筋委縮性側索硬化症の進行システムを解明:治療薬開発に期待

運動神経が破壊され、筋力が低下する難病の筋委縮性側索硬化症(ALS)は、脊髄でアミノ酸の一種「D-セリン」が過剰に作り出されて進行することを、慶応大医学部の相磯貞和教授(形態形成学)らのグループが突き止めた。新たな治療薬の開発につながる成果で、英科学誌に発表した。

筋委縮性側索硬化症について

ALSに伴う神経の破壊は、情報伝達物質であるグルタミン酸が過剰に神経を興奮させるために起きるとされている。このグルタミン酸の過剰興奮の一端を、神経細胞に栄養を与える「グリア細胞」が作るD-セリンが担うことも知られていたが、その仕組みは不明だった。

相磯教授らは、ALSを発症させたマウスや、ALSで亡くなった患者の脊髄を分析。病気が進行するにつれてグリア細胞が増え、D-セリンの濃度が脊髄の中で高まった結果、グルタミン酸が神経を破壊する働きも強まっていることがわかった。一方、このアミノ酸の働きを抑えると、グルタミン酸による神経の破壊も抑えられた。(YOMIURI ONLINE)

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは?
運動神経細胞の死滅や損傷によって起こる病気(運動ニューロン病)の一つです。主に40〜50歳以降にみられ、手足やのど、舌などの筋肉が次第にやせて、力が出なくなります。

最初は手指が動かしにくく、ひじから先の筋肉がやせてきます。筋肉が衰えると、不規則にピクピク動く症状(筋線維束攣縮)がみられるようになります。のどの筋肉がやせると、話しにくい、飲み込みにくいといった症状が現れます。
症状は進行し、平均2〜3年で呼吸障害に至り、人工呼吸器が必要になります。ただ、感覚や知能は末期まで保たれるのが普通です。

現在、治療法は確立されていません。病気の進行を遅らせるリルゾールの服用で、生存期間を延長させることが可能な場合があります。対症療法としては、痛みには鎮痛薬や適度なリハビリテーションが、不安や不眠には抗うつ薬や睡眠薬が用いられます。

関連記事:ALS患者への人工呼吸器の装着割合、病院間で大きな差



75歳以上の高齢者に「主治医」制度:診療報酬は定額制

来年4月に発足予定の75歳以上の後期高齢者向け医療保険について、社会保障審議会の特別部会は、独自の診療報酬体系の骨子をまとめた。治療が長期化したり、複数の病気にかかったりしていることが多い75歳以上の特性を踏まえ、患者の心身を総合的に診る「主治医」制の導入や、退院後の生活を見越した入院治療計画作り、在宅医療での介護・福祉との連携などを盛り込んだ。

「主治医」制の導入へ

06年の医療改革で、75歳以上は国民健康保険など、従来の医療保険とは別の新たな公的保険に加入し、診療報酬体系も別建てにすることが決まっている。

最大の目玉は、外来医療における「主治医」制の導入。(1)患者の病歴や他の医療機関での受診状況を把握する(2)患者の状態を年に1回程度総合的に評価する(3)専門治療が必要な時には医療機関を紹介する、などの条件を満たした場合、その医師に対する診療報酬を手厚くする。

患者一人ひとりが信頼できる医師を持つことで、複数の医療機関を渡り歩いて検査や投薬が重複することを防いだり、外来医療から入院、在宅療養へ移ることをスムーズにしたりする狙い。
主治医としての診療報酬は、患者が何回受診しても同額となる「定額制」を導入する見通しだ。(asahi.com)

後期高齢者医療制度
75歳以上の「後期高齢者」全員が加入する公的医療保険制度です。2006年の通常国会に提出された医療制度改革関連法案に盛り込まれ、2008年度から新たな独立型の健康保険としてスタートします。
保険料は原則として加入者全員から徴収する。保険料徴収は市町村が行い、財政運営は全市町村が加入する都道府県単位の広域連合が担当する仕組みです。

財政は、本人保険料1割▽税金約5割▽74歳以下が加入する各健康保険からの支援金約4割の比率で負担する。
配偶者や子供の扶養家族となっているため保険料を払ってこなかった人は、激変緩和措置として2年間半額となります。

コーヒーで膵臓がんのリスクが低下:厚生労働省研究班

コーヒーを多く飲む男性ほど、膵臓がんになるリスクが低いことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模疫学調査で分かった。横浜市で開かれた日本がん学会で発表した。

飲みすぎは胃に負担をかけ逆効果です

コーヒーは膵臓がんのリスクを高めるとの報告が1980年代に米国であり、その後ほぼ否定されたものの、一致した結果は出ていない。

研究班は90年から93年にかけて、全国10地域の40〜69歳の男女約10万人の生活習慣などを調査し、2002年末まで追跡した。
この間に233人(男性135人、女性98人)が膵臓がんになった。男女別にコーヒーの摂取頻度で5グループに分け、膵臓がんリスクを比較したところ、男性は摂取が多いほどリスクが低く、1日3杯以上のグループはほとんど飲まないグループの0.6倍だった。女性ではこうした傾向は見られなかった。

また、抗酸化作用でがん予防の可能性が示唆される緑茶でも同様に5グループに分けて分析したが、男女とも摂取量とリスクとの間に関連が見られなかった。(時事通信)

膵臓がんについて
膵臓がんは、膵頭部にできるものが最も多く、全体の約7〜8割を占めます。すい臓の周囲には重要な臓器や血管が多いため手術は困難で、死亡率の高いがんといえます。

かつてはあまり多い病気ではありませんでしたが、近年は食生活の欧米化に加えて、診断技術の進歩によりすい臓がんと診断される患者さんが増え、増加の一途にあります。

初期にはほとんど自覚症状はありませんが、症状として最も多いのは、上腹部の不快感と痛みです。進行すると食欲不振や体重減少、全身の倦怠感などもみられるようになり、黄疸も出てきます。

関連記事:飲酒で赤ら顔の人は膵臓がんリスクが1.5倍:愛知県がんセンター

乳がん患者の半数は自覚症状のあとに検診

乳がん患者の半数以上は、しこりなどの自覚症状があった後に検診を受けていることが、医療関連会社「ジョンソン・エンド・ジョンソン(ページが重いので注意)」の実態調査で分かった。
専門家は「しこり発見後に検診を受けたのでは遅い。早期発見は治療の選択肢の広がりや死亡率の減少につながる」と定期的な検診を呼び掛けている。

乳がん検診について

調査は7月下旬、国内最大規模の乳がん患者組織「あけぼの会」の女性会員を対象にアンケート形式で実施。検診を受けた動機(複数回答)は、「しこりなどの異変を感じた」が56%で最も多かった。次いで「市区町村から検診の案内をもらった」が18.1%。
胸の触診や自治体からの検診通知が、乳がん発見の手助けになることが改めて示された。

乳がんと診断される前に、乳がん検診を受けていたかを聞いたところ、「1,2年に1度、定期的に受けていた」と答えた人は32%。平成17年度の厚生労働省の調査では、乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)や視触診での受診率は17.6%にとどまっており、今回の調査結果では比較的、検診への意識の高さがうかがえる。(産経新聞)

乳がんについて
日本は欧米に比べて乳がんが少ないといわれてきましたが、近年は増加傾向にあり、毎年2万人を超える人が乳がんにかかっています。女性特有のがんと思われがちですが、患者の約1%は男性です。

女性の場合は、以下に当てはまる場合がハイリスクの傾向としてあげられています。
1.独身者 2.出産経験がないか少ない 3.第1子高齢出産者(30〜35歳) 4.初潮が早い(11歳以下)5.近親者に乳がんになった人がいる 6.閉経が遅い(55歳以上) 7.乳腺の病気の既往歴 8.肥満 9.タンパク質、脂肪の摂取が多い

乳がんの場合、他の多くのがんと違って全身症状はなく、最も多いのは乳房のしこりで、乳がん患者の90%以上の人にみられます。そのほかには、乳頭からの分泌物、乳房のえくぼやひきつれなどの皮膚の変化、腋の下のしこり、腕のむくみなどがみられます。

関連記事:乳がんの遺伝子検査:有効性を確認、国内で開始へ

新たな腫瘍マーカーの組み合わせ:肺がんの発見率が90%

血液検査で肺がんを高精度で見つける新たな腫瘍マーカーの組みあわせを、東大医科学研究所ヒトゲノム解析センターの醍醐弥太郎・准教授らが開発した。発見率は約9割で、いま診療で主に使われている3種類に比べて1.5〜3倍高いという。
また、手術後の経過を予測する組織検査の組み合わせも考案しており、肺がんの早期発見や術後の治療法選択に役立ちそうだ。横浜市で開かれている日本癌学会総会で5日、発表する。

肺がん腫瘍マーカーについて

醍醐准教授らのグループは、肺がん細胞で特異的に作られるたんぱく質で、血中に分泌されているものを複数見つけた。このうち二つと、肺がんの指標として従前からあるCEAというマーカーを加えた三つの組み合わせで、肺がん患者と健康な人の血清を対象に検出精度を確かめた。

その結果、肺がんの8割余りを占める非小細胞肺がんの場合、89.1%の感度で検出できることが分かった。小細胞肺がんの場合も、別の三つのマーカーの組み合わせによる血液検査で87.5%の検出率だった。(asahi.com)

肺がんについて
肺がんとは、肺や気管支の粘膜から発生するがんのことで、比較的太い気管支にできる「肺門がん」と、肺胞のつながる細い気管支にできる「肺野がん」に分けられます。
肺門がんは自覚症状で気付くことが多いですが、肺野がんは胸部X線検査などによって発見されることが多いとされています。

肺がんの症状は、がんの発生場所や進行状態にもよりますが、呼吸器系に現れる症状は、咳、痰、血痰、胸痛、呼吸困難などで、そのほか発熱、食欲不振、体重減少、倦怠感などをともなうこともあります。リンパ節に転移すると声がかすれたり、また胸膜に転移すると胸水が溜まったりします。

早期では手術療法が効果的ですが、患者の年齢やがんの組織型や進行の程度を考慮しながら手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法などを組み合わせます。

関連記事:肺がん治療:SMAP法で抗がん剤の感受性を迅速に診断

ムコ多糖症の治療薬「エラプレース」を承認

厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会は、先天性の難病「ムコ多糖症」で最も患者が多い2型の治療薬の承認を了承した。了承されたのは、製薬会社「ジェンザイム・ジャパン」が今年1月末に承認申請していた「エラプレース」(一般名・イデュルスルファーゼ)。

エラプレースの承認について

ムコ多糖症は遺伝子異常で代謝がうまくできず、体内に「ムコ多糖」が蓄積してしまう病気。1型から7型まである(5型は欠番)。

同省によると、国内に数百人の患者がいるが、うち2型の患者は150人程度と最も多い。1、2、6型の治療薬があるが、昨年10月に1型の治療薬が承認され、今年8月には6型の治療薬が承認申請された。(FujiSankei Businessi)

ムコ多糖症について
ムコ多糖症は、正式にはムコ多糖代謝異常症といいムコ多糖(アミノ糖を成分にもつ多糖の一群)を分解する酵素が、生まれつき欠けていることにより、全身(特に皮膚、骨、軟骨などの結合組織)に ムコ多糖の切れ端が蓄積し、種々の臓器や組織が次第に損なわれる進行性の病気です。

その中には7つの主な型があってそれぞれ異なった酵素の欠損によりムコ多糖症T型からZ型に分類され、ハラー(IH型)、シャイエ(IS型)、ハンター(U型)、サンフィリポ(V型)、モルキオ(W型)、マルトラーミー(Y型)、スラィ(Z型)の各症候群として知られています。

これらの約半分は、種々の程度の知的障害を伴い、ほとんどは進行性で、成人に達するに死亡する型もあります。主な症状は、著しい骨の変化、短い首、関節が固くなる、粗い顔つき等です。その他、角膜混濁、難聴、肝肥腫、心臓疾患、低身長などの症状がみられます。

関連記事:「ムコ多糖症」男児に国内未承認薬を無償提供、臨床研究へ

ADHD治療薬「コンサータ」、一転して承認せず:厚生労働省

厚生労働省の薬事分科会は、国内初の注意欠陥・多動性障害の治療薬「コンサータ」(一般名・塩酸メチルフェニデート)について、安全性や有効性を認めたが「向精神薬リタリンと同じ成分が含まれており、リタリンと共に流通・管理体制を検討する必要がある」として、製造販売の承認を留保した。

コンサータの承認問題について

リタリンの乱用問題を受けた異例の措置。同省は、塩酸メチルフェニデートの適正使用に向けて、分科会の下部組織の部会で早急に検討し、医療用麻薬並みの厳しい管理体制を導入する方針だ。
具体的には、各製薬会社が医師や医療機関を登録し、塩酸メチルフェニデートを取り扱える医師を限定する仕組みを考えている。

コンサータは、ヤンセンファーマ社が申請した治療薬で、海外66か国で承認されている。部会が今年8月、「安全性や有効性は確認され、承認しても差し支えない」との結論をまとめていた。

リタリンを巡っては過剰処方による乱用が問題となり、東京都が先月、都内のクリニックに立ち入り検査を行い、製造販売元のノバルティスファーマ社も「難治性・遷延性うつ病」の効能取り下げを検討している。(YOMIURI ONLINE)

注意欠陥・多動性障害(ADHD)
不注意、過活動、衝動性を特徴とするもので、7歳前に発症する持続性の障害です。
約4%の子供にみられますが、男子に圧倒的に多いといわれています。

興味のあることには集中できますが、嫌いなことやよくわからないことにはほとんど関心を示さず、落ち着きがありません。1つのことを続けてやることが困難で、不注意による失敗をしやすく、人の話を聞いていることも苦手です。

治療には中枢性興奮薬のメチルフェニデート(リタリン)が、半数以上に効果があるといわれています。副作用として不眠が起こりやすくなりますので、昼以降には服用してはいけません。

関連記事:うつ病治療薬「リタリン」の効能効果取り下げを申請へ

椎間板ヘルニアの原因遺伝子を特定:理化学研究所

国内で100万人以上が悩まされているとされる椎間板ヘルニアの原因遺伝子の一つを、理化学研究所慶応大学などの研究チームが特定した。椎間板ヘルニアの発症への関与が判明した遺伝子は二つ目で、予防や治療法の開発につながると期待される。

椎間板ヘルニアの原因遺伝子について

椎間板ヘルニアは、背骨の骨と骨の間でクッションの役割を果たす椎間板が変形し、神経を圧迫して腰痛や座骨神経痛を引き起こす病気。

同研究所遺伝子多型研究センターの池川志郎チームリーダーらは、患者と正常な人それぞれ約900人ずつの遺伝子を統計学的に調べた。その結果、COL11A1と呼ばれる遺伝子の差異によって、発症の可能性が最大1.4倍高まることが分かった。
COL11A1は、椎間板を正常に保つ働きのある11型コラーゲン(繊維状たんぱく質)を作る遺伝子で、実際に患者の椎間板では11型コラーゲンが減少していることも確認した。(毎日新聞)

椎間板ヘルニアについて
脊椎の骨(椎体)と骨の間にある椎間板が、押し出されて、首や腰、手足などに痛みや痺れなどの症状が現れてくる病気です。椎間板は、背骨に加わる衝撃を和らげるクッションの役目を果たしていますが、年齢とともに弾力がなくなると、繰り返し負担がかかったり無理な姿勢をとることで、まわりの線維輪に亀裂が入り、中の髄核が押し出されてくることがあります。

椎間板が飛び出ただけでは、あまり症状は出ませんが、椎間板は靱帯が弱く、抵抗の少ない後方や斜め後ろに出てくることが多く、飛び出した髄核が、そこに走る脊髄や神経根を圧迫するようになると、首や腰、手足に痺れが現れてきます。
主に腰椎や頚椎に起こり、神経症状が出てはじめて、椎間板ヘルニアと診断されます。

関連記事:CNMS(頚性神経筋症候群)とは?

ADHDの小児向け治療薬「コンサータ」が承認へ

集中力がなく、落ち着きがないなどの症状がある「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の国内初の小児向け治療薬「コンサータ」について、厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会は3日、有効性や安全性に問題はないとの結論を出した。

コンサータについて

通常は、分科会で了承されると国が製造販売を承認するが、コンサータは乱用が問題となっている向精神薬「リタリン」と成分が同じため、厚労省は流通を管理する必要があると判断。
10月中に開く専門家による部会で協議し、管理方法を決めた上で承認する。

コンサータはADHD治療薬として60カ国以上で承認されており、昨年4月に製薬会社ヤンセンファーマが製造販売の承認を申請した。中枢神経系の機能を高める作用がある成分の塩酸メチルフェニデートが、リタリンに比べ、ゆっくり放出される。(Shikoku.news)

追記
この記事をアップして2時間も経たないうちに、厚生労働省の薬事分科会はコンサータの承認を見送る方針を決定しました。詳しくは関連記事を参照願います。

関連記事:ADHD治療薬「コンサータ」、一転して承認せず:厚生労働省

真面目な性格や生活スタイルはアルツハイマーを防ぐ?

勤勉、実直な性格や生活様式がアルツハイマー病の発症を抑える可能性を示す約1000人の追跡調査による研究結果を、米ラッシュ大医療センターの研究チームが1日、米精神医学専門誌に発表した。

アルツハイマー病について

チームによると、平均年齢75歳の健康な997人を12年間、追跡調査したところ、176人がアルツハイマー病を発症した。

調査参加時に性格テストを実施しており、性格と発症との関係を分析。その結果、「目標達成に熱心に取り組む」「やることすべてに優秀さを追求する」「時間に間に合うよう、ペース配分をする」といった「勤勉、実直」を示す項目で高得点を挙げたグループは、得点が低いグループに比べ、89%も発症リスクが低かった。

さらに、勤勉な人では、死後に脳を調べるとアルツハイマー病の特徴を示す病巣があったのに、生前に認知症が現れなかったケースもあった。

チームは「勤勉な生活様式によって脳神経が保護されるのかもしれない。発症を遅らせる方法の開発につながる可能性がある」としている。(共同通信)

アルツハイマー病について
脳の神経細胞が急激に破壊される認知症です。ついさっきのことを忘れるなどの記憶障害から始まり、症状は緩やかに進行します。初期には運動麻痺などの神経症状を伴わないのが特徴ですが、妄想などの症状は、比較的早く現れます。運動機能が保たれている分、徘徊などの行動が問題となります。

脳の神経細胞の病的な破壊が進み、神経が萎縮していくことが原因です。
アルツハイマー病になると、アミロイドベータという異常たんぱく質がたまることが突き止められてから、これを標的とする治療法の開発が進んでいます。

現在、この病気を完治させる薬はありませんが、アリセプトという薬が、初期から中期のアルツハイマー病の記憶障害や学習障害を改善し、病気の進行を緩やかにする効果が確認されています。

関連記事:カレー粉のスパイス成分がアルツハイマー病に効く?

がん診療連携拠点病院、がん治療で高い生存率

がん治療で中核的な役割を果たす現在の「がん診療連携拠点病院」で治療を受けた患者の5年後の生存率が、自治体全体での生存率に比べて大幅に上回っていることが分かった。
大阪、山形、福井の3府県を対象にした調査で、がんの部位や進行度によって10ポイント以上差があるケースもあった。

がん診療連携拠点病院について

3日から横浜市で開かれる日本癌学会学術総会で、大阪府立成人病センター調査部の津熊秀明部長らが発表する。

大阪府の場合、胃がんで拠点(11病院)の相対生存率が63.4%、府全体で50.1%。大腸がんで70.1%と58.0%、肺がんで30.0%と15.6%などの結果だった。
がんの進行度別に比べると、患部が限局した初期の肺がんでは拠点73.6%、府全体55.3%と、18.3ポイントの差が出た。

厚生労働省は、全国どこでも質の高いがん医療を受けられるように拠点病院の整備を進めており、全国で286病院が指定されている。津熊部長は「病院ごとの得意分野もある。今後のがん医療では、病院同士が患者を紹介したり、連携したりして役割分担することが重要だ」と話した。(asahi.com)

胃がん
胃がんは日本人に発症するがんのなかで、最も多いがんです。40歳代から増え始め、60歳代が最も多くなります。男女比は、ほぼ2:1と男性に多くみられます。
以前は、死亡率もトップでしたが、近年は低下しています。これは健康診断などで、胃がんの約60%が早期のうちに発見されるようになったためです。早期胃がんは、適切な治療をすることで、90%程度は完治します。

大腸がん
肺がんと並んで、増加傾向の著しいがんで、毎年約6万人が罹患しています。
大腸がん特有の症状はありませんが、血便や残便感、腹痛、便が細くなる(便柱細少)、下痢と便秘の繰り返しなど排便に関する症状がよくみられます。これらの症状はS状結腸にがんができた場合にみられやすく、なかでも血便の頻度が高くなっています。

肺がん
肺がんの症状は、がんの発生場所や進行状態にもよりますが、呼吸器系に現れる症状は、咳、痰、血痰、胸痛、呼吸困難などで、そのほか発熱、食欲不振、体重減少、倦怠感などをともなうこともあります。リンパ節に転移すると声がかすれたり、また胸膜に転移すると胸水が溜まったりします。

関連記事:がん診療連携拠点病院:人材難による専門医不足が深刻

高次脳機能障害の実情把握へ大規模調査:厚生労働省

厚生労働省は、交通事故や脳卒中などによる脳の損傷で、記憶や思考の機能が低下する「高次脳機能障害」の実情を把握するため、福岡県を舞台に初の大規模な実態調査に乗り出した。

高次脳機能障害について

高次脳機能障害は、脳の損傷による後遺症の1つで、集中力がなくなったり、感情をコントロールできなくなったりするのが特徴。外見上は健康な人と変わらないため、病気と分からないまま人間関係でトラブルとなり、中には離婚や離職に至るケースもあるという。

調査は産業医大(北九州市)の蜂須賀研二教授を中心とする同省研究班が担当。対象となる患者数は500人が目標で、8月から福岡県内の医療機関約250カ所に協力を求め、発症から2〜4カ月の患者について年齢や障害の発症時期、症状などのデータを集めている。これを基に、全国や各都道府県ごとの患者数や人口当たりの発症数などを推計する。

高次脳機能障害は、救急医療の進歩で一命を取り留める人が増えるとともに増加しているとの指摘があるが、正確な患者数は分かっていない。主任研究者の中島八十一・国立身体障害者リハビリテーションセンター学院長は「実態把握は支援体制整備の第一歩。診断・治療から社会復帰へという連続したケアの充実に結び付けたい」としている。(MSN産経)

脳卒中について
高血圧症でいつも動脈に高い圧力がかかっていれば、脳の細い動脈が疲労して、突然詰まったり、出血することがあります。また、動脈硬化があれば、脳の比較的太い血管が詰まることがあります。

そうなると、血液の循環に障害が起こり、酸素や栄養が脳に届かず、その働きが低下したり脳細胞が死亡します。それによって運動機能や言語機能が麻痺したりするのが脳卒中です。
いずれも生命の危機が発生します。脳卒中の起こりかたで脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞などに分かれます。

関連記事:脳脊髄液減少症の診断基準を策定へ:厚生労働省

人工透析患者の増加を受け初の対策会議:厚生労働省

人工透析患者の増加に歯止めをかける方策を探る厚生労働省の検討会初会合が1日、東京・霞が関で開かれ、慢性腎疾患を適切に治療し末期腎不全への進行を防ぐために、地域のかかりつけ医と専門医をどう連携させるかなどについて、来年春までに報告書をまとめることを決めた。

人工透析について

同省によると、国内の透析患者は昨年末時点で約26万人で、毎年約1万人ずつ増えている。1人の透析にかかる医療費は年間約500万円。健康保険などの適用で患者本人の負担は大きくないが、全体の医療費は年間約1兆3000億円になる。

慢性腎疾患は、尿中のタンパク質や腎機能の低下が診断の目安。軽い段階では自覚症状が乏しく本人も気付かないことが多いが、重くなると心血管疾患のリスクも高まり、末期腎不全になれば人工透析が必要となる。(shikoku.news)

人工透析(血液浄化療法)について
血液透析(HD)…血液を体外に導き出し、人工腎臓(透析器)を通して浄化してから体内に戻します。血液が半透膜の透析液に接している間に余分な水分や有害物質が除去されて、電解質のバランスがよくなります。1回4〜5時間で、週2〜3回行います。

持続腹膜透析(CAPD)…腹膜が半透膜であることを利用し、腹膜の中に透析液を注入して血液浄化を行います。近年、連続性携帯腹膜灌流という方法が開発され、透析液の入ったバッグを身につけることで、自宅や職場での透析が可能になっています。

関連記事:慢性腎臓病(CKD)の病名を知っている医師は6割:ネット調査

田辺三菱製薬が誕生:海外事業の展開を加速へ

田辺製薬と三菱ウェルファーマの合併により、田辺三菱製薬が1日発足した。国内市場は頭打ちの中、合併で強化される両社の経営基盤と創薬力を生かし海外事業の展開を加速する。
後発医薬品事業への参入と、三菱ケミカルホールディングス(HD)傘下での個別化医療の提供で、事業拡大を狙う。葉山夏樹社長は「医薬品産業は競争力が急務。新会社では国際創薬企業を目指す」との抱負を語った。

田辺三菱製薬が発足

田辺三菱は国内製薬5位の新会社として出発するが、課題は創薬力にある。合併で体力をつけても、創薬力が強化し新薬の数に結びつくとは言い切れない。
三菱ケミカルHDが「さらなる合併が必要」としているように、今後は中堅クラスとのさらなる合併を模索していく必要がある。(日刊工業新聞)

後発医薬品について
薬は、長い年月と多額の費用をかけて開発され、臨床試験などを経て有効性と安全性が認められたものだけが、医薬品として利用されています。

その薬を開発した製薬メーカーが特許を取れば、製造や販売を独占できるわけですが、特許期限は20〜25年で、それを過ぎるとほかの製薬メーカーでも同じような薬を製造、販売することが認められています。

この後発医薬品のうち、医療用医薬品(医師が処方する薬です)をジェネリック薬品と呼んでいます。成分、品質、効果ともほぼ同じでありながら、開発費用がかからないので、価格を安く抑えられるのが大きな利点です。
欧米の医療機関では早くからジェネリック薬品が使用されており、5割以上を占めるとされています。

関連記事:日薬連が薬価制度の見直し要求:新薬は高く、後発薬は安く

すべての大阪府立高校でAED(自動体外式除細動器)の実習

一時的な心停止患者に対して簡単に救命措置ができる医療機器AED(自動体外式除細動器)の使い方を学ぶ授業を、大阪府教委が来年度から全府立高校に取り入れることが分かった。

AEDの画像です

厚労省や府教委によると、AEDは心臓発作や急性心不全などの場合、電気ショックを与えて心臓を正常な動きに戻す機械で、平成16年7月に医者や救急救命士以外でも使用できるようになった。
全国の交通機関や公共施設、学校などで配備されており、府教委では17年度から府立高校や養護学校などで導入を開始。

授業では、新たに練習用機器を購入する予定で、初年度は主に卒業を控えた3年生を対象にするが、将来は全員に広げたいとしている。保健体育の授業やホームルームなどで実施する。(MSN産経)

AED(自動体外式除細動器)について
AEDは、高性能の心電図解析装置を内蔵した医療機器です。「突然の心停止」では多くの場合、心室細動という心臓の筋肉の細かいけいれんになります。

けいれんを抑えるには、できるだけ早く心臓に強い電流でショックをかけて心臓のリズムを元に戻さなくてはなりません。これを「除細動」といいます。
心停止から除細動までの時間はその後の生存率に大きく影響し、1分経過するごとに生存率が7〜10%低下していきます。

そこで、心停止した人に対して、現場で直ちに除細動の治療を行えるようにしたのが、AEDです。AEDは、電源を入れて電極パットを貼ると、自動的に心電図を解析して、電気ショックを行うべきか否かの指示を出します。その後は指示に従って操作すれば、迅速に電気的除細動が行えます。

メモ
これは非常によい試みではないでしょうか?僕たちの世代は、高校で心臓マッサージの仕方を年に1回講習で学んでいましたが、あれって下手すると肋骨や胸骨が折れたりするんですよね。
有名な事例だと、救急救命士が心肺停止の女性に心臓マッサージをした際、折れた肋骨が心臓に突き刺さって亡くなり、訴えられるということもありました。

一般の人だと、心臓マッサージの知識はあれども、いざというときに「万が一の際の責任」が頭をよぎり、二の足を踏みそうな感じだったんですが、AEDならほとんど自動ですからね。

関連記事:心不全につながるタンパク質を発見:治療薬の開発に期待

肥満でも糖尿病やメタボを予防:特定酵素の働きを抑制

肥満でも糖尿病やメタボリック症候群になりにくくなる仕組みを、筑波大大学院の島野仁准教授らの研究グループがマウスの実験で突き止めた。一日付の米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)で発表した。太ったまま生活習慣病が治る医薬品の開発につながる可能性もあるという。

肥満について

糖尿病では、膵臓が分泌するインスリンが不足したりして細胞が血液中のブドウ糖を取り込まなくなる。肥満状態だと、インスリンの効きが低くなる「インスリン抵抗性」を示すとされる。
研究グループは、体内で糖から脂肪が作られる途中で、脂肪酸の質を変化させる特定の酵素に着目。その働きを抑えることで、肥満のままインスリン抵抗性を改善することに成功した。

研究グループは、この酵素がないマウスを太らせてインスリンを投与したところ、普通のマウスと変わらない血糖値の降下率を示した。糖尿病になりやすい体質のマウスや既に太っているマウスでも、この酵素の働きの抑制により同様の効果が得られたという。

島野准教授は「メタボリック症候群の中心病態であるインスリン抵抗性の改善に、脂肪の質が影響していると言える」と話している。(東京新聞)

糖尿病について
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

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柑橘類の成分「β−クリプトキサンチン」が骨粗鬆症を予防

みかんなどの柑橘類に多く含まれ、動脈硬化や肝機能障害などの予防に役立つことが知られている「β(ベータ)−クリプトキサンチン」が閉経後の女性に多くみられる骨粗しょう症の原因となる骨密度の低下を予防する効果のあることがわかった。

ベータ−クリプトキサンチンについて

独立行政法人・農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所などによる栄養疫学調査の結果は、骨粗しょう症専門誌「Osteoporosis international」のオンラインジャーナル版で紹介された。

同研究所などは2005年度、みかんを食べる機会の多い浜松市北区三ケ日町で、健康状態や生活習慣、食習慣をチェックする総合検診を受診した住民のうち699人について骨密度を検査した。

この結果、閉経女性でミカンを食べてβ−クリプトキサンチンのレベルが高いグループほど骨密度が2倍近くにまで高くなっていた。果物の摂取量からみても、果物を多く摂取するグループ(1日当たり平均271グラム・ミカン約3個分)は少ないグループ(平均66グラム)に比べて骨密度が2倍近く高くなっていた。

同研究所は今後も追跡調査を続け、β−クリプトキサンチンと骨密度の因果関係を明らかにしていく。(中日新聞)

骨粗鬆症について
骨は、カルシウムの代謝によって新しい骨に生まれ変わりますが、年齢とともに、骨をつくる細胞よりも壊す細胞の働きが強くなって骨量が減少します。骨粗鬆症は、骨量が減少するために骨がもろくなり、骨折しやすくなった状態です。
とくに女性の場合は、妊娠や出産によってカルシウムが減少しますが、閉経を迎える50歳前後から骨粗鬆症が増えてきます。

骨粗鬆症の人は、転倒すると骨折を起こしやすくなります。多いのは、手首と大腿骨頚部、肩の骨折です。手首の骨折は、外来でも治療できますが、大腿骨や肩の骨折は、入院が必要なことが多く、寝たきりにつながる場合もあります。
また、しりもちをつくなどの軽い力が背骨に加わっただけで起こる脊椎の圧迫骨折も少なくありません。

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