顎関節症の鎮痛作用があるサプリメントを開発:三重大学など

三重大学などの共同研究チームは、20代の女性に多く見られる顎関節症の痛みを和らげる効果があるサプリメント(栄養補助食品)を開発した。15日に仙台市で開かれる日本顎関節学会で、臨床試験の詳しい結果を発表する。

開発したのは、同大医学系研究科の田川俊郎教授(口腔・顎顔面外科学)と、健康補助食品などを開発・販売する「イシダファーマ」。サプリメントは、軟骨の再生作用がある成分と鎮痛・抗炎症作用がある成分でできている。
臨床試験では、あごの痛みを訴える患者が減ったといい、今秋には商品化を予定。歯科医などを通じて販売する。

顎関節症は、口を開けると音がする、痛む、口が開かなくなるなどの症状があり、国内に推計約1600万人の患者がいるとされる。米国のホットドッグ早食い大会のチャンピオンとして知られる小林尊さんが顎関節症になったことを自らのブログで告白して話題になった。
現在は主に、スプリントと呼ばれるマウスピース状のものを口にはさむなどの治療が行われている。田川教授は「顎関節症の痛みが緩和できるサプリメントは初めて。治療の一助になる」と話している。(毎日新聞)

顎関節症とは?
口が空けにくくなり、空けたり閉じたり動かしたりする歳に、鈍痛を感じます。
また、口を動かす時に耳の前方でカクンと、ジャリジャリといった異音がする場合があります。
顎関節症の原因は、かみ合わせの異常、歯軋り、歯を食いしばるくせ、顎を動かすくせ、ストレスなどによって、必要以上に顎に負担がかかることが考えられます。

せんべいなどの固い食べ物を避けたりして、顎への負担をなるべく軽くしましょう。
もちろん、早食いと大食いはご遠慮いただくということで(笑)また、スプリント(マウスピース)という器具を使ったり、痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤を内服するのもよいでしょう。

悪性リンパ腫の経口抗がん剤「フルダラ錠10mg」が発売

バイエル薬品は、悪性リンパ腫の治療を目的として、経口プリン誘導体製剤「フルダラ錠10mg」を発売した。再発または難治性で、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫と、マントル細胞リンパ腫に適応する。経口タイプのため外来での治療も可能。

フルダラ(一般名:リン酸フルダラビン)製剤としては、注射剤が1999年に、貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病を適応症として厚生労働省より製造販売承認を受けており、すでに国内で販売されている。今回、新発売する「フルダラ錠10mg」は、注射剤が有しない適応症での使用となり、悪性リンパ腫に苦しむがん患者にとって治療の選択肢が増える。
両製剤とも、旧・日本シエーリング株式会社により開発・申請が成されたもので、7月1日のバイエル薬品との統合に伴い、「製造販売元:バイエル薬品」で販売する。

悪性リンパ腫は、病理組織学的所見により、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、日本では約90%が非ホジキンリンパ腫に分類される。
また、がん化したリンパ球の種類によりB細胞性とT細胞性があり、日本では、非ホジキンリンパ腫の約70%がB細胞性となっている。
比較的進行の遅い、低悪性度リンパ腫は、女性より男性にやや多く、55−60歳が発病年齢の中間値とされる。

悪性リンパ腫について
全身のリンパ節やリンパ組織にできるがんです。頚部や脇の下、足の付け根(鼠頚部)などにあるリンパ節から生じた場合は、グリグリしたしこりが感じられます。
左右の肺の間(縦隔)にできると、初期はほとんど症状が出ませんが、進行してから呼吸困難などの症状が現れます。腹部では、腹痛、おなかの張りがみられます。体重が減少することもあります。

悪性リンパ腫と診断されると、すぐに抗悪性腫瘍薬などで治療を開始します。
腫瘍の種類によって、抗悪性腫瘍薬を中心にするか、放射線治療を行なうかが決まります。治療法が進歩してきており、治癒率はかなり高くなっています。

週一回投与の腎性貧血治療剤「ネスプ」:キリンファーマ

キリングループのキリンファーマ社(東京都)は、人工透析患者の貧血治療薬「ネスプ静脈注射用シリンジ」(一般名ダルベポエチンアルファ)の発売を開始した。

ネスプ静脈注射用シリンジ

ネスプは造血ホルモンであるヒト エリスロポエチン(EPO)のアミノ酸配列の一部を改変し、活性に重要な役割を果たす新たな糖鎖を付加させた新規の遺伝子組換え糖たん白質製剤。
新たに付加された糖鎖によって、従来のヒト エリスロポエチン製剤(EPO製剤)と比べて血液中での消失半減期が延長し、持続的な赤血球増加作用を発揮する。
この特性により、これまでのEPO製剤より少ない投与頻度(週1回)での貧血改善、また投与頻度の減少による感染等の医療事故のリスク軽減及び医療従事者の負担軽減が期待できるという。

キリンビールは1996年、米アムジェン社と共同開発に着手。01年5月の米国と豪州での発売を皮切りに、欧州、カナダ、韓国など既に40カ国以上で「アラネスプ」の商品名で販売している。

日本腎臓学会の推定で慢性の腎臓病患者は約480万人。一方、人工透析患者は26万人を超えているという。腎性貧血は、透析患者の主な合併症で、患者の約80%以上にヒト・エリスロポリチン製剤が使われている。

腎性貧血とは?
腎性貧血とは、腎臓機能の低下によって生じる貧血です。赤血球をつくる働きを高めるホルモン(エリスロポエチン)の分泌がうまく行われなくなるのが原因です。
そのため慢性腎不全になると、ほぼ腎性貧血になります。症状としては、動悸や息切れ、めまい、倦怠感、食欲不振、頭痛、頻脈浮腫などが現れます。

血液検査にて、血色素量 、赤血球数、鉄、フェリチン(貯蔵鉄)、出血凝固時間、MCV(平均赤血球容積)、エリスロポエチンを投与しても貧血が改善しない時は、ビタミンB12や葉酸の検査も行います。

現在の腎性貧血の治療には、エリスロポエチンという赤血球をつくるホルモンを使います。
腎不全になると腎臓でこのホルモンがつくられなくなるので、人工的に製造されたこのホルモンを注射することで貧血は改善されます。

マイスリーなどの睡眠薬で夢遊症状の恐れ:厚労省が注意喚起へ

睡眠薬を飲んで眠った後に、本人の記憶がないまま車を運転したり徘徊したりする「夢遊症状」が出る恐れがあるとして、厚生労働省は12日までに、国内で医師が処方するすべての睡眠薬について、使用上の注意を改め、注意喚起を強めるよう製薬会社に指示した。

対象はマイスリー(一般名・酒石酸ゾルピデム)、ハルシオン(トリアゾラム)、アモバン(ゾピクロン)など19品目。

米食品医薬品局(FDA)は3月、「寝ぼけた状態で車を運転したり、電話をかけたりする恐れがある」と睡眠薬13品目について警告を出した。
これを受けて、厚労省も国内の睡眠薬について、製薬会社からの副作用報告を精査。
同様に副作用の恐れがあるとして、添付文書に「睡眠途中に一時起床する可能性がある時は服用させない」「異常が認められたら投与を中止する」などの注意を書き加えるよう求めた。

国内シェア14%のマイスリーを製造販売するアステラス製薬によると、00年12月の販売開始から今年5月までに副作用が疑われる「夢遊症状」として18件、「もうろう」として8件を同省に報告した。「本人の記憶がないまま食事や徘徊をした例があった」という。 (asahi.com)

夢遊症とは?
夢遊症(夢中遊行)は、寝ているときにいきなり起き上がり、毛布やシーツをきちんと直したり、歩き回ったり、服を着たり(脱いだり)、何かを食べたり、ときには車を運転したりといった、まるで目的があるような行動をします。
うつろな表情で視線を動かさず、いくら呼びかけても反応しません。数分で目を覚ますことがありますが、たいていの場合、再び眠りつづけ、翌朝、何をしたのかを覚えていません。
年配者の場合は、夢遊症は脳器質性症候群の一症状あるいはREM関連行動障害 であることがあります。

通常は詳しい検査や試験は必要ありません。夢遊症が頻繁であったり、持続的である場合は、他の疾患の可能性(部分複合てんかん発作など)を排除するために検査をするのが適当である場合があります。
過剰な不安あるいはストレスのような原因を調べるための心理学的評価、あるいはその他の原因を排除するための医学的評価を受けることが適切であることもあります。

関連記事:睡眠薬「アンビエン」(日本名マイスリー)で睡眠時遊行症

病気腎移植を原則禁止へ:改正臓器移植法の運用指針

厚生労働省は12日、病気腎移植の原則禁止を盛り込んだ改正臓器移植法運用指針を、各都道府県や日本移植学会など6学会、日本医師会などに通知した。

改正運用指針は、生体移植の規程を新たに設けたのが特徴で、病気腎移植は、「現時点では医学的に妥当性がないとされている」と明記し、原則禁止。
生体移植全般についても、〈1〉患者と提供者の間で金銭の授受がないことを移植施設の倫理委員会で確認する〈2〉臓器提供者に医師が手術の内容や危険性を説明し、書面で提供の同意を得る〈3〉提供者が患者の親族の場合、公的証明書で本人であることを確認する〈4〉親族以外の第三者からの提供の場合は、倫理委員会での承認を受ける――ことなどを求めた。(YOMIURI ONLINE)

病気腎移植とは?
腎がんなどの腎臓病患者から摘出した腎臓を使った生体移植のことです。宇和島徳洲会病院の万波誠医師を中心とする「瀬戸内グループ」が手掛けてきました。
万波医師らは「生体腎、死体腎移植に続く第三の道」と正当性を主張してきましたが、日本移植学会などは3月、「医学的な妥当性がなく、手続きにも問題があった」との批判声明を発表しました。さらに、翌月には厚生労働省が臓器移植法の運用指針改定案で病気腎移植の原則禁止を盛り込むに至りました。

関連記事:病気腎移植について関係5学会が統一見解発表へ

肺がんの新しい原因遺伝子を発見:間野博行 自治医大教授ら

肺がんの新しい原因遺伝子を発見したと、間野博行自治医大教授らの研究チームが、英科学誌ネイチャー電子版に十二日付で発表した。調べた肺がん患者の7%程度にこの遺伝子の異常がみられ、肺がんの原因遺伝子としては二番目に割合が高いという。喫煙者の患者に多いのが特徴。

遺伝子異常を調べることで、従来は難しかった早期診断が可能になると期待されるほか、この遺伝子の働きを安全に抑えられれば、新たな抗がん剤として有望だという。

チームは、喫煙者の男性患者の肺がん細胞から遺伝子の断片を二百万種類以上抽出。それぞれ培養細胞に組み込んで、異常増殖が起こるかどうかを調べた。
その結果、ALKとEML4という二つの遺伝子が半分ずつ融合してできた遺伝子を組み込むと、細胞ががん化することを突き止めた。

自治医大病院(栃木県)などの患者七十五人から採取した肺がん細胞を調べると、五人(6・7%)にこの融合遺伝子が見つかった。うち四人は喫煙者だった。

ALKは、細胞外からの刺激を受けて、細胞の増殖を促す酵素の遺伝子。EML4と融合することで常時働くようになってしまい、細胞が増殖し続けるらしい。

間野教授は「傷ついたDNAを修復するとき、誤って二つの遺伝子が融合することが考えられる。DNAを傷つけるのにタバコが関係しているのかもしれない」と話している。(中国新聞)

肺がんについて
肺がんとは、肺や気管支の粘膜から発生するがんのことで、比較的太い気管支にできる「肺門がん」と、肺胞のつながる細い気管支にできる「肺野がん」にわけられます。
肺門がんは自覚症状で気付くことが多いですが、肺野がんは胸部X線検査などによって発見されることが多いようです。

はっきりとした原因は不明ですが、たばこと肺がんが深い関係にあるのは確かです。
1日の喫煙本数が多いほど、また喫煙年数が長いほど、肺がんになる率が高くなっています。
そのほか、大気汚染、地理や誇りなどの刺激を長年にわたって受けていると、なりやすいといわれています。

肺がんの症状は、がんの発生場所や進行状態にもよりますが、呼吸器系に現れる症状は、咳、痰、血痰、胸痛、呼吸困難などで、そのほか発熱、食欲不振、体重減少、倦怠感などをともなうこともあります。リンパ節に転移すると声がかすれたり、また胸膜に転移すると胸水が溜まったりします。

早期では手術療法が効果的ですが、患者の年齢やがんの組織型や進行の程度を考慮しながら手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法などを組み合わせます。

関連記事:肺がん治療:SMAP法で抗がん剤の感受性を迅速に診断

肝炎情報センターを国立国際医療センターに設置へ:厚生労働省

厚生労働省は、肝炎の診断や治療法を研究開発する中核施設となる予定の国立国際医療センター(東京都)に、最新情報を収集・発信する「肝炎情報センター(仮称)」を設置する方針を固めた。
各都道府県の肝炎拠点病院が行う研修に協力するほか、各地の医療機関に最新の治療情報などを提供し、全国どこでも質の高い治療を受けられる体制をつくる狙い。来年度予算の概算要求に盛り込む方針だ。

同省は今年度予算で約75億円の肝炎対策費を計上。4月には各都道府県に対し、原則1カ所ずつ「肝疾患診療連携拠点病院(仮称)」を設置し、地域の病院や開業医と連携して治療にあたるよう求める通知を出した。
中核施設にはこれらの拠点病院を指導・助言する役割が期待されている。来年度に整備する予定だ。

情報センターは、その中心的な施設となる見通し。全国の病院や開業医にもインターネットを通じて最新の治療法や治療薬について情報発信する。

厚労省の推計では、国内の肝炎ウイルス感染者は、B型が110万〜140万人、C型が150万〜190万人。肝炎は放置すると慢性化して肝硬変や肝がんに進行する恐れがあり、早期の発見と治療が重要とされる。(asahi.com)

C型肝炎について
急性の場合、1〜4ヶ月の潜伏期間を経て発症します。食欲不振や倦怠感などの症状が現れることもありますが、他の肝炎に比べて症状は軽く、黄疸が現れるのも約半数です。そのため、ほとんどの人は検診などの血液検査(HCV抗体検査など)で発見されます。

感染者の7〜8割は慢性的な経過をたどります。目立った症状はなくても、20〜30年かけて徐々に病状が悪化し、肝硬変や肝臓がんに進行することもあります。

全身症状が強い場合は入院治療が必要ですが、症状がないか軽ければ通院治療を行ないます。
肝機能検査を継続し、慢性化の兆候が現れたときは、インターフェロンによる治療を開始します。
慢性C型肝炎の場合は、インターフェロンと抗ウイルス薬(リバリビリン)を併用します。副作用を抑えたペグインターフェロンが用いられることもあります。

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アルツハイマーに対するパッチ剤「エクセロン・パッチ」が承認

小野薬品工業は、提携先のスイスのノバルティスが欧米で承認申請していたアルツハイマー型認知症に対する世界初のパッチ剤「エクセロン・パッチ(一般名:リバスチグミン)」について、米FDAの承認を取得したと発表した。
エクセロンは軽度から中等度の患者が対象で、24時間にわたり薬効が持続する。貼り薬のため介護する側にとっては、一目で薬剤が投与されていることを確認できるというメリットもある。
国内では小野薬品とノバルティス・ファーマが共同で臨床開発を進めている(現在:第3相臨床試験)。

承認は、1195人を対象にした国際臨床試験「IDEAL」に基づいて行われ、カプセル剤の最高用量(6mg、1日2回)と同様の効果が確認されている。
コリンエステラーゼ阻害剤と呼ばれるこのクラスの薬剤では、消化器に対する副作用が多く認めらているが、目標用量のエクセロンパッチでは、こうした副作用を大幅に減少させ、エクセロンのカプセル剤を投与した場合と比較して悪心および嘔吐の発現頻度は3分の1程度に留まった。

同剤は、脳内神経伝達物質であるアセチルコリンの分解を防ぎ、アセチルコリン量の低下を抑え、効果を発揮するとされている。分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼに加え、ブチリルコリンエステラーゼも阻害する唯一の薬剤で、この作用によりノバルティスは、記憶力と思考力の両方の維持、行動障害の改善、日常生活の各場面における対応力の改善の可能性があるとしている。

アルツハイマー型認知症について
典型的な初期症状は、昔のことはよく覚えているのに、数分前のことが思い出せないという記憶障害です。そのほか、抑うつ気分になったかと思うと多弁になるなど、情動的な変化もみられます。

症状は徐々に進行していき、やがて、日時や場所、人と自分との関係がわからなくなっていきます(失見当識)。さらに、洋服の着脱などの日常的な動作が困難になり、家族の顔も判別できなくなります。最終的には会話も不能になり、寝たきりの状態になります。

アルツハイマー型認知症の決定的な治療法はありませんので、進行を遅らせることができる抗痴呆薬(ドネペジル、ガランタミン)が使われています。
抗痴呆薬は神経細胞の壊死を防ぐことはできませんが、ある程度の期間、意思能力を保つことができるので、患者自身が今後のことを決めておいたり、介護施設に入所する時期を延ばして家族との過ごす時間を増やしたりすることが可能です。

関連記事:嗅覚機能の低下はアルツハイマーの前兆か?:米研究グループ

急性リンパ球性白血病の治療経過を予測できる因子を発見

小児白血病の治療経過を予測できる新しい測定因子が韓国の医療チームにより発見された。
サムスンソウル病院小児科とソウル大学付属病院小児科の教授チームは9日、共同研究によりアポトーシス(プログラム化された細胞死)を抑制する「リビン」が、急性リンパ球性白血病の治療経過を予測する決定的な因子である事実を突き止めたと明らかにした。

両病院の医療陣は1998年から2006年にかけ、急性リンパ球性白血病と診断された15歳未満の小児患者222人を対象に、リビンの発現の有無を調査した。急性リンパ球性白血病は小児に多く発生する悪性腫瘍で、小児がんの25%、小児白血病の75%を占めている。

研究の結果、リビンが発現した患者57人のうち、5年間病状が悪化せずに生存した割合は98%を記録したが、リビンが発現しなかった患者で5年以上生存したのは165人のうち64.9%にとどまった。このため、リビンが急性リンパ球性白血病の治療結果と密接な関係があるとみられる。
また、再発していない患者185人のうち56人でリビンが発現していたのに対し、再発した患者37人ではリビンが発現した人は1人もいなかった。

これまでリビンは、膀胱がん、黒色腫、神経芽細胞腫など、悪性腫瘍の否定的な予後因子(経過予想因子)として知られており、急性リンパ球性白血病でも否定的な影響を及ぼすという動物実験による研究結果があった。
しかし、患者を対象にした今回の研究では、リビンがある場合の完治率が98%に上る事実が明らかになった。

このため、リビンの発現有無が患者の治療計画を決定する上で重要な因子になると研究陣は予想している。これまでは患者の年齢と白血球数により低リスク群と高リスク群にわけて治療の強さを決めていたが、リビン発現の有無と治療成果の間に強い相関関係があることがわかったことから、リビンの有無により治療計画を変えられるようになる。

サムスンソウル病院のソン・ギウン教授は「従来の方式では高リスク群に分類されていても、リビンが発現した患者の場合は低リスク群の患者と同一の治療法でも良い結果が得られることもある」とし、高リスク群の患者に対する追加研究により仮説を確認する考えを示した。(YONHAP NEWS)

急性リンパ球性白血病について
未熟なリンパ球が異常増殖します。その結果、正常な白血病の数が減り、白血球が本来ないなうべき生体の防御機能が衰えて、感染症にかかりやすくなったり、原因不明の発熱が起こったりします。

また、正常な造血機能が働かないため、赤血球や血小板も減少し、動悸、倦怠感などの貧血症状や皮下、粘膜、臓器における出血もみられます。リンパ節の腫れや関節痛をともなうこともあります。

関連記事:慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬「タシグナ」を承認申請へ

長時間のガム噛みに注意:虫歯原因菌が歯の腐食物質を生産

日常的にガムを噛むと唾液の分泌が促進されて口内と歯が清潔になる。
しかし医学専門家は、ガムを噛むことを一種の流行のように取り上げることを推奨せず、特に過度に大量の、あるいは長時間ガムを噛むことは健康に対して悪影響を与えると述べている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

大部分のガムは蔗糖(スクロース)を添加剤として使用しているため、ガムを噛むと糖分が口内に長時間残り、虫歯の原因となる口内のミュータンス菌が蔗糖を利用して酸性の物質を生産し、歯を腐食させる。

またアマルガムを含む材料で歯を修復したことのある人はガムを噛まないほうがよい。日常的にガムを噛むと口内の充填物を損なう可能性があるという研究結果がある。

他にも成長期の青少年がガムを噛むと噛むための筋肉が過度に鍛えられて、下あごの筋肉や骨格の発育を刺激して女性の顔の形に影響を与える可能性がある。
このため医師はガムを噛む時間は15分以内とし、特に胃の病気がある人はガムを噛まないように提唱している。(中国人民網)

メモ
最後の段落に「成長期の青少年がガムを噛むと噛むための筋肉が過度に鍛えられて…」とありますが、中国の事情はさておき、日本では子供の噛む力が年々低下しているというデータがあるので、噛みすぎによって咀嚼筋が過度に鍛えられることはまずないでしょう。
キシリトールガムのように蔗糖が入っていなければ、虫歯の問題もないと思いますよ。

関連記事:母親のガムで子供の虫歯菌(ミュータンス菌)が減少

うつ病治療薬「ミルタザピン」の製造販売承認申請:日本オルガン

日本オルガノン明治製菓は、両社で共同開発したうつ病治療薬「ミルタザピン」に関して、今月3日に製造販売承認申請を行ったと発表した。
「ミルタザピン」は、日本オルガノンの親会社であるN.V.オルガノン社が研究・開発したうつ病治療薬で、1994年に商品名「Remeron」としてオランダで発売されて以来、現在では世界80ヶ国以上で販売されている。

国内においては、2004年3月に日本オルガノンと明治製菓の間で共同開発契約を締結し、両社が共同で「ミルタザピン」の臨床開発及び製造販売申請を行うことで合意。両社の開発力を結集し、共同開発開始から3年未満という短期間で製造販売承認申請まで漕ぎ着けた。

「ミルタザピン」は、その特徴的な作用メカニズムに基づき、「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)」と称され、既存の「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」や「セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)」とは異なるタイプの新しいうつ病治療薬。

これまで行われた臨床試験の結果、「ミルタザピン」は、抗うつ効果の発現が早く、また、セロトニン受容体の賦活化が関連する副作用が少ないなど、臨床上の利点が示されたという。(IBTimes)

うつ病について
うつ病という病名から感情面のみの病気と思われがちですが、実際は身体症状も現れるのが特徴です。1日中、気分の落ち込みがありますが、とくに朝方にひどく、夕方にかけて軽くなっていく傾向があり、これを日内変動といいます。

睡眠障害はほとんどの患者が訴える症状で、全く眠れない、寝ついてもすぐに目が覚める、朝早く目が覚めるなどのタイプがあります。食欲も低下し、味気なく感じます。そのため、体重減少が見られることもあります。睡眠欲と食欲は、逆に異常に高まり、仮眠や過食になる人もいます。
そのほか、性欲減退、疲労・倦怠、頭痛、めまい、便秘・下痢などもみられます。

精神的症状としては、決断力が鈍り、仕事に対する医薬や趣味に対する興味もわかなくなります。気持ちが落ち着かなくなり、イライラして焦りや不安も強くなります。
動作は緩慢になり、ひどくなると、意識があるのに身動きができなくなることもあります。
また、罪悪感は特徴的な症状で、自分のことを責める気持ち(自責感)が強くなります。

関連記事:抗うつ薬「シンバルタ」を全般性不安障害の治療にも承認

はしか対策:中1・高3に定期予防接種を追加 厚生労働省

麻疹(はしか)の大流行を受けて、厚生労働省は9日、来年度から5年間の時限措置として、中学1年生と高校3年生を対象に、定期予防接種を追加する方針を明らかにした。
ワクチン接種が1回しかなかった小学2年生以上に、高校卒業までに2回目の機会を確保する狙い。はしかの発生件数を、すべて把握するため、医師による報告を義務化するという。

この日、同省の検討会が原案を提示。同省はこれをもとに国の「はしか排除計画」を策定し、12年までに患者が出ても流行しないとされる免疫保有率95%以上を目指す。

はしかの予防接種は、昨年4月に法改正され、1歳〜7歳半の1回接種から、1歳と小学入学前の2回の定期接種に変更された。今春小学校に入学した児童は原則2回打っている。

ワクチンを2回受けると、ほぼ感染の心配はないとされ、今回の大学生や高校生の流行は「1回接種で免疫が弱まった世代で起きた」などの指摘が専門家から出ていた。

原案では、来年度から5年間、中1と高3時に接種を続け、接種機会が1回だった小学2年生以上をカバーする。 このほか、保護者同伴となっている要件について、小学生以上では緩和を検討したり、学校などでの集団接種も選択肢にしたりするとしている。

国、都道府県などは「はしか排除委員会」をつくり、発生動向や接種率、副作用報告などを管理。患者が出た場合、医師に保健所への届け出を義務づけ、重篤な副作用がより迅速に報告される仕組みを導入する。
今後、健診時や海外旅行時に接種を証明する機会が増えることが予想されるとして、母子保健手帳から予防接種部分を独立させることも検討する。(asahi.com)

はしかの症状
ウイルス感染後10〜12日の潜伏期を経て、鼻汁、くしゃみ、結膜の充血、目やになどの症状と38度前後の熱が出ます。次いで、頬の裏の粘膜に粟粒大の白色の小水疱(コプリック斑)がみられます。
3〜4日目にいったん熱が下がりますが、再び高熱になり、同時に発疹が出ます。

発疹は赤い小さなもので、耳の後ろから顔、体、手足へと広がります。発疹はお互いにくっつきますが、間に発疹のない皮膚面が残ります。
発疹が全身に広がる頃に熱が下がり始め、回復してきます。数日で発疹は褐色のしみのような状態になり、時間の経過とともに消えます。
発病から10日〜2週間程度で一般状態は改善しますが、肺炎や中耳炎を合併することもあり、入院率は約40%といわれています。

関連記事:はしか予防:ワクチン接種の徹底とワクチン増産を検討

犬にキシリトールは有害の可能性:アメリカ獣医学協会

低カロリーで虫歯の原因になりにくいとされ、人間用の食品では砂糖の代わりに広く使われている甘味料のキシリトール。ところがアメリカ獣医学協会がキシリトールは犬には有害となる危険性を指摘した。
日本のペットフードメーカーや小売店などはキシリトールを除いた製品を開発中だが、店頭には依然としてキシリトール含有のペット用菓子類が並ぶ。国内でも中毒症状が起きているとみられ、愛犬家は注意が必要だ。

キシリトールを人間が摂取しても血糖値を急に上昇させることはないが、同協会などが昨年10月に行った発表によると、犬がキシリトールを摂取すると逆に強力なインスリン分泌作用が働き、血糖値が急激に低下するという。
30分ほどで元気がなくなり、ふらつき、虚脱などの症状が表れ、ときには生命の危険もある。「犬の体重10キロあたりキシリトール1グラムの摂取で治療が必要になる」とし、少量でも症状が出る可能性はあると指摘している。

米動物中毒制御センターが扱った犬のキシリトール中毒は、2004年の約70件から05年は170件に急増、06年は8月までで114件。背景には、ガム、クッキーなどキシリトール含有製品の増加があるという。

日本では統計や正式な報告例はないが、岩手大学農学部の鈴木忠彦准教授(獣医薬理学)が獣医師らから聞いた症例では、空腹時などに、甘味料としてキシリトールだけが使われたおやつやフードを食べ、直後に散歩に出た、などの条件が重なった場合に発症しているようだという。
中毒にいたるキシリトールの量は不明で、他に砂糖や、ブドウ糖源があれば、比較的中毒は起きにくいという。ペットフード工業会は昨年10月中旬、加盟社に「安全性を確保してから使用するように」と通達したが、今もペットショップなどには、キシリトール配合商品が並ぶ。

アイリスオーヤマ(仙台市)は、中型犬(体重10〜20キロ)用のガム(130グラム中キシリトール0・65グラム)などを販売している。「アメリカ獣医学協会の見解に照らして安全性に問題はないと判断した」と説明するが、8月以降はキシリトールを省いて製品をリニューアルするという。

ジャスコなどを運営するイオンなど各社も、自社の商品だけを摂取するとして「安全性確保」と販売継続の根拠にしているが、現実にはガムやクッキーをいくつか食べ合わすことも考えられる。鈴木准教授は「安易に人間と同じような食べ物を与えないよう注意が必要だ」と指摘している。(Sankei Web)

キシリトールなどの糖質甘味料について
糖を化学変化させて得る糖アルコールです。ブドウ糖からソルビトール、麦芽糖からマルチトール、キシロースからキシリトールがつくられます。
これらの糖は、(1)虫歯菌に利用されにくいために虫歯予防になる、(2)吸収されてにくいために低エネルギーである、(3)血糖を上昇させないために糖尿病患者も利用できる、などの利点があります。

甘味はしょ糖に似てまろやかですが、やや旨味にかけます。くせがないので、菓子類に多く使用されています。一度に大量に摂ると、下痢を起こすことがあり、反対に便秘気味の人は改善することがあります。自分の体質に合わせて摂取量を調節しましょう。

関連記事:犬の被毛から健康状態がわかる「愛犬ミネラル検査」

超音波検査で膵臓がんの予備軍を判別:早期発見・治療に期待

超音波検査をもとに、膵臓がんになりやすい人かどうかを見分ける方法を、大阪府立成人病センター(大阪市)の田中幸子・検診部長らが発見した。
膵臓がんの早期発見と治療成績の向上につながる研究成果として注目を集めそうだ。京都市で開かれた日本がん検診・診断学会で7日、報告された。

田中部長らは、1998年から2002年にかけて同センターで膵臓の精密な超音波検査を受け、何らかの軽い異常が見つかった754人に対し、3〜6か月ごとに定期的な検査を実施、06年末までに12人から膵臓がんが発見された。

この12人について、当初の超音波検査のデータを解析したところ、7人には、〈1〉膵臓から十二指腸に消化液を送るための主膵管の直径が2・5ミリ以上(通常2ミリ以下)〈2〉膵臓に直径3センチ以下の小さな袋がある――の二つの異常があった。(YOMIURI ONLINE)

膵臓がんについて
膵臓がんは、膵頭部にできるものが最も多く、全体の約7〜8割を占めます。すい臓の周囲には重要な臓器や血管が多いため手術は困難で、死亡率の高いがんといえます。
かつてはあまり多い病気ではありませんでしたが、近年は食生活の欧米化に加えて、診断技術の進歩によりすい臓がんと診断される患者さんが増え、増加の一途にあります。

初期にはほとんど自覚症状はありませんが、症状として最も多いのは、上腹部の不快感と痛みです。進行すると食欲不振や体重減少、全身の倦怠感などもみられるようになり、黄疸も出てきます。
症状が現れて1年以内の糖尿病の発病、または症状悪化が、膵臓がん発見のきっかけになります。

あなたの睡眠状態は何点?:タニタが睡眠計測システムを開発

体組成計や体重計最大手のタニタは、太田総合病院太田睡眠科学センター(神奈川県)と共同で、睡眠の状態を評価して表示する睡眠計測システム「SLPモニター」を開発し、25日から発売すると発表した。医療機関や介護施設、運輸業界などを中心に売り込み、初年度300台の販売を目指す。

日本では5人に1人の割合で、睡眠時無呼吸症候群(SAS)といった睡眠障害で悩みを抱えているとされる。しかし、睡眠障害にかかわる検査(参照:アプノモニター検査)は、費用が高いうえ、身体を拘束したり、体全体に電極を取り付けたりするため、検査に二の足を踏む患者は少なくなかった。

今回開発したSLPモニターは、コントローラーとセンサー付きマットで構成され、このマットを寝具の下に敷き、横になって眠るだけで睡眠状態が計れる。このため、通常の就寝状態で誰もが気軽に睡眠状態を計測できる。

マットに組み込んだセンサーが脈拍数や呼吸数、体の動きなどを検出。その検出したデータは、4段階のステージグラフで表示する。また、睡眠時間や寝つくまでの時間、途中で目覚めた回数などの情報を加味して睡眠の質を統計的に算出する。

検査結果は検査対象者にもわかりやすいように点数で評価する。100点満点で、100〜51点を「平均的な睡眠」、50〜0点を「改善の余地あり」と判断されるという。価格は1台52万5000円。

SLPモニターは、医療機器ではないため、睡眠障害の診断には使用できない。
しかし、通常の就寝時のようにリラックスした状態で検査できるため、検査時の負担がかからない。タニタは、気軽に検査をアピールポイントに、認知度アップに努める考えだ。(Fuji Sankei Business)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状
強い眠気、抑うつ、頻回の中途覚醒、集中力の低下、(家族などが気づく)睡眠時の呼吸の停止、(家族などが気づく)大きないびき・・・など

家族などの同居者がいない場合、この病気の発見は遅れます。特に自覚症状が弱い場合は誰にも発見されないため、その状態が徐々に悪化して深刻な問題を起こしてしまいます。

また、同居者がいてもこの病気に関する情報を持っていなければ、単に「いびきをかきやすい性質」としか認識されず、治療開始が遅れることもありえます。

睡眠時無呼吸症候群に特有のいびきは、普通の「グーグー」といった、音の長いものではなく、「…(無音の後)グワバッ!」という衝撃の伴うような特徴を持っています。これはその直前まで呼吸をしていないことを示しており、危険な状態といえます。

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メタボリック市場:肥満改善の漢方薬が売れ行き好調

便秘薬の成分を使いながら、メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)に効果があることを前面に打ち出した漢方薬が売れている。パッケージに男性の膨れたおなかのイラストをあしらうなど工夫を凝らし、同症候群に悩む中高年を引きつけた。06年度の肥満・便秘改善薬市場(小売店の売り上げベース)は108億円と前年度に比べ4倍に急拡大、大ヒット商品になっている。

ナイシトール85

小林製薬は昨年3月、便秘改善で知られる防風通聖散を主成分にした漢方薬「ナイシトール85(写真参照)」を中高年の肥満改善薬として発売。パッケージのイラストが効果的だったとみられ、初年度出荷額は35億円で「10億円以上でヒットと言われる一般医薬品では初めての経験」(小林豊社長)というほどの売れ行きになった。

ロート製薬は「溜まった脂肪を落とす」と効能をパッケージに明記して昨年11月に発売した「和漢箋・ロート防風通聖散錠」が好調。クラシエ薬品(旧カネボウ薬品)も6月下旬から、同じ成分で以前から便秘薬として販売していた「新コッコアポS錠」のパッケージを男性がおなかをつまむ絵柄にリニューアル。メタボブームに乗り遅れまいと必死だ。(毎日新聞)

メタボリック症候群とは?
生活習慣病の代表格に肥満症、高血圧、糖尿病、高脂血症があります。これらの疾患は肥満、特に内臓に脂肪が蓄積した肥満が原因であるとされ、内臓脂肪によりさまざまな病気が引きおこされる状態をメタボリックシンドロームといいます。

高血圧、高脂血症、糖尿病などひとつひとつの症状は軽くても、複合すると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが急激に増大することから注目されています。
診断基準の必須項目としてウエスト径があり、男性85センチ以上、女性90センチ以上がメタボリックシンドローム診断のポイントとなります。

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高血圧に少量のチョコレートが効く:ケルン大学研究チーム

毎日少量のチョコレートを食べると、体重が増えるなどの副作用なしに血圧が下がるという独ケルン大学のチームによる研究が、米医学雑誌Journal of the American Medical Association(JAMA)7月4日号に掲載された。

これまでの研究ではチョコレートの血圧降下作用は認められていたものの、糖分や脂肪、カロリーの過剰摂取による悪影響が懸念されていた。
この研究では、56-73歳の高血圧前症あるいは第1期高血圧症患者44人を対象に、糖分と脂肪分の低いダークチョコレートを少量摂取したときの効果を調べた。

被験者に対し、2005年1月から2006年12月の18か月間、30ミリグラムのポリフェノールを含有したダークチョコレート6.3グラム(30カロリー)あるいはココアを含まないホワイトチョコレートを無作為に投与した。

ダークチョコレートを食べた集団では、最高血圧が平均2.9mmHg、最低血圧が1.9mmHg降下した。体重、脂質およびブドウ糖の血漿中濃度の変化はみられなかった。また、高血圧症あるいは高血圧の発症を86%から68%に抑制した。
一方、ホワイトチョコレートを摂取した患者は血圧に変化はみられなかった。

ダークチョコレートによる血圧降下はわずかだが、高血圧症の患者にとって最高血圧が3mmHg降下した場合、心臓麻痺による死亡率が8%、冠動脈疾患のリスクが5%減少するため、研究チームは「この効果は臨床的に注目に値する」としている。

さらに研究チームは、現在の心臓疾患の治療法は食生活全体の見直しが必要だが、それに比べて少量のダークチョコレートを食べるのははるかに容易なことを指摘し、「血圧降下の予防的習慣になりうる」との見解を示した。(AFPBB NEWS)

高血圧症について
高血圧には、生まれつき血圧が高い本体性高血圧症と、ほかに原因となる病気があり、その結果として血圧が高くなる症候性高血圧症があります。
高血圧は心臓病や腎臓病など危険な病気を引き起こすことが多く、体にとっての危険信号と言えます。以前は中高年の病気と思われていましたが、最近では若年層にもみられます。

血圧には個人差があり、年齢や季節、1日の中でも変動があります。したがって一定異常の数値だからといって、必ずしも好血圧とはいえません。
一応の基準としては、世界保健機構(WHO)の数値で、「収縮期血圧が140mmHg、拡張期血圧が90mmHg以上」が高血圧とされています。

検査の手順としては、まず血圧測定を行ない、高血圧であれば、それが本態性のものか症候性のものかを判断する原因診断を行ないます。
また、高血圧によって脳や心臓、腎臓などにどの程度の障害が発生しているかを見る重症度診断が平行して行なわれます。
本体性高血圧症の検査としては眼底検査のほか、心電図や胸部X線撮影、尿検査、簡単な腎機能検査などが行なわれます。

関連記事:塩分による高血圧の発生メカニズムを解明:降圧剤開発に期待

イオン放出を支援するタンパク質を発見:心疾患の原因究明も

筋肉の収縮などに必要なカルシウムイオンを、細胞内の小胞体から円滑に放出するために働く膜タンパク質を、京都大薬学研究科の竹島浩教授(生化学)らのグループが見つけ、英科学誌「ネイチャー」で5日発表した。心筋症不整脈などの原因究明につながる発見という。

小胞体は、細胞内の小器官の一つで、合成されたタンパク質の折り畳みや切断を行うほか、カルシウムイオンを貯蔵するなどさまざまな機能を持っている。
カルシウムイオンが放出されると、筋細胞が収縮したり、神経細胞からホルモンの分泌などが行われる。

しかし、小胞体からプラスの電気を持つカルシウムイオンが放出されると、内部がマイナスの状態になり、電気的なバランスが崩れてカルシウムイオンが放出されにくくなる。円滑に放出するには別のプラスイオンを取り入れてバランスを保つ必要があるが、仕組みが分かっていなかった。

竹島教授らはウサギの筋肉から、小胞体の表面に穴を形成する膜タンパク質を見つけ、TRICチャンネルと名付けた。TRICチャンネルは一辺5ナノメートル(1ナノは十億分の一)で、中心の穴から細胞内のカリウムイオン(プラス)を主に取り入れていることを実験で確かめた。

竹島教授は「マウスで実験したところ、TRICチャンネルのないマウスは、小胞体からカルシウムイオンが放出できず筋肉の収縮がうまくいかないため、胎児の段階で重度の心不全で死亡することが分かった。今後は、疾患との関係を詳しく調べたい」と話している。(京都新聞)

心筋症とは?
心臓の筋肉(心筋)に障害が起こる病気です。心室中隔が厚くなる「肥大型心筋症」と、心室が拡張する「拡張型心筋症」があり、どちらも厚生労働省の難病指定を受けています。
肥大型では動悸、息切れ、胸痛、胸部圧迫感などが、拡張型では動悸、息切れ、呼吸困難などが起こります。

不整脈とは?
心臓が全身に血液を送るために、収縮と拡張を繰り返す運動を脈拍といいます。
健康な成人の脈拍は、1分間に60〜90回、規則正しいリズムで打っています。しかし、何らかの原因でこのリズムが乱れた状態を不整脈といいます。

原因ははっきりしないことが多いですが、心臓の病気が基礎にあって起こることもあります。頻繁に起こるような場合は、一度心電図検査を受けておくとよいでしょう。
また、アルコールの飲みすぎやたばこの吸いすぎ、過労などで起こる場合もあります。

メモ
竹島教授って「あるある大事典」の納豆特集でも出ていた方ですよね(笑)ネットで調べてみるとナットウキナーゼに関する論文も書かれているようですし、なんであんな番組に出ちゃったのか・・・

血液型を認識して腸内にとどまる乳酸菌:医療分野へ応用も

自分の血液型に対応したヨーグルトなら、1度食べるだけで効果は数カ月−。
こんな夢のヨーグルトの開発につながる乳酸菌を、東北大学大学院農学研究科(食品科学)の斎藤忠夫教授が発見した。
この乳酸菌は、人間の血液型を認識して腸内に長期間とどまるのが特徴で、「A型向け」など血液型別のヨーグルトや医薬品への応用が検討されている。

乳酸菌が腸に付着するには、腸の表面に存在する糖タンパク質「ムチン」と結合する必要がある。ムチンはそれぞれの血液型を反映した構造で、斎藤教授は、この構造と相性の良い乳酸菌を血液型別に探した。

実験で人間の腸にいた約270種類の乳酸菌を調べた結果、合わせて約30種類がいずれかの血液型に対応するムチンに強く付着することが分かった。これらの乳酸菌は最低でも1週間は付着するものが多く、中には1カ月以上定着した乳酸菌もあったという。

乳酸菌は便秘の改善など整腸作用で知られているが、多くは3日程度で腸から排出されるため、通常は摂取を続けないと効果が得られにくい。(河北新報)

ムチンとは?
ムチンは納豆、オクラ、モロヘイヤ、つるむらさき、里芋、山芋、なめこなどに含まれるヌルヌル成分で、多糖類のガラクタンやマンナンなどが、タンパク質と結合したものです。

ムチンには、胃の粘膜をうるおし、保護する働きがあります。肝臓や腎臓の機能を高める作用もあり、細胞を活性化し、老化の防止に役立ちます。
消化を促す作用もあり、便秘を改善します。また、タンパク質を無駄なく活用させる働きは、スタミナの増強に効果があります。

嗅覚機能の低下はアルツハイマーの前兆か?:米研究グループ

2日に公表された米シカゴの大学医療センターの医師たちの研究結果から、においを識別する能力の低下が、アルツハイマー病の前兆である可能性があることが分かった。
科学者は既に、アルツハイマー病の最初の損傷が脳の嗅覚をつかさどる部分に表れやすいことを指摘していたが、それが実験で確認された形となった。

研究は、54−90歳の589人を対象に実施され、レモンやチョコレート、黒コショウ、バナナ、石鹸など、日ごろよくかいでいる12種類のにおいを識別させる一方で、認知力テストを行った。テストは1997年から5年間、毎年、実施された。

その結果、30・1%の人が軽度の認知力の悪化を示したが、嗅覚機能が低下するほど認知力が悪化する危険性が高いことが分かった。嗅覚のテストで平均以下の成績だった人は、平均以上だった人に比べて、約50%、認知力が悪化する割合が高かった。
この結果は、嗅覚の機能障害がアルツハイマー病の初期の症状の表れであることを示唆しているという。

しかし研究者たちは、年齢の進行に伴う嗅覚障害の神経学的な基準が確定していないことや、他の神経学的な病気、例えばパーキンソン病などによるにおい識別能力の低下も考えられるところから、さらに詳細な研究が必要だとしている。(時事通信)

アルツハイマー病について
記憶などの認知機能の障害がアルツハイマー病の主な症状ですが、それ以外に徘徊などの異常な行動、抑うつ症状などの感情の障害などもみられます。脳をCTやMRIにより検査すると、脳の萎縮が認められます。

最近、軽症から中等症のアルツハイマー病に、アセチルコリンを介する治療薬ドネペジル(アリセプト)が使用されるようになりました。また、アルツハイマー病の原因物質アミロイドを脳から取り除くワクチンの開発も研究が進んでいます(マウスを使った実験では発症後に飲むと認知能力が戻ることが確認されています)。

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