「大田原症候群」の原因遺伝子を発見:治療薬開発の可能性

発達の遅れを伴うてんかん「大田原症候群」の原因遺伝子を、松本直通横浜市立大教授や山形大などのチームが発見、米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。
チームの才津浩智横浜市大助教は「この遺伝子によってつくられるタンパク質が正しく働くようにする物質を見つけられれば、治療薬開発につながる可能性がある」と話している。

大田原症候群は主に新生児期に発症し、薬が効きにくい。患者は10万人に1人以下とみられる。

チームは患者1人の遺伝情報を解析し、染色体の一部が欠けていることを見つけた。そこに存在するはずの遺伝子のうち、脳で働く「STXBP1」に着目。13人の患者を調べたところ、4人で変異があった。健康な人には変異がなかったことから、原因遺伝子の1つと判断した。(shikoku.news)

てんかんについて
脳の神経細胞に異常な興奮が生じて、運動、間隔、意識状態などに一時的な発作症状が繰り返し起こる病気です。発作の状態は人によってさまざまですが、脳波を測定すると神経細胞の異常な興奮の変化がわかります。

脳の一部だけに異常な興奮が起こる場合を部分発作と呼びます。体の一部分が痙攣する運動発作、しびれや幻視・幻聴などの症状が現れる間隔発作、恐怖感や不安感を覚える精神発作、吐き気が起こったり、汗の量が多くなる自律神経発作などが起こります。

抗てんかん薬による治療が中心となります。発作の起こり方や場所によって、薬の使用法も異なります。長期にわたる治療が必要ですが、薬によって多くの人が発作を起こさなくなります。

コンタクトレンズが原因の角膜感染症:3割は不適切使用

コンタクトレンズが原因とみられる角膜感染症で入院した患者の少なくとも3割は、レンズの使用方法を守っていなかったことが、日本眼感染症学会などの調査で分かった。
視力補正用コンタクトレンズは薬事法の高度管理医療機器に指定されている。厚生労働省は販売業者に、適切な使用方法などの情報を購入者に提供することを求めているが、不十分な実態が浮かんだ。

角膜で細菌やカビなどが繁殖した状態を角膜感染症と呼ぶ。放置すると失明の恐れもある。コンタクトレンズは角膜に直接装着するため、適切に使用しないと、角膜が傷ついて感染しやすくなる。

調査は大学病院など全国の224施設を対象に今年3月までの1年間実施した。この間に、コンタクトレンズ装着が原因とみられる角膜感染症で入院治療を受けた重症患者161人について、医師に診断結果を聞くとともに、患者へのアンケートも依頼した。患者の平均年齢は28歳で、症状は目の痛みや充血、視力低下が多かった。

「使用方法を守っていなかった」と答えた患者は、回答者126人のうち38人と3割いた。不適正な使用のケース(複数回答)は、寝る前に外すタイプのレンズを「装着したままにしていた」との回答と、2週間ごとに交換する使い捨てレンズを「1カ月ほど使い続けた」との回答が、それぞれ回答者全体の2割だった。(毎日.jp)

角膜感染症について
細菌やカビなどが角膜に感染し、炎症を起こしている状態で、目の痛みや異物感、白目が赤くなる、涙が止まらない、まぶたの腫れなどが生じます。角膜の表面(上皮)は丈夫な構造をしており、涙によって守られていますので、通常、菌に触れただけで、角膜感染症になることは通常はありません。

しかし、何らかの原因で、異物が上皮を越えて角膜実質の中に入り込むと角膜感染症が生じます。ゴミ、砂、植物の枝葉などによる角膜外傷、コンタクトレンズ装用による角膜表面のキズ、ドライアイなどが危険因子となります。流行性角結膜炎、いわゆる“はやり目”の時に、油断すると細菌性の角膜炎を起こすことがあります。

偏頭痛治療薬の自己注射が保険適用へ:自宅で痛みを緩和

群発頭痛片頭痛の治療薬トリプタン製剤で、即効性のある自己注射の保険適用が認められた。激しい頭痛で注射の治療を受けるには、これまでは医療機関を受診しなければならなかった。自己注射によって、患者が在宅で速やかに痛みを緩和できるようになる。

保険適用になったのは、1回分の薬剤(一般名・スマトリプタンコハク酸塩)が入ったペン型注射器で、グラクソ・スミスクラインが発売した。太ももの外側などに押し当てて注射する。すでに世界30カ国以上で販売されている。(毎日.jp)

偏頭痛について
こめかみから目のあたりにかけて、脈打つような痛みが始まり、次第に日常生活が妨げられるほどの痛みに達します。嘔吐をともなうこともあり、頭痛は数時間におよびます。頭の片側だけでなく、両側に怒るケースも珍しくありません。

こうした頭痛発作がつき1〜2回から週1回程度の割合で、繰り返し起こります。頭痛発作が起こる前に、視界に閃光が現れたり、手足がしびれるなどの前兆症状がみられることもあります。

痛みは、頭の血管を取り巻いている神経が感知するものです。この血管が何らかの影響で緊張して一度収縮した後、緊張が緩んで血管が拡張し、血流が増えたときに痛みが生じます。
こうした血管の動きは、疲労やストレスなどによって誘発されます。

抗がん物質を作る植物の耐性を解明:副作用の軽減に応用も

大腸がんや肺がんなどに使われる抗がん剤イリノテカンの原料になる猛毒カンプトテシンをもつ植物が、自らは中毒を起こさない仕組みを千葉大学の斉藤和季教授らが突き止めた。
この仕組みを応用すれば、薬を大量生産したり、副作用を抑えたりする方法が開発できる可能性がある。研究成果は米科学アカデミー紀要(該当記事へ直リンク)に発表された。

イリノテカンは、中国原産の落葉樹である喜樹や南西諸島のクサミズキの葉からカンプトテシンを抽出、精製して製造している。薬の大量生産には酵母や大腸菌の遺伝子に原料の遺伝子を組み込んでつくらせる方法がある。しかし、カンプトテシンができるとその毒で、酵母や大腸菌が死んでしまう。

斉藤教授らは、カンプトテシンをつくるチャボイナモリという植物では、酵素の遺伝子に、特殊な変異があることを見つけた。喜樹の酵素にも同じ変異があった。同じ変異を酵母の酵素に人為的に起こすと、カンプトテシンがあっても酵母は増え続けた。そこで、この方法を応用すれば、イリノテカンを短期間に大量生産できる可能性があるという。(asahi.com)

大腸がん
その形態によって腺がんと表在性のがんに分けられます。大腸がんの90〜95%を占めるのは、粘膜層の腸腺に発生する腺がんです。これは、大腸の内側にできるポリープ(良性腫瘍)の一部ががん化し、腸壁の内部まで浸潤していくものです。

このタイプの大腸がんは比較的発見が容易です。またポリープががんに変化するまでには何年もかかるため、ポリープのうちに切除すれば、がんを予防することができます。

これに対し、もう一方の表在性のがんは、初めから粘膜表面にそってがん病巣が広がります。そして、腸壁の内部に広がったり腸の外側へ飛び出したりしないため、通常の造影剤を用いたエックス線撮影などでは発見しにくく、進展するまで気づかないこともあります。しかし近年、大腸がんの検査技術は急速に進歩しており、初期がんでも発見率が上昇しています。

中皮腫を発症前に早期診断:順天堂大チーム

アスベスト(石綿)による中皮腫を発症前に診断する可能性を探るため、順天堂大チームが独自の検査法により実施している大規模検診で、発症が濃厚に疑われる人が見つかった。
確定診断する症例が増えれば、これまで難しいとされてきた早期診断の手法として定着すると期待される。

研究チームの樋野興夫教授(病理学)らは、中皮腫の患者の血液中で濃度が高まる特殊なたんぱく質を発見し、発症前の診断に利用する検査法を開発した。
有効性を確かめるため昨年2月から、アスベストに関連する建設関係の仕事に携わった経験がある約3万人を対象に、研究型検診を5年計画で始めた。

これまでの検診で、たんぱく質の量が多かった80人には、同大学の専門外来での受診を呼びかけ、たんぱく質の変動を追跡調査している。その結果、一部の患者で、検出量が半年で4倍に急増していることが判明。発症が濃厚とみられる。(YOMIURI ONLINE)

中皮腫について
アスベスト(石綿)を扱う仕事に長年従事した人に発病しやすいといわれていましたが、石綿関連工場の周辺に住んでいた人にも発症したことがわかり、社会問題になっています。

中皮腫の症状には、息切れや胸痛、疲労感などがみられますが、診断をつけるのは難しく、胸部エックス線検査で胸水と胸膜肥厚がある場合にこの病気を疑います。

正確に診断がつけば、手術で腫瘍と周辺組織を切除します。併せて抗がん剤や放射線療法を行うことがあります。ただ、高齢になってから発症するケースがほとんどで、また、発見されたときはかなり進行していることが多いため、手術が困難なうえ、抗がん剤や放射線治療も、効果はあまり期待できません。

メタボ該当者と予備軍は計1940万人:国民健康・栄養調査

2006年国民健康・栄養調査によると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の「該当者」と予備軍は計約1940万人(推計)だった。40―74歳では男性のほぼ2人に1人、女性の5人に1人がメタボ該当者か予備軍だった。04年は約1960万人、05年は約1900万人。

国民健康・栄養調査のメタボ判定は4月から始まった特定健康診査と異なり、空腹時の血糖値を測定できないため、簡便なもの。腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、血中脂質、血圧、血糖のうち、2つが異常値なら「該当者」、1つなら「予備軍」とした。(NIKKEI NET)

メタボリックシンドローム
内臓脂肪が過剰にたまってお腹周りが大きくなり、この内臓脂肪から分泌される様々な生活活性物質(アディポサイトカイン)に以上が生じることや、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用が上手くいかなくなることによって、高血圧、脂質代謝異常、高血糖などが発生する病気です。さらに高尿酸血症、脂肪肝などの発病にも関係します。

メタボリックシンドロームを放置すると、これらが動脈硬化を進行させ、脳血管障害や心筋梗塞などを発病させます。脳血管障害、心筋梗塞では、場合によっては発病後数時間あるいは数日のうちに亡くなるということも少なくなく、日本人の死因の第2位、3位を占めるほどになっています。

糖尿病の疑いがある人は1870万人:国民健康・栄養調査

全国で糖尿病の疑いがある人は推計1870万人に上り、4年前の前回調査を250万人も上回ったことが、厚生労働省が30日公表した「国民健康・栄養調査」でわかった。

全体の6割近くが運動をしていないことや、午後9時以降に夕食を取っている人が男性で2割近くに上ることも判明。糖尿病をはじめとする生活習慣病が増加している背景に、運動不足や食生活の乱れがあることを浮き彫りにした。

調査は2006年11月、1歳以上の1万8000人を対象に実施し、糖尿病については20歳以上の男女4296人の血液検査データをもとに推計した。
それによると、糖尿病が強く疑われる人が820万人で、可能性が否定できない1050万人を合わせると1870万人に上った。前回02年は1620万人、前々回1997年は1370万人で、毎回250万人のハイペースで増えていることがわかった。

夕食の開始時間が午後9時を過ぎる人は男性19%、女性7%で20〜40代男性では30%を超えた。厚労省は「運動量が少ないわりにカロリー摂取が多く、不規則な食生活が糖尿病増加に影響しているのでは」と分析している。(YOMIURI ONLINE)

糖尿病について
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。