5月のトピックスのまとめ

コンタクトレンズが原因の角膜感染症:3割は不適切使用
コンタクトレンズが原因とみられる角膜感染症で入院した患者の少なくとも3割は、レンズの使用方法を守っていなかったことが、日本眼感染症学会などの調査で分かった。

乳がん家系の男性は前立腺がんリスクが4倍:豪研究チーム
家族性乳がんのリスク因子として知られるBRCA2遺伝子の変異が前立腺がんの因子でもあることが確認でき、2つのがんの関連が初めて分かった。

DNA配列、1箇所の相違で胃がんリスクが4倍:日本人の6割が該当
胃がん発症の仕組み解明に役立つとともに、リスクの高い人が喫煙を控えることなどで、予防につながると期待される。

抗がん物質を作る植物の耐性を解明:副作用の軽減に応用も
大腸がんや肺がんなどに使われる抗がん剤イリノテカンの原料になる猛毒カンプトテシンをもつ植物が、自らは中毒を起こさない仕組みを千葉大学の斉藤和季教授らが突き止めた。

中皮腫を発症前に早期診断:順天堂大チーム
研究チームの樋野興夫教授(病理学)らは、中皮腫の患者の血液中で濃度が高まる特殊なたんぱく質を発見し、発症前の診断に利用する検査法を開発した。

DNAで気管支拡張薬の副作用を検査
群馬アレルギーぜんそく研究所は、気管支ぜんそく患者の口の粘膜から綿棒で採取したDNAを解析し、治療に使われる気管支拡張薬が患者の体質に合うか検査する方法を開発したと発表した。

歯周病でがんリスクが増加か:英大学研究グループ
論文では「喫煙その他のリスク要因を考慮した上でも、歯周病は肺や腎臓、すい臓、血液のがんのリスク増大と大きな関連性があった」としている。

メタボ治療薬の開発につながるたんぱく質を発見
筋肉でのエネルギー消費量を調節するたんぱく質を、東京大の永井良三教授らのグループが突き止めた。肥満やメタボリックシンドロームの治療薬開発に役立つと期待される。

野菜類や魚、豆類を食べる人は心筋梗塞になりにくい
日本人は一般に、葉酸やビタミンB12に比べ、ビタミンB6の摂取量が少ない。研究チームは「ビタミンB6を多く含む食品を積極的に食べることが予防につながる」としている。

百日ぜきの患者数、過去10年で最高の増加:国立感染症研究所
現行制度では、成人患者は20歳以上としか報告されない。感染研は成人患者の年齢など発生動向を把握するため、ホームページに専用のデータベースを設置し、医師らに協力を呼びかけている。

高血圧や高脂血症の薬がアルツハイマーを予防か:阪大グループ
森下さんらは、アンジオテンシン2受容体拮抗薬という高血圧薬(オルメサルタン)を飲ませたネズミと、飲ませていないネズミで、脳にβアミロイドを注入して認知力と記憶力を調べた。

人工心臓弁の承認取得:エドワーズライフサイエンス
承認された「カーペンターエドワーズ牛心のう膜生体弁マグナ」は、心臓弁が硬くなったり閉じなくなったりする弁膜症の治療で、機能しなくなった弁と置きかえる。

C型肝炎にグレープフルーツ含有物質が有効
グレープフルーツに含まれるフラボノイドであるナリンゲニンにC型肝炎ウイルス(HCV)の感染細胞内での分泌を抑制する働きがある。

クローン病や潰瘍性大腸炎などを引き起こす原因を特定
クローン病や潰瘍性大腸炎などに代表され、患者は全国に約10万人いるとされるが、これまで原因は解明されていなかった。研究グループは「根本的な治療薬の開発につながることが期待できる」としている。

「大田原症候群」の原因遺伝子を発見:治療薬開発の可能性
チームの才津浩智横浜市大助教は「この遺伝子によってつくられるタンパク質が正しく働くようにする物質を見つけられれば、治療薬開発につながる可能性がある」と話している。

偏頭痛治療薬の自己注射が保険適用へ:自宅で痛みを緩和
激しい頭痛で注射の治療を受けるには、これまでは医療機関を受診しなければならなかった。自己注射によって、患者が在宅で速やかに痛みを緩和できるようになる。

メタボ該当者と予備軍は計1940万人:国民健康・栄養調査
40―74歳では男性のほぼ2人に1人、女性の5人に1人がメタボ該当者か予備軍だった。04年は約1960万人、05年は約1900万人。

糖尿病の疑いがある人は1870万人:国民健康・栄養調査
全体の6割近くが運動をしていないことや、午後9時以降に夕食を取っている人が男性で2割近くに上ることも判明。

DNAで気管支拡張薬の副作用を検査

アレルギー疾患専門の研究機関、群馬アレルギーぜんそく研究所は、気管支ぜんそく患者の口の粘膜から綿棒で採取したDNAを解析し、治療に使われる気管支拡張薬が患者の体質に合うか検査する方法を開発したと発表した。

従来の血液採取による検査よりも簡単に短時間で結果が出るため、乳幼児にも実施できるという。6月15日から神戸市で開かれる日本呼吸器学会学術講演会で報告する。

研究所は、0−83歳の患者404人のDNAを解析。アミノ酸の配列から、うち約15%の59人に症状悪化の可能性があることが分かった。実際に薬の使用を中断して症状が改善した患者もいるという。(shikoku.news)

気管支喘息について
一般に「喘息」と呼ばれているものです。典型的な症状は、発作性の咳と、呼吸にともなうゼーゼー、ヒューユーという喘鳴、息が苦しくなる呼吸困難の3つがあげられます。
これらの症状が悪化と軽快を繰り返すのが特徴です。咳発作は、日中に比べ、夜間から早朝に起こることが多く、ひどいときは呼吸困難から生命の危機に陥ることもあります。

気管支喘息を根本的に治す方法はなく、長期的に病気と付き合っていかなければなりません。できるだけ発作を起こさないように、予防と自己管理に務めることが大切です。
発作を繰り返す人は、慢性的な気道の炎症がみられます。この炎症を抑えるためには、長期的に吸入ステロイド薬を常用すると効果があり、発作の予防につながります。

発作に対しては、気管支拡張薬が有効です。発作が激しく、呼吸困難で苦しんでいるときは、医療機関での速やかな治療が必要です。

歯周病でがんリスクが増加か:英大学研究グループ

歯周病によりがんのリスクが高まる可能性があるとの研究結果が27日明らかになった。インペリアル・カレッジ・ロンドンのドミニク・ミショー博士らが専門誌に発表した。

歯周病歴のある男性医療専門家を対象にした長期研究で、がんを患う可能性が全体的に14%高いことが判明した。論文では「喫煙その他のリスク要因を考慮した上でも、歯周病は肺や腎臓、すい臓、血液のがんのリスク増大と大きな関連性があった」としている。

これまでの研究では、歯周病で心臓病や糖尿病の発生リスクが高まる可能性が示されていた。(ロイター)

歯周病菌について
歯周病菌には、組織を破壊する「たんぱく質分解酵素」ももっているものや、白血球などを破壊する毒素を持っているものがいます。歯周病菌が口の中に住み着くと、歯肉などに炎症をお引き起こします。

炎症がひどくなると、歯と歯肉の間の隙間に歯周ポケットができ、その部分にプラーク(歯垢)がたまりやすくなります。プラークがたまると、歯周病菌が増え、毒素が強くなり、歯槽骨を溶かすため、歯が抜けやすくなります。これが歯周病です。

また、歯周病菌は、歯だけではなく、全身にも影響を及ぼすこともわかっています。組織や白血球などを破壊する歯周病菌の毒素や、炎症によってできる物質などが、全身に広がる危険性があるのです。具体的には動脈硬化の促進、誤嚥性肺炎、糖尿病の悪化、低体重児出産・早産などのリスクが生じます。

メタボ治療薬の開発につながるたんぱく質を発見

筋肉でのエネルギー消費量を調節するたんぱく質を、東京大の永井良三教授らのグループが突き止めた。肥満やメタボリックシンドロームの治療薬開発に役立つと期待される。科学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に発表した。

研究グループは、KLF5と呼ばれるたんぱく質が通常の半分しかないマウスを作製。高脂肪食を与えたところ、基礎代謝量が上がっており、通常のマウスと比べて食べる量は2倍でも、体重増加は少なく、脂肪肝にもなりにくくなった。

詳しい機構を調べたところ、KLF5は通常、SUMOというたんぱく質とくっついて脂肪を燃やす遺伝子の働きを抑えていた。また、PPARγという別のたんぱく質につくと、逆に脂肪を燃やす遺伝子の働きを促すことが分かった。

PPARγを活性化させる物質は、高脂血症や肥満の治療薬として米国で臨床試験に入っている。永井教授は「効率の良い、副作用が少ない薬の開発につながる」と話している。(YOMIURI ONLINE)

メタボリックシンドローム
内臓脂肪が過剰にたまってお腹周りが大きくなり、この内臓脂肪から分泌される様々な生活活性物質(アディポサイトカイン)に以上が生じることや、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用が上手くいかなくなることによって、高血圧、脂質代謝異常、高血糖などが発生する病気です。さらに高尿酸血症、脂肪肝などの発病にも関係します。

メタボリックシンドロームを放置すると、これらが動脈硬化を進行させ、脳血管障害や心筋梗塞などを発病させます。脳血管障害、心筋梗塞では、場合によっては発病後数時間あるいは数日のうちに亡くなるということも少なくなく、日本人の死因の第2位、3位を占めるほどになっています。

野菜類や魚、豆類を食べる人は心筋梗塞になりにくい

魚や野菜、豆類を多く食べる人は心筋梗塞になりにくい―。大阪大の磯博康教授(公衆衛生学)や国立がんセンターの研究チームが約4万人を対象にした調査でこんな結果を明らかにした。

研究チームは、岩手、秋田、長野、沖縄の4県で90年と95年に実施された生活習慣のアンケートをもとに、40〜59歳の男女約4万人の葉酸ビタミンB6ビタミンB12の1日あたりの摂取量を推計。それぞれ摂取量別に5グループに分け、11年間にわたって追跡した。調査中、251人が心臓病を患った。

それぞれ摂取量が多いほど心臓病の危険性が減っていく傾向が確認された。摂取量が最少のグループを基準にすると、ビタミンB6では最も摂取量の多いグループの危険性は52%、ビタミンB12でも53%に減っていた。

葉酸は野菜や緑茶など、ビタミンB6は魚やレバー、豆類など、ビタミンB12は魚などに多く含まれている。日本人は一般に、葉酸やビタミンB12に比べ、ビタミンB6の摂取量が少ない。
研究チームは「ビタミンB6を多く含む食品を積極的に食べることが予防につながる」としている。(asahi.com)

心筋梗塞について
狭心症がさらに進行して、心筋に酸素を補給している冠状動脈がつまり、心筋が壊死した状態が心筋梗塞です。40歳代から発症率が高くなり、50〜60歳代がピークです。

大部分は、動脈硬化によって内側が狭くなっている冠動脈に血液の塊(血栓)が詰まって起こりますが、冠状動脈の一部に球に痙攣が生じて起こる場合もあります。

症状は突然の激しい胸痛で始まります。締め付けられるような激しい痛みや圧迫感のために冷え汗を流し、安静にすることができません。ときには意識を失うこともあります。

百日ぜきの患者数、過去10年で最高の増加:国立感染症研究所

流行の兆しを見せていた百日ぜきの患者報告数が急増し、今月12〜18日には過去10年間で最多の325人を記録したことが27日、国立感染症研究所のまとめで分かった。20歳以上の成人患者が4割近くを占め、小児中心の流行形態が変化しているのがうかがえる。感染研が、全国の小児科約3000医療機関から受けた定期報告を分析した。

それによると、4月21〜27日に当時で過去最多の218人が報告された。春の大型連休で小康状態になったが今月中旬から急増し325人と記録更新。成人患者は35%の113人に達した。
18日までの累積報告数は2177人で、成人は38%の817人。過去10年の同期比で最多だった00年の累積報告数の1365人を上回る。

現行制度では、成人患者は20歳以上としか報告されない。感染研は成人患者の年齢など発生動向を把握するため、ホームページに専用のデータベースを設置し、医師らに協力を呼びかけている。
感染研の安井良則主任研究官は「成人は重症化せず見過ごされがちだが、子供に感染させ、生命にかかわる事態を招きかねない」と話す。(毎日.jp)

百日ぜき
はじめの症状は微熱や鼻水など、かぜと似ていますが、1〜2週間もすると、百日ぜき特有の発作的なせきをするようになります。続けてせきをしたあと、笛を吹くような音をたてて息を吸い込みます。
せきの終わりには、粘り気のある痰が出ます。せきは1ヶ月以上100日ほど続き、回数の減少とともに回復します。

治療には抗生物質が用いられますが、遅くなるほど効き目は悪くなるので、早期に受診しなければなりません。ジフテリアと破傷風ワクチンをあわせた三種混合ワクチンの予防接種によって発病は激減しました。

高血圧や高脂血症の薬がアルツハイマーを予防か:阪大グループ

高血圧や高脂血症の薬が、アルツハイマー病による記憶や認知機能の低下を防ぐかもしれない―。大阪大学の森下竜一教授、里直行准教授(臨床遺伝子治療学)らがこんな研究成果を6月の国際高血圧学会日本抗加齢医学会で発表する。

アルツハイマー病はβアミロイドという物質が脳に異常にたまり、神経細胞が侵されるのが原因と考えられる。森下さんらは、アンジオテンシン2受容体拮抗薬という高血圧薬(オルメサルタン)を飲ませたネズミと、飲ませていないネズミで、脳にβアミロイドを注入して認知力と記憶力を調べた。

プールに入れて足がつく場所を探させると、薬を飲んでいないネズミは足場をあちこち探し回ったのに対し、4週間前から高血圧薬を飲ませていたネズミは、足場のある水域を中心に探すなど認知機能が高かった。

βアミロイドは血管をうまく広がらなくさせる作用が知られる。その結果、神経活動に見合う血液が供給されず、認知機能などが低下するとみられる。
今回の実験では薬の効果で血管が回復し、記憶に深くかかわる神経活動も増強されたと考えられるという。(asahi.com)

アルツハイマー病について
脳の神経細胞が急激に破壊される認知症です。ついさっきのことを忘れるなどの記憶障害から始まり、症状は緩やかに進行します。初期には運動麻痺などの神経症状を伴わないのが特徴ですが、妄想などの症状は、比較的早く現れます。運動機能が保たれている分、徘徊などの行動が問題となります。

脳の神経細胞の病的な破壊が進み、神経が萎縮していくことが原因です。
アルツハイマー病になると、アミロイドベータという異常たんぱく質がたまることが突き止められてから、これを標的とする治療法の開発が進んでいます。

乳がん家系の男性は前立腺がんリスクが4倍:豪研究チーム

乳がんの多い家系に生まれた男性は前立腺がんの発症リスクが高いことをオーストラリアなどの研究チームが突き止めた。家族性乳がんのリスク因子として知られるBRCA2遺伝子の変異が前立腺がんの因子でもあることが確認でき、2つのがんの関連が初めて分かった。

BRCA2遺伝子に変異を持つ男性の前立腺がん発症リスクは、変異がない男性の4倍になるという。成果は米医学誌クリニカル・キャンサー・リサーチに掲載された。

家族性乳がんや卵巣がんの研究を続けてきたチームは、一部の家系では前立腺がんも多いことに気付いた。BRCA2遺伝子の変異が家族性乳がんのリスク因子となることは過去の研究で分かっており、チームは前立腺がんでもこの遺伝子変異が起こっているかどうかを調べ、確認にこぎ着けた。(shikoku.news)

前立腺がんについて
前立腺がんは、精液を作っている前立腺の外側に発生するもので、日本でも最近増えているがんの一つです。初期には自覚症状に乏しいため、早期発見の難しいがんですが、治療による延命効果が高いことで知られています。

早期では無症状ですが、進行すると前立腺肥大症と同様に、夜中に何度もトイレに起きたり、排尿の勢いが弱くなったり、排尿そのものに時間がかかるようになります。

前立腺がんは男性ホルモンが症状を悪化させ、女性ホルモンが症状を改善します。そのため、薬や手術によって男性ホルモンの分泌を抑えたり、女性ホルモンを長期間投与します。早期なら、前立腺を摘出する手術によって完治も期待できます。

DNA配列、1箇所の相違で胃がんリスクが4倍:日本人の6割が該当

DNAの並び方に1か所違いがあると、胃がんになる危険性が約4倍高まることが、国立がんセンターの吉田輝彦部長らの研究で分かった。胃がん発症の仕組み解明に役立つとともに、リスクの高い人が喫煙を控えることなどで、予防につながると期待される。ネイチャー・ジェネティクス電子版に19日発表する。

遺伝情報が収められているDNAは、4種類の塩基が対になって並んでいて、時折、人によって異なる並び方が現れる。吉田部長らは、こうした塩基配列の個人差を約9万か所選び、胃がんの半数を占める未分化型胃腺がんの患者188人について、病気でない752人と比較した。

その結果、ある1か所の違いが、発がんリスクを4.2倍高めることが分かった。韓国人を対象にした研究でも、約3.6倍と同様の結果が得られた。日本人の約6割が、リスクの高い並び方になっているという。(YOMIURI ONLINE)

胃がんの検診
通常、早期の胃がんは無症状です。しかしまれに、心窩部痛、胃部不快感、出血(吐血・下血)でみつかることがあります。胃がんの診断に最も有効なのは、内視鏡検査です。胃の中を直接観察する内視鏡検査では、微小ながんを発見できます。
疑わしい場合は胃の組織の一部を採取し、顕微鏡検査でがん細胞が内科を調べます(病理検査)。

バリウムを飲んで行う胃透視(レントゲン)検査では、胃の粘膜に異常がないか、胃の形に異常がないかをみます。日本ではこの診断技術が非常に発達しています。

胃がんの原発巣の診断では、内視鏡とバリウム検査が行われますが、微小な病変の検出では内視鏡が優れています。これは色調の変化をとらえることができるためです。
しかし、胃がんの治療をする場合には、通常、両者の検査が行われます。バリウム検査では以前体が写真に写るので、正確な部位を把握するのに役立ちます。

人工心臓弁の承認取得:エドワーズライフサイエンス

米系医療機器販売のエドワーズライフサイエンスは、大動脈弁用の人工心臓弁で厚生労働省から製造販売承認を取得した。心臓の左心室と大動脈の間にある弁が機能しなくなった患者に移植する。
形状を工夫し、移植後の心臓にかかる負担を軽減した。保険適用を申請中で6月にも発売する。

承認された「カーペンターエドワーズ牛心のう膜生体弁マグナ」は、心臓弁が硬くなったり閉じなくなったりする弁膜症の治療で、機能しなくなった弁と置きかえる。牛の心臓を包む組織を加工した。欧米では2002年に発売し、10万件を超える手術症例がある。(NIKKEI NET)

弁膜症について
血液の逆流を防いでいる心臓の四つの弁のいずれかが狭くなったり閉鎖不全を起こしたりする病気です。悪化すると人工弁に置き換える手術が必要になり、国内の弁置換手術は年間約1万件です。

現在は、金属などでできた機械弁や、ウシやブタの心臓を材料にした生体弁が使われています。しかし、機械弁の場合、患者は血液が固まらない薬を飲み続けなければならず、生体弁も20年程度で寿命が来るという問題があります。

C型肝炎にグレープフルーツ含有物質が有効

グレープフルーツに含まれるフラボノイドであるナリンゲニンにC型肝炎ウイルス(HCV)の感染細胞内での分泌を抑制する働きがあることが米ハーバード大学医学部の研究によって示され、医学誌「Hepatology」5月号に掲載された。

HCVに対しては、現在の標準的な治療薬であるインターフェロンとリバビリンが効果を示すケースは約50%にとどまっており、重大な副作用の可能性もあるという。
最近の研究からは、HCVがリポ蛋白のライフサイクルに関連しており、リポ蛋白の代謝に影響を及ぼす化合物やサプリメント(栄養補助食品)がHCVにも作用する可能性が示されていた。

今回の研究では、感染細胞が超低比重リポ蛋白(VLDL)に結合しながらHCVを活発に分泌することが示された。研究グループによると、感染細胞のアポリポ蛋白B(アポB)のmRNAをサイレンシング(過剰な遺伝子の発現をゲノムが自ら抑制する機能)すると、アポB-100およびHCVの分泌がともに70%減少するという。

研究グループはさらに、グレープフルーツに含まれるナリンゲニンについて試験した。過去の研究で、ナリンゲリンがVLDLの分泌を阻害することが示されている。その結果、ナリンゲニンが感染細胞のHCV分泌を80%減少させることを突き止めた。(health day news)

C型肝炎について
C型肝炎は、感染した人の約3/4がキャリア(肝炎を発症しないでウイルスが持続的に存在している状態)になり、そのまた3/4の人がウイルスを退治しきれずにC型慢性肝炎になります。
慢性肝炎では症状がみられないことが多く、肝炎が悪化したときに、だるさ、食欲不振、軽い黄疸などがみられ、その状態を繰り返します。
慢性肝炎の中の約半数が肝硬変へと進み、その一部に肝臓がんが発生します。

C型肝炎ウイルスの感染の有無は、スクリーニング検査としてHCV抗体を調べます。
C型肝炎ウイルスに感染していることが確定したら、次に病気がどのレベルまで達しているかを調べることが大切です。各種血液検査、腹部超音波検査、CT検査が有用ですが、さらに肝臓そのものを見る腹腔鏡検査や肝臓の組織を見る肝生検で、より正確な肝臓の状態を把握することができます。

クローン病や潰瘍性大腸炎などを引き起こす原因を特定

北海道大遺伝子病制御研究所の西村孝司教授らの研究チームは、厚生労働省が難病指定する炎症性腸疾患を引き起こす原因が、体内にあるリンパ球の一種「CD8T細胞」の異常増殖により生み出される物質だとマウス実験で突き止め、疾患発生の仕組みも解明したと発表した。

同疾患はクローン病や潰瘍性大腸炎などに代表され、患者は全国に約10万人いるとされるが、これまで原因は解明されていなかった。研究グループは「根本的な治療薬の開発につながることが期待できる」としている。

発表によると、CD8T細胞はもともと体内にあるが、大腸内で何らかの理由で異常増殖すると「インターロイキン17」という物質を生み出し、この物質が炎症を引き起こすことが分かった。

腸などの消化管で生み出されている「インターロイキン6」はCD8T細胞増殖を手伝う物質だが、この物質に対する抗体をマウスに投与することにより、CD8T細胞の異常増殖が抑えられ、マウスの大腸内の炎症がほぼ無くなったことも確認されたという。(四国新聞)

クローン病について
食道、胃、腸の壁の粘膜に慢性の炎症、潰瘍などが生じる病気です。小腸の末端部(回腸)から結腸にかけて発生しやすく、粘膜の外側の漿膜にいたるまで、壁の全層がおかされます。
炎症や潰瘍部分に管状のあながあいて周囲の臓器とつながったり、病変が離れた場所に飛ぶのが特徴です。

症状としては、1日複数回の下痢、腹痛などが長期間続き、発熱、貧血などもみられ、次第に体重減少など全身の栄養障害が起こってきます。また、血便が出たり、痔ろうや直腸に潰瘍が生じて、排便痛がおこることもあります。

「大田原症候群」の原因遺伝子を発見:治療薬開発の可能性

発達の遅れを伴うてんかん「大田原症候群」の原因遺伝子を、松本直通横浜市立大教授や山形大などのチームが発見、米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。
チームの才津浩智横浜市大助教は「この遺伝子によってつくられるタンパク質が正しく働くようにする物質を見つけられれば、治療薬開発につながる可能性がある」と話している。

大田原症候群は主に新生児期に発症し、薬が効きにくい。患者は10万人に1人以下とみられる。

チームは患者1人の遺伝情報を解析し、染色体の一部が欠けていることを見つけた。そこに存在するはずの遺伝子のうち、脳で働く「STXBP1」に着目。13人の患者を調べたところ、4人で変異があった。健康な人には変異がなかったことから、原因遺伝子の1つと判断した。(shikoku.news)

てんかんについて
脳の神経細胞に異常な興奮が生じて、運動、間隔、意識状態などに一時的な発作症状が繰り返し起こる病気です。発作の状態は人によってさまざまですが、脳波を測定すると神経細胞の異常な興奮の変化がわかります。

脳の一部だけに異常な興奮が起こる場合を部分発作と呼びます。体の一部分が痙攣する運動発作、しびれや幻視・幻聴などの症状が現れる間隔発作、恐怖感や不安感を覚える精神発作、吐き気が起こったり、汗の量が多くなる自律神経発作などが起こります。

抗てんかん薬による治療が中心となります。発作の起こり方や場所によって、薬の使用法も異なります。長期にわたる治療が必要ですが、薬によって多くの人が発作を起こさなくなります。

コンタクトレンズが原因の角膜感染症:3割は不適切使用

コンタクトレンズが原因とみられる角膜感染症で入院した患者の少なくとも3割は、レンズの使用方法を守っていなかったことが、日本眼感染症学会などの調査で分かった。
視力補正用コンタクトレンズは薬事法の高度管理医療機器に指定されている。厚生労働省は販売業者に、適切な使用方法などの情報を購入者に提供することを求めているが、不十分な実態が浮かんだ。

角膜で細菌やカビなどが繁殖した状態を角膜感染症と呼ぶ。放置すると失明の恐れもある。コンタクトレンズは角膜に直接装着するため、適切に使用しないと、角膜が傷ついて感染しやすくなる。

調査は大学病院など全国の224施設を対象に今年3月までの1年間実施した。この間に、コンタクトレンズ装着が原因とみられる角膜感染症で入院治療を受けた重症患者161人について、医師に診断結果を聞くとともに、患者へのアンケートも依頼した。患者の平均年齢は28歳で、症状は目の痛みや充血、視力低下が多かった。

「使用方法を守っていなかった」と答えた患者は、回答者126人のうち38人と3割いた。不適正な使用のケース(複数回答)は、寝る前に外すタイプのレンズを「装着したままにしていた」との回答と、2週間ごとに交換する使い捨てレンズを「1カ月ほど使い続けた」との回答が、それぞれ回答者全体の2割だった。(毎日.jp)

角膜感染症について
細菌やカビなどが角膜に感染し、炎症を起こしている状態で、目の痛みや異物感、白目が赤くなる、涙が止まらない、まぶたの腫れなどが生じます。角膜の表面(上皮)は丈夫な構造をしており、涙によって守られていますので、通常、菌に触れただけで、角膜感染症になることは通常はありません。

しかし、何らかの原因で、異物が上皮を越えて角膜実質の中に入り込むと角膜感染症が生じます。ゴミ、砂、植物の枝葉などによる角膜外傷、コンタクトレンズ装用による角膜表面のキズ、ドライアイなどが危険因子となります。流行性角結膜炎、いわゆる“はやり目”の時に、油断すると細菌性の角膜炎を起こすことがあります。

偏頭痛治療薬の自己注射が保険適用へ:自宅で痛みを緩和

群発頭痛片頭痛の治療薬トリプタン製剤で、即効性のある自己注射の保険適用が認められた。激しい頭痛で注射の治療を受けるには、これまでは医療機関を受診しなければならなかった。自己注射によって、患者が在宅で速やかに痛みを緩和できるようになる。

保険適用になったのは、1回分の薬剤(一般名・スマトリプタンコハク酸塩)が入ったペン型注射器で、グラクソ・スミスクラインが発売した。太ももの外側などに押し当てて注射する。すでに世界30カ国以上で販売されている。(毎日.jp)

偏頭痛について
こめかみから目のあたりにかけて、脈打つような痛みが始まり、次第に日常生活が妨げられるほどの痛みに達します。嘔吐をともなうこともあり、頭痛は数時間におよびます。頭の片側だけでなく、両側に怒るケースも珍しくありません。

こうした頭痛発作がつき1〜2回から週1回程度の割合で、繰り返し起こります。頭痛発作が起こる前に、視界に閃光が現れたり、手足がしびれるなどの前兆症状がみられることもあります。

痛みは、頭の血管を取り巻いている神経が感知するものです。この血管が何らかの影響で緊張して一度収縮した後、緊張が緩んで血管が拡張し、血流が増えたときに痛みが生じます。
こうした血管の動きは、疲労やストレスなどによって誘発されます。

抗がん物質を作る植物の耐性を解明:副作用の軽減に応用も

大腸がんや肺がんなどに使われる抗がん剤イリノテカンの原料になる猛毒カンプトテシンをもつ植物が、自らは中毒を起こさない仕組みを千葉大学の斉藤和季教授らが突き止めた。
この仕組みを応用すれば、薬を大量生産したり、副作用を抑えたりする方法が開発できる可能性がある。研究成果は米科学アカデミー紀要(該当記事へ直リンク)に発表された。

イリノテカンは、中国原産の落葉樹である喜樹や南西諸島のクサミズキの葉からカンプトテシンを抽出、精製して製造している。薬の大量生産には酵母や大腸菌の遺伝子に原料の遺伝子を組み込んでつくらせる方法がある。しかし、カンプトテシンができるとその毒で、酵母や大腸菌が死んでしまう。

斉藤教授らは、カンプトテシンをつくるチャボイナモリという植物では、酵素の遺伝子に、特殊な変異があることを見つけた。喜樹の酵素にも同じ変異があった。同じ変異を酵母の酵素に人為的に起こすと、カンプトテシンがあっても酵母は増え続けた。そこで、この方法を応用すれば、イリノテカンを短期間に大量生産できる可能性があるという。(asahi.com)

大腸がん
その形態によって腺がんと表在性のがんに分けられます。大腸がんの90〜95%を占めるのは、粘膜層の腸腺に発生する腺がんです。これは、大腸の内側にできるポリープ(良性腫瘍)の一部ががん化し、腸壁の内部まで浸潤していくものです。

このタイプの大腸がんは比較的発見が容易です。またポリープががんに変化するまでには何年もかかるため、ポリープのうちに切除すれば、がんを予防することができます。

これに対し、もう一方の表在性のがんは、初めから粘膜表面にそってがん病巣が広がります。そして、腸壁の内部に広がったり腸の外側へ飛び出したりしないため、通常の造影剤を用いたエックス線撮影などでは発見しにくく、進展するまで気づかないこともあります。しかし近年、大腸がんの検査技術は急速に進歩しており、初期がんでも発見率が上昇しています。

中皮腫を発症前に早期診断:順天堂大チーム

アスベスト(石綿)による中皮腫を発症前に診断する可能性を探るため、順天堂大チームが独自の検査法により実施している大規模検診で、発症が濃厚に疑われる人が見つかった。
確定診断する症例が増えれば、これまで難しいとされてきた早期診断の手法として定着すると期待される。

研究チームの樋野興夫教授(病理学)らは、中皮腫の患者の血液中で濃度が高まる特殊なたんぱく質を発見し、発症前の診断に利用する検査法を開発した。
有効性を確かめるため昨年2月から、アスベストに関連する建設関係の仕事に携わった経験がある約3万人を対象に、研究型検診を5年計画で始めた。

これまでの検診で、たんぱく質の量が多かった80人には、同大学の専門外来での受診を呼びかけ、たんぱく質の変動を追跡調査している。その結果、一部の患者で、検出量が半年で4倍に急増していることが判明。発症が濃厚とみられる。(YOMIURI ONLINE)

中皮腫について
アスベスト(石綿)を扱う仕事に長年従事した人に発病しやすいといわれていましたが、石綿関連工場の周辺に住んでいた人にも発症したことがわかり、社会問題になっています。

中皮腫の症状には、息切れや胸痛、疲労感などがみられますが、診断をつけるのは難しく、胸部エックス線検査で胸水と胸膜肥厚がある場合にこの病気を疑います。

正確に診断がつけば、手術で腫瘍と周辺組織を切除します。併せて抗がん剤や放射線療法を行うことがあります。ただ、高齢になってから発症するケースがほとんどで、また、発見されたときはかなり進行していることが多いため、手術が困難なうえ、抗がん剤や放射線治療も、効果はあまり期待できません。

メタボ該当者と予備軍は計1940万人:国民健康・栄養調査

2006年国民健康・栄養調査によると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の「該当者」と予備軍は計約1940万人(推計)だった。40―74歳では男性のほぼ2人に1人、女性の5人に1人がメタボ該当者か予備軍だった。04年は約1960万人、05年は約1900万人。

国民健康・栄養調査のメタボ判定は4月から始まった特定健康診査と異なり、空腹時の血糖値を測定できないため、簡便なもの。腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、血中脂質、血圧、血糖のうち、2つが異常値なら「該当者」、1つなら「予備軍」とした。(NIKKEI NET)

メタボリックシンドローム
内臓脂肪が過剰にたまってお腹周りが大きくなり、この内臓脂肪から分泌される様々な生活活性物質(アディポサイトカイン)に以上が生じることや、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用が上手くいかなくなることによって、高血圧、脂質代謝異常、高血糖などが発生する病気です。さらに高尿酸血症、脂肪肝などの発病にも関係します。

メタボリックシンドロームを放置すると、これらが動脈硬化を進行させ、脳血管障害や心筋梗塞などを発病させます。脳血管障害、心筋梗塞では、場合によっては発病後数時間あるいは数日のうちに亡くなるということも少なくなく、日本人の死因の第2位、3位を占めるほどになっています。

糖尿病の疑いがある人は1870万人:国民健康・栄養調査

全国で糖尿病の疑いがある人は推計1870万人に上り、4年前の前回調査を250万人も上回ったことが、厚生労働省が30日公表した「国民健康・栄養調査」でわかった。

全体の6割近くが運動をしていないことや、午後9時以降に夕食を取っている人が男性で2割近くに上ることも判明。糖尿病をはじめとする生活習慣病が増加している背景に、運動不足や食生活の乱れがあることを浮き彫りにした。

調査は2006年11月、1歳以上の1万8000人を対象に実施し、糖尿病については20歳以上の男女4296人の血液検査データをもとに推計した。
それによると、糖尿病が強く疑われる人が820万人で、可能性が否定できない1050万人を合わせると1870万人に上った。前回02年は1620万人、前々回1997年は1370万人で、毎回250万人のハイペースで増えていることがわかった。

夕食の開始時間が午後9時を過ぎる人は男性19%、女性7%で20〜40代男性では30%を超えた。厚労省は「運動量が少ないわりにカロリー摂取が多く、不規則な食生活が糖尿病増加に影響しているのでは」と分析している。(YOMIURI ONLINE)

糖尿病について
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

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