12月のトピックスのまとめ Vol.1

医学関連記事のまとめ

細胞シートで心臓機能が回復した男性が退院:大阪大病院
治療は、左大腿部から組織修復の働きを持つ筋芽細胞を採取して培養し、シート状にして左心室外側を覆うように張った。心臓血管外科の沢芳樹教授は「機能回復ぶりは想像以上だった」と話した。

緑茶に進行前立腺がん予防効果:1日5杯以上でリスク半減
1日5杯以上飲む人は、1杯未満の人の約半分のリスクだった。緑茶の進行前立腺がん予防効果を示す研究は初めてという。

放射光で小さな乳がんを立体画像化:東京理科大学ら
放射光施設「Spring-8」の放射光を使う。一般のエックス線とは異なり直進性が強いのが特徴で、がんに当たってわずかに角度がずれるところを検知してがんを見極める。

肺がん用の抗がん剤「タルセバ」が発売:中外製薬
がん細胞の表面にある特殊なたんぱく質を狙い撃ちする分子標的薬の一種で、増殖や転移を抑制したり他の抗がん剤を効きやすくしたりする。

小児がんの後遺症対策で専門外来設置へ:厚生労働省
厚生労働省の研究班が2009年度までに、全国14カ所の病院に、治療による後遺症「晩期障害」などを診る長期フォローアップ(FU)外来を開設する方針を決めた。

ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行中
ノロウイルスなどの病原体による感染性胃腸炎が今冬も流行していることが、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。

器具の使いまわしで患者5人がC型肝炎発症:茅ケ崎市立病院
神奈川県茅ケ崎市は、茅ケ崎市立病院で心臓カテーテル検査を受けた患者5人がC型肝炎を発症したと発表した。「トランスデューサー」と呼ばれる器具を使い回したため、昨年12月から今年4月にかけて院内感染した可能性が高いという。

肥満の人は口臭も強い:イスラエル研究チーム
口臭の強さを6段階に数値化し、その人の年齢や病歴、喫煙・飲酒の習慣などとの相関関係を探った。その結果、太っている人ほど口臭が強い傾向のあることが統計的に確かめられた。

ジフテリア菌に卵巣がんの増殖抑制効果:臨床試験を開始
伝子を変異させたジフテリア菌から出るたんぱく質が卵巣がんの増殖を抑える働きがあることを大阪大微生物病研究所と福岡大医学部の研究チームが動物実験で突き止めた。

メタボ関連遺伝子を1時間で検出:08年度に実用化へ
メタボリック症候群に関連する遺伝子として学会や論文で報告されて信頼性の高い6遺伝子の計7カ所の個人差をみる。1日以上かかっていた検査時間が短くなり、病院ですぐに検査結果がわかるようになる。

療養病床の削減目標、達成困難に:地域ケア体制整備構想
長期入院する療養病床を2012年度末までに約6割削減する目標を立てていた国の計画に対し、これまでに削減案を示した21都道府県の削減率は平均34%にとどまっている。

神経を刺激して心不全を治療:試作装置で性能を確認
国立循環器病センター研究所と微小電子機械システム(MEMS)開発のメムス・コアは、心臓の拍動を支える神経を刺激して心不全を治療する装置を試作した。

人工血管「トリプレックス」に不具合、回収へ:テルモ
動脈瘤などの手術に使う人工血管「トリプレックス」に血液が漏れる可能性がある不具合が見つかったとして、医療機器メーカー「テルモ」が1自主回収を始めた。

「がん情報さがしの10カ条」を作成:国立がんセンター
10カ条は同センターの「がん対策情報センター」が11月に開いた市民向け講演会の資料として、がん患者会「グループ・ネクサス」理事長の天野慎介さんらと共同で考案した。

来春のスギ花粉の傾向予測:猛暑の影響で2倍以上の地域も
スギ花粉を作る雄花は、前年の夏に気温が高く、日照時間が長いと多くできる。今夏は全国的に記録的な猛暑で、現時点でも昨年より多めの雄花が全国で観察されているという。

薬価を1%強引き下げへ:2008年度の薬剤費予算
厚生労働省は16日、2008年度の薬剤費予算を、薬価の総額を1%強引き下げて960億円抑制する方針を固めた。すでに薬価の単価を幅広く下げて800億円分を抑えることにしている。

川崎病の関連遺伝子を特定:原因解明に期待
遺伝子のタイプによっては2倍近く発症しやすく、心臓の冠動脈に瘤ができる合併症や治療効果とも関係するという。原因解明や治療法の選択に役立つと期待されている。

足の筋肉細胞からシートを作成:拡張型心筋症の患者が回復
心臓血管外科の澤芳樹教授らは、筋肉が傷ついたときに修復する働きを持つ筋芽細胞を、男性の左大腿部から採取。培養して増やし、直径約3・5センチ、厚さ0・1ミリ以下の円形のシートを20−30枚つくった。

12月のトピックスのまとめ Vol.2

医学関連記事のまとめ

新医師臨床研修制度の見直し:1年目に産婦人科などを選択可能へ
厚生労働省は医師不足が深刻な地域医療や産婦人科などの4科目を研修医が1年目から研修できるようにする方針を固めた。

肺がん抗がん剤の効果を遺伝子変異で予測:岡山大グループ
がん細胞遺伝子の変異の有無によって、肺がん抗がん剤UFT(一般名テガフール・ウラシル)の効果に違いがあることを岡山大大学院腫瘍・胸部外科の豊岡伸一助教らのグループが確認した。

現行の肺がん検診は妥当:厚生労働省検討会
肺がん検診の見直しの是非について議論してきた厚生労働省の検討会は、現行通り、40歳以上の男女に年1回の胸部エックス線撮影と、たんの検査を続けるのが妥当だとする結論をまとめた。

肝臓や胃の粘膜の細胞からiPS細胞:山中伸弥教授ら
皮膚の細胞からだけでなく、肝臓や胃の粘膜の細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作ることに、京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らがマウスを使って成功した。

神経変性疾患の原因タンパク質蓄積メカニズムを解明
アルツハイマーやパーキンソン病など神経変性疾患の主な原因とされる、細胞内での過剰なタンパク質蓄積のメカニズムを、東京都臨床医学総合研究所や順天堂大などのチームがマウスの実験で突き止めた。

鼻・副鼻腔疾患の小学生が過去最高:学校保健統計調査
花粉症などのアレルギー性鼻炎や蓄膿症といった「鼻・副鼻腔疾患」にかかっている小学生の割合は12・0%で、中高校生や幼稚園児とともに過去最高の割合となった。

アレルギー疾患の発症に関与するたんぱく質「STIM1」を発見
日本人の約3割は何らかのアレルギーに悩まされているとされ、このたんぱく質を制御することで、新たな治療法の開発が期待される。

米ぬか成分がアトピー性皮膚炎などのかゆみを抑制
米ぬかに含まれる成分に、アトピー性皮膚炎などのアレルギーを引き起こす「IgE抗体」にくっつき、炎症作用などを抑える働きがあることを東京大の尾崎博教授らが突き止めた。

タミフルの生体内の動きを追跡:20分後に投与量の0.15%が脳へ
放射線医学総合研究所は、インフルエンザ治療薬「タミフル」が体内に吸収された後、脳などにどのように移動するかを連続的に観察できる方法を開発した。

乳歯から幹細胞を採取、再生医療へ:名大が乳歯幹細胞研究バンク
名古屋大学は、乳歯から骨や神経など様々な細胞に分化する能力を持つ「幹細胞」を取り出し、再生医療に役立てる研究をするため、学内に「乳歯幹細胞研究バンク」を設立した。

患者の体性幹細胞移植で骨を再生:京都大学が臨床試験
大腿骨の股関節との接続部分が壊死する難病の「大腿骨頭壊死」の患者に対し、患者の骨髄にある幹細胞を注入し、骨の再生を促す臨床試験を始めた。

がん診療連携拠点病院の指定用件を厳格化:厚生労働省
厚生労働省は6日、がん医療の中核となる全国286か所の「がん診療連携拠点病院」の指定要件を、来年度から厳しくする方針を明らかにした。

万能細胞(iPS細胞)で鎌状赤血球貧血を治療:米研究所
都大の山中伸弥教授が手法を開発した皮膚からつくる「万能細胞(iPS細胞)」を使ってマウスの貧血を治療することに、米ホワイトヘッド研究所のチームが成功した。

日本人間ドック学会:特定健診で独自の判定値を策定
特定健診・保健指導制度で、医療機関の受診を勧める必要性を判断する「受診勧奨判定値」について、日本人間ドック学会が、国の判定値より緩やかな独自の判定値を定めた。

子供の咳止めには市販薬より、はちみつが効果的
風邪を引いた2〜18歳の子ども100人以上を対象に調査。ソバはちみつ、せき止め薬、ダミーの服用剤の3種類を就寝前に服用してもらい、効果を見た。

細身志向の若い女性は骨量不足:日本酪農乳業協会
やせ志向の強い若い女性は、骨量不足の人の割合が高いことが4日、上西一弘女子栄養大教授(栄養生理学)と日本酪農乳業協会の調査で分かった。

水分不足が原因でエコノミークラス症候群が女性客に集中
「女性患者にはトイレに行きたくないから水分を取らなかったという人が多い。水を飲まないのはよくない」と注意を呼びかけている。

がん遺伝子を使わず、より安全なiPS細胞を作成:山中伸弥教授ら
女性の皮膚細胞に胚性幹細胞(ES細胞)で重要な働きを持ち万能性に関係ある3個の遺伝子だけを組み込み培養。ES細胞と同じ働きをするiPS細胞をつくることに成功した。

メタボ関連遺伝子を1時間で検出:08年度に実用化へ

バイオベンチャーのプロップジーン(東京都)と早稲田大学、自治医科大学などの研究チームはメタボリック症候群に関連する遺伝子を1時間で検出できる検査キットを開発した。
1日以上かかっていた検査時間が短くなり、病院ですぐに検査結果がわかるようになる。来年度内に実用化する考え。

メタボ遺伝子簡易検査キットについて

メタボリック症候群に関連する遺伝子として学会や論文で報告されて信頼性の高い6遺伝子の計7カ所の個人差をみる。遺伝子の特定個所が通常と異なると肥満や動脈疾患、糖尿病などを起こすと指摘されている。(NIKKEI NET)

メタボリックシンドローム
内臓脂肪が過剰にたまってお腹周りが大きくなり、この内臓脂肪から分泌される様々な生活活性物質(アディポサイトカイン)に以上が生じることや、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用が上手くいかなくなることによって、高血圧、脂質代謝異常、高血糖などが発生する病気です。さらに高尿酸血症、脂肪肝などの発病にも関係します。

メタボリックシンドロームを放置すると、これらが動脈硬化を進行させ、脳血管障害や心筋梗塞などを発病させます。脳血管障害、心筋梗塞では、場合によっては発病後数時間あるいは数日のうちに亡くなるということも少なくなく、日本人の死因の第2位、3位を占めるほどになっています。

関連記事:メタボリック症候群の診断基準の見直しへ全国調査:厚生労働省

療養病床の削減目標、達成困難に:地域ケア体制整備構想

慢性期の高齢患者らが長期入院する療養病床を2012年度末までに約6割削減する目標を立てていた国の計画に対し、これまでに削減案を示した21都道府県の削減率は平均34%にとどまり、当初目標を大きく下回っていることが、共同通信社のまとめで分かった。

地域ケア体制整備構想

療養病床を抱える医療機関が介護施設への転換に消極的なのが要因とみられる。現状のままでは、国の目標達成は困難で、今後削減計画を見直すことになりそうだ。

厚生労働省は各都道府県に対し、今年末までに、11年度末までの療養病床削減計画を盛り込んだ「地域ケア体制整備構想」策定を求めているが、他の26府県は検討中で、多くは年明けになる見通し。

構想素案などによると、削減計画案を示した21都道府県合計の療養病床数は、07年度で約20万6000床。これが11年度末には約7万1000床減って約13万5000床となる見込みだ。(shikoku.news)

地域ケア体制整備構想の概念

  1. 都道府県は2035年までの10年単位で要介護・要支援者数を推計し介護サービスや見守り需要の見通しを立てる。
  2. 2011年度までの詳細な推計を実施。各年度ごとに、老人福祉圏域ごとの施設転換に伴う病床数とサービス量の変動調査を行う。
  3. 慢性期の高齢患者が長期入院する療養病床から老人保健施設や特別養護老人ホームなどへ、どれだけ転換するかの転換計画を作る。
  4. 2011年度末時点のニーズは、第3期介護保険事業支援計画(06〜08年度)での見込み数などをもとに算出する。

ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行中

ノロウイルスなどの病原体による感染性胃腸炎が今冬も流行していることが、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。5歳以下の子どもが全体の6割を占め、例年より多いペースで増加しているという。

全国約3000か所の小児科から寄せられた報告によると、感染性胃腸炎は、保育園などを中心に秋ごろから増え始めた。10月初旬に週1万人弱だった患者数は、今月中旬(10〜16日)には週5万8352人を記録。

全体の患者数はこの7〜8倍にのぼると推定している。大流行した昨年の同時期(報告患者数約6万9000人)より少ないものの、例年同時期(同約4万人)よりもかなり多い。(YOMIURI ONLINE)

ノロウイルスについて
ノロウイルスは生ガキのような二枚貝などに含まれています。ウイルスに汚染した貝を食べたり、ウイルスが大量に含まれている感染者の吐いた物や便を手で触って口から感染したりします。

感染すると、激しい下痢や嘔吐、腹痛などを起こします。抵抗力の弱い子どもや高齢者は重症化したりするほか、吐いた物がのどに詰まり亡くなったケースも報告されています。

器具の使いまわしで患者5人がC型肝炎発症:茅ケ崎市立病院

神奈川県茅ケ崎市は、茅ケ崎市立病院で心臓カテーテル検査を受けた患者5人がC型肝炎を発症したと発表した。血管内に通して血圧を調べる「トランスデューサー」と呼ばれる器具を使い回したため、昨年12月から今年4月にかけて院内感染した可能性が高いという。

病院によると、5人は昨年12月と今年3月、同4月に心臓カテーテル検査を受けた60−70代の男性患者。今年秋ごろに発症、治療を受け、全員症状は改善しているという。

11月に感染が発覚し、院内の調査で、担当の臨床工学技士が本来患者ごとに使い捨てるトランスデューサーを複数の患者に使用し、血液を介して感染した疑いがあることが判明した。
院内マニュアルには交換のチェック項目がなく、技士は「手術が立て込んでいて、交換するのを忘れていたかもしれない」と説明したという。(shikoku.news)

C型肝炎について
C型肝炎は、感染した人の約3/4がキャリア(肝炎を発症しないでウイルスが持続的に存在している状態)になり、そのまた3/4の人がウイルスを退治しきれずにC型慢性肝炎になります。
慢性肝炎では症状がみられないことが多く、肝炎が悪化したときに、だるさ、食欲不振、軽い黄疸などがみられ、その状態を繰り返します。
慢性肝炎の中の約半数が肝硬変へと進み、その一部に肝臓がんが発生します。

C型肝炎ウイルスの感染の有無は、スクリーニング検査としてHCV抗体を調べます。
C型肝炎ウイルスに感染していることが確定したら、次に病気がどのレベルまで達しているかを調べることが大切です。各種血液検査、腹部超音波検査、CT検査が有用ですが、さらに肝臓そのものを見る腹腔鏡検査や肝臓の組織を見る肝生検で、より正確な肝臓の状態を把握することができます。

関連記事:C型肝炎ウイルスの増殖システムを解明:京都大学ウイルス研究所

ジフテリア菌に卵巣がんの増殖抑制効果:臨床試験を開始

遺伝子を変異させたジフテリア菌から出るたんぱく質が卵巣がんの増殖を抑える働きがあることを大阪大微生物病研究所福岡大医学部の研究チームが動物実験で突き止め、新薬としての安全性を確かめる臨床試験(治験)を開始したことが25日、分かった。

CRM197が卵巣がん増殖を抑える

大阪大微生物病研究所の目加田英輔教授(細胞生物学)によると、ジフテリア菌の変異株の一種が分泌するたんぱく質「CRM197」が卵巣がんの増殖にかかわっているたんぱく質の働きを阻害することが分かった。動物実験ではがん細胞が減少するなどの効果があった。(jiji.com)

卵巣がんについて
初期にはほとんどが症状がなく「サイレント・キャンサー」と呼ばることもありますが、腫瘍が増大するにつれて、下腹部にしこりや圧迫感が生じてきます。膀胱が圧迫されて頻尿になる場合もあります。

卵巣がんは、小さいうちに見つけるのはなかなか困難です。異変を早く知るためには、子宮がんの検診の際に、卵巣を詳しく観察することができる経膣エコーで、卵巣がんの検査をしてもらうことが大切です。

神経を刺激して心不全を治療:試作装置で性能を確認

国立循環器病センター研究所と微小電子機械システム(MEMS)開発のメムス・コアは、心臓の拍動を支える神経を刺激して心不全を治療する装置を試作した。
MEMSの加工技術で作った微小針を神経の束にさしこんで刺激し、心臓の負担を減らす。動物実験で基本性能を確認した。さらに安全性や耐久性を調べて実用化の可能性を探る。

神経刺激による心不全治療について

試作した装置は側面に端子を付けた高分子のチューブを送信機などとつないだ構造。端子は長さ500マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル、直径最大50マイクロメートルのタングステンの針を100マイクロメートル間隔で2列に計12本並べた。これを首筋の迷走神経やひざ下の交感神経の束にそれぞれさしこむ。(NIKKEI NET)

心不全について
心臓の左右の心室は収縮することで流れ込んできた血液を心臓の外へ送り出します。
右心室なら全身をめぐってきた血液をガス交換のために肺に送り込み、左心室なら肺から来た新鮮な血液を全身に送ります。

心室の収縮力が低下すると、このようなポンプとしての役割が果たせなくなって、身体に必要なだけの血液が送り出せなくなります。右心室の力が低下すると、静脈から入ってきた血液が使えて静脈系がうっ血するため右心不全となります。
一方、左心室の力が低下すると全身に血液が送れなくなり、肺静脈からの血液が停滞して肺静脈がうっ血するため、左心不全となります。

心不全の症状ですが、右心不全の場合は、静脈からのうっ血から静脈が膨れ上がり、肝臓が腫れて身体全体がむくんできます。左心不全の場合、軽いうちはじっとしていれば症状は出ませんが、身体を動かすと血液が不足して、動悸や息切れが起きてきます。
さらに症状が進行してくると、就寝中に咳が出て呼吸困難になり、ヒューヒュー、ゼーゼーというようになります(心臓喘息)。

関連記事:足の筋肉細胞からシートを作成:拡張型心筋症の患者が回復

人工血管「トリプレックス」に不具合、回収へ:テルモ

動脈瘤などの手術に使う人工血管「トリプレックス」に血液が漏れる可能性がある不具合が見つかったとして、同製品を輸入販売する医療機器メーカー「テルモ」が15日から自主回収を始めたことが分かった。

トリプレックスを回収へ

トリプレックスは合成繊維の人工血管で、動脈瘤が原因で破裂しそうな血管などを人工血管に置きかえる手術に使う。回収対象は今年11〜12月、42医療機関に納入した234本。そのうち22医療機関で既に60人に利用されているが、これまでに健康被害の報告はないという。

東日本地域の病院で14日、動脈瘤の手術を受けていた患者に、人工血管が使われた際、製品から血液が漏れているのを、医師が見つけ、不具合が発覚した。
その後の調査で、製品の縫合確認工程において、未縫合品が混ざって出荷されていることが判明したため、自主回収を始めたという。(MSN産経)

人工血管とは?
人口材料であるダクロン、ポリテトラフルオロエチレンなどを編んだり織ったりして作った管を、血管の代用として利用するものを人工血管といいます。大動脈置換術や血液透析用のシャントなど多数の症例で用いられています。

人工血管は抗血栓性を持つこと、感染を起こしにくいこと、血管内皮細胞が付着しやすいこと、体にあわせて成長することが望まれ、研究が進められています。

関連記事
コンタクトレンズ保存液で角膜炎に:約60万本を自主回収へ
急性白血病治療薬「ベサノイドカプセル」を自主回収

「がん情報さがしの10カ条」を作成:国立がんセンター

国立がんセンターは、がん患者や家族が治療法や相談先を探す際のポイントや注意点をまとめた「がん情報さがしの10カ条」を作成した。適切な医療を受けるために、インターネットを使った情報収集や活用の紹介だけではなく「患者にとって何が必要で、どの情報が正しいかを見極める目を養ってほしい」と助言している。

がん情報さがしの10カ条について

10カ条は同センターの「がん対策情報センター」が11月に開いた市民向け講演会の資料として、がん患者会「グループ・ネクサス」理事長の天野慎介さんらと共同で考案。10カ条を記載したカードを5000枚作った。(NIKKEI NET)

がんについて
がんは、正常な細胞が突然変異を起こしてがん細胞となり、無秩序に増殖する病気で、体のさまざまな臓器や組織に発生します。細胞が変異して固まりになったものを一般に腫瘍といい、良性の腫瘍と、がん細胞からできる悪性腫瘍とに分けられます。

がん細胞は、正常な細胞のように一定のサイクルで成長して死んでいくといった新陳代謝を繰り返すのではありません。放置すると、いつまでも分裂と増殖を続けます。

やがて、増え続けたがん細胞はほかの正常な組織に行き渡るはずだった栄養分までを奪い取ってしまい、体を衰弱させます。さらには、多臓器不全を引き起こすなどして、生命をおびやかすのです。

関連記事:がん患者や家族参加型の医療情報を発信:国立がんセンター

肺がん用の抗がん剤「タルセバ」が発売:中外製薬

中外製薬は肺がん用の新型抗がん剤「タルセバ(エルロチニブ)」を発売した。がん細胞の表面にある特殊なたんぱく質を狙い撃ちする分子標的薬の一種で、増殖や転移を抑制したり他の抗がん剤を効きやすくしたりする。初年度4億円、ピーク時に約156億円の売り上げを見込む。

タルセバ

重い副作用による死者が出た英アストラゼネカの「イレッサ(ゲフィチニブ)」と同じタイプの抗がん剤であるため、中外は30カ月間、全症例を対象に有効性や安全性を調べる。(NIKKEI NET)

分子標的薬とは?
がん細胞のもつ特異的な性質を分子レベルでとらえ、それを標的として効率よく作用するようにつくられた薬です。がん細胞を狙って作用するため、副作用をより少なく抑えながら治療効果を高めるとして期待されています。

しかし、正常細胞に全く作用しないわけではなく、一部の分子標的や国は重大な副作用(イレッサによる間質性肺炎は記憶に新しいところです)が起こることも報告されています。使用には十分な注意が必要とされています。

関連記事:新たな腫瘍マーカーの組み合わせ:肺がんの発見率が90%

細胞シートで心臓機能が回復した男性が退院:大阪大病院

足の筋肉細胞を培養してつくったシートを心臓に張り、心筋の働きを再生させる治療を受けた拡張型心筋症の重国増雄さん20日、大阪大病院から退院した。
こうした治療の成功例は世界で初めて。重国さんは記者会見で「人工心臓の装着時とは(体の状態が)全然違う。びっくりするぐらい良い」と喜んだ。

拡張型心筋症

重国さんは、心臓を収縮させる力が弱まる拡張型心筋症で昨年2月入院。補助人工心臓を付けて脳死移植の待機患者となったが、ことし9月には人工心臓を外し移植不要になるまで回復した。

治療は、左大腿部から組織修復の働きを持つ筋芽細胞を採取して培養し、シート状にして左心室外側を覆うように張った。心臓血管外科の沢芳樹教授は「機能回復ぶりは想像以上だった」と話した。(さきがけonTheWeb)

拡張型心筋症について
心筋細胞の変性によって収縮力が低下して心室が拡張する病気です。体を動かすと息切れする、下肢がむくむなどの心不全症状が現れ、徐々に悪化していきます。

治療にあたっては、血管拡張作用とともに、心筋の動きを改善するACE阻害薬やβ-遮断薬が使われます。また、血液のうっ滞が起こりやすいので血栓ができるのを防ぐための凝固剤も使われます。

緑茶に進行前立腺がん予防効果:1日5杯以上でリスク半減

緑茶を多く飲む人は進行した前立腺がんになりにくいことが19日までに、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模疫学調査で分かった。
1日5杯以上飲む人は、1杯未満の人の約半分のリスクだった。緑茶の進行前立腺がん予防効果を示す研究は初めてという。

緑茶のがん予防効果について

調査は1990年と93年、全国10地域の40〜69歳の男性約5万人の食習慣などを調べ、2004年末まで追跡。この間に404人が前立腺がんと診断された。

緑茶を飲む頻度でグループ分けしてリスクを比較したところ、前立腺がん全体でははっきりした関連が見られなかった。ただし、前立腺内にとどまる早期がん(271人)と、外に広がっている進行がん(114人)に分けると、進行がんは緑茶の摂取量が多いほどリスクが低く、1日5杯以上の人では1杯未満の人の0.52倍だった。(jiji.com)

前立腺がんについて
前立腺がんは、精液を作っている前立腺の外側に発生するもので、日本でも最近増えているがんの一つです。初期には自覚症状に乏しいため、早期発見の難しいがんですが、治療による延命効果が高いことで知られています。

早期では無症状ですが、進行すると前立腺肥大症と同様に、夜中に何度もトイレに起きたり、排尿の勢いが弱くなったり、排尿そのものに時間がかかるようになります。

前立腺がんは男性ホルモンが症状を悪化させ、女性ホルモンが症状を改善します。そのため、薬や手術によって男性ホルモンの分泌を抑えたり、女性ホルモンを長期間投与します。早期なら、前立腺を摘出する手術によって完治も期待できます。

関連記事:前立腺がんの予防に赤ワインのリスベラトロールが有効か

放射光で小さな乳がんを立体画像化:東京理科大学ら

東京理科大学の安藤正海教授と高エネルギー加速器研究機構、山形大学、名古屋医療センターなどの研究チームは放射光を利用して、見つけにくい乳がんを立体的に可視化することに成功した。切除した乳房の断層画像を約1800枚撮影し、コンピューターでつなぎ合わせた。病理診断などに使えるとみている。

放射光による乳がん検知について

放射光施設「Spring-8」の放射光を使う。一般のエックス線とは異なり直進性が強いのが特徴で、がんに当たってわずかに角度がずれるところを検知してがんを見極める。約100マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルまで見極められる。(NIKKEI NET)

乳がんの検査・診断について
乳がんに対しては地方自治体で集団検診が行われています。かつては乳がん検診といえば視診と触診だけでした。しかし、近年はX線で乳房を撮影する「マンモグラフィー」も取り入れられています。マンモグラフィーが視診と触診に比べて確実性が高く、小さな異常も発見できます。

自覚症状を訴えて病院に訪れた人には、上記の検査のほかに、超音波(エコー)診断も行います。この方法では、乳房内部の5ミリメートル以上のしこりやかたまりをとらえることができます。
マンモグラフィーは、乳腺組織が密な人ではがんを発見しにくいことがあり、その場合は超音波診断のほうが有効です。

これらの検査で乳がんが疑われる場合には、X線や超音波で病変をみながら針によって腫瘍を吸引する「マンモトーム生検」などの詳しい検査が行なわれます。

関連記事:乳がん患者の半数は自覚症状のあとに検診

来春のスギ花粉の傾向予測:猛暑の影響で2倍以上の地域も

気象情報会社「ウェザーニューズ」は来春のスギ花粉の傾向予測をまとめた。今夏の猛暑の影響などで飛散量は今年よりも多く、倍以上に上る地域も。飛び始める時期は同じか、遅めになりそうだ。

来年も奴等(花粉症)がやってくる!

スギ花粉を作る雄花は、前年の夏に気温が高く、日照時間が長いと多くできる。今夏は全国的に記録的な猛暑で、現時点でも昨年より多めの雄花が全国で観察されているという。

花粉の飛散は、平年より高温が予想される来年2月以降に始まるとみられる。全国的に早めだった今年と比べると、北海道は4月上旬、東北北部は3月上旬、南部は2月下旬、北陸・甲信北部は2月中旬と1、2週間遅め。関東以西は同じくらいで、2月上旬になる見通し。

今年と比べた各地域の花粉飛散量予想は次の通り。

北海道(シラカバ花粉) 数倍多い▽東北、関東 2倍以上▽北陸、甲信北部 同じかやや多い▽東海、甲信南部 2倍程度▽近畿 やや多いか同じ▽山陰 ほぼ同じ▽山陽 やや多いか同じ▽四国 やや多い▽九州北部 やや多いか同じ▽九州南部 やや多い(shikoku.news)

花粉症について
スギやヒノキなどの花粉をアレルゲンとする季節性のアレルギー症状です。
からだが花粉を「自己ではないもの」として認知すると、これに対して抗体をつくります。
ここに花粉が再び入ってくると、抗原抗体反応が起き、この反応が刺激となってヒスタミンなどの化学物質が放出されます。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといったアレルギー症状がもたらされるのです。

初めて花粉症になった年は、抗ヒスタミン薬などの対処療法しかありませんが、次の年からは、花粉が飛び始める2週間前ごろから、抗アレルギー薬を飲んで、症状を軽くするという方法があります。

また、時間はかかりますが、原因となる抗体に対する過敏性を低下させて、アレルギー反応を起こさないような体に作り変える、減感作療法という方法もあります。

関連記事:スギ花粉症緩和米:6〜7年をめどに医薬品として商品化へ

薬価を1%強引き下げへ:2008年度の薬剤費予算

厚生労働省は16日、2008年度の薬剤費予算を、薬価の総額を1%強引き下げて960億円抑制する方針を固めた。すでに薬価の単価を幅広く下げて800億円分を抑えることにしている。
さらに、販売量が多く薄利多売が可能な薬の単価を一段と引き下げ、抑制額を160億円分積み増す。

薬価引き下げについて

歳出抑制額を新たに積み増す分は「市場拡大再算定」という制度を使う。薬価を決めて10年が経過した薬のうち、年間販売額が予想の2倍以上、売上額が150億円以上の2条件を満たす薬を対象に、この薬の単価を15―25%下げられる規定を活用する。売れ行き好調な高血圧治療薬などが対象とみられる。(NIKKEI NET)

薬価について
医療機関が公的医療保険から薬剤費として受け取る医薬品の公定価格のことで、中医協で定められています。ただし、製薬会社間の競争が激しく、医療機関と卸売業者との価格交渉の結果、値引きなどで実際の仕入れ価格は薬価より安くなるのが一般的となっています。
薬価と実勢価格の差額は医療機関の収入になります。現在2年に1度、実勢価格に近づける改定が行われています。

肥満の人は口臭も強い:イスラエル研究チーム

太っている人は口臭にご注意―。イスラエル・テルアビブ大のチームが、メタボなお父さんを不安にする研究結果を国際歯学誌に発表した。肥満は心臓病や脳卒中につながるだけでなく、口のにおいの強さに関係する恐れがあるという。

同大のメル・ローゼンバーグ教授らは、20〜55歳のイスラエル人の男女88人に、朝めざめたときに口臭の原因物質を測定するとともに、専門家による口のにおいのチェックを受けてもらった。

口臭の強さを6段階に数値化し、その人の年齢や病歴、喫煙・飲酒の習慣などとの相関関係を探った。その結果、体格指数(BMI)の数値が大きい人、つまり太っている人ほど口臭が強い傾向のあることが統計的に確かめられた。

肥満と口臭の関係について同教授は、太った人が好む食品が口の乾燥につながって口臭につながりやすいとか、自分の体重の管理ができない人は口の中の衛生状態にも無頓着なのでは――と推測しているが、「真相はわからない」という。(asahi.com)

口臭を防ぐ食品について
手軽に摂取できる口臭予防食品としてはリンゴ、牛乳、緑茶などがあげられます。リンゴは含まれているポリフェノールと、ある種の酵素の働きでニンニクやネギのにおいを除去します。

牛乳は、胃の中に入ると、悪臭の元になるたんぱく質を脂肪の膜で包みます。また、緑茶に含まれるフラボノイドという物質には、消臭効果、殺菌効果があります。

朝起きたときや、空腹時、また緊張したりストレスが強いときには、唾液の分泌が少なくなって唾液の自浄作用が落ちてきますので、口の中のにおいが強くなります。これは生理的なものですので、水を飲んだり、時間がたてば自然ににおいもなくなります。

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川崎病の関連遺伝子を特定:原因解明に期待

子どもに発熱や発疹などの症状が出る川崎病にかかわる遺伝子を、理化学研究所などのチームが突き止めた。遺伝子のタイプによっては2倍近く発症しやすく、心臓の冠動脈に瘤ができる合併症や治療効果とも関係するという。
川崎病が報告されてから40年たつが原因はわかっておらず、原因解明や治療法の選択に役立つと期待されている。

ITPKC遺伝子

理研遺伝子多型センターの尾内善広・上級研究員らが米カリフォルニア大サンディエゴ校と共同で研究。論文が17日(日本時間)付米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表される。

川崎病との関連がわかったのは「ITPKC」という遺伝子。この遺伝子には、遺伝暗号を記す塩基の並び方が1カ所変わったタイプがある。このタイプの人は川崎病を1.89倍発症しやすく、合併症も2.05倍起きやすかった。合併症を防ぐために投与する薬、ガンマグロブリンの効果が不十分な人にも多かった。

この遺伝子は、免疫を担うT細胞を活性化する物質インターロイキン2の増加を抑制し、過剰な免疫反応を抑えることもわかった。川崎病の発症直後はインターロイキン2の濃度が高く、合併症の患者はさらに高いという報告もある。遺伝子の塩基配列の違いが関係しているとみられる。(asahi.com)

川崎病とは?
昭和42年に川崎博士が発見した新しい病気です。3歳以下の子供に多くみられ、診断基準となる症状には以下の6項目があります。

  1. 5回以上続く発熱…38〜40度になる高熱が突然出て、1〜2週間続きます。事前に風邪の症状がみられることもあります。
  2. 白目の充血…発熱して2〜5日くらいで結膜が真っ赤になりますが、結膜炎と違って目やには出ません。
  3. 唇の発赤、いちご唇…唇が真っ赤に腫れて、下は充血して表面がブツブツになります。
  4. 首のリンパ節の腫瘍…リンパ節が腫れて痛みを訴えます。
  5. 全身に出る発疹…全身に赤い発疹がみられます。水疱にはなりません。
  6. 手のひら、足の裏の発赤…しもやけのようにパンパンに腫れることもあります。発熱後、10日を過ぎてから、指先のほうから皮が向けてきます。

また、心臓の冠動脈に動脈瘤ができるのも特徴ですが、この動脈瘤は川崎病が完治するまでに、ほとんど消えていきます。治療に際しては、ガンマグロブリンを大量に服用します。
また、血栓ができないように、アスピリンを少量ずつ服用します。動脈瘤がなければ、完治後は普通に生活することができます。

小児がんの後遺症対策で専門外来設置へ:厚生労働省

増え続ける小児がん経験者に対し、厚生労働省の研究班が2009年度までに、全国14カ所の病院に、治療による後遺症「晩期障害」などを診る長期フォローアップ(FU)外来を開設する方針を決めた。小児がんは今では7割が治るが、晩期障害に苦しむ例が多く、治癒後も生涯にわたって見守る体制を整える。

小児がんについて

FU外来が開設されるのは、国立成育医療センター(東京都)や、静岡県立こども病院(静岡市)、東北大学病院(仙台市)や三重大学付属病院(津市)のほか、民間の病院でも日本大学医学部付属板橋病院(板橋区)など。国立成育医療センターに拠点となる長期FUセンターを設置する。静岡県立こども病院や九州がんセンター(福岡市)など6カ所は既に開設され、来年以降順次開設を進める。

研究班によると、年間2500人前後が小児がんを発症し、成人の600〜1000人に1人が経験者と推計されている。経験者の半数以上に成長障害、ホルモン分泌障害、心的外傷後ストレス障害など、手術そのものや抗がん剤や放射線治療による後遺症「晩期障害」がみられるという。

正確な患者数を把握するため、全国の病院に協力を求め、今年度中は登録制度も開始する。長期FUセンターには、治療終了時に登録に同意した患児の治療内容などデータを集積。将来的には登録者が晩期障害の相談に乗ってもらえるシステムを目指す。(毎日.jp)

小児がんについて
小児のがんで最も多いのは白血病で、次が脳腫瘍となっています。そのほか、悪性リンパ腫、神経芽腫、ウイルムス腫瘍、肝芽腫、網膜芽腫などが主なものですが、これらのほとんどは直接発がん物質に触れない部分のものです。

小児がんの大部分は遺伝性ではないのですが、ある種の遺伝性疾患や先天異常を持つ子供では、それらを持たない子供よりもがんの発生率が高いことが知られています。

また、網膜芽腫やウイルムス腫瘍の一部のように、遺伝することがわかっているがんもあります。また、家庭的にがんが多発する体質も知られています。

足の筋肉細胞からシートを作成:拡張型心筋症の患者が回復

大阪大病院は、心臓が収縮する力が弱まる拡張型心筋症の男性患者(56)に、患者本人の足の筋肉細胞からつくったシートを心臓に張って心筋の働きを再生させる治療に成功し、退院できる見通しになったことを明らかにした。
男性は心臓移植が必要と判断され、当初は補助人工心臓を装着していた。現在では取り外して病院の周囲を散歩できるまでに回復したという。

拡張型心筋症について

こうした治療の成功例は世界初とみられ、再生医療の実現が本格化してきたことを示す画期的成果といえそうだ。主治医の藤田知之助教は「自らの細胞を使って重い心臓病を治療できる可能性を示せた」としている。

患者は大阪府の男性で、昨年2月に大阪大病院に入院。心臓を動かす機能が低下したため補助人工心臓を装着。8月には脳死心移植の待機患者となった。

心臓血管外科の澤芳樹教授らは、筋肉が傷ついたときに修復する働きを持つ筋芽細胞を、男性の左大腿部から採取。培養して増やし、直径約3・5センチ、厚さ0・1ミリ以下の円形のシートを20−30枚つくった。
今年5月に男性の左心室外側を覆うようにシートを張る手術を実施。3カ月後には心臓が収縮する力が回復。9月5日に人工心臓を外すことができた。大阪大は同様のシートで、2年間で6人の患者を治療する計画。(MSN産経ニュース)

拡張型心筋症について
心筋細胞の変性によって収縮力が低下して心室が拡張する病気です。体を動かすと息切れする、下肢がむくむなどの心不全症状が現れ、徐々に悪化していきます。

治療にあたっては、血管拡張作用とともに、心筋の動きを改善するACE阻害薬やβ-遮断薬が使われます。また、血液のうっ滞が起こりやすいので血栓ができるのを防ぐための凝固剤も使われます。

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