神経変性疾患の原因タンパク質蓄積メカニズムを解明

アルツハイマーやパーキンソン病など神経変性疾患の主な原因とされる、細胞内での過剰なタンパク質蓄積のメカニズムを、東京都臨床医学総合研究所順天堂大などのチームがマウスの実験で突き止め、14日付の米医学誌「セル」に発表した。

細胞内でタンパク質を分解する「オートファジー」と呼ばれる仕組みの異常が関与しているらしい。オートファジーを適切に制御できれば、神経変性疾患や、同様のメカニズムで起きる肝細胞がんなどの予防や治療につながる可能性があるという。

研究チームは、正常なオートファジーの際には、主にタンパク質「p62」が取り込まれ分解されていることを発見。オートファジーが起こらないように遺伝子操作したマウスでp62の蓄積を調べた。

その結果、脳や肝臓でp62が過剰に蓄積して凝集。脳の神経細胞が死んだり、行動や反射に異常をきたしたりする神経変性疾患の症状が起きたほか、炎症や肥大などの肝障害を発症したという。(さきがけ)

パーキンソン病とは?
中脳にある黒質(黒い色素を含む細胞が集まっている場所です)の神経細胞が変性するために、手足のふるえ、筋肉のこわばり、動きの低下などの症状が現れてくる病気です。

不随意運動(無意識に行われる筋肉の動き)をコントロールしているのは大脳基底核で、大脳基底核へ情報を伝だつするのは、中脳の黒質から放出されるドパミンという神経伝達物質です。
その黒質が何らかの影響で損傷を受け、ドパミンが不足して大脳基底核が正常に機能できなくなるために起こると考えられています。

日本における患者数は、平成17年度厚生労働省患者調査より約14万5000人と推計されていますが、50〜60歳代で発症することが多く、高齢化に伴って患者数は増加しています。

鼻・副鼻腔疾患の小学生が過去最高:学校保健統計調査

花粉症などのアレルギー性鼻炎や蓄膿症といった「鼻・副鼻腔疾患」にかかっている小学生の割合は12・0%で、中高校生や幼稚園児とともに過去最高の割合となったことが、文部科学省が実施した本年度の学校保健統計調査速報で分かった。

鼻・副鼻腔疾患の児童数が増加

調査では、ほかの鼻・副鼻腔疾患割合は中学生11・1%、高校生8・4%、幼稚園児3・7%で、小学生も含め前年度比の0・1〜0・4ポイント増。
ぜんそくの小学生は3・9%、中学生3・1%、高校生1・8%で、いずれも前年度比0・1〜0・2ポイント増えて過去最高。幼稚園児は0・2ポイント減の2・2%だった。

文科省は「アレルギー情報が一般的になり、これまで風邪と思っていたものがアレルギーと分かったケースもあると考えられる。ぜんそく増加の要因は特定できない」としている。(産経ニュース)

蓄膿症ついて
慢性的に鼻詰まりがあり、鼻をかむと、膿のような粘り気のある鼻水が出ます。後鼻膿といって、鼻汁が喉のほうへ流れる状態もみられます。頬や鼻の付け根に鈍痛を感じたり、鼻詰まりによる頭重感が強まり、集中力や記憶力が低下することもしばしばあります。

治療に際しては、耳鼻咽喉科で定期的に鼻汁を除去してもらい、鼻の通りをよくしてもらいます。同時に、鼻汁をやわらかくして出しやすくする薬を内服します。近年では、抗菌薬を通常よりも少し減らして、長期間飲み続ける方法も取られています。

治療効果についてはX線やCTで調べますが、あまり改善がない場合は、手術を行います。手術は、鼻孔から内視鏡を使って行うのが主流となっています。副鼻腔と鼻腔に大き目の通路を作り、空気がよく通るようにします。

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タミフルの生体内の動きを追跡:20分後に投与量の0.15%が脳へ

放射線医学総合研究所(千葉市)は、インフルエンザ治療薬「タミフル」が体内に吸収された後、脳などにどのように移動するかを連続的に観察できる方法を開発したと発表した。

タミフル

タミフルの生体内の動きを追跡できたのは世界で初めて。実験にはラットを使った。タミフルを服用した若者や幼児の異常行動が報告されている。人間に応用できれば、因果関係の有無を解明する有力な手段になると期待される。

放医研は、タミフルの分子に放射性物質を付けた薬剤を開発。この薬剤をラット5匹に与え、陽電子放射断層撮影(PET)装置で観察したところ、体内のタミフルの動きをとらえることができた。脳には、20分後に投与量の0・15%が入りこむこともわかった。従来は、大量のタミフルを与えたラットを解剖して調べていた。PETは感度が高く、通常の服用量で生きたまま調べられるため、正確な分析ができるという。(YOMIURI ONLINE)

陽電子放射断層撮影(PET)装置について
RI(ラジオアイソトープ=放射性同位元素)を体内に投与し、RIが体外に発する放射線を検出器で測定し、コンピュータ処理して断層画像を得られるようにした検査です。
さまざまなRIを用いて、糖代謝、タンパク代謝、酸素消費量などを調べることができます。

人体組織内の糖代謝を調べる「FDG-PET」が最もよく行なわれています。多くの腫瘍で糖の代謝が亢進することを利用した検査で、非常に小さい段階での腫瘍発見に有用な場合があります。
しかし、RIが高価で半減期が短いため一部の医療機関でしか受けることができないのが難点となっています。

関連記事:タミフルに脳細胞を興奮させる作用:ラット実験で確認

肺がん抗がん剤の効果を遺伝子変異で予測:岡山大グループ

がん細胞遺伝子の変異の有無によって、肺がん抗がん剤UFT(一般名テガフール・ウラシル)の効果に違いがあることを岡山大大学院腫瘍・胸部外科の豊岡伸一助教らのグループが確認した。
抗がん剤治療はその効果を予測しにくいため、薬に適した患者を事前に絞り込め、効かない人への余分な負担も緩和できる成果として注目されている。

抗がん剤UFTの効果予測について

UFTは、肺がん手術後の補助的治療に幅広く使われている飲み薬。しかし、長期間飲み続けることで患者には高額な医療費や副作用など負担も少なくない。

豊岡助教らは、がん遺伝子「EGFR」の変異の有無に着目して、岡山大病院で手術した肺腺がんの患者187人を調査。治療効果の指標となる5年生存率が、変異のない人(108人)では、UFTを投与した場合81%だったのに対し、UFTの投与なしでは65・4%と大きな差があった。だが、変異がある人(79人)はほとんど差がなかった。

さらに、ヒトの肺がん細胞にUFTの主成分を加えて増殖の様子を調査。がん細胞の大きさを抑えるのに必要な薬剤量が、「変異なし」に対して「変異あり」は3倍以上必要で、薬の効きが悪いことを証明した。 (山陽新聞)

テガフール・ウラシル配合剤
テガフールとウラシルを1:4の割合で配合した抗がん剤です。テガフールはがん細胞の分裂を阻害するフルオロウラシルのプロドラックで、生体内で徐々にフルオロウラシルに変わります。
またウラシルはRNAの硬性材料の一つで、フルオロウラシルの効果を増強します。

関連記事:早期肺がんの「定位照射」治療:手術に匹敵する効果

現行の肺がん検診は妥当:厚生労働省検討会

市町村による肺がん検診の見直しの是非について議論してきた厚生労働省の検討会(座長・垣添忠生国立がんセンター名誉総長)は、現行通り、40歳以上の男女に年1回の胸部エックス線撮影と、たんの検査を続けるのが妥当だとする結論をまとめた。

ただし、一部自治体が実施している低線量のエックス線CT検査については「現時点では死亡率減少効果を判断する根拠が不十分で、(自治体による)対策型検診としては勧められない」と指摘。今後、効果を検証する調査が必要だとした。

また検診対象者の中に、特に重点的に受診を勧めるなどの「ターゲット層」を新たに設けることも盛り込んだ。対象をどう絞るかについては今後の検討課題としたが、肺がんの罹患率や死亡率のほか、性別や年齢、喫煙歴などの要素も考慮する方向。肺がんは進行すると治療が難しく、検診による早期発見が重要。(shikoku.news)

肺がんについて
肺がんの多くは、腺がんと扁平上皮がんという、気管支の粘膜に発生する2種類のがんです。近年の肺がんの増加の背景として考えられているのは、環境汚染と喫煙です。喫煙と肺がんの関係については多くの報告がありますが、大量喫煙者に肺がんが多いのは間違いのない事実です。

現在までの疫学調査によると、喫煙量が多いほど、また喫煙開始年齢が若いほど、肺がん発生率が高くなることがわかっています。一方、禁煙をすれば、徐々に発がん率が低下し、非喫煙者波になることがわかっていますので、禁煙は肺がん対策の基本中の基本とされています。

肺がんの症状は、がんの発生場所や進行状態にもよりますが、呼吸器系に現れる症状は、咳、痰、血痰、胸痛、呼吸困難などで、そのほか発熱、食欲不振、倦怠感などをともなうこともあります。

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肝臓や胃の粘膜の細胞からiPS細胞:山中伸弥教授ら

皮膚の細胞からだけでなく、肝臓や胃の粘膜の細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作ることに、京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授と大学院生の青井貴之さんらがマウスを使って成功した。
11日、横浜市で開かれた日本分子生物学会で発表した。同研究室が手法を開発したiPS細胞は、これまで皮膚や骨髄系の細胞からしか作製されていなかった。

iPS細胞

青井さんらは、大人のマウスの肝臓や胃の粘膜の細胞に四つの遺伝子を導入してiPS細胞を作製。さまざまな組織の細胞への分化能力が、受精卵から作る万能細胞の代表格である胚性幹細胞(ES細胞)と同等であることを確認した。
さらに、全身が肝臓や胃の粘膜由来のiPS細胞からできたマウスも誕生し、体内でも全身の細胞に分化できることが裏付けられた。(asahi.com)

iPS細胞について
ES細胞と同じように、さまざまな細胞への分化が可能で、脊髄損傷や心不全などの患者体細胞から、iPS 細胞を誘導し、さらに神経細胞や心筋細胞を分化させることにより、倫理的問題や拒絶反応のない細胞移植療法の実現が期待されています。

受精卵を用いて作るES細胞には倫理上の問題がありましたが、iPS細胞は患者自身の細胞から作り出すのでその心配もなく、世界的に注目されています。京都大学の山中伸弥教授のグループらがヒトの皮膚細胞からの作成に成功しています。

乳歯から幹細胞を採取、再生医療へ:名大が乳歯幹細胞研究バンク

名古屋大学は、乳歯から骨や神経など様々な細胞に分化する能力を持つ「幹細胞」を取り出し、再生医療に役立てる研究をするため、学内に「乳歯幹細胞研究バンク」を設立したと発表した。

乳歯幹細胞研究バンクが設立

乳歯は同大付属病院など6病院から提供を受け、数年で1万個程度の幹細胞を収集、研究データを集めて臨床応用を目指す。同大によると、大学などの公的機関に乳歯の幹細胞バンクを設置するのは世界初。

バンクを設立したのは、医学系研究科の上田実教授らのグループ。提供された乳歯や親知らずから、幹細胞を採取して培養。超低温で保存して研究する。幹細胞を使った再生医療では、骨髄や臍帯血があるが、乳歯の幹細胞はこれらに比べて、細胞の増殖能力が高く、採取が簡単なことから、実用化に期待が集まりそうだ。

上田教授は「これまで捨てられていた歯が有効活用できるうえ、受精卵からつくられる胚性幹細胞(ES細胞)に比べ、倫理的な問題も少ない。将来的には、孫の乳歯で祖父母の骨粗鬆症による骨折や傷跡などを治療できる可能性がある」と話している。(YOMIURI ONLINE)

骨粗鬆症について
骨は、カルシウムの代謝によって新しい骨に生まれ変わりますが、年齢とともに、骨をつくる細胞よりも壊す細胞の働きが強くなって骨量が減少します。骨粗鬆症は、骨量が減少するために骨がもろくなり、骨折しやすくなった状態です。
とくに女性の場合は、妊娠や出産によってカルシウムが減少しますが、閉経を迎える50歳前後から骨粗鬆症が増えてきます。

骨粗鬆症の人は、転倒すると骨折を起こしやすくなります。多いのは、手首と大腿骨頚部、肩の骨折です。手首の骨折は、外来でも治療できますが、大腿骨や肩の骨折は、入院が必要なことが多く、寝たきりにつながる場合もあります。
また、しりもちをつくなどの軽い力が背骨に加わっただけで起こる脊椎の圧迫骨折も少なくありません。

関連記事:患者の体性幹細胞移植で骨を再生:京都大学が臨床試験

新医師臨床研修制度の見直し:1年目に産婦人科などを選択可能へ

厚生労働省は医師不足が深刻な地域医療や産婦人科などの4科目を研修医が1年目から研修できるようにする方針を固めた。最初に研修した科目を専門に選ぶ医師が多いことを踏まえた措置。
医師不足の原因の一つとなった、医大卒業生が自由に研修先を選べる「新医師臨床研修制度」の見直しの一環となる。

医師臨床研修制度の選択科目について

医師は国家試験に合格した後の2年間、病院で臨床研修をしなければならない。現在、2年の研修期間のうち、1年目の必修は原則として内科、外科、救急医療の3科目。新たに産婦人科、小児科、精神科、地域保健・医療も1年目から研修できるようにする。(NIKKEI NET)

医師臨床研修制度について
若手医師が免許取得後の2年間、医療の現場で診療経験を積む制度です。厚生労働省は2004年4月から臨床研修を義務化し、すべての医師が内科や外科、小児科、産婦人科、地域医療などを必ず経験する制度に改めました。

従来は研修医が大学病院に集中していましたが、医師や病院の希望に応じて研修先を決める方式が導入され、民間病院などで研修する医師が増加。人手不足になった大学病院が、民間病院に派遣していた医師を引き揚げる動きも出て問題となっています。

患者の体性幹細胞移植で骨を再生:京都大学が臨床試験

京都大学病院は、大腿骨の股関節との接続部分が壊死する難病の「大腿骨頭壊死」の患者に対し、患者の骨髄にある幹細胞を注入し、骨の再生を促す臨床試験を始め、7日発表した。
一例目となる男性患者に対して来年2月に移植手術をする。同病院は、手首の骨が壊死する「月状骨壊死」の患者への臨床試験も計画しており、2年間で計20人を対象とする。

大腿骨頭壊死について

骨髄に含まれる幹細胞は骨や血管、脂肪などに変わる能力をもつ。骨がなくなった部分に、患者自身の血管がついた骨片や人工骨とともに幹細胞を注入し、治療の安全性や効果の検証をめざす。

同病院整形外科の中村孝志教授らによると、患者の骨盤から0.1リットルの骨髄液を採取し、液中の0.01%ほどある幹細胞を約3週間かけて約5000万個まで培養する。壊死した患部を取り除き、血管のついた患者の骨片や人工骨と一緒に幹細胞を埋め込む。

幹細胞を使った臨床試験は、安全性チェックなどに関する国の指針が昨年9月に施行された。京都大の臨床試験は、大阪大、国立循環器病センターとともに新指針施行後初めて国から了承された。(asahi.com)

大腿骨頭壊死とは?
大腿骨の骨頭に血液が届かなくなって壊死する病気です。血管病変をともなう病気に併発しますが、外傷や、大量に副腎皮質ホルモン剤を使用したときや、アルコールのとりすぎというように原因がはっきりしているものと、不明のものがあります。

症状としては、関節の骨が変形し、股関節に痛みが起きてきます。ひどくなると関節の動きが制限され、日常生活に支障をきたすようになります。
治療に際しては、初期には薬物療法と股関節の安静が必要となります。骨頭の変形が強く、痛みがひどい場合は手術を行う場合もあります。

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がん診療連携拠点病院の指定用件を厳格化:厚生労働省

厚生労働省は6日、がん医療の中核となる全国286か所の「がん診療連携拠点病院」の指定要件を、来年度から厳しくする方針を明らかにした。

がん診療連携拠点病院について

地域のがん治療の質を向上させるのが目的で、放射線や抗がん剤治療に詳しい医師が常勤し、放射線の治療装置や、通院で抗がん剤治療ができる治療室の設置を義務づける。

国が6日の専門家会議で示した指針案では、患者の不安など精神面の症状にも対応できる医師や職員を緩和ケア医療チームに入れることや、相談支援センターに専任の相談員を複数置くことなども新たな指定要件にした。(YOMIURI ONLINE)

がん診療連携拠点病院とは?
がん診療連携拠点病院とは、全国どこでも質の高いがん医療を確保するため、がん医療の均てん化を目標として、国が指定する医療機関です。がん診療連携拠点病院には2種類があり、主な機能は次のとおりです。

都道府県がん診療拠点病院
地域がん診療拠点病院への指導(医師研修、診療支援等)を行います。なお、地域がん診療連携拠点病院としての機能も有します。

地域がん診療連携拠点病院
二次医療圏の中心的役割を担う病院として、専門的ながん診療の実施や地域の医療機関と連携した医療の提供等を行います。

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万能細胞(iPS細胞)で鎌状赤血球貧血を治療:米研究所

京都大の山中伸弥教授が手法を開発した皮膚からつくる「万能細胞(iPS細胞)」を使ってマウスの貧血を治療することに、米ホワイトヘッド研究所(マサチューセッツ州)のチームが成功、米科学誌「サイエンス」電子版に6日付で発表した。

鎌状赤血球貧血の画像です

実験に使ったのは、赤血球が鎌の形(三日月形)に変形し、酸素運搬能が低下する「鎌状赤血球貧血」と呼ばれる病気の原因遺伝子を組み込んだマウス。しっぽから採取した皮膚細胞に計4種類の遺伝子を組み込んで、まずiPS細胞を作製した。

次に、iPS細胞に含まれる貧血の原因遺伝子を、特殊な方法で正常な遺伝子に置き換え、血球などのもとになる造血幹細胞にまで成長させてマウスの体内に戻した。

治療した雄のマウス3匹は、2カ月程度で貧血の原因となる異常なヘモグロビンが、治療しなかったマウスの約3分の1に減少。貧血の特徴である低体重や荒い呼吸なども大幅に改善したという。(shikoku.news)

鎌状赤血球貧血について
ヘモグロビンに異常が起こり、酸素を細胞にうまく運べず赤血球を壊れやすいものにしてしまい、死にいたるものです。その原因はヘモグロビンの遺伝子の異常です。この遺伝子を持つ患者は必ず鎌状赤血球貧血を発症する遺伝性疾患です。

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日本人間ドック学会:特定健診で独自の判定値を策定

来年4月に始まる特定健診・保健指導制度で、医療機関の受診を勧める必要性を判断する「受診勧奨判定値」について、日本人間ドック学会が、国の判定値より緩やかな独自の判定値を定めた。
国の判定値は厳しすぎ、すぐには受診の必要のない人まで「病人」と判定する恐れがあると判断した。

メタボ健診について

特定健診は40〜74歳の全員が対象で、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を中心とした生活習慣病対策として実施される。

同学会は、関連学会の治療指針などを参考に独自の判定値を設定した。例えば、国は最高血圧の判定値を「140」とするが、同学会は「160」を採用した。人間ドックの結果判定用に同学会がまとめたガイドラインの改訂版に盛り込む。

さらに、同学会は国内外の大規模臨床研究を分析。国の受診勧奨値を超えても、6カ月以内なら、投薬治療をした群としない群で、脳卒中や心筋梗塞の発症率に差がないことを確認した。
このため、国の判定値を超えても、学会の判定値より低い場合は、程度に応じて3〜6カ月の経過観察期間を設ける。生活改善を指導するが、受診勧奨はしない。(毎日.jp)

メタボリック・シンドロームとは?
生活習慣病のなかの、内臓脂肪蓄積型肥満、脂質代謝異常、高血圧、糖代謝異常の4つは、とくに「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、これらの要素が複数合併すると、それぞれが軽症でも動脈硬化が加速され、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってきます。

メタボリックシンドロームの診断基準は、ウエスト周囲径が男性85cm以上/女性90cm以上で、かつ下記のA・B・Cのうちの2項目を満たすときです。

  • A.脂質異常…中性脂肪150mg/dl以上あるいはHDLコレステロール40mg/dl未満
  • B.血圧異常…最高血圧130mmHg以上あるいは最低血圧85mmHg以上
  • C.糖代謝異常…空腹時血糖110mg/dl以上

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子供の咳止めには市販薬より、はちみつが効果的

子どものせき止めには市販薬より、はちみつを飲ませる民間療法の方が安全で効果的――。米ペンシルベニア州立大の研究チームが4日、医学誌にこうした調査結果を発表した。
同大は風邪を引いた2〜18歳の子ども100人以上を対象に調査。ソバはちみつ、せき止め薬、ダミーの服用剤の3種類を就寝前に服用してもらい、効果を見た。

子供の咳止めについて

その結果、はちみつを飲用後、せきの頻度が減ったとの回答が最も多かった。はちみつに含有する抗酸化物質がせき止めにつながった可能性がある。ただ、1歳未満の乳児はボツリヌス中毒の恐れがあるため、はちみつを控えた方がいいという。

食品医薬品局は最近、風邪薬には副作用の恐れがあるとして、6歳未満に風邪薬を与えないよう勧告している。(asahi.com)

自家製咳止めシロップの作り方
咳が出たり、のどが痛いときには、うちの家でも20年位前から自家製のシロップを作っています。周りの人も結構知っていたので、昔からある先人の知恵かと思いますが、念のため簡単なつくり方を書いておきますね。「のど○〜るスプレー」なんかはミント系の刺激が強くて、逆にむせてしまう人や小さいお子さんがいるご家庭にお薦めです。

1.大根をサイコロ大のブロックに切って、ジャムの空きビン(アヲハタの小さいサイズくらい)に一杯になるように入れます。2.次に、ビンの6〜7分程度までハチミツを入れて、蓋を閉めて1日待ちます。3.すると大根のエキスがジワジワ染み出てきてハチミツと混ざり合います。これで完成です。お猪口一杯を一回分として、一日に4〜5回くらい飲みます。

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細身志向の若い女性は骨量不足:日本酪農乳業協会

やせ志向の強い若い女性は、骨量不足の人の割合が高いことが4日、上西一弘女子栄養大教授(栄養生理学)と日本酪農乳業協会の調査で分かった。また、小中学校時代の牛乳摂取量や、生涯にわたっての運動が骨量に関係していた。

同協会は2005年から07年にかけて、28府県の20〜89歳の女性約3万4000人の骨量を測定。体格指数(BMI)が特に高い肥満の人と、特に低いやせた人計約9000人を除いて分析した。

その結果、20〜30代では、骨量が同年代の平均値の85%以下しかない女性が1万799人中553人(5.1%)いた。60歳以上では2.6%だった。こうした女性は身長が低く体重が軽いほか、運動量と牛乳の摂取量が少なく、骨折経験が多かった。(jiji.com)

体格指数(BMI)について
BMIという指数を計算すると、自分が太っているか、太っているとすれば肥満度はどれくらいなのかを知ることができます。BMIは次のような計算式で求めることができます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗

その結果18.5以上25未満であれば普通体重の範囲となり、25以上なら肥満と判定します。
BMIを割り出して、肥満の範囲に入る結果が出たとしても、本当に肥満といえるのか、危険な太り方なのかどうかは、体重に占める脂肪の割合や、脂肪のつき方によって違ってきます。

肥満は、体に脂肪がたまりすぎた状態のことですから、筋肉量の多く、いわゆる固太りは、肥満とはいえません。BMIが25以上の場合は、医師の診察を受け、肥満とかかわりのある病気の検査をしてもらうようにしましょう。

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アレルギー疾患の発症に関与するたんぱく質「STIM1」を発見

花粉症やぜんそくなどのアレルギー疾患の発症に関与する新たなたんぱく質を、理化学研究所の研究チームが発見し、米科学誌「ネイチャー・イミュノロジー」(電子版)に発表した。
日本人の約3割は何らかのアレルギーに悩まされているとされ、このたんぱく質を制御することで、新たな治療法の開発が期待される。

STIM1について

アレルギーの症状は、体に入った異物(抗原)に刺激された特定の細胞から「ヒスタミン」という物質が分泌されて起きる。ヒスタミンは、細胞内のカルシウムが多くなると分泌されることが知られているが、カルシウム量がどのような仕組みで制御されているのか、よくわかっていなかった。

発見したのは「STIM1」というたんぱく質。遺伝子操作でSTIM1がないマウスを作り、その細胞を抗原で刺激すると、カルシウムの量が抑えられ、ヒスタミンの分泌量も著しく低下した。
研究チームは、このたんぱく質が抗原の刺激で細胞表面近くに移動し、外からカルシウムを取り込む関門のような小器官を開く働きをしていると突き止めた。

一方で、STIM1がないマウスはすぐに死亡し、細胞の生存に重要な役割を果たしていることもわかった。理研の黒崎知博グループディレクターは「新たな治療法の開発には、カルシウムの役割をより細かく突き止める必要がある」と話している。(YOMIURI ONLINE)

花粉症について
スギやヒノキなどの花粉をアレルゲンとする季節性のアレルギー症状です。
からだが花粉を「自己ではないもの」として認知すると、これに対して抗体をつくります。
ここに花粉が再び入ってくると、抗原抗体反応が起き、この反応が刺激となってヒスタミンなどの化学物質が放出されます。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといったアレルギー症状がもたらされるのです。

初めて花粉症になった年は、抗ヒスタミン薬などの対処療法しかありませんが、次の年からは、花粉が飛び始める2週間前ごろから、抗アレルギー薬を飲んで、症状を軽くするという方法があります。

また、時間はかかりますが、原因となる抗体に対する過敏性を低下させて、アレルギー反応を起こさないような体に作り変える、減感作療法という方法もあります。

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米ぬか成分がアトピー性皮膚炎などのかゆみを抑制

米ぬかに含まれる成分に、アトピー性皮膚炎などのアレルギーを引き起こす「IgE抗体」にくっつき、炎症作用などを抑える働きがあることを東京大の尾崎博教授、東京海洋大の潮秀樹准教授らが突き止めた。天然成分に由来する新しい抗アレルギー薬につながると期待される。

米ぬか成分がアトピー性皮膚炎を抑制

研究チームは、米ぬか成分のうち、紫外線吸収、抗酸化作用などが報告されていたγ(ガンマ)―オリザノールに注目。研究チームは、この成分が腸などの炎症を抑えることを確認。アレルギーにも効果があるか動物や細胞での実験で調べた。

その結果、米ぬか成分は、IgE抗体と結びつき、抗アレルギー作用もあることを発見した。アレルギーは、免疫細胞が作るIgE抗体と抗原が、肥満細胞に作用してヒスタミンなどの「かゆみ物質」を血中に放出して、炎症やかゆみを起こす症状。
米ぬか成分がIgE抗体と結びつくことで、かゆみ物質の放出が70〜80%抑制された。これまでの抗アレルギー薬の抑制効果を上回っているという。さらに、米ぬか成分が肥満細胞以外の免疫の働きを弱め、炎症を抑えることも突き止めた。(YOMIURI ONLINE)

アトピー性皮膚炎について
花粉やほこり、ダニ、特定の成分などに過敏に反応し、湿疹にも見える皮膚炎が起こる病気です。アトピー体質という特異的な体質の人に起きるもので、遺伝性が強いといわれています。特に成人になってから発症するケースが増加する傾向にあります。

最近の住環境は、ダニが繁殖しやすく、それらがアレルギー症状の原因物質(アレルゲン)となっていると考えられています。

年代によって症状の現れ方は異なりますが、思春期以降は、首のまわりが黒ずみ、皮膚が苔癬化(厚ぼったく、きめが荒い状態)して、強いかゆみを訴えます。

顔面に紅班が生じるケースもあり、角質が剥がれ落ちてしまうこともあります。
季節によって症状の重さは変化します。通常は夏季に軽減し、冬季は乾燥して悪化します。

水分不足が原因でエコノミークラス症候群が女性客に集中

長時間の空の旅などで起きる「肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)」は女性客に集中的に発生していることが、日本医科大千葉北総病院などによる成田空港利用客のデータ分析で分かった。
同病院は「女性患者にはトイレに行きたくないから水分を取らなかったという人が多い。水を飲まないのはよくない」と注意を呼びかけている。千葉市で開かれた日本航空医療学会で1日発表した。

肺血栓塞栓症について

分析は、94年1月〜07年7月、重症の循環器病のため成田国際空港クリニックから同病院の集中治療室に転送された旅客72人(男性38人、女性34人、平均年齢59.7歳)を対象に実施した。

最も多かったのはエコノミークラス症候群で31人。急性心筋梗塞23人、原因不明の胸痛5人、うっ血性心不全と不整脈各3人が続く。うち2人は病院で死亡した。
エコノミークラス症候群の31人のうち29人は女性。31人中27人は帰りの飛行機着陸後に発症した。

一方、急性心筋梗塞は23人中20人が男性だった。発症時期は、行きの飛行機に乗る前が7人、行きの機内4人、渡航先滞在中7人で、往路や滞在中が多い。

同病院の畑典武・集中治療部長は「エコノミークラス症候群を起こした女性患者の中には、10時間以上一度もトイレに行かなかった人もいる。じっとしていれば血流が悪くなるし、脱水状態は血栓ができやすい」と指摘。男性の心筋梗塞については「仕事のプレッシャーが関係しているのかもしれない」と話す。(毎日新聞)

エコノミークラス症候群について
長時間、足を動かさないで座っていると、脚の静脈にできた血のかたまり(血栓)が、血流にのって肺に達し、肺の血管に詰まる病気です。呼吸困難、胸痛、動悸、死亡するケースもあります。

飛行機の着陸後、血栓ができた状態で席を立ち、歩き出すと、足の静脈の血液が勢いよく流れ、血栓が血流にのり、肺の血管を詰まらせるのです。飛行機以外にも電車や車、映画館など、一定の姿勢のまま長時間動かないと発症の危険があります。

発症を防ぐには、ベルトを緩める、水分の補給、かかとやつま先を上げ下げする運動などが効果的です。

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がん遺伝子を使わず、より安全なiPS細胞を作成:山中伸弥教授ら

人の皮膚から、さまざまな細胞に成長できる万能性をもつ「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を世界で初めてつくった京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授(幹細胞生物学)らの研究グループが、作製法を改良し、より安全なiPS細胞を得ることに成功したと発表した。1日発行の英国科学誌「ネイチャーバイオテクノロジー」(電子版)に掲載される。

山中伸弥教授らのiPS細胞研究について

これまでは、がん遺伝子を含む4遺伝子を皮膚細胞に導入していた。山中教授らによると、今回は、36歳の女性の皮膚細胞に胚性幹細胞(ES細胞)で重要な働きを持ち万能性に関係ある3個の遺伝子だけを組み込み培養。ES細胞と同じ働きをするiPS細胞をつくることに成功した。

4遺伝子を使った方法では安全性の問題が指摘されていたが、今回の研究では、がんを引き起こす働きがある遺伝子「Myc」を使わなくてもiPS細胞が誕生。iPS細胞を使って生まれたマウスでは、生後100日目までに腫瘍は確認されなかった。

しかし、遺伝子を組み込む際に使うウイルスが、がんを起こす可能性があり、将来、このiPS細胞を使って臓器などをつくった場合、がんが発生する可能性が完全に否定されたわけではないという。

山中教授は「臨床応用に向けて一歩前進だが、安全性を向上させ、臓器などをつくるための分化誘導技術を確立するためにはさらに研究を続けなければならない」としている。(産経新聞)

iPS細胞について
iPS細胞はES細胞に類似した形態、増殖能、および遺伝子発現を示します。
またマウス皮下に移植すると様々な分化細胞や組織から形成される奇形腫が形成されること、および、マウス初期胚に移植するとその後の胎児発生に寄与することから、iPS細胞は万能性を有していることがわかっています。

脊髄損傷や心不全などの患者体細胞から、iPS 細胞を誘導し、さらに神経細胞や心筋細胞を分化させることにより、倫理的問題や拒絶反応のない細胞移植療法の実現が期待されています。

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