腱鞘炎に近い症状を起こした私としては、非常に親近感のあるニュースです。スターフォース、スターソルジャーを遊び倒した世代の方には、同じ経験をした人も多いと思いはず(?)

再生医療:細胞の接着力保つ自己組織培養皿「アップセル」

東京女子医科大学発の医療ベンチャー、セルシード(東京都)は、皮膚や角膜をはじめとする自己組織再生医療への貢献が期待される温度応答性ポリマーの販売に乗り出す。
関連特許の出願が終了したのを機に、大学や企業の研究用として、国内で9月、海外で11月にも提供を開始する計画だ。

温度応答性ポリマーは、東京女子医大の岡野光夫教授が開発した。
温度変化に応じて表面が疎水性(親油性)から親水性に変化。親油性にした培養皿(シャーレ)で、患者本人の細胞を増殖させて細胞シートを作成し、その後に親水性に変化させると簡単にはがせる。

従来の細胞培養は、シャーレからはがす場合に分解酵素などを使うため、細胞同士をつなぐ「細胞外マトリックス」も分解されてバラバラになり、生体に引っ付く接着性も失う。
シャーレに同ポリマーを張った状態の「アップセル」を使えば、新鮮ですぐに生体に移植できる細胞シートが得られる。

アップセルは、国内で口腔粘膜を培養して角膜に利用する臨床研究が始まっており、その他の部位でも年内には臨床研究が開始される予定。欧州でも年内には治験開始を目指しており、数年から5年後程度で、実際の治療での使用が可能になる見通しだ。

アップセルの価格は、直径3・5センチのシャーレで2000円程度。研究用に提供を開始することで、国内外の研究者や医師が動物実験などに使い、同ポリマーの自己組織再生医療への利用が広がると期待される。(Fuji Sankei Business i)

アップセルの特徴

  • トリプシン不要な為、細胞結合が保持された「細胞シート状」の回収が可能です。
  • 細胞の接着因子無侵襲の為、移植の際に縫合が不要です。
  • 細胞の接着因子無侵襲の為、細胞シートの積層化が可能です。

未承認薬を一部解禁へ:ドラッグラグ深刻化を受け 厚生労働省

厚生労働省は国内で未承認の医薬品について、重い病気で代替治療法がない場合に限り、製薬会社などに製造・輸入・販売を認める新制度をつくる検討に入った。
国内で症例が少ない病気の場合、薬の承認を得るために欠かせない臨床試験(治験)を長年実施できない事例があるため。安全の確保策などを議論し、年内にも具体策をまとめる方針だ。

日本は医薬品の承認にかかる期間が長く、欧米で一般に使える薬が国内では使えない「ドラッグラグ(薬の時間差)」と呼ぶ問題が深刻化している。現在、未承認薬を使用するには医師らによる個人輸入のほか、治験の一環として患者に投与する手法がある。(NIKKEI)

ドラッグラグとは?
海外で標準的に使用されている医薬品が国内では使用できない(未承認の)状態をいいます。
海外先行で治験が行われ日本での新薬発売が海外よりも遅れる、日本の新薬承認の審査に時間がかかることなどが要因とされています。

がんや関節リウマチなどの難治性の疾病患者(または家族など)が、国内未承認の最新の治療薬の使用を望み、高額な薬剤費を支払って個人輸入するケースも少なくありません。
その改善策のひとつとして、厚生労働省は、2005年に「未承認薬使用問題検討会議」を設置しました。
その目的を、1)欧米諸国での承認状況及び学会、患者要望を定期的に把握し、臨床上の必要性と使用の妥当性を科学的に検証し、2)当該未承認薬を確実な治験実施につなげて、その使用機会の提供と安全確保を図ること、としています。
また、2006年には、「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」が設置されるなど、国としての対策が模索されているところです。

メモ
最近はMixi(ミクシィ)などでも難治性の疾病患者さんによるコミュニティが多くみられるようになり、皆さんが話し合った意見・要望を代表の方がまとめて、厚生労働省や内閣府にメールで伝えているようです。
今回の厚生労働省による決定も、本来望むべきところとはまだまだ遠いと思いますが、皆さんの草の根運動は間違いなくいい方向にはたらいているはずです。