ATL(成人T細胞白血病)に新しい抗がん剤:佐賀大研究グループ

主に母乳を通じたHTLV-1ウイルスの感染から数十年の潜伏期間を経て発症する血液のがん「ATL(成人T細胞白血病)」。ALTのがん細胞は遺伝子の修復する酵素の働きが強いため、抗がん剤による治療が難しく、再発しやすいという特性があります。

そんななか、佐賀大学医学部付属病院の末岡榮三朗教授らの研究グループと日本化薬は、同社が開発中の抗がん剤が、ATLのがん細胞の修復機能を抑制する作用のあることをマウス実験で確認したと発表しました。実験の結果はアメリカの血液学専門誌「Blood」電子版に掲載されています。

末岡教授らの研究班は、開発中の抗がん剤「NK314」と、従来の抗がん剤の有効性を試験管を用いた実験で比較。新しい抗がん剤は、がん細胞が遺伝子を自ら修復させる酵素の働きを抑制し、従来の抗がん剤と比較して、最大で5倍程度の効果がることを確認しました。

この結果を基に、がん細胞を移植したマウスで実験を実施したところ、新しい抗がん剤を打ったマウスは、投薬しなかったマウスに比べ、腫瘍の広がりが8割程度抑えられるなどの効果が表れました。末岡教授は「高齢などの理由から骨髄移植など有力とされる治療を受けることが難しい人も多い。新たな治療法を待ち望む患者のためにも、早期に臨床に結びつけたい」としています。

HIV抗体検査の受診者にB型肝炎の検査キットを使用

昨年の秋、名古屋市の保健所がエイズウイルス(HIV)抗体検査を受けた男性に対して、過って「陽性」と通知をしたニュースがありましたが、今度は大分市の保健所が、HIV抗体検査の受診希望者10人に対して、過ってB型肝炎ウイルスの検査キットを使用して、その場で受診者に結果を伝えていたと発表しました。

B型肝炎の検査キットによる結果は9人が陰性で、1人が「要確認」とのことですが、要確認(精密検査の結果待ち)と言い渡された受診者は当然、自分は間違いなくエイズウイルスの検査を受けたと思い込んでいるはずです。

精密検査の結果が出る27日に再来所するように伝えましたが、受診者全員が匿名で検査を受けているため、連絡は全く取れていません。なお、肝心のエイズウイルスの方は、同保健所が検体をHIV抗体キットで調べたところ全員が陰性でした。

ちなみにHIVの検査は全国の保健所で無料で受けることができます。感染の機会があったと思われる日から「3ヶ月以後」に検査を受けます。検査前カウンセリングとして、検査内容とその結果が意味するところの説明があります。検査は匿名で受けることができ、その結果についても秘密は厳守されます。

1月のトピックスのまとめ

ピロリ菌でがん発症、マウス実験で確認:北大研究グループ
胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌が作り出す「CagA」と呼ばれるたんぱく質によって、がんが発症することを証明。

内視鏡切除による大腸がん診断、病院間で大きな差
大腸のポリープなどを内視鏡で切除する治療で、切り取った組織ががんと診断される割合は、病院によって1〜42%と大差のある。

胆道がんのリスク、胆石の病歴で2.5倍に:初の大規模調査
胆石を患ったことがある人は、そうでない人に比べて胆道がんになる危険性が2〜3倍に高まることが、厚生労働省の研究班の大規模調査で分かった。

心配性で心筋梗塞リスクが増大:ストレスが原因か
攻撃的な性格の人は心臓発作の危険が高いことが知られているが、研究チームは「心配性の人はストレスを頻繁に経験するので、やはり危険性が高まるのかもしれない」と説明している。

米ぬか含有のフェルラ酸が糖尿病腎症の発症を抑制
ラットを使った実験で、腎症発症を示す尿たんぱく排出量が少なくなり病気の進行が遅いことが確認された。

理研ジェフリー・モデル原発性免疫不全症診断・研究センターが設立
生まれつき免疫機能が働かない難病「原発性免疫不全症」の研究拠点が15日、理化学研究所横浜研究所(横浜市)に設置された。

死んだラットの心臓を細胞注入で再生:米ミネソタ大チーム
死んだラットの心臓を薬剤処理して型枠とし、内部に誕生直後のラットの子の心臓から採取した細胞を注入して実験器具内で培養したところ、拍動して機能した。

10代を中心にはしかが流行の兆し:ワクチン接種を呼び掛け
昨年春に大規模な流行があったはしかの患者が、今年も神奈川県などで10代を中心に多数発生していることが、国立感染症研究所の集計で分かった。

最新の放射線治療装置「MHI-TM2000」:三菱重工業
患部を正確に把握し、放射線を照射してがんを治療する高精度画像誘導放射線治療装置(線形加速器システム MHI−TM2000)を開発。

エボラウイルスを遺伝子操作で無害化:ワクチン開発に期待
エボラウイルスを遺伝子操作し、特殊な細胞の中でしか増えない安全なウイルスに改造。

筋ジストロフィーをES細胞で治療:米チームがマウス実験
筋ジストロフィーの症状を示すマウスに、遺伝子操作した胚性幹細胞(ES細胞)を注射して、筋肉の機能を一部回復させることに成功。

順天堂大病院が遺伝相談外来を開設へ
主な内容は▽カウンセリング▽腫瘍性疾患などの染色体異常の診断▽出生前の診療、診断▽特定の疾患の遺伝子診断――など。ただし訴訟目的の場合や親子鑑定はしない。

母親のストレスで子供の喘息リスクが増大:カナダ研究グループ
約1400人の子供について、ぜんそくが持病になるかどうかの重要な年齢とされる7歳時点でぜんそくになっていたかどうかや過去の診療記録を調査。

公共の場での喫煙禁止で心臓病が大幅減
たばこと心臓病の関連は医学的に知られているが、受動喫煙の法規制で速やかに予防効果が出ることが実証された形。

性差医療の具体策づくりへ:医療現場の要望を聴取
病気の種類によって、発症しやすさに男女差があるという事実は以前から知られており、予防や治療の面で性別によって異なる対応をとることが有効だというのが、性差医療の考え方。

トキソプラズマの増殖ホルモンを特定
このホルモンをつくるのを妨げる薬剤をマウスに投与すると、増殖が抑えられることを確認。「人に応用できれば新たな治療薬開発につながる」としている。

熟睡できないと2型糖尿病のリスク増大:シカゴ大研究チーム
研究チームは「睡眠時間を長くするとともに、眠りの質をよくすることで、2型糖尿病の予防につながる可能性がある」としている。

良性腫瘍を乳がんと誤診、切除:社会保険田川病院
福岡県の社会保険田川病院で昨夏、良性の腫瘍を乳がんと誤診し、30代の女性患者の左乳房を切除していたことがわかった。

10代を中心にはしかが流行の兆し:ワクチン接種を呼び掛け

昨年春に大規模な流行があったはしかの患者が、今年も神奈川県などで10代を中心に多数発生していることが、国立感染症研究所の集計で分かった。

今年も奴(はしか)がやってくる…

「このまま患者が減らなければ、昨年を上回る規模の流行が春以降に全国レベルで発生する恐れがある」と警戒。感染の恐れがある人に対し、ワクチン接種を呼び掛けている。

今年から始まった患者全数報告に基づく初のデータで、信頼性は高い。集計によると、1月13日までの2週間に全国の医療機関から報告された患者数は計145人。神奈川県の44人をトップに、北海道22人、福岡県16人、東京都13人などと続く。年齢別では、10代が44%と最も多かった。(共同)

はしかの症状
ウイルス感染後10〜12日の潜伏期を経て、鼻汁、くしゃみ、結膜の充血、目やになどの症状と38度前後の熱が出ます。次いで、頬の裏の粘膜に粟粒大の白色の小水疱(コプリック斑)がみられます。
3〜4日目にいったん熱が下がりますが、再び高熱になり、同時に発疹が出ます。

発疹は赤い小さなもので、耳の後ろから顔、体、手足へと広がります。発疹はお互いにくっつきますが、間に発疹のない皮膚面が残ります。
発疹が全身に広がる頃に熱が下がり始め、回復してきます。数日で発疹は褐色のしみのような状態になり、時間の経過とともに消えます。
発病から10日〜2週間程度で一般状態は改善しますが、肺炎や中耳炎を合併することもあり、入院率は約40%といわれています。

最新の放射線治療装置「MHI-TM2000」:三菱重工業

三菱重工業は、患部を正確に把握し、放射線を照射してがんを治療する高精度画像誘導放射線治療装置(線形加速器システム MHI−TM2000)を開発し、日米欧で販売すると発表した。

この装置は京都大、先端医療センターと共同で開発。エックス線で患部周辺を透視し、がんの位置情報をコンピューターが処理。首振り機能が付いた照射口から患部に向けてエックス線を照射する。

三菱重工は「精度が高いので放射線治療による副作用の発生確率を下げられるほか、治療時間も短縮できる」としている。装置の製造は広島製作所(広島市)で行い、三菱重工は医療機器事業を3年後をめどに100億円規模にすることを目指す。(YOMIURI ONLINE)

放射線治療
がんをきらずに治す治療法として注目されているのが、放射線による治療です。この療法を選択する患者さんは年々増加しており、抗がん剤による化学療法などとの併用を併せると、最近ではがんの患者さんの全体の25%は放射線治療を受けているとされています。

放射線にはがん細胞の遺伝子を損傷する働きがあります。そのため、がん細胞に放射線が当たると、がん細胞は増殖できなくなり、がんが小さくなったり、死滅したりします。

放射線は、正常な細胞にもダメージを与えます。しかし、正常な細胞はがん細胞より放射線に対する感受性が弱いため、損傷の程度は軽く、そのほとんどはやがて開腹します。こうしたがん細胞と正常細胞の放射線に対する感受性の差を利用して、がんを治療します。

エボラウイルスを遺伝子操作で無害化:ワクチン開発に期待

致死率が90%にも達するエボラ出血熱の原因のエボラウイルスを遺伝子操作し、特殊な細胞の中でしか増えない安全なウイルスに改造することに、河岡義裕・東大医科学研究所教授らの研究チームが世界で初めて成功した。

エボラウイルス

この改造ウイルスを使えば、通常の実験室でも研究が可能となり、今までなかったワクチンの開発などが大きく進む可能性がある。近く米科学アカデミー紀要電子版に発表する。

研究チームは、エボラウイルスの増殖にかかわるたんぱく質「VP30」に着目。カナダにある特別な実験室で、このたんぱく質を作る遺伝子を取り除いた改造ウイルスを作製した。次に、この改造ウイルスを通常の細胞に感染させたが、1週間たってもまったく増えず、反対に、VP30を作り出す特殊な細胞の中では増殖した。

河岡教授は「増殖にかかわるたんぱく質が作れないこと以外は、実際のエボラウイルスと同じ性質を持っている。改造ウイルスを使えば、安全に治療や予防の研究が行えるだろう」と話している。(YOMIURI ONLINE)

エボラ出血熱
2〜21日の潜伏期のあと、突然の高熱、結膜炎、咽頭痛、筋肉痛、頭痛、下痢など、重症のインフルエンザのような症状がみられ、次いで胸痛や腹痛、吐血、下血などの出血症状が起こります。

自然界からの感染経路は不明ですが、人から人へは血液、体液、排泄物との直接接触、飛まつなどによって感染します。特別な治療法はなく、輸液、呼吸や心臓の働きの管理など、対症療法が基本となります。

米ぬか含有のフェルラ酸が糖尿病腎症の発症を抑制

和歌山県立医大同県工業技術センターなどの共同研究グループは、米ぬかに含まれるフェルラ酸が、糖尿病腎症の発症を抑える効果があることが分かったと発表した。
ラットを使った実験で、腎症発症を示す尿たんぱく排出量が少なくなり病気の進行が遅いことが確認された。オランダの糖尿病専門誌に発表した。

フェルラ酸はポリフェノールの一種。強力な抗酸化作用がありサプリメントなどの原料に使われている。糖尿病腎症は糖尿病の3大合併症の一つで、高血糖が長く続くことで発症する。
代謝異常のために活性酸素が過剰となることが原因として注目されており、研究グループは酸化防止機能を持つフェルラ酸の効果を調べた。

実験では、糖尿病だが腎症発症前のラットにフェルラ酸を含む飼料を与え、12週間後に観察。通常の飼料を食べたラットと比べ、尿たんぱく排出量が半分以下となった。谷口久次・同センター化学技術部長は「医薬品や特定保健食用品としての実用化を目指し、将来的には腎症患者を減らしたい」と語った。(asahi.com)

糖尿病腎症とは?
糖尿病腎症は糖尿病の3大合併症のひとつです。糖尿病のコントロールが悪く、高血糖状態が長い間続いていると、腎臓の糸球体の毛細血管に障害が起きてきます。
そのため腎機能が低下して、尿の中にたんぱくが出てきたり、高血圧やむくみなど腎炎と似た症状が起こります。進行すると、腎不全から尿毒症となり透析が必要になります。

糖尿病腎症の原因
腎臓の中にある糸球体は、血液中の老廃物を尿中に排泄するろ過器の働きをしています。糖尿病で高血糖状態が続くと、糸球体を構成している細かい血管が動脈硬化を起こして固くなり、糸球体の組織の目が粗くなって、ろ過機能が低下します。

するとたんぱく質が糸球体の網の目を通り抜けてたんぱく尿が出たり、尿をつくる働きが低下して老廃物が排泄されなくなり体内にたまる糖尿病腎症になります。

筋ジストロフィーをES細胞で治療:米チームがマウス実験

筋肉の力が徐々に失われる遺伝性疾患の筋ジストロフィーの症状を示すマウスに、遺伝子操作した胚性幹細胞(ES細胞)を注射して、筋肉の機能を一部回復させることに成功したと、米テキサス大の研究チームが、米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。

筋ジストロフィーのマウスを、あらゆる細胞に分化する能力を持つES細胞の移植で治療したのは初めて。遺伝子を操作するため、すぐには人への応用はできないという。

筋ジストロフィーのうち患者の多いデュシェンヌ型は、筋細胞の形を保つタンパク質「ジストロフィン」が遺伝子変異のため作られず、筋力の低下や筋委縮が起きる。
研究チームは、マウスのES細胞を培養し、筋細胞への分化を促進する遺伝子「Pax3」を人工的に導入。筋細胞になるよう分化し始めたものだけを取り出した。

これを病気のマウスの大動脈に注射したところ、1カ月後には筋細胞になって筋肉に定着し、ジストロフィンも作られていた。通常のマウスほど強くないが、ある程度筋力が回復したという。(shikoku.news)

筋ジストロフィーとは?
筋肉の線維に編成や壊死が起こり、徐々に筋力が低下していく病気です。
筋ジストロフィーの種類については、デュシェンヌ型、ベッカー型、肢帯型などさまざまですが、患者数が最も多く、症状が重いのはデュシェンヌ型です。

筋肉の障害のために、転倒しやすい、階段の昇降が困難といった症状から始まります。次第に筋肉組織が脂肪組織に置き換えられるため、ふくらはぎが肥大してきます。

デュシェンヌ型は重症化しやすく、進行すると歩行不能になり、末期には呼吸困難に陥って、人工呼吸器が必要になることもあります。幼児期に発症し、20代で亡くなる場合が多いです。
一方、ベッカー型は、腕や太ももの筋肉が障害されることが多く、デュシェンヌ型より軽症で、進行も遅いのが特徴で、60歳代になっても自力で歩ける人もいます。

順天堂大病院が遺伝相談外来を開設へ

順天堂大病院は2月から「遺伝相談外来」を開設する。先天性の疾患の医学的情報を提供する専門診療科として、毎月第2、第4月曜の午後に開かれる。

遺伝相談外来について

主な内容は▽カウンセリング▽腫瘍性疾患などの染色体異常の診断▽出生前の診療、診断▽特定の疾患の遺伝子診断――など。ただし訴訟目的の場合や親子鑑定はしない。

同外来運営委員長の服部信孝教授(神経学)は「いまだ遺伝病の偏見が少なくない。専門の異なる複数の医師が時間をかけて正確な知識を身につける手助けとともに精神的ケアにも対応したい」としている。

受診は予約制。相談内容を記載した申込書を提出する。2人の専門医が同席。保険は利かず、初診(90分)1万5000円、再診(60〜90分)1万円。(YOMIURI ONLINE)

出生前診断
生まれる前に胎児の状態を診断することで、通常は、胎児が先天性の異常や重い遺伝病をもって生まれる可能性がある場合に限って行われます。出生前診断には、超音波による画像検査や、子宮内に針を刺して羊水を採取する羊水検査、胎盤の絨毛の採取する絨毛検査などがあります。

超音波検査では、手指の欠損など外形の異常や、内臓の奇形などがある程度わかります。この検査による母体や胎児への影響はありません。

羊水採取や絨毛採取の検査は、染色体の異常を直接検出するわけではなく、たんぱくやその他の血中成分のレベルを調べることのよって、間接的に胎児の細胞やたんぱく、染色体、遺伝子などを検査して診断するものです。

母親のストレスで子供の喘息リスクが増大:カナダ研究グループ

子供の幼少期に母親のストレスがたまっているとその子供がぜんそくになる可能性が高まる−。カナダのマニトバ大学のコジルスキー准教授らの研究チームは「米呼吸器・救命医療ジャーナル」誌の最新号でこんな研究結果を発表した。

同チームは1995年にマニトバ州で生まれた約1400人の子供について、ぜんそくが持病になるかどうかの重要な年齢とされる7歳時点でぜんそくになっていたかどうかや過去の診療記録を調査。同時に、母親がストレスや抑うつ症で医師の診療や投薬を受けたことがあるかも調べた。

その結果、母親の抑うつ状態が長期間続いた場合、それがなかった母親に比べ、子供が7歳時にぜんそくになっている確率が1.6倍にも上昇したという。(jiji.com)

小児喘息
軽度の場合は、激しい咳やヒューヒューという喘鳴や、呼吸が速くなるなどの症状がみられます。中度まで進むと、横になって寝るよりも座っているほうが楽になり、呼吸もさらに短くなります。

重度になると、座ったりまっすぐ立ったりするのも苦しくなり、チアノーゼがみられます。喘息の呼吸には特徴があり、すうのは楽でもはくことが困難になります。そのため、呼気が長くなる傾向があります。5歳以上の小児の場合は、ピークフローメーターという器具で肺の機能を確かめられるので、喘息かどうかをかなり詳しく調べることができます。

喘息の治療は体質そのものに対する根本的な治療と、発作時に尾対症療法があります。発作に対しては気管支を広げる吸入薬や内服薬を用い、発作が重い場合は副腎皮質ステロイド薬の短期大量服用も必要になります。また、水分補給と酸素吸入を行って発作を軽減させます。

関連記事:樹状細胞でぜんそくを治療:理化学研究所

理研ジェフリー・モデル原発性免疫不全症診断・研究センターが設立

生まれつき免疫機能が働かない難病「原発性免疫不全症」の研究拠点が15日、理化学研究所横浜研究所(横浜市)に設置された。

原発性免疫不全症

この病気の解明を目指す米国のNPO「ジェフリー・モデル基金」が支援、「理研ジェフリー・モデル原発性免疫不全症診断・研究センター」と名付けられた。(YOMIURI ONLINE)

原発性免疫不全症
遺伝などにより、生まれつき免疫機能に欠陥があることから起こります。例えばT細胞に異常があればウイルス感染、真菌感染症などが起き、B細胞に異常があれば細菌性感染症によくかかります。

症状は、免疫のどの系統に欠陥があるかで、違ってきますが、共通しているのは、さまざまな感染症や血液疾患、自己免疫疾患、悪性腫瘍などの合併を起こしやすいことです。
先天性のものだけに子供のころか感染を繰り返しますが、放置すると成人の前に亡くなる確率が高くなります。

治療は病気のタイプによって異なりますが、欠落している免疫の因子(抗体や酵素など)や細胞の補給などが中心です。抗体の補給はガンマグロブリンなどを補給し、細胞の補給は骨髄移植や胸腺移植などを行います。合併症はそのための治療を行います。

死んだラットの心臓を細胞注入で再生:米ミネソタ大チーム

死んだラットの心臓を薬剤処理して型枠とし、内部に誕生直後のラットの子の心臓から採取した細胞を注入して実験器具内で培養したところ、拍動して機能したと、米ミネソタ大の研究チームが14日、米医学誌ネイチャー・メディシンの電子版に発表した。

当面はこの実験成果をラットの体内で実現することが課題となるが、将来、心臓移植手術が必要な患者を対象として、死亡者の心臓に患者自身の幹細胞を注入して再生し、移植できれば、ドナー(提供者)不足問題をある程度解決できる可能性がある。この技術を腎臓や肝臓、肺に応用する研究も進めているという。

日本の国立循環器病センターと産業技術総合研究所は2004年7月、拡張型心筋症の患者の骨髄から多様な細胞への分化能力がある「間葉系幹細胞」を採取・培養して同じ患者の心臓に移植し、心筋と血管を同時に再生させることに成功したと発表している。(jiji.com)

拡張型心筋症について
心筋細胞の変性によって収縮力が低下して心室が拡張する病気です。体を動かすと息切れする、下肢がむくむなどの心不全症状が現れ、徐々に悪化していきます。

治療にあたっては、血管拡張作用とともに、心筋の動きを改善するACE阻害薬やβ-遮断薬が使われます。また、血液のうっ滞が起こりやすいので血栓ができるのを防ぐための凝固剤も使われます。

公共の場での喫煙禁止で心臓病が大幅減

職場や公共の場での喫煙を禁止したら、心臓病が大幅に減少−。受動喫煙防止の動きが広がる中、こんな結果を示す海外の研究が相次いで報告されている。日本禁煙学会理事の藤原久義兵庫県立尼崎病院長らが取りまとめ、学会誌に発表した。

たばこと心臓病の関連は医学的に知られているが、受動喫煙の法規制で速やかに予防効果が出ることが実証された形。藤原院長は「日本でも調査や検討をすべき時期だ」としている。

最初の報告は、2004年に英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに発表された米モンタナ州ヘレナの事例。公共の場と職場を禁煙にする条例が02年6月に施行、同12月に停止されたが、この間の心筋梗塞の入院は24件で、前後の同期間の平均40件より4割少なかった。

06年には、米コロラド州プエブロで禁煙法施行の前後1年半の心筋梗塞発症率を比較した結果が、米医学誌サーキュレーションに発表された。プエブロでは発症が27%減少したが、施行されなかった別の地区では変化がなかった。(FujiSankei businessi)

受動喫煙について
タバコを吸わない人が、自分の意志とは関係なくタバコの煙を吸わされることを「受動喫煙」といいます。タバコの煙は、本人が吸っている煙(主流煙)と火のついた部分から立ち上がる(副流煙)があります。有害物質は主流煙より副流煙の方が高い濃度で含まれています。

近年の研究では、主流煙を1とすると副流煙にはタールが3.4倍、ニコチンが2.8倍、一酸化炭素が4.7倍、二酸化炭素1.3倍、アンモニアが46.0倍の量がそれぞれ含まれていることがわかってきました。副流煙は、これらの数値が示すとおり主流煙よりはるかに有害です。

タバコを吸っていないからといって安心ではありません。受動喫煙によって、タバコを吸わない人も健康被害を受けています。

性差医療の具体策づくりへ:医療現場の要望を聴取

患者数が男女で大きく差がある病気に着目して、男女で異なる医療上の対応をとる「性差医療」について、政府が本格的に取り組むことになった。4月から研究施設や医療現場の要望を聴取して性差医療の具体策をまとめる。

性差医療について

自律神経失調症や頭痛、めまいなどを伴う更年期障害などについては、妊娠や出産にかかる過程で起こりやすい女性特有の疾患として、従来も対策が取られてきた。

しかしこれ以外にも、内閣府男女共同参画局が厚労省のデータを基に昨年12月にまとめた、疾患ごとの男女別通院数(1000人あたり)によると、認知症では女性が3.4人で、男性(1.7人)の倍となった。また、白内障は男性17.2人に対して女性33.0人、肩こりは男性16.0人に対し女性39.7人と、女性に多い症状であることが分かった。

病気の種類によって、発症しやすさに男女差があるという事実は以前から知られており、予防や治療の面で性別によって異なる対応をとることが有効だというのが、性差医療の考え方。民間レベルでは平成15年に学会が発足したほか、「女性専門外来」を設ける医療機関も増えている。

こうした状況を踏まえ、男女共同参画局は性差医療に取り組む必要性を厚労省に指摘した。懇談会は基本的な議論を進めた上で、4月からは実際に患者や医療関係者などの意見を聞き、医療現場が必要としている性差医療の具体像をまとめる。(産経ニュース)

性差医療
男女の性差を考慮せず、画一的に施行されてきた従来の医療とは異なり、性差を重視して適切な診断と治療を進めていこうという1990年代にアメリカで生まれた考え方です。
日本で初めての「性差医療部」は、東京女子医科大学東医療センターに設立されています。

胆道がんのリスク、胆石の病歴で2.5倍に:初の大規模調査

胆石を患ったことがある人は、そうでない人に比べて胆道がんになる危険性が2〜3倍に高まることが、厚生労働省の研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査で分かった。

また、胆道がんの一種の肝外胆管がんは、体格指数(BMI)が27以上の人は、23未満の人に比べて1・8倍も発症の恐れが高いなど、太っているほど危険性が高まることも分かった。BMIは体重(キロ・グラム)を身長(メートル)で2回割り算して算出する。

調査は、当初40〜69歳だった秋田、茨城県などの男女10万人を10年以上にわたり追跡調査。この間に235人が胆道がんと診断され、内訳は胆のうがんが93人、肝外胆管がんが142人だった。

こうした患者と、胆石の病歴、肥満などとの関連を調べたところ、胆石の病歴を持つ人は、2・5倍ほど胆道がんになる確率が高く、特に女性では3・2倍高まることが判明。胆のうがんは3・1倍、肝外胆管がんは2・1倍、それぞれ危険性が高まっていた。(YOMIURI ONLINE)

胆道がん
胆汁の通路、すなわち肝臓を出た胆管が、胆嚢を通って十二指腸に至るまでの間に生じるがんです。胆道がんは、がんができる場所によって「胆嚢がん」と「胆管がん」、それに「乳頭部がん」の3種類に泡けることができます。

近年発症数が増加している胆道がんは、消化器系のがんの中で最も治療が困難とされています。その理由は、初期には症状が現れにくく、早期発見が難しいこと、また胆道には大きな血管や重要な臓器が隣接しており、これらにがんが広がると治療が困難なためとみられています。

ある程度の長期生存が期待できるのは、がん病巣が非常に小さい上体で発見されて、それが完全に切除された場合のみです。発症しやすい人は、1.60歳以上の女性 2.胆石のある人 3.胆管と膵管の合流部分に先天的な異常がある人、とされています。

関連記事:がん細胞を狙い撃ちにして胆管がんの進行を抑制

心配性で心筋梗塞リスクが増大:ストレスが原因か

心配性の男性ほど心筋梗塞になりやすいという分析結果を、米南カリフォルニア大などの研究チームが米心臓病学会の専門誌(JACC)に発表した。

研究は、心臓発作歴がない平均60歳の男性735人を対象に1986年からスタート。心理テストで、「内向的」「不安感」「怖がり」など、心配性の度合いを点数化。3年ごとに健康状態を追跡調査した。

その結果、2004年までに75人が心筋梗塞を発症。心配性の点数が上位15%の人たちは、点数が最も低い人たちに比べ、心臓発作に襲われる危険性が30〜40%も高かった。

攻撃的な性格の人は心臓発作の危険が高いことが知られているが、研究チームは「心配性の人はストレスを頻繁に経験するので、やはり危険性が高まるのかもしれない」と説明している。(YOMIURI ONLINE)

心筋梗塞について
狭心症がさらに進行して、心筋に酸素を補給している冠状動脈がつまり、心筋が壊死した状態が心筋梗塞です。40歳代から発症率が高くなり、50〜60歳代がピークです。

大部分は、動脈硬化によって内側が狭くなっている冠動脈に血液の塊(血栓)が詰まって起こりますが、冠状動脈の一部に球に痙攣が生じて起こる場合もあります。

症状は突然の激しい胸痛で始まります。締め付けられるような激しい痛みや圧迫感のために冷え汗を流し、安静にすることができません。ときには意識を失うこともあります。

トキソプラズマの増殖ホルモンを特定

寄生虫の「トキソプラズマ」が哺乳類の体内で感染を広げる際に、自分でつくり出すホルモンが重要な役割を果たしていることを大阪大の永宗喜三郎助教授らが突き止め、10日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

トキソプラズマ

このホルモンをつくるのを妨げる薬剤をマウスに投与すると、増殖が抑えられることを確認。永宗助教は「人に応用できれば新たな治療薬開発につながる」としている。

トキソプラズマは猫を主な宿主とし、人に感染しても多くの場合、ほとんど症状は出ない。ただ妊婦では胎児に異常が出たり、抵抗力の弱い人は死ぬこともある。

永宗助教は米ワシントン大チームと、トキソプラズマがつくるホルモン「ABA」の働きを分析。宿主細胞内で寄生虫が増えてホルモン濃度が高まると、細胞外に放出されてほかの細胞に感染を広げることを突き止めた。(shikoku.news)

トキソプラズマ症
トキソプラズマは猫に寄生する原虫で、猫の便中に排泄される嚢子がおもな感染源となります。健康な成人の場合は大部分が感染しても無症状のまま経過して抗体ができます。

しかし、大量に感染するとリンパ節炎や目の病気が起こります。また免疫力が著しく低下していると、髄膜脳炎などを起こすこともあります。妊娠中に感染すると流産を招いたり、胎児が黄疸や貧血、リンパ節炎、小頭症、精神運動障害などを持って生まれてくる確率が高くなります。

ピロリ菌でがん発症、マウス実験で確認:北大研究グループ

胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌が作り出す「CagA」と呼ばれるたんぱく質によって、がんが発症することを北海道大の畠山昌則教授(分子腫瘍学)の研究チームがマウスを使った実験で証明した。ピロリ菌が直接、生物の体内でがんを引き起こすことを確かめたのは初めてだという。全米科学アカデミー紀要(電子版)に8日発表した。

ピロリ菌

研究チームは、全身の細胞でCagAを作るよう、受精卵の段階で遺伝子操作したマウスを222匹作った。うち2匹は約1年半後には胃がんを、4匹は小腸がんを発症した。
さらに、17匹が白血病などの血液がんを発症し、CagAが胃がん以外にも関係する可能性も浮かんだ。一方、通常のマウス100匹も観察を続けたが、がんは発症しなかった。

実験では、マウスの体内で「SHP-2」という酵素に関係した酵素が異常に活性化していることも判明。一方、CagAとSHP-2が結合できないようにしたマウスでは、がんは発症しなかった。

畠山教授は「ピロリ菌に感染した人すべてが胃がんになるわけではないが、除菌の有効性を示唆する結果だ。SHP-2を標的にした治療法の確立も求められる」と話した。(毎日新聞)

胃がんの検診
通常、早期の胃がんは無症状です。しかしまれに、心窩部痛、胃部不快感、出血(吐血・下血)でみつかることがあります。胃がんの診断に最も有効なのは、内視鏡検査です。胃の中を直接観察する内視鏡検査では、微小ながんを発見できます。
疑わしい場合は胃の組織の一部を採取し、顕微鏡検査でがん細胞が内科を調べます(病理検査)。

バリウムを飲んで行う胃透視(レントゲン)検査では、胃の粘膜に異常がないか、胃の形に異常がないかをみます。日本ではこの診断技術が非常に発達しています。

胃がんの原発巣の診断では、内視鏡とバリウム検査が行われますが、微小な病変の検出では内視鏡が優れています。これは色調の変化をとらえることができるためです。
しかし、胃がんの治療をする場合には、通常、両者の検査が行われます。バリウム検査では以前体が写真に写るので、正確な部位を把握するのに役立ちます。

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内視鏡切除による大腸がん診断、病院間で大きな差

大腸のポリープなどを内視鏡で切除する治療で、切り取った組織ががんと診断される割合は、病院によって1〜42%と大差のあることが、読売新聞が全国の医療機関に行った調査で分かった。

顕微鏡で検査を行う病理医によって判断が異なることなどが背景とみられ、医療機関により「がん」「良性」と診断が分かれ、誤診につながる恐れがある実態が浮かび上がった。

調査は、日本消化器病学会日本消化器外科学会の研修認定施設など1001施設を対象に、2006年に実施した大腸がん治療について、手術件数や内視鏡切除件数などを尋ね、467施設から回答を得た。内視鏡切除は、先端に小型カメラのついた管を肛門から入れ、病変部をつまみ取る治療だ。

このうち、内視鏡切除件数の多い上位100病院では、がんと診断した割合は、10%台が最も多い54病院、1〜9%が37病院、20%台が4病院、残る5病院が30%以上と大きくばらついた。平均は12%だった。

内視鏡治療に詳しい工藤進英・昭和大横浜市北部病院副院長(消化器外科)は差が広がった理由について、工藤副院長は「良性との境界を幅広く『がん』ととらえる病理医がいる病院では、がんと診断する割合が高く、そうでない病院は低い」とみている。(YOMIURI ONLINE)

大腸がん
その形態によって腺がんと表在性のがんに分けられます。大腸がんの90〜95%を占めるのは、粘膜層の腸腺に発生する腺がんです。これは、大腸の内側にできるポリープ(良性腫瘍)の一部ががん化し、腸壁の内部まで浸潤していくものです。

このタイプの大腸がんは比較的発見が容易です。またポリープががんに変化するまでには何年もかかるため、ポリープのうちに切除すれば、がんを予防することができます。

これに対し、もう一方の表在性のがんは、初めから粘膜表面にそってがん病巣が広がります。そして、腸壁の内部に広がったり腸の外側へ飛び出したりしないため、通常の造影剤を用いたエックス線撮影などでは発見しにくく、進展するまで気づかないこともあります。しかし近年、大腸がんの検査技術は急速に進歩しており、初期がんでも発見率が上昇しています。

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熟睡できないと2型糖尿病のリスク増大:シカゴ大研究チーム

熟睡できない日が続くと2型糖尿病になる危険性が増すことを、米シカゴ大の研究チームが突き止めた。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。小規模な実験ながら、眠りが浅いと血糖値を正常に保つ機能に悪影響があったという。

睡眠と糖尿病の関係について

感染症などをきっかけに小児期に発症することの多い1型糖尿病とは違い、糖尿病の大部分を占める2型は生活習慣が主な原因とされる。睡眠時間が短い高齢者や、睡眠時無呼吸症候群で眠りの浅い太った人に目立ち、眠りの質との関連が指摘されてきた。

研究チームは今回、20〜31歳の健康な男女9人を対象に、眠りの質と、血糖値を正常に保つインスリンの効きぐあい(耐糖能)の関係を調べた。被験者の脳波を測定しながら、実験室で8時間半ほど眠ってもらった。深い眠りを示す脳波が出始めたら、目覚めるほどの音量ではないものの、深い眠りを妨げる程度の騒音をベッドわきのスピーカーから出した。

3日にわたって実験した結果、被験者の耐糖能が実験前より25%ほど下がり、糖尿病に近い状態になっていた。研究チームは「睡眠時間を長くするとともに、眠りの質をよくすることで、2型糖尿病の予防につながる可能性がある」という。(asahi.com)

糖尿病について
糖尿病には、原因不明でインスリンが全く分泌されない1型糖尿病と、インスリン分泌不全やインスリン抵抗性が原因で起こる2型糖尿病があります。

近年話題となっている「メタボリックシンドローム」で見られる糖尿病はほとんどが2型で、その原因は遺伝、カロリーの多い生活、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣因子によるものです。

2型糖尿病は運動と食事、飲み薬で治療しますが、放置すれば血糖値を十分改善できなくなり、インスリン注射による治療が必要となります。

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