肺がん患者への自家移植手術に成功:岡山大学病院

肺がんを患った患者の片肺を体外に摘出し、冷凍保存した状態で患部と周辺を切除した後、がんにがんに侵されていない部分を体内に戻す「自家移植」手術に岡山大学病院が成功しました。

QOLを維持できるのが特徴

自家移植は自分の組織を戻すため、拒絶反応が起きないというメリットがあります。執刀医である同大呼吸器外科の大藤剛宏講師によると、肺の自家移植成功は国内初で、移植手術での臓器保存技術を活用した例は世界初。

患者は広島県在住の60歳代の男性。右肺の主要な部分が侵されていたため、病巣のみの切除は困難で、右肺の全摘が必要と診断されていました。しかし、摘出すると息切れなどのQOLの低下が問題となっていました。

そこで同病院はこの患者の右肺を摘出し、一般の臓器移植で用いられている冷却保存を行いながら、右肺の詳しい検査を実施。正常な肺の下部のみを切り離し、約2時間後に体内に戻して、気管支や血管に繋ぎました。肺の一部を戻したことにより、男性は肺活量の約70%を確保、現在は退院してゴルフなどの運動ができるまでに回復しています。

国立がん研究センターの統計によると、肺がんで亡くなる患者数は年間で約6万6000人(がんの中で最多)。従来、全摘が望ましくても、術後の呼吸不全などを避けるため、抗がん剤治療など内科的な対応しかできないケースが少なくありませんでした。今回の手法は今後の肺がん治療の選択肢を広げることになると期待されています。

育児・介護休業を取得した看護師 復職を支援するため、病院・クリニックやナースセンターでは、採血や心電図・吸引などの看護技術の再習得プログラムが開催されています。

全腸管型ヒルシュスプルング病の手術に成功

石川県立中央病院は、生まれつき腸の大部分の神経機能がない難病「全腸管型ヒルシュスプルング病」の男児(2歳)の手術に成功したと発表しました。

国際会議BAPSで発表

手術は神経機能を持った一部の正常な腸管に切り込みを入れて縫合、筒状に形成する「STEP」と呼ばれる方式で、この手法による成功は正解で初めて。執刀医の下竹孝志小児外科部長は「従来救命が難しいとされてきた、ヒルシュスプルング病の治療の道が開けた」と話しており、成果は7月21日から開催されるイギリス小児外科学会国際会議(BAPS)で発表される予定です。

ヒルシュスプルング病は、腸が動かして内容物を肛門側に移動させることができないため、重い便秘や腸閉塞を発症する病気。新生児の5000人に1人の割合で発症するといわれています。今回、手術が成功した男児は最も重い全腸管型で、小腸や肝臓が機能しなくなり死亡するケースが多く、従来は小腸移植しか治療法がありませんでした。

この男児は小腸の途中から腸閉塞を起こしており、正常な神経がある部分はわずか20センチほどで、しかも通常より太い状態になっていましたが、石川県立中央病院は、この太くなったこと腸管を利用。左右からジグザグの形に切って伸ばし、余分なすき間を縫合することにより1メートルにまで伸ばし、人工肛門につなぐ手術(STEP)を行いました。

男児は術後4ヶ月で退院しており、現在の小腸の長さは、およそ1メートル30センチ、太さも通常並みと見込まれています。通常の食事を摂ることもでき、体重も増えるなど、順調に回復しています。

糖尿病の新しい診断基準が施行

5月に開催された第53回日本糖尿病学会年次学術集会での決定を受け、11年ぶりに改訂された糖尿病の新しい診断基準が7月1日から施行されました。

当面はJDS値

今回、最も大きく変わった点は、診断基準に「HbA1c」が追加されたことです。国内における診断データを利用して、網膜症の出現や血糖値の診断基準値との関連性に基づいた検討を行った結果、その基準値は「HbA1c 6.5%以上」(JDS値:6.1%)となりました。

HbA1cは特定健診糖尿病実態調査国民健康・栄養調査などにも広く活用されていますが、従来の診断基準では、@空腹時血糖値126mg/dL以上、A75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上、B随時血糖値200mg/dL以上――のいずれかが認められる場合に糖尿病と診断され、HbA1c値はあくまでも「補助的な項目」でした。

HbA1cが診断基準に「格上げ」された背景として日本糖尿病学会は、@糖尿病とHbA1cに関するエビデンス(科学的な根拠)が飛躍的に集積されてきたこと、Aすでに普及しており、検査も行いやすく、測定精度も向上していること――の2点を挙げています。

今回の診断基準を採用するにあたって問題となったのが、海外のHbA1cの診断基準との整合性でした。日本国内における診断値にはJDS値が使われていますが、それ以外の国では米国基準のNGSP値が使用されています。そのため、日本は薬剤の臨床開発など国際共同研究の場に参加できない状況が続いていました。

この状況を改善するために、新しい診断基準では従来のJDS値に互換値となる0.4を加え、NGSP値に相当する新たなHbA1c値への移行を推進することが決まりました。

ただ、NGSP相当値への早急な移行は、施設や患者の混乱を招く恐れがあるとして、臨床現場においては十分な周知が行えるように、当面の間は従来通りJDS値を使用します。そして、日本糖尿病学会が別途告示する日時をもって、臨床現場でもNGSP相当値に切り替える方針です。

新診断基準にHbA1c値が加わったものの、糖尿病の診断に血糖値が必須である点は変わりません。患者が「HbA1c6.5%以上(JDS値:6.1%」のみを満たすだけでは糖尿病と診断できず、HbA1cと同時あるいは再検査で血糖値を測定し、血糖値も診断基準を超えて糖尿病型であった場合に初めて糖尿病と診断されます。

1回目の検査でHbA1c値で糖尿病型と診断され、再検査で再度診断されても、血糖値が糖尿病型でなければあくまで「糖尿病疑い」にとどまります。また、血糖値のみ糖尿病型の場合、糖尿病の典型的症状、または確実な糖尿病網膜症が見られれば糖尿病と診断されます。

7月のトピックスのまとめ

スイカにED治療薬「バイアグラ」の類似効果
スイカに含まれる「シトルリン」が体内でアミノ酸の一種である「アルギニン」になり、バイアグラを服用したときと同様、血管拡張、血流量の増加などを促す効果があるという。

プール熱が流行の兆し:手洗いなどの予防対策の徹底を
プール熱は、39度前後の高熱やのどの痛み、結膜炎などを3〜5日間にわたり発症する病気で、目やにやつば、便などを通じて感染する。保育施設などでは、プール行事をきっかけに流行が拡大することも多い。

ホルモン補充療法に初めての指針
同治療法は米国で乳がんの発症リスクが高まるとの報告があったが、両学会で検証した結果、投与法次第でリスクより症状緩和の利点が大きいと判断、治療法の指針を初めてまとめた。

新薬承認の迅速化に向け、治験の規制を緩和へ
最近は治験を海外と連携して実施する「国際共同治験」が増えているが、日本の対応の遅さが全体の足を引っ張る事態が問題視されていた。新薬承認を欧米並みに早め、患者が望む薬を入手しやすい環境を整える。

人間ドックの2割で緑内障を見落とす危険性
人間ドックの2割は、眼底写真の診断を眼科以外の医師が行っており、見落とされる危険が高いことが患者団体の調査でわかった。

粘膜アイラインはドライアイなどの原因に
こうした化粧法の影響を調べるため、20代の健康な女性の目の縁に化粧して観察したところ、3時間後には目の表面を覆っている涙の層が部分的にはげたり厚さが不均一になり、目のかすみや痛みを生じるドライアイの状態になった。

カラーコンタクトを薬事法で規制:安全性の確保へ
カラーコンタクト(カラコン)を使い、目に異常を訴えた人が今年2月までの約2年半に167人に上り、うち21人は失明の恐れがある角膜潰瘍など重症になっていたことが、独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」の調査で分かった。

非遺伝性ALSのモデルマウスを開発
壮年期に突然、全身の筋肉が衰えて寝たきりとなり、数年で死に至る難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」のうち、9割を占める遺伝要因がないタイプのモデルマウスを、東京大と京都大、慶応大の研究チームが開発した。

後発医薬品の品質検証に新システム:不信感の一掃が狙い
従来品に劣ると指摘する研究論文を、複数の研究者による検討会で精査し、後発医薬品に問題がないかを判断する。

処方箋の4割に後発医薬品への「変更不可」署名
日本調剤の薬局に提出された処方せんの4割に、特許の切れた先発医薬品より安い後発医薬品への変更を不可とする医師の署名があることが、同社の調べで分かった。

熊谷市で熱中症情報発信システムがスタート
危険度は、外出を避ける「危険」、炎天下を避ける「厳重警戒」から「警戒」「注意」「ほぼ安全」の5段階。HPでは、30校区ごとに「危険」の赤から「ほぼ安全」の水色まで色分けして示す。

顎関節症をICレコーダーとイヤホン型マイクで診断
超小型マイクを内蔵したイヤホンを開発。患者の両耳に差し込み、頭蓋骨に伝わる関節音をICレコーダーで録音。これを市販のパソコン音楽ソフトに取り込んで波形を表示し、左右のあごの音の大きさを比較、左右のタイミングのずれや音の質などを診断する。

コンビニで風邪薬や解熱鎮痛剤の販売も:来年4月に新制度
風邪薬などの販売店が増えれば消費者の利便性は向上する。だが新資格者の配置が必要なためすぐには広がらないとの見方があるほか、資質の確保も課題となりそうだ。

くも膜下出血の患者の約5〜8%で出血を見逃される可能性
激しい頭痛があれば、頭部CT(コンピューター断層撮影)検査をするが、軽い頭痛程度の患者まで全員を検査できない、という。こうした見逃しの確率が示されるのは珍しい。

怒りやすい人は心筋梗塞になりにくい?:欧米と逆の調査結果
研究班の磯博康大阪大教授(公衆衛生学)は「日本では、せっかちな男性の方がストレスを意外にうまく発散し、のんびり型の男性が内にストレスをため込む傾向があるのかも」と話している。

アトピー性皮膚炎のかゆみを抑えるタンパク質を確認
神経細胞の成長を妨げる働きをする体内のたんぱく質「セマフォリン3A」に注目した。アトピー性皮膚炎のモデル動物であるマウスの皮膚に投与すると、皮膚炎が改善し、皮膚をひっかく回数が減った。

中皮腫を早期に診断できる血液検査方法の開発
新たな検査方法は、順天堂大の樋野興夫教授(病理学)らが開発。血液に含まれる特殊なたんぱく質の濃度を見ることで、患者に自覚症状が出る前に、中皮腫を診断できる。

線維筋痛症の治療薬を国内治験へ:ファイザー
神経痛などの治療薬として日本で開発を進めている新薬候補物質「プレガバリン」を線維筋痛症の治療薬としても使えるように治験に取り組む。

乳製品からのカルシウム摂取で脳卒中リスクが3割減
日本人の死因3位の脳卒中予防につながる成果で、牛乳なら1日130ミリリットル前後、スライスチーズなら1〜1・5枚で効果が期待できるという。

iPS細胞で医薬品の安全を評価:3年後の実用化を目指す
100人程度の健康な日本人から提供してもらった皮膚などを基にiPS細胞の作製を進めるほか、同研究所に保存されている特定の疾患の細胞からもiPS細胞を作る。その後、薬の毒性評価に必要な、肝臓組織の細胞などに成長させる。

iPS細胞で医薬品の安全を評価:3年後の実用化を目指す

厚生労働省所管の独立行政法人、医薬基盤研究所は、新型万能細胞「iPS細胞」を使って医薬品の安全性を評価する方法の研究を、iPS細胞を開発した山中伸弥・京都大教授らと共同で始めると発表した。3年後をめどに実用化を目指す。

100人程度の健康な日本人から提供してもらった皮膚などを基にiPS細胞の作製を進めるほか、同研究所に保存されている特定の疾患の細胞からもiPS細胞を作る。その後、薬の毒性評価に必要な、肝臓組織の細胞などに成長させる。

また、がん化が懸念されている従来の方法とは異なる、より安全で効率的なiPS細胞の作製方法の研究も合わせて進めるとしている。(Shikoku.news)

iPS細胞
数種類の遺伝子を体細胞に導入して、様々な細胞に成長することができる能力を持たせた細胞のことです。山中伸弥京都大教授らが2006年、マウスの皮膚細胞から作製、2007年11月、ヒトの皮膚細胞からの作製にも成功して大きなニュースとなりました。

患者自身の細胞からつくったiPS細胞は患者と同じ遺伝情報を持つため、再生医療に使った場合、拒絶反応がありません。病気の仕組み解明や薬の開発、副作用試験の応用も期待されています。

また、受精卵(胚)を材料としたES細胞とは異なり、倫理問題を回避できるのも利点で、ES細胞の研究に難色を示していたローマ法王もiPS細胞の研究は容認しています。

乳製品からのカルシウム摂取で脳卒中リスクが3割減

牛乳やチーズなどの乳製品からカルシウムを多く取る人は、ほとんど取らない人に比べて脳卒中の発症率が約3割少ないことが、厚生労働省研究班の大規模調査で明らかになった。
米医学誌ストロークに今月掲載された。日本人の死因3位の脳卒中予防につながる成果で、牛乳なら1日130ミリリットル前後、スライスチーズなら1〜1・5枚で効果が期待できるという。

研究班は、岩手、秋田、長野、沖縄の4県在住の40〜59歳の男女約4万人を、90年から12年間追跡し、食事など生活習慣と発病の関係を分析した。
02年までに、1321人が脳卒中を発症。乳製品から取ったカルシウムの量で5グループに分けると、1日の摂取量が平均116ミリグラムと最も多いグループは、ほぼゼロのグループに比べて脳卒中の発症率が0・69倍にとどまった。大豆製品や野菜、魚など、乳製品以外から摂取したカルシウムでは、効果はみられなかった。

研究班の磯博康・大阪大教授(公衆衛生学)は「カルシウム摂取が多いと血圧が低くなるため、脳卒中予防につながったのではないか。乳製品は他の食品よりも腸での吸収率が数倍高く、効率良くカルシウムが取れたようだ」と説明する。(毎日.jp)

脳卒中について
高血圧で動脈に高い圧力が日常的にかかっている状態だと、脳の細い動脈が疲労して、突然詰まったり、出血することがあります。また、動脈硬化があれば、脳の比較的太い血管が詰まることがあります。

そうなると、血液の循環に障害が起こり、酸素や栄養が脳に届かず、その働きが低下したり脳細胞が死亡します。それによって運動機能や言語機能が麻痺したりするのが脳卒中です。
いずれも生命の危機が発生します。脳卒中の起こりかたで脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞などに分かれます。

線維筋痛症の治療薬を国内治験へ:ファイザー

製薬大手ファイザーは激しい痛みを伴う難病「線維筋痛症」の治療薬の開発に乗り出す。線維筋痛症は筋肉など全身の様々な場所で痛みを感じ、重症の場合は日常生活にも支障が出る。
まだ日本に治療薬がないことから、患者の間で要望が強かった。同社は年内にも臨床試験(治験)を始める方針だ。

神経痛などの治療薬として日本で開発を進めている新薬候補物質「プレガバリン」を線維筋痛症の治療薬としても使えるように治験に取り組む。線維筋痛症の患者に投与して安全性や有効性のデータを集め、早期に製造販売承認を申請したい考えだ。(NIKKEI NET)

線維筋痛症とは?
全身に原因不明の鋭い痛みが生じる病気で、2007年に亡くなられた元日本テレビの女性アナウンサー、大杉君枝さんがこの病気と闘っておられたのでご存知の方も多いと思います。
この病気は、通常の血液検査では異常が現れず、現在のところ、治療法も確立されていない段階です。

症状としては、全身に「電気が走るような」や「ガラスの破片が流れるような」と表現される激しい痛みが生じます。症状には個人差があり、軽度なら仕事を続けられる場合もありますが、重度の場合は日常生活に支障をきたし自力で生活できないケースも少なくありません。

処方箋の4割に後発医薬品への「変更不可」署名

調剤薬局チェーン大手の日本調剤の薬局に提出された処方せんの4割に、特許の切れた先発医薬品より安い後発医薬品への変更を不可とする医師の署名があることが、同社の調べで分かった。

後発薬を使用するにはこれまで医師が「変更可」と署名することが必要だったが、国は後発薬の使用を促すため、4月に処方せんの様式を変更。「変更不可」と署名された場合以外は変更が可能となった。日本調剤は全国薬局で扱う処方せん枚数の2%弱のシェアだが、他の薬局でも同様の傾向があれば国はあらためて対策を迫られそうだ。

後発薬への「変更不可」を医師が署名した場合でも、処方せんに理由の記載欄はない。日本調剤の全国の薬局に出された処方せんのうち、不可の署名は4月が39%、5月が40%、6月が42%と増加した。(shikoku.news)

後発医薬品(ジェネリック医薬品)
先発医薬品の認可後、有効性や安全性を再度確かめる厚生労働省の「再審査」のための調査が、原則6年間行なわれます。再審査と特許期間(20〜25年)が終わると、他の製薬会社もその有効成分を使って医薬品を作ることができるようになります。

こうして、先発医薬品と同じ有効成分を使って、特許期間が終わった後に発売される医薬品がジェネリック医薬品です。このため、先発医薬品に対して「後発医薬品」と呼ばれます。

中皮腫を早期に診断できる血液検査方法の開発

アスベストを原因とするがんの一種、中皮腫を早期に診断できる血液検査方法の開発に成功したと、順天堂大と建設労働者らでつくる東京土建一般労働組合などの研究チームが発表した。
中皮腫は病状の進行が早く、発症後の生存期間は1〜2年程度といわれており、早期診断で患者の生存率向上が期待される。

新たな検査方法は、順天堂大の樋野興夫教授(病理学)らが開発。血液に含まれる特殊なたんぱく質の濃度を見ることで、患者に自覚症状が出る前に、中皮腫を診断できる。従来の診断では、肺などの組織の採取やCT検査をするが、症状の進行後にしか分かりにくい点が課題だった。

研究チームでは昨年2月から今年3月、石綿を吸った疑いのある建設労働者とその家族計2万2450人を対象に新検査を実施。このうち中皮腫の可能性が高い人が28人判明し、追加検査の結果、1人について、本人に自覚症状がない段階で中皮腫であることが確認できた。(asahi.com)

中皮腫について
アスベスト(石綿)を扱う仕事に長年従事した人に発病しやすいといわれていましたが、石綿関連工場の周辺に住んでいた人にも発症したことがわかり、社会問題になっています。

中皮腫の症状には、息切れや胸痛、疲労感などがみられますが、診断をつけるのは難しく、胸部エックス線検査で胸水と胸膜肥厚がある場合にこの病気を疑います。

正確に診断がつけば、手術で腫瘍と周辺組織を切除します。併せて抗がん剤や放射線療法を行うことがあります。ただ、高齢になってから発症するケースがほとんどで、また、発見されたときはかなり進行していることが多いため、手術が困難なうえ、抗がん剤や放射線治療も、効果はあまり期待できません。

アトピー性皮膚炎のかゆみを抑えるタンパク質を確認

横浜市立大学医学部の五嶋良郎教授や池沢善郎教授らの研究チームは、アトピー性皮膚炎のかゆみを抑える効果のあるたんぱく質を見つけた。マウスの実験で、アレルギー反応にかかわる炎症細胞や皮膚の神経の量が減ってかゆみが抑えられるのを確認した。治療薬への可能性を探る。

神経細胞の成長を妨げる働きをする体内のたんぱく質「セマフォリン3A」に注目した。アトピー性皮膚炎のモデル動物であるマウスの皮膚に投与すると、皮膚炎が改善し、皮膚をひっかく回数が減った。 (NIKKEI NET)

アトピー性皮膚炎について
花粉やほこり、ダニ、特定の成分などに過敏に反応し、湿疹にも見える皮膚炎が起こる病気です。アトピー体質という特異的な体質の人に起きるもので、遺伝性が強いといわれています。特に成人になってから発症するケースが増加する傾向にあります。

最近の住環境は、ダニが繁殖しやすく、それらがアレルギー症状の原因物質(アレルゲン)となっていると考えられています。

年代によって症状の現れ方は異なりますが、思春期以降は、首のまわりが黒ずみ、皮膚が苔癬化(厚ぼったく、きめが荒い状態)して、強いかゆみを訴えます。

顔面に紅班が生じるケースもあり、角質が剥がれ落ちてしまうこともあります。
季節によって症状の重さは変化します。通常は夏季に軽減し、冬季は乾燥して悪化します。

怒りやすい人は心筋梗塞になりにくい?:欧米と逆の調査結果

「せっかち」「怒りっぽい」などの特性がある男性は、比較的のんびりした人より、心筋梗塞などの虚血性心疾患になりにくい可能性がある−との疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が発表した。

欧米の研究では逆に、せっかちな方が日常のストレスが大きく、心疾患のリスクが高いとされている。今回の調査でも女性は、欧米と同様の傾向がみられた。

研究班の磯博康大阪大教授(公衆衛生学)は「日本では、せっかちな男性の方がストレスを意外にうまく発散し、のんびり型の男性が内にストレスをため込む傾向があるのかも」と話している。(shikoku.news)

心筋梗塞について
狭心症がさらに進行して、心筋に酸素を補給している冠状動脈がつまり、心筋が壊死した状態が心筋梗塞です。40歳代から発症率が高くなり、50〜60歳代がピークです。

大部分は、動脈硬化によって内側が狭くなっている冠動脈に血液の塊(血栓)が詰まって起こりますが、冠状動脈の一部に球に痙攣が生じて起こる場合もあります。

症状は突然の激しい胸痛で始まります。締め付けられるような激しい痛みや圧迫感のために冷え汗を流し、安静にすることができません。ときには意識を失うこともあります。

新薬承認の迅速化に向け、治験の規制を緩和へ

厚生労働省は医療機関が薬の効能を検証する治験(臨床試験)の規制を緩和する。事前に必要な倫理審査について、参加するすべての医療機関に義務付けるのではなく、中核となる研究機関が一括してできるようにする。

最近は治験を海外と連携して実施する「国際共同治験」が増えているが、日本の対応の遅さが全体の足を引っ張る事態が問題視されていた。新薬承認を欧米並みに早め、患者が望む薬を入手しやすい環境を整える。

治験では症例数を確保するため複数の医療機関が参加する。参加する医療機関は安全性の疑問や人権上の問題がないかなどを内部に委員会を設けて審査する必要がある。
これまでは参加するそれぞれの医療機関による審査が原則だったため、一機関でも決定が遅れると治験全体に遅れが生じる事態を招いていた。(NIKKEI NET)

治験
動物を使った前臨床試験で十分な薬効と安全性が認められた薬剤は、実際にヒトに投与され、主作用と副作用が検討されます。これが臨床試験ですが、一般的には治験と呼ばれ、3段階に分かれます。

試験は2つのグループに分けて行なわれます。実際に検討する薬剤と、何の効果もないプラセボと呼ばれる偽の薬剤をそれぞれのグループに同じ用量、同じ条件で投与し、その経過と結果を評価します。

ただし、グループ分けされてることは被験者には知らされていません。これを二重盲検法といい、治験はこの方法で行なわれます。

ホルモン補充療法に初めての指針

日本産婦人科学会日本更年期医学会は共同で、女性の更年期症状を改善するための「ホルモン補充療法」の指針をまとめた。冊子にして来年から医師などに配布する。

同治療法は米国で乳がんの発症リスクが高まるとの報告があったが、両学会で検証した結果、投与法次第でリスクより症状緩和の利点が大きいと判断、治療法の指針を初めてまとめた。

ホルモン補充療法は、閉経に伴って減少するホルモン「エストロゲン」などを薬で補い、ひどいのぼせや不眠、抑うつ症状など更年期症状の改善を目指す。これまでの治療は、乳がん発症リスクが指摘されたことから医師の個人的な技量に任されてきた。(NIKKEI NET)

ホルモン補充療法(HRT)とは
更年期障害の起こる原因は複雑で、エストロゲンの急激な減少をきっかけに、その人を取り巻く環境や気質が絡み合って起こるといわれています。
ホルモン補充療法とは、そのうちのホルモンの不足で起こる症状に対しての治療法です。不足した女性ホルモンを外から補い、ホルモンのバランスを調整することで治そうというものです。
一般的に、のぼせ、発汗、動悸、イライラなど、自律神経失調症、また不眠、うつ状態、尿失禁などの症状に効果があります。

2002年にアメリカで、乳がんなどのリスクが高まるということで知見が中止されるなど情報が混乱したので、日本産婦人科学会など3団体は、これまで次のような見解を提示していました。

  • エストロゲンとプロゲステロンを併用している人は、乳がんの定期健診を行ないながら続行する。
  • 心筋梗塞、狭心症、大腸がんなどの予防のために併用療法を開始するのは、妥当ではないと考えられる。
  • 更年期障害に対しては、メリットのほうが大きいと考えられる。それでも十分に情報交換をし、話し合って治療方針を決定する。

非遺伝性ALSのモデルマウスを開発

壮年期に突然、全身の筋肉が衰えて寝たきりとなり、数年で死に至る難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」のうち、9割を占める遺伝要因がないタイプのモデルマウスを、東京大と京都大、慶応大の研究チームが開発した。都内で開催中の日本神経科学大会で発表した。詳しい発症メカニズムの解明や治療薬の開発に役立つと期待される。

ALSは脳や脊髄(せきずい)の運動神経細胞が過剰興奮して死ぬことで起きる。東大大学院医学系研究科の郭伸准教授らは2004年、死亡患者の運動神経細胞を調べ、「グルタミン酸受容体」の構成部品の異常を発見したと英科学誌に発表した。(YOMIURI ONLINE)

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは?
運動神経細胞の死滅や損傷によって起こる病気(運動ニューロン病)の一つです。主に40〜50歳以降にみられ、手足やのど、舌などの筋肉が次第にやせて、力が出なくなります。

最初は手指が動かしにくく、ひじから先の筋肉がやせてきます。筋肉が衰えると、不規則にピクピク動く症状(筋線維束攣縮)がみられるようになります。のどの筋肉がやせると、話しにくい、飲み込みにくいといった症状が現れます。
症状は進行し、平均2〜3年で呼吸障害に至り、人工呼吸器が必要になります。ただ、感覚や知能は末期まで保たれるのが普通です。

現在、治療法は確立されていません。病気の進行を遅らせるリルゾールの服用で、生存期間を延長させることが可能な場合があります。対症療法としては、痛みには鎮痛薬や適度なリハビリテーションが、不安や不眠には抗うつ薬や睡眠薬が用いられます。

カラーコンタクトを薬事法で規制:安全性の確保へ

若い女性を中心に人気が高いおしゃれ用カラーコンタクト(カラコン)を使い、目に異常を訴えた人が今年2月までの約2年半に167人に上り、うち21人は失明の恐れがある角膜潰瘍など重症になっていたことが、独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」の調査で分かった。

調査結果を受け、厚生労働、経産両省は同日、カラコンを通常の視力矯正用コンタクトレンズと同様に医療機器として薬事法で規制し、安全性を確保する方針を固めた。

NITEが全国の眼科医を対象に行ったアンケート調査では、カラコンによる目に異常が起きたのは167人で、角膜炎、角膜潰瘍などを発症していたことが判明。このうち21人が失明につながる恐れがある重症で、軽症も146人、後遺症の可能性がある人も19人に上った。(毎日.jp)

角膜浸潤・角膜潰瘍とは?
角膜浸潤は、角膜に傷ができて角膜上皮および実質に炎症を起こしている状態です。さらに悪化すると、局所の角膜上皮が欠損して、より深い病巣が進み、角膜潰瘍に至ります。角膜潰瘍は、角膜上皮を肥えて実質にまで深い傷ができている状態です。

コンタクトレンズ障害の中でも最も重症に分類され、失明の可能性もあります。特に角膜潰瘍は、傷が治っても角膜が白くにごり、視力が著しく低下します。

後発医薬品の品質検証に新システム:不信感の一掃が狙い

厚生労働省は10日、特許切れの有効成分を使って従来品とは別のメーカーが製造する「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」について、新たな品質検証の仕組みを導入する。

従来品に劣ると指摘する研究論文を、複数の研究者による検討会で精査し、後発医薬品に問題がないかを判断する。製薬企業側に不適切なデータ取得などの不正が見つかれば、承認取り消しも視野に厳正に処分し、医療現場に広がる後発医薬品に対する不信感の一掃を狙う。

後発医薬品は従来品と同じ有効成分を使うが、着色料などの添加物が違うため、品質を疑う医師や薬剤師が多い。一部の薬に対しては、「不純物が混ざっている」「効かない」などと批判する論文や症例報告も出ており、後発医薬品が市場で半分を占める米英に比べ、日本では17%(2006年度)と低迷している。(YOMIURI ONLINE)

後発医薬品
医療用医薬品には同じ成分、同じ効き目でも値段の高い薬(先発医薬品)と安い薬(後発医薬品)があります。後発品は、欧米では一般名(generic name:成分名のこと)で処方されることが多いため、ジェネリック医薬品とも呼ばれています。

どのような画期的な発明の医薬品でも、その発売からおよそ6年後、または特定年月で特許が切れると、その有効成分や製法等は共有の財産になり、医薬品製造業者は自由に医薬品を製造できるようになるため、同じ成分の医薬品より安く国民に提供できるようになります。

くも膜下出血の患者の約5〜8%で出血を見逃される可能性

くも膜下出血の患者のうち約5〜8%が、最初の受診で風邪や高血圧症などと診断され、出血を見逃される可能性のあることが、日本脳神経外科学会の調査でわかった。

激しい頭痛があれば、頭部CT(コンピューター断層撮影)検査をするが、軽い頭痛程度の患者まで全員を検査できない、という。こうした見逃しの確率が示されるのは珍しい。

同学会は昨年1月から今年5月に宮城県内の病院に入院したくも膜下出血の患者198人について、確定診断を受けるまでの経緯を調べた。開業医などの初診では、頭痛や肩こりといった症状を訴えた10人は風邪や高血圧症などとされ、CT検査もなかった。(YOMIURI ONLINE)

くも膜下出血
脳は軟膜、くも膜、硬膜かの3層からなる髄膜に覆われています。軟膜とくも膜の間には太い動脈が走っています。その動脈から出血した状態がくも膜下出血で、血液が脳表全体に広がります。

出血時に、後頭部を鈍器で殴られたような激痛と嘔吐をともなうのが特徴です。一時的に意識を失うこともあり、重症例では意識が回復しないまま、大事に至ることもあります。

コンビニで風邪薬や解熱鎮痛剤の販売も:来年4月に新制度

2006年の薬事法改正に基づく一般用医薬品(大衆薬)の新たな販売方法を議論してきた厚生労働省の検討会が4日、薬への表示や副作用の説明義務についての報告書をまとめ、コンビニエンスストアなど薬局以外でも風邪薬や解熱鎮痛剤の販売を一定条件下で認める新制度の詳細が固まった。

新設した「登録販売者」の資格を持った人を店に置けば、副作用リスクが高い一部の薬を除く大半の薬を売れるようにし、ビタミン剤はインターネット販売も認めるなど、リスクによって扱いを差別化。製品にもリスク分類の表示を求める。同省はこれを受け改正法の省令を整備、来年4月の全面施行を目指す。

風邪薬などの販売店が増えれば消費者の利便性は向上する。だが新資格者の配置が必要なためすぐには広がらないとの見方があるほか、資質の確保も課題となりそうだ。(香川NEWS)

一般用医薬品
薬には、医師が処方する医療法医薬品(処方薬)と、薬局で販売されている一般用医薬品(市販薬・大衆薬などとも呼ばれます)があります。一般用医薬品は、OTC(オーバー・ザ・カウンターの略で、カウンター越しに入手する医薬品という意味)ともいいます。

医療用医薬品のうち、安全性の面で問題がないとは認められたものは、一般用医薬品に切り替えられるものがあります。これを、スイッチOTCといいます。

粘膜アイラインはドライアイなどの原因に

若い女性を中心に流行中の、まぶたの際にアイラインやアイシャドーを塗る化粧法が、ドライアイなどの病気を起こす可能性が高いことが岩手県奥州市の開業医、鈴木武敏医師らの調査で分かった。

女性誌などでは「目が大きくはっきり見える」として、まつげの間を埋めるようにアイラインを塗ったり、下まぶたの際の粘膜にアイシャドーを塗る化粧法が紹介されている。

こうした化粧法の影響を調べるため、20代の健康な女性の目の縁に化粧して観察したところ、3時間後には目の表面を覆っている涙の層が部分的にはげたり厚さが不均一になり、目のかすみや痛みを生じるドライアイの状態になった。

また、目の縁に濃い化粧をしている24〜45歳の受診患者8人について、目の表面の涙が乾き始めるまでの時間を計ったところ、全員が正常とされる10秒を下回った。まぶたの縁には目を保護する油を出す分泌腺があり、この腺が化粧でふさがれたためとみられる。(毎日.jp)

ドライアイ
涙の分泌が目の乾燥に追いつかず、目の表面が乾いてしまった状態です。長時間に及ぶPC作業や車の運転といった、目を酷使する作業を行なった後に一時的に起こったり、涙のできにくくなるシェーグレン症候群から起こることもあります。

目が乾くという自覚症状はそれほどでもなく、目が疲れやすいといった訴えが最も多く、目がごろごろする、重い、熱い、充血するなど、人によって感じる症状は様々です。

スイカにED治療薬「バイアグラ」の類似効果

スイカを食べると、性的不能治療薬「バイアグラ」に似た効果が得られる可能性があるとする研究成果を、米テキサスA&M大学野菜果物改良研究所が発表した。

同研究所のホームページなどによると、スイカに含まれる「シトルリン」が体内でアミノ酸の一種である「アルギニン」になり、バイアグラを服用したときと同様、血管拡張、血流量の増加などを促す効果があるという。

同研究所のビム・パティル教授は「スイカはバイアグラと異なり、特定の器官に効果を生むことはないかもしれないが、すばらしい点は副作用が全くないことだ」と説明している。
同教授は「スイカは研究すればするほど、人間の体力を増進させる驚くべき効用があることが分かる」とも話しており、今後、新たな研究が進むことが期待されている。(Sankei web)

ED(勃起不全)について
ED(勃起不全)とは陰茎が十分に勃起しないため、性行為が満足に行なえない状態です。
身体的な原因としては、先天性・後天性の陰茎の形体異常、男性ホルモンの不足による発育異常、脳・脊髄の病気による勃起不全などがあります。糖尿病が十分に治療されずに数年以上経過したり、重症になるとEDになることがしばしばあります。

しかしながら、EDを訴える人の多くは、身体の病気は見つからず、いわゆる心因性であることが多いようです。特に新婚の場合は、精神的な原因によって不能になることが多く、過労、心配、早漏による自信喪失なども原因となります。

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。