イレッサ投与で特定の肺がん患者の生存期間が2倍に

手術ができない非小細胞肺がんの患者に肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)を投与すると、従来の抗がん剤より効果が高く、生存期間がおよそ2倍になるという研究成果を、東北大大学院医学系研究科の貫和敏博教授(呼吸器病態学)を中心とする研究グループが発表しました。成果は24日発行の医学誌「NEJM(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)」に掲載される予定です。

イレッサは、日本人の肺がんの8割を占める「非小細胞がん」、なかでも「上皮成長因子受容体(EGFR)」の遺伝子変異で悪化したがんに有効とされてきましたが、遺伝子診断に基づき、投与する患者を限定した場合の有効性を裏付ける十分な研究がありませんでした。

そこで、東北大のほか、埼玉医科大学日本医科大学などの全国50の医療機関が参加して大規模な臨床試験を実施。該当する遺伝子変異のある患者230人を、イレッサを投与するグループと従来の抗がん剤を使うグループにわけ、5か月後に病状を調べました。

その結果、がんの進行が抑えられ状態が安定していた患者は、イレッサのグループで80%と、従来の抗がん剤のグループを30ポイントほど上回っていました。平均生存期間も、従来の抗がん剤投与のみでは1年程度だったのに対し、イレッサを投与した患者は2年半とおよそ2倍の延命効果が確認されました。また、最初に抗がん剤を投与し、その後にイレッサに切り替えたケースでも2年近くの生存が認められました。

承認当初、イレッサは間質性肺炎など重い副作用などで患者が死亡する事例が相次いで報告され大きな問題となりました。しかし、今回の臨床試験では、イレッサ投与のグループの方が副作用の頻度は低かったため、研究グループは「遺伝子検査してから投与すれば、イレッサが有効かつ副作用も少ないことがあらためて確認できた」としています。今回の結果を受けて、日本肺癌学会はイレッサに関する治療の指針を見直す方針です。

医療機器の早期承認へ向け、日米が共同治験を実施へ

医療機器が実際に市場に出るためには、医薬品と同様に、開発段階での治験やその国の審査機関(日本は厚生労働省、米国はFDA、EUはEMA)による審査を経て承認されます。日本では欧米に比べて新薬の承認が遅い「ドラッグラグ」が問題となっていますが、こと医療機器に関しても米国などに比べて1年半ほど承認が遅く、その対策が急務でした。

そんななか、厚生労働省は米国と共同で安全性や有効性を確かめる臨床試験(治験)を行い、関連機関が連携して審査、承認することで、一刻も早く新しい医療機器を国内での治療に使えるようにするプロジェクトをスタートさせたと発表。

この共同治験は日米の産学官連携事業「日米医療機器規制調和(HBD)」の一環で、米食品医薬品局(FDA)と日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、治験をする企業や大学から共同で相談を受け、審査に必要なデータを早く適切に集められるよう助言を行います。

共同治験の第一弾には、循環器分野から動脈硬化症の治療に使う大腿動脈用のステント(テルモ製)などの2品目が選ばれました。日米の34の医療機関が参加し、患者は日本で100人、米国で200人を予定しています。この共同治験では2年後の承認を目指しており、スケジュール通りに実現すれば、従来の同型機器に比べて約半分の期間で国内で使用することが可能になります。

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6月のトピックスのまとめ

7疾患を難病研究助成の対象に:厚生労働省
認められた7疾患は、先端巨大症、下垂体機能低下症、クッシング病、原発性側索硬化症、有棘赤血球を伴う舞踏病、HTLV―1関連脊髄症(=HAM)、先天性魚鱗癬様紅皮症。

オフィス街での反射紫外線に注意:白内障や翼状片の原因に
紫外線は視力低下を引き起こす「白内障」や「翼状片」の原因となる。オフィス街では上からの紫外線を防ぐだけでは不十分。反射や散乱光が強く、日傘の効果は小さい。

余分な脂肪で心筋梗塞や肝臓病を治療
おなかの脂肪から、様々な細胞になりうる幹細胞を取り出して心筋梗塞や肝臓病を治療することに、大阪大や国立がんセンター研究所のグループが動物実験で成功した。

痩せている人も生活習慣病のリスク:大阪府立大学
「特定健診・保健指導」では、おなかが出た人に生活習慣の改善を促すことになっているが、太っていなくても注意が必要な場合がありそうだ。

感染性心内膜炎の予防にはオーラルケアが重要
心内膜や心臓弁にみられる危険な細菌感染である感染性心内膜炎は、細菌が血流に入ることで生じるが、予防には歯や歯茎の十分なケアが欠かせない。

老眼に対応した1日タイプの遠近両用コンタクトレンズ
遠近両用に対応した「1日使い捨て」タイプは国内で初めて。1日用を使う中高年層が今後増えると判断、目の老化で近くが見えにくくなる老眼に対応した製品でシェア拡大を目指す。

恐怖記憶の形成を止めるたんぱく質を特定
過剰な恐怖記憶が原因とみられる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の研究や治療に役立つ可能性がある。

慢性骨髄性白血病の根治につながる治療法を開発
異常な白血病細胞をつくりだす骨髄中のがん幹細胞をなくし、再発を防ぐことにマウスで成功した。人間の細胞でも同様の効果を確認した。

中国大陸からの黄砂でぜんそく悪化の可能性
中国から黄砂に乗って飛来する環境汚染物質による日本での健康被害が懸念される中、具体的な調査事例として注目される。

多発性硬化症:関連遺伝子の働きを解明
多発性硬化症の患者に多く現れる「NR4A2」という遺伝子が、免疫をつかさどるT細胞という細胞の中でどう働くかを調べた。この遺伝子が働くと、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)を出すことを突き止めた。

膵臓に遺伝子注入し、インスリン分泌細胞を作成
様々な組織の細胞に変化する胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や新型万能細胞(iPS細胞)を使わずに簡単につくることができ、ベータ細胞が破壊され、インスリンを作れない1型糖尿病の治療への応用が期待される。

アルコールを飲む人は関節リウマチになりにくい?
アルコールを適度にたしなむ人は、アルコールを飲まない、またはたまに飲む人に比べ、関節リウマチになる確率が40-45%低かった。そして、アルコールをよく飲む人では50-55%も低くなったという。

解熱効果のハーブに男性型脱毛症の抑制作用
この成分のリウマチや関節炎に対する作用を調べている最中に脱毛症への効果を見つけた。リウマチ患者に与えたところ、痛みが和らいだうえに髪の毛が太くなったり、薄くなった頭頂部にうぶ毛が生えたりした。

高血圧治療剤「アムロジピン」の後発薬が承認へ
各社はアレルギー治療剤などの後発薬も相次ぎ投入する計画で、後発薬普及に向けての試金石になりそうだ。

ナチュラルキラー細胞で臓器移植後の肝臓がんを予防
2000〜2006年に移植を受け、NK細胞を投与されなかった患者42人のうち4人に再びがんができたが、細胞を投与した14人には現在、がんはできていない。

感染性心内膜炎の予防にはオーラルケアが重要:米研究

心内膜や心臓弁にみられる危険な細菌感染である感染性心内膜炎は、細菌が血流に入ることで生じるが、予防には歯や歯茎の十分なケアが欠かせないことが、米国の新しい研究によって明らかにされ、米医学誌「Circulation」6月9日号に掲載された。

カロライナメディカルセンター口腔医学部部長のPeter Lockhart氏らは、歯磨きを行った時、抜歯の際に抗生物質を用いたケース、または用いなかったケースにおいて血流に入る細菌の量(菌血)を分析した。

Lockhart氏は「歯磨きで菌血症が生じる確率のほうが低いが、日常生活での頻度を考慮するとリスクは高くなり、365日1日2回の歯磨きによる菌血症は、歯垢取りや歯の充填などの処置を行う年1、2回の歯科受診によるものとかわらない。ただし、感染性心内膜炎など感染リスクがなければ一過性の菌血症に対する心配は不要である」と述べている。

また、同氏は「口腔衛生対策を怠ると、口腔内疾患は徐々にかなりの数増加し、著しく悪化する。膿瘍などの慢性感染や急性感染の原因は歯肉の疾患や虫歯であり、これらによって菌血症が頻繁に起き、心臓や他の病状などのリスクがあれば心内膜炎になるリスクが生じる」とも警告している。(HealthDay News)

感染性心内膜炎
心筋の内側にあり、血液をためる心内腔と接する心内幕に細菌が感染する病気です。発熱や悪寒、全身倦怠感、食欲不振など、感染症特有の症状のため、かぜと間違えることもよくあります。また、息切れや動悸、不整脈なども起こります。

急性の病型では突然発症し、数日のうちに心臓弁の障害を伴って重篤な状態に陥ります。亜急性の病型では数週間から数ヶ月にわたり、症状が進行していきます。
炎症を起こした心臓弁に血栓ができると、それが脳や肺、腎臓などに流れて血管をふさぎ、血流が途絶えてしまうことがあります。

老眼に対応した1日タイプの遠近両用コンタクトレンズ

スイス製薬大手ノバルティス傘下のチバビジョンは、遠近両用コンタクトレンズで1日用の「デイリーズプログレッシブ」を7月11日に発売すると発表した。

遠近両用に対応した「1日使い捨て」タイプは国内で初めて。1日用を使う中高年層が今後増えると判断、目の老化で近くが見えにくくなる老眼に対応した製品でシェア拡大を目指す。

新製品はレンズ中央に近視矯正部、周辺に遠視矯正部を設けた。「同時視型」と呼ぶレンズ構造を採用、同時に近くと遠くに焦点を合わせられるようにした。脳が見たい映像を自動で選ぶため自然に見えるという。1箱30枚入り。オープン価格で店頭実勢は1箱3600円前後の見通し。(NIKKEI NET)

老眼について
視力障害というより、ピントを合わせる構造の老化現象で、新聞などを遠く話さないと文字が読めない、薄暗いところではものが見えにくいなどの症状が現れます。

ものをみるときは、毛様体筋、チン小帯、水晶体が焦点を合わせようとします。水晶体は加齢とともに柔軟性が失われていきます。このように組織が硬化し、調節しきれなくなることが原因です。

7疾患を難病研究助成の対象に:厚生労働省

厚生労働省は23日、難病の原因解明や治療法の開発に取り組む「難治性疾患克服研究事業」の対象に、2009年度から新たに7種類の疾患を加えることを決めた。より研究が遅れている珍しい難病の調査を進めるため、同事業に新しい制度を創設、実態解明や診断基準の作成に取り組んでいくことも決めた。

同事業の対象は、患者数が少なく、原因解明や治療法の開発などが遅れている難病。現在は123種類あり、研究班を設けて取り組んでいる。同事業の対象疾患は、過去10年間の合計でも5種類しか増えていない。一度に7種類の疾患が加わるのは異例という。

認められた7疾患は次の通り。
先端巨大症、下垂体機能低下症、クッシング病、原発性側索硬化症、有棘赤血球を伴う舞踏病、HTLV―1関連脊髄症(=HAM)、先天性魚鱗癬様紅皮症(NIKKEI NET)

先端巨大症(末端肥大症)とは?
下垂体から成長ホルモンが過剰に分泌されて、骨の変形や軟部組織の肥大が生じる病気です。骨の成長が続いている小児期に発症すると、身長が2mにも伸びる巨人症になります。

骨の成長が停止した成人期に発祥すると、四肢の先端が肥大する末端肥大症になります。手足のサイズが大きくなり、とくに指先が太くなります。顔の骨も変形し、眉間や顎が突き出て、鼻が大きくなり、唇が厚くなった特有の顔つきになります。さらに、高血圧や糖尿病を合併することもあります。

余分な脂肪で心筋梗塞や肝臓病を治療:マウス実験で成功

おなかの脂肪から、様々な細胞になりうる幹細胞を取り出して心筋梗塞や肝臓病を治療することに、大阪大や国立がんセンター研究所のグループが動物実験で成功した。
脂肪は採取しやすく移植時の拒絶反応も避けられる。厄介者扱いされがちな脂肪だが、再生医療に利用しようと研究が広がっている。

大阪大未来医療センターの松山晃文・准教授らは、脂肪の中から心筋や肝臓、膵臓の細胞に効率よく成長する幹細胞を見つけた。この細胞を、特殊な薬剤で心筋のもとになる心筋芽細胞に変化させ、心筋梗塞のラットに移植した。治療しないと心臓の収縮率は30%に落ちたが、移植すると60%まで回復して4カ月維持した。

この幹細胞から肝細胞の塊をつくり、慢性肝炎のマウスに移植すると、肝機能が改善した。膵臓のようにインスリンを出す細胞もつくり、糖尿病のマウスに移植すると、3週間にわたり血糖値が下がった。

同センターの澤芳樹教授は「動物実験を重ね、あらかじめ脂肪から幹細胞をとって将来に備える細胞バンクをつくりたい。テーラーメード型の再生医療が目標」という。(asahi.com)

心筋梗塞について
狭心症がさらに進行して、心筋に酸素を補給している冠状動脈がつまり、心筋が壊死した状態が心筋梗塞です。40歳代から発症率が高くなり、50〜60歳代がピークです。

大部分は、動脈硬化によって内側が狭くなっている冠動脈に血液の塊(血栓)が詰まって起こりますが、冠状動脈の一部に球に痙攣が生じて起こる場合もあります。

症状は突然の激しい胸痛で始まります。締め付けられるような激しい痛みや圧迫感のために冷え汗を流し、安静にすることができません。ときには意識を失うこともあります。

恐怖記憶の形成を止めるたんぱく質を特定:PTSD治療に期待

動物が過去の体験を「恐怖記憶」として形成するのにブレーキをかけるたんぱく質を、児島伸彦群馬大講師の研究チームがマウス実験で突き止めた。過剰な恐怖記憶が原因とみられる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の研究や治療に役立つ可能性がある。

研究チームは、神経細胞の興奮状態が過剰な恐怖記憶を作ると考え、興奮時に作られるたんぱく質「ICER(アイサー)」に注目した。そこで、遺伝子操作でアイサーを作らないマウスを作り、電気ショックと同時にブザー音を聞かせた。翌日ブザー音だけを聞かせると、このマウスは体をすくめたが、その時間は通常のマウスに比べて2倍も長いことが分かった。逆に、アイサーを過剰に作るマウスでは、すくんでいる時間が通常マウスの半分以下だった。

一方、砂糖水を与える「楽しい記憶」の実験では、3種類のマウスの行動に大きな差はなく、アイサーが恐怖記憶の「ブレーキ役」になっていることが裏付けられた。
児島講師は「2種類のたんぱく質のバランスを調節できれば、恐怖記憶の強さを変えられるかもしれない」と話す。(毎日.jp)

心的外傷後ストレス障害(PTSD)
大災害、事故、犯罪の被害など、破局的な出来事に遭遇し、それが精神的外傷(トラウマ)となり、多くは遭遇してから6ヶ月以内に発症します。出来事の状況の重要な部分を思い出せなかったり、突然、当時の恐怖心や身体感覚がよみがえることもあります。

神経過敏になて、驚きやすく(驚愕反応)、警戒心も強くなります。ときには怒りを爆発させたり、パニック障害になることもあります。治療には、対症療法的に、抗不安薬や睡眠導入薬、抗うつ薬、抗精神病薬などが用いられます。

慢性骨髄性白血病の根治につながる治療法を開発

慢性骨髄性白血病の根治につながる治療法を、米ハーバード大医学部の伊藤圭介研究員らが開発した。異常な白血病細胞をつくりだす骨髄中のがん幹細胞をなくし、再発を防ぐことにマウスで成功した。人間の細胞でも同様の効果を確認した。19日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

同大はこの治療法の臨床試験の開始を、すでに決めた。イタリア・トリノ大からも臨床試験の依頼を受け、日本でも計画しているという。 現在の抗がん剤治療で使われる薬は、白血病細胞のような増殖能力が高い細胞を標的にしている。このため、白血病細胞は殺せるが、増殖をしていないことが多いがん幹細胞には効きにくかった。

伊藤さんらは、まず「PML」という遺伝子が、がん幹細胞を休止期の状態にしていることを発見。さらに亜ヒ酸を抗がん剤と一緒に投与すると、このPMLの働きが落ちて、がん幹細胞の増殖が盛んになり、抗がん剤の効き目があがることを突き止めた。

慢性骨髄性白血病は、国内では10万人に1〜2人の割合で発症し、成人の白血病の約2割を占めるとされる。(asahi.com)

白血病について
骨髄や脾臓など血液をつくる器官で、未熟な白血球系細胞が無制限に増殖し、正常な白血球の増殖を阻害するもので、造血気のがんといえる病気です。

白血病では、肝臓、脾臓、リンパ節、腎臓、脳など全身の臓器に白血病細胞が増殖します。病気自体は少ないものの、発症すると出血や細菌感染が起こり、生命の危機に陥ります。

白血病は増殖する細胞の種類や進行状態で急性と慢性に分かれるほか、異常の発生部位によって骨髄性とリンパ性に分かれます。成人の急性の8割と慢性のほとんどが骨髄性ですが、小児では急性のリンパ性が主となります。

痩せている人も生活習慣病のリスク:大阪府立大学

太っている人だけでなくやせている人でも、心筋梗塞などの生活習慣病になる危険があることが、大阪府立大の研究グループの大規模調査で分かった。「特定健診・保健指導」では、おなかが出た人に生活習慣の改善を促すことになっているが、太っていなくても注意が必要な場合がありそうだ。

40歳以上の約6万人の健診結果をもとに、心筋梗塞との関係が指摘されている「CRP」というたんぱく質と、メタボ健診の診断項目である、肥満度、血圧、血糖、脂質との関係を調べた。
CRPの値「0・2mg/dl」を基準に、それより高い人とそれ以下の人に分けて、腹囲を除く2項目以上が、メタボの基準を上回っている人の割合を調べたところ、CRPの高い人は、低い人より男女合わせて1・7倍ほど高かった。

肥満度との関係では、男女とも肥満の場合、適正体重の人よりCRPが高い人が多かった。また、男性では、「やせ」の人でもCRPが高い傾向があった。例えば03年度の場合、CRPが高かった人は、適正体重が18・2%なのに対し、肥満が21・9%、やせが27・7%だった。

メタボ健診では、メタボかその予備軍と診断されると、保健師などから特定保健指導が行われる。しかし、基準である腹囲が男性85センチ、女性90センチに満たないか、肥満でなければ、血圧や血糖値などが高くても生活習慣改善の指導は行われない。(YOMIURI ONLINE)

心筋梗塞について
狭心症がさらに進行して、心筋に酸素を補給している冠状動脈がつまり、心筋が壊死した状態が心筋梗塞です。40歳代から発症率が高くなり、50〜60歳代がピークです。

大部分は、動脈硬化によって内側が狭くなっている冠動脈に血液の塊(血栓)が詰まって起こりますが、冠状動脈の一部に球に痙攣が生じて起こる場合もあります。

症状は突然の激しい胸痛で始まります。締め付けられるような激しい痛みや圧迫感のために冷え汗を流し、安静にすることができません。ときには意識を失うこともあります。

中国大陸からの黄砂でぜんそく悪化の可能性

中国大陸から飛来する黄砂により、日本のぜんそく患者の症状が悪化している可能性のあることが、鳥取大の調査で分かった。中国から黄砂に乗って飛来する環境汚染物質による日本での健康被害が懸念される中、具体的な調査事例として注目される。神戸市で開かれている日本呼吸器学会で17日に発表する。

調査は、鳥取大付属病院を受診した20歳以上のぜんそく患者117人を対象に行った。07年3〜5月に黄砂で同市内の視界が10キロ以下になった計9日間について、電話で聞き取り調査した。

その結果、3月と4月では27人(約23%)で、せきや痰(たん)が多くなるなどぜんそく症状の悪化がみられた。別の8人(約7%)は、ぜんそくの悪化はなかったが、鼻水が出るなどの症状が出た。スギ花粉の影響を除外するため行った5月の調査でも、16人がぜんそく症状の悪化を訴えたという。

これらの症状との因果関係を調べるため、研究チームが空気中のちりを分析したところ、黄砂が飛んだ日は飛ばない日よりアレルギーなどを引き起こすニッケルや、カドミウムの含有量が多かった。研究グループの渡部仁成助教は「黄砂そのものより、付着した有害物質が症状に悪影響を与えている可能性がある」と話す。(毎日.jp)

気管支せんそくについて
一般に「ぜんそく」と呼ばれているものです。典型的な症状は、発作性の咳と、呼吸にともなうゼーゼー、ヒューユーという喘鳴、息が苦しくなる呼吸困難の3つがあげられます。
これらの症状が悪化と軽快を繰り返すのが特徴です。咳発作は、日中に比べ、夜間から早朝に起こることが多く、ひどいときは呼吸困難から生命の危機に陥ることもあります。

気管支喘息を根本的に治す方法はなく、長期的に病気と付き合っていかなければなりません。できるだけ発作を起こさないように、予防と自己管理に務めることが大切です。
発作を繰り返す人は、慢性的な気道の炎症がみられます。この炎症を抑えるためには、長期的に吸入ステロイド薬を常用すると効果があり、発作の予防につながります。

発作に対しては、気管支拡張薬が有効です。発作が激しく、呼吸困難で苦しんでいるときは、医療機関での速やかな治療が必要です。

多発性硬化症:関連遺伝子の働きを解明

脳や脊髄などの中枢神経に炎症が起き、手足のまひや視覚障害などの症状が出る「多発性硬化症」の患者に多く現れる遺伝子の働きを国立精神・神経センター神経研究所の山村隆免疫研究部長らが解明し、9日付の米科学アカデミー紀要に発表した。新薬開発につながる研究と注目される。

山村部長らは、多発性硬化症の患者に多く現れる「NR4A2」という遺伝子が、免疫をつかさどるT細胞という細胞の中でどう働くかを調べた。この遺伝子が働くと、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)を出すことを突き止めた。

逆に、患者の血液からT細胞を取り出してこの遺伝子の働きを抑えると、細胞が出すサイトカインが減ることもわかった。マウスを使った動物実験でも、この遺伝子の働きを抑えると病気の症状が改善した。薬の開発への糸口になる可能性がある。(YOMIURI ONLINE)

多発性硬化症とは?
脳や脊髄など中枢神経に脱髄変化(神経線維を保護している髄鞘が破壊されること)が生じて、運動障害や知覚障害が起きる病気です。ウイルスかアレルギーあるいは免疫反応異常が原因とされていますが、はっきりわかっていません。厚生労働省の難病の指定(特定疾患)を受けています。

「多発性」と名がつくように、数々の神経障害がみられます。典型的な症状は視力障害で、ものが二重に見えてたり、視力低下、痛みなどが起こります。手足の力が抜ける、動きがぎこちなくなるなどの運動障害もよくみられます。
そのほか、体の一部が刺されるような異常感覚、しびれ、痛みをともなうことがあります。

多発性硬化症は30歳前後に発症しやすく、寛解(症状が消失すること)と再発を繰り返していくうちに重症化していきます。

膵臓に遺伝子注入し、インスリン分泌細胞を作成

膵臓に遺伝子を入れるだけで、血糖値を下げるインスリンを分泌するベータ細胞を作り出すことに、米ハーバード大のダグラス・メルトン教授らのグループがマウスの実験で成功した。
当地で始まった国際幹細胞研究学会で発表した。様々な組織の細胞に変化する胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や新型万能細胞(iPS細胞)を使わずに簡単につくることができ、ベータ細胞が破壊され、インスリンを作れない1型糖尿病の治療への応用が期待される。

メルトン教授らは、遺伝子操作でベータ細胞を作れないようにしたマウスの膵臓に、ウイルスを運び役にして膵臓に関連した遺伝子を注入。1100種類を試し、受精卵から膵臓ができる過程で働いている3遺伝子がベータ細胞を効率よく作るのに欠かせないことを突き止めた。

この3遺伝子を入れた2割のマウスで、膵臓の95%を占める外分泌細胞の一部が、ベータ細胞と極めて似た細胞に変わった。インスリンが分泌され、血糖値が下がるのも確認された。直接、ベータ細胞の状態に変わったとみられる。

1型糖尿病患者は、インスリンを注射するしか血糖値を調節できないため、ベータ細胞をES細胞やiPS細胞などから作製する研究が世界中で行われている。(YOMIURI ONLINE)

1型糖尿病
自己免疫などが原因ですい臓のβ細胞が破壊されて、インスリンの分泌量が絶対的に不足して起こるタイプの糖尿病を1型(インスリン依存型)糖尿病といいます。
急激なインスリン分泌の低下によって突然起こるのが特徴です。25歳以下で発症するケースが多く、肥満との関連性はありません。

アルコールを飲む人は関節リウマチになりにくい?

アルコールを飲む人は、飲まない人に比べて、関節リウマチになりにくいという研究結果を、スウェーデン・ストックホルムのカロリンスカ研究所が発表した。詳細は、英医学学会の専門誌「Annals of the Rheumatic Diseases」に掲載されている。

研究によると、アルコールを適度にたしなむ人は、アルコールを飲まない、またはたまに飲む人に比べ、関節リウマチになる確率が40-45%低かった。そして、アルコールをよく飲む人では50-55%も低くなったという。

最も驚くべき結果は、遺伝子的に関節リウマチになりやすいと思われていた喫煙者が飲酒している場合、関節リウマチになる確率が格段に低くなるということだった。
先進国では、関節リウマチ患者は人口の0.5から1%を占めているとの統計がある。(AFP)

関節リウマチ
自己免疫疾患のひとつで、手足の関節のこわばりや違和感、はれなどを主体に、微熱や倦怠感、体重減少など、さまざまな症状が徐々に現れてきます。
次第に関節炎の症状が現れてきて痛みだします。この関節炎は数ヶ月程度の周期で悪化と軽快を繰り返し、放置しておくと関節が変形したまま動かなくなり、全身にも症状が広がります。

心臓や肺、消化管などに血管炎が起こり、心筋梗塞、肺臓炎、腸梗塞などの症状をひきおこす悪性関節リウマチは、厚生省の特定疾患に指定されており、治療費は公費でカバーされます。

解熱効果のハーブに男性型脱毛症の抑制作用

大阪大と医療用具開発ベンチャーのエム・エム・ティーが共同開発したサプリメントの主成分に男性型脱毛症の進行を抑える働きがあることを、同大の冨田哲也助教らの研究チームがヒトの細胞を使った実験で確かめた。東京で6日開かれる日本抗加齢医学会総会で発表する。

この成分は、発熱などに効くとして古くから欧米で愛用されてきたハーブの一種ナツシロギクから抽出した「パルテノライド」。近年の研究で、がん転移や様々な炎症を引き起こす司令塔役のたんぱく質「NF―kB」に結びつき、転移や炎症を抑える働きがあることが分かっている。

研究チームは、この成分のリウマチや関節炎に対する作用を調べている最中に脱毛症への効果を見つけた。リウマチ患者に与えたところ、痛みが和らいだうえに「髪の毛が太くなったり、薄くなった頭頂部にうぶ毛が生えたりした」(冨田助教)という。

額の生え際や頭頂部の毛が薄くなる男性型脱毛症の原因物質は、男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」(DHT)とされる。DHTの生成には「NF―kB」がかかわっており、パルテノライドがその働きを抑えることで、脱毛症の進行が抑制されると研究チームはみている。(asahi.com)

男性型脱毛症
原因は遺伝やストレス、老化、男性ホルモンなどが考えられています。タイプは額から前頭部にかけてM字型に毛が後退していくM型(例:ブルース・ウィルス)と、頭頂部から円型に脱毛していていくO型(例:パトリック・スチュワート)の2つがあります。

いずれのタイプでも毛周期(毛髪の成長期・退行期・休止期)のサイクルを繰り返すうちに、その周期がしだいに短くなり毛が十分な硬さや太さまで成長できなくなります。
その結果、本数は変わらないのに毛が細いせいで、薄くなったように見えるのです。毛周期が短くなったことで脱毛も早くなり、やがて毛母細胞や毛乳頭が消滅して毛が生えなくなります。

オフィス街での反射紫外線に注意:白内障や翼状片の原因に

都会のオフィス街では直射日光が少なくても、ビルや路面の反射により目はあらゆる角度から有害な紫外線を浴びている恐れのあることが、金沢医大と医療品メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンの共同調査で分かった。

紫外線は視力低下を引き起こす「白内障」や「翼状片」の原因となる。同大の佐々木洋教授(眼科学)は「オフィス街では上からの紫外線を防ぐだけでは不十分。反射や散乱光が強く、日傘の効果は小さい」と指摘。サングラスやUV(紫外線)カットのコンタクトレンズが有効という。

調査の結果、常に太陽に背を向けていても、目に入る紫外線は太陽に顔を向けた状態の最大60−70%に達した上、朝夕と昼を比較しても目が浴びる紫外線量にあまり変化がないことも分かった。

周辺にビルのない金沢医大屋上(床はウレタン張り)の観測だと、太陽に背を向けた時に目が浴びる紫外線は、太陽の方角を向いた場合の平均18%程度。オフィス街ではビルや路面の反射で、顔が向いている方向や時間帯に関係なく紫外線を浴びているとみられる。(東京新聞)

翼状片(よくじょうへん)
白目の表面を覆っている結膜が、目頭から中心部に向かって伸びてくる病気です。自覚症状としては異物感のほかに、充血などがなど現れます。詳しい原因は不明ですが、高齢者に多いみられるため、発病には紫外線が関係していると考えられています。

翼状片自体は悪性の組織ではなく、症状がなければ放置しても問題はないのですが、充血や異物感が強くなってくれば点眼などの治療を行います。根本治療には手術が必要です。

高血圧治療剤「アムロジピン」の後発薬が承認へ

沢井製薬東和薬品など後発医薬品大手は7月にも過去最大級の後発薬を発売する。日本で売られている医療用医薬品で販売額が最も多い高血圧治療剤「アムロジピン」(成分名)の後発薬で、すでに38社が厚生労働省から製造販売承認を取得した。各社はアレルギー治療剤などの後発薬も相次ぎ投入する計画で、後発薬普及に向けての試金石になりそうだ。

アムロジピンは米ファイザー大日本住友製薬が現在販売。年間売上高は合計2000億円で、日本で売られている医療用医薬品で最も多い。3月に特許が切れており、沢井など後発薬大手のほか、新薬メーカーの後発薬子会社などが一斉に後発薬を発売する見通しだ。(nikkei.net)

後発医薬品
医療用医薬品には同じ成分、同じ効き目でも値段の高い薬(先発医薬品)と安い薬(後発医薬品)があります。後発品は、欧米では一般名(generic name成分名のこと)で処方されることが多いため、ジェネリック医薬品とも呼ばれています。

どのような画期的な発明の医薬品でも、その発売からおよそ6年後、または特定年月で特許が切れると、その有効成分や製法等は共有の財産になり、医薬品製造業者は自由に医薬品を製造できるようになるため、同じ成分の医薬品より安く国民に提供できるようになります。

ナチュラルキラー細胞で臓器移植後の肝臓がんを予防

正常な肝臓にある強い抗がん作用を持つナチュラルキラー細胞(NK細胞)を培養・投与することで、肝臓がんで臓器移植を受けた後の患者で、再び肝がんができるのを防ぐことに、広島大の大段秀樹教授(外科学)らが成功した。

肝臓がん患者に移植を行った後、体内に残るがん細胞で、移植した肝臓に再びがんができる場合がある。大段教授らは2年前、移植用の肝臓に通した後の保存液から、強い抗がん作用を持つNK細胞を発見。2日間培養し、肝臓がんを殺す能力を高めたNK細胞の投与を移植患者に始めた。

その結果、2000〜2006年に移植を受け、NK細胞を投与されなかった患者42人のうち4人に再びがんができたが、細胞を投与した14人には現在、がんはできていない。
培養したNK細胞の表面には、肝臓がんを殺す働きを持つたんぱく質が多数生成されるという。

また、肝臓がん患者の7割以上がC型肝炎だが、培養したNK細胞は肝炎ウイルスの増殖を抑えるインターフェロンを作り出す働きも持つ。大段教授らが移植後の患者にNK細胞を投与したところ、何もしない場合と比べ、ウイルスの量を一時100分の1まで減らすことが出来たという。(YOMIURI ONLINE)

肝臓がんについて
肝臓にできるがんの9割を占めているのが、肝細胞に発生する肝細胞がんです。
一般に肝臓がんといえば肝細胞がんのことをいいます。発症初期は、全身倦怠感、腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振などがみられます。

進行すると、腹水や黄疸、体重減少をきたします。さらに、肝臓がんが破裂したり消化管出血が起こると、突然の腹痛と貧血状態におちいります。

肝臓がんの診断に際しては、GOTやGPTなど各種の血液検査のほか腹部超音波やCT、腹腔鏡、MRIなどさまざまな検査が行われます。また、確定診断のためには肝生検が必要となります。

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